韓国の自動車大手ヒョンデ(現代自動車)が2025年8月8日に発表した新型電気自動車「インスタークロス(INSTER Cross)」は、同社のコンパクトEVラインナップに新たな風を吹き込むアクティブグレードです。372万9,000円という価格設定で、冒険心溢れるユーザーのニーズに応える設計となっています。
本記事では、インスタークロスの詳細なスペック、装備内容、価格情報から競合他社との比較まで、購入を検討されている方に必要な情報を網羅的にお届けします。
インスタークロスの基本情報・発売日
発売スケジュール
- 発表日: 2025年8月8日
- 先行予約開始: 2025年8月8日
- 正式発売日: 2025年9月10日
- 価格: 372万9,000円
市場での位置づけ
インスタークロスは、ヒョンデが日本市場に再参入して以来、コンパクトEVセグメントにおけるフラッグシップモデルとしての役割を担っています。既存のインスターシリーズの最上位モデルとして位置づけられており、アウトドア志向のユーザーをターゲットにした戦略的なモデルです。
価格体系と競合比較
インスターシリーズ全体の価格構成
グレード | バッテリー容量 | 価格 | 前モデルとの差額 |
---|---|---|---|
Casual | 42kWh | 284万9,000円 | - |
Voyage | 49kWh | 335万5,000円 | - |
Lounge | 49kWh | 357万5,000円 | - |
Cross | 49kWh | 372万9,000円 | +15万4,000円 |
競合他社との価格比較
国内のコンパクトEVセグメントにおいて、インスタークロスは以下のような位置づけとなります:
- 日産サクラ(軽EV): 約240万円~
- 三菱eKクロスEV(軽EV): 約240万円~
- マツダMX-30 EV: 約450万円~
- ホンダe: 生産終了
この価格帯では、輸入車としては競争力のある設定となっており、国産軽EVと上位コンパクトEVの中間ポジションを狙った戦略が見て取れます。
外装デザイン・エクステリアの特徴
アクティブグレード専用デザイン
インスタークロスは、標準のインスターと比較して以下の専用装備を採用しています:
専用エクステリア装備:
- 前後専用バンパーデザイン
- サイドシルプロテクター
- 17インチ専用アルミホイール
- 大型ルーフバスケット
- SUVテイストのスキッドプレート
ボディサイズ・寸法
全長×全幅×全高:3,845×1,610×1,715mm
(標準インスター:3,830×1,610×1,615mm)
ホイールベース:2,580mm
最低地上高:144mm
車重:1,360kg(49kWhバッテリーモデル)
カラーバリエーション
インスタークロス専用色を含む全5色のボディカラーを用意:
専用カラー(3色):
- アマゾナスグリーンマット
- ダスクブルーマット
- アンブリーチドアイボリー
共通カラー(2色):
- トムボーイカーキ
- その他標準色
内装・インテリアの詳細
専用インテリアデザイン
インスタークロスでは、アウトドアテイストを強調した専用内装を採用:
「ダークグレーライトカーキ」専用色:
- グレーとカーキのコンビネーションシート
- ライムイエローのアクセントカラー
- アクティブな印象を演出するカラーコーディネート
実用的な室内空間設計
- シート機能: 運転席を含む全席フラット可能
- 後席スライド: 200mmの調整幅
- ラゲッジ容量:
- 通常時:280L
- 後席スライド時:351L
最新テクノロジー装備
- デジタルメータークラスター
- 最新インフォテインメントシステム
- V2L(Vehicle-to-Load)双方向給電機能
パワートレイン・性能スペック
電動パワートレイン仕様
インスタークロスには49kWhの大容量バッテリーを搭載:
電気モーター:単機構成(前輪駆動)
最高出力:115ps
最大トルク:15.0kgm
バッテリー容量:49kWh
航続距離:393km(WLTCモード)
0-100km/h加速:10.6秒
他グレードとの性能比較
- 42kWhモデル(Casual): 97ps、427km
- 49kWhモデル(Voyage/Lounge): 115ps、458km
- 49kWhモデル(Cross): 115ps、393km
※インスタークロスの航続距離が他の49kWhモデルより短いのは、大型ルーフバスケットなどの空気抵抗増加要因によるものです。
特別装備・オプション
先行予約特典(2択)
1. INSTER 5年 Health Care
- 通常3年のHealth Careを5年に延長
- 4年目法定12ヶ月点検基本料金無料
- 5年目車検基本料金無料
2. INSTERアウトドアセット
- プレミアムネッククッション
- オーガナイザー&サイドテーブル
- 助手席シートバックボードテーブル
- 折りたたみ式チェア
- ピクニックマット
限定初回生産車
早期納車可能な特別仕様車を先着限定で用意:
- トムボーイカーキ×ダークグレーライトカーキ:先着15台
- アンブリーチドアイボリー×ブラックモノトーン:先着10台
競合車種との詳細比較
国産軽EV との比較
項目 | インスタークロス | 日産サクラ | 三菱eKクロスEV |
---|---|---|---|
価格 | 372.9万円 | 239.9万円~ | 239.8万円~ |
航続距離 | 393km | 180km | 180km |
出力 | 115ps | 64ps | 64ps |
全長 | 3,845mm | 3,395mm | 3,395mm |
輸入コンパクトEV との比較
国内で販売される輸入コンパクトEVが限られる中、インスタークロスは独特のポジションを占めています。BMWのi3(生産終了)やMINI Cooperシリーズ(約500万円~)と比較すると、価格面での競争力が際立ちます。
購入検討時のポイント
メリット
- 航続距離の長さ: 393kmという実用的な航続距離
- アウトドア対応装備: ルーフバスケットなど実用性の高い装備
- 価格競争力: 同クラス輸入車として魅力的な価格設定
- V2L機能: 災害時やアウトドアでの給電機能
検討すべきポイント
- 充電インフラ: 日本国内での急速充電網の利用可能性
- アフターサービス: ヒョンデの日本国内サービス体制
- リセールバリュー: 輸入EVとしての将来的な資産価値
ヒョンデの日本戦略とインスタークロスの意義
ヒョンデは2022年2月に日本市場への再参入を発表し、電動化戦略の一環としてインスターシリーズを位置づけています。インスタークロスの投入により、以下の戦略意図が見て取れます:
- 多様化するEVニーズへの対応
- アウトドア・アクティブ層の取り込み
- プレミアム感の演出によるブランド価値向上
まとめ:インスタークロスの市場での立ち位置
ヒョンデ インスタークロスは、372万9,000円という価格で、国産軽EVと輸入プレミアムEVの間隙を狙った戦略的なモデルです。393kmの航続距離と充実したアウトドア装備により、アクティブなライフスタイルを送るユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。
2025年9月10日の発売に向けて、先行予約特典も充実しており、EVマーケットにおける新たな選択肢として注目を集めることが予想されます。購入を検討される方は、充電環境の整備状況やアフターサービス体制も含めて総合的に判断されることをお勧めします。
ヒョンデ