2026年6月、スバルは国内外でスポーツクーペ「BRZ」のマイナーチェンジ(アプライドF型)を2026年夏に発表しました。日本国内では2026年7月発売予定、北米では2027年モデルとして展開されます。最新の安全システム「アイサイト トリプルカメラ」を搭載するなど、走りと安全性をバランスよく進化させた今回の改良。本記事では変更点・価格・スペック・燃費・発売日などを徹底的に解説します。
スバル新型BRZ(F型)とは?改良の背景と概要:
スバルBRZは、スバルブランドが誇る本格FRスポーツクーペです。トヨタと共同開発されたモデルで、兄弟車にあたるトヨタ「GR86」とともに国内外のスポーツカーファンから高い支持を集めています。現行モデルは2021年7月にフルモデルチェンジが実施され、排気量2.4Lの水平対向エンジン搭載やボディ剛性の大幅強化など、全面刷新されていました。
今回のF型改良(2027年モデル)は、フルモデルチェンジほどの大幅な変更ではなく、走行フィールの洗練と最新安全システムの導入を主軸としたアップデートです。特にスバル独自の先進安全技術「アイサイト」がトリプルカメラへと進化した点が大きなトピックとなっています。なお、同じタイミングでトヨタGR86も同様の改良を実施しており、両モデルの進化が同時進行しているのは共同開発ならではの流れです。
スバル新型BRZ F型の変更点まとめ:
今回のF型改良では、内外装の大きなデザイン刷新はなく、機能面・走行性能面での改善が中心です。主な変更点は以下の通りです。

安全装備の大幅アップデート(最注目)として、これまでのステレオカメラから「トリプルカメラ」構成に変更された新型アイサイトが全車標準装備となります。具体的には、従来のステレオカメラに加えて広角の単眼カメラを追加することで、カメラの画角が約2倍に拡大。フロントガラス取り付け式に変更されるとともにレンズフードが採用され、誤接触を防ぐ設計となっています。低速走行時には広角単眼カメラが二輪車・歩行者の認識範囲を拡大し、プリクラッシュブレーキが対応できるシチュエーションを増やすことで、日常の街乗りシーンでの安心感を高めます。クルーズコントロール使用時の先行車両検知精度も向上しています。
北米向け2027年モデルについては、上位グレード「tS」にリアパーキングセンサーが標準装備されるという変更も加わります。
日本仕様での走りの改善としては、スロットルのキャリブレーションが変更され、「よりスムーズでリニアなレスポンス」が実現されます。さらに4速と5速の間のシフトインターロックの面取りを約0.02インチ(約0.5mm)広げることで、シフトフィールが向上し、スポーティなドライビング時のダウンシフト操作がよりスムーズになります。
一方、北米向けプレスリリースではこれらのスロットル・シフト関連の改善が明記されておらず、日本仕様と北米仕様の間でわずかな差異が存在する点も注目されます。また、兄弟車のGR86が2027年モデルで新色「サンダー」やインテリアのアイアンブラックアクセントを追加したのに対し、BRZは新色・内装の新デザインは設定されていません。
スバル新型BRZ F型の価格(日本仕様):
F型への改良に伴い、価格はおよそ5万円程度アップする見込みです。現行グレード別の参考価格は以下の通りです。
- 【R】 MT:332万2,000円 / AT:335万5,000円
- 【S】 MT:350万9,000円 / AT:354万2,000円
- 【STI Sport】 MT:378万4,000円 / AT:381万7,000円
- 【BRZ Cup Car Basic】(ワンメイクレース用)MT:372万2,400円
最新の安全システム搭載による価格アップは5万円程度と見込まれており、機能向上を考慮すれば十分に納得感のある設定です。
北米仕様(2027年モデル)の価格(参考):
- BRZ Limited(6速MT): 36,140ドル(約579万円)
- BRZ Limited(6速AT): 36,990ドル(約593万円)
- BRZ tS(6速MT): 38,770ドル(約622万円)
北米では前モデルから約330〜460ドル程度の値上げとなっています。
スバル新型BRZ F型のエクステリア(外装)デザイン:
F型においてエクステリアの大きなデザイン変更はなく、現行のスタイリングが継続されます。スバルBRZの外装は、ブランドのデザインアイデンティティを継承しながら、走行性能の高さを視覚的に訴えるスポーティなスタイルが特徴です。フロントは開口部を水平方向に拡大した設計で、エンジンの冷却性能向上にも寄与しています。

ボディサイドにはサイドシルスポイラーとフロントフェンダー後方エアアウトレットが配置され、空力性能を高める設計が施されています。足元には18インチアルミホイールと215/40R18サイズのミシュラン製「パイロット スポーツ4」タイヤが採用され、コントロール性と応答性を高次元で両立しています。リアはボディラインを絞り込んだデザインで、軽快かつ機能的な印象を与えます。
スバル新型BRZ F型のボディサイズ:
- 全長×全幅×全高:4,265mm × 1,775mm × 1,310mm
- ホイールベース:2,575mm
- 車重:1,270kg
前世代(全長4,240mm、車重1,230kg)から全長が+25mm、車重は+40kgとなっています。ルーフ・フード・フロントフェンダーには軽量なアルミ素材が採用されており、安全装備の強化に伴う重量増を最小限に抑えながら、低重心化と前後重量バランスの最適化を実現しています。また、スバルグローバルプラットフォームの開発知見を活用したインナーフレーム構造と構造用接着剤の採用により、前モデル比でフロント横曲げ剛性が約60%、ねじり剛性が約50%と大幅に向上しています。
スバル新型BRZ F型のインテリア(内装)デザイン:
内装デザインは現行仕様が継続されますが、BRZのコクピットは徹底的にドライバーズカーとしての機能美を追求した設計です。水平基調のインストルメントパネルと低く設置したメーターバイザーにより、広い前方視界を確保しています。

メーターには7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせた「BOXERメーター」を採用しており、日常走行からスポーツ走行まで様々なシーンで直感的に情報を把握できます。シートはスポーツ走行を前提とした高ホールド性・フィット性のスポーツシートが採用され、車体の挙動をドライバーに正確に伝達します。ラゲッジスペースはスポーツクーペとしては実用的な設計で、後席を倒した際にはタイヤ4本を積載可能な容量が確保されています。
スバル新型BRZ F型のエンジンとスペック:
F型においてパワートレインに変更はなく、現行の水平対向4気筒2.4Lエンジンが引き続き搭載されます。
- エンジン:スバル製水平対向4気筒2.4L自然吸気
- 最高出力:235ps(日本仕様)/ 228hp=231ps(北米仕様)/ 7,000rpm
- 最大トルク:25.5kgm(日本仕様)/ 249Nm(北米仕様)/ 3,700rpm
- 0-100km/h加速:約6.3秒
- トランスミッション:6速MT / 6速AT
- 駆動方式:FR(後輪駆動)
前世代(2.0L、207ps)から排気量を400ccアップさせたエンジンは、トルクを15%向上させながらも高回転まで滑らかに吹け上がるスポーツカーらしいフィーリングを実現しています。MT車には今回の改良でスロットルキャリブレーションの最適化とシフトフィールの改善が加わり、操る楽しさがさらに磨かれています。AT車ではSPORTモード制御が進化しており、スポーツ走行中と判断した際にドライバーの意思に応じた最適なシフト操作を自動で行い、コーナリング時のダイレクト感を高めます。
スバル新型BRZ F型の燃費(WLTCモード値):
- 「R」グレード:6速MT 12.0km/L / 6速AT 11.8km/L
- 「S」グレード:6速MT 11.9km/L / 6速AT 11.7km/L
排気量2.4Lへのアップにもかかわらず、前モデル(6速AT:12.4km/L、6速MT:11.8km/L)に近い燃費性能を維持しています。余裕のあるトルクを活かしたギヤ比設定により、スポーツ性能と実用燃費を高次元でバランスさせている点は、日常使いも視野に入れたユーザーには嬉しいポイントです。
スバル新型BRZ F型の安全装備(アイサイト トリプルカメラ詳細):
今回の改良における最大のトピックが、アイサイトのトリプルカメラ化です。従来のステレオカメラ2眼構成から、広角単眼カメラを追加したトリプルカメラ構成に刷新されます。これにより得られる主な恩恵は以下の通りです。
認識画角が従来比約2倍に拡大し、より広く・遠い範囲の障害物・歩行者・車両を早期に検知できるようになります。カメラユニットはルームミラー裏からフロントガラス直接取り付け式に変更され、レンズフードの採用により誤接触を防ぐ設計になっています。低速走行時においては、新たに追加された広角単眼カメラが二輪車や歩行者を従来よりも広い角度で認識し、プリクラッシュブレーキが介入できる状況を拡大します。またクルーズコントロール使用中における先行車の検知精度も向上し、高速道路などでの追従走行がより安心・安全になっています。
北米仕様では上位グレード「tS」にリアパーキングセンサーが標準装備され、駐車時の後方確認のしやすさも向上します。
GR86との比較(2027年モデル):
BRZと兄弟車であるトヨタGR86の2027年モデルを比較すると、GR86の方が今回はより充実したアップデートを受けています。GR86は新色「サンダー」の追加、Premiumグレードへのアイアンブラックインテリアアクセント採用、コクピットレッドインテリアの設定、そしてスロットルキャリブレーション変更やシフトフィール改善といった走りの刷新も実施しています。一方、BRZは安全装備のアップデートとリアパーキングセンサーの追加(tS)が主な変更点であり、スロットル・シフト系の変更は北米仕様のプレスリリースでは確認されていません(日本仕様では対応)。ブランドファンからは今回のBRZのアップデート内容を物足りなく感じる声もありますが、アイサイトのトリプルカメラ化は安全性向上として非常に評価できる進化です。

スバル新型BRZ F型の発売日と歴代改良履歴:
日本国内でのF型改良版BRZ発売は2026年7月が予定されています。北米では2027年モデルとして既に発表・発売が始まっています。
これまでのBRZ(現行型)の主な改良・変更の歩みを振り返ると、2023年9月のSTIスポーツ追加・MT車へのアイサイト初採用から始まり、2024年7月のMT車専用SPORTモード追加・デイタイムランニングライト採用、2025年1月・9月・11月の各種限定モデル設定など、継続的に商品力を磨いてきた経緯があります。今回のF型は、その流れの集大成ともいえるアップデートです。
スバルBRZの基礎知識(BRZをおさらい):
スバルBRZ(Boxer engine・Rear-wheel drive・Zenith)は、2012年に初代モデルが登場したスバル初の市販FR車です。「B」はボクサーエンジン(水平対向エンジン)、「R」はリアホイールドライブ(後輪駆動)、「Z」はZenith(究極)を意味しています。トヨタと開発費・技術を折半して共同開発したことから、トヨタ86(現GR86)の姉妹車として誕生し、内外装デザインやサスペンションのセッティングにそれぞれ独自の味付けがされています。スバルが得意とする低重心な水平対向エンジンに、トヨタの「D-4S」技術を組み合わせたことで生まれたパッケージングは、今なおピュアスポーツカーとして世界中のドライビングエンスージャストに愛されています。
まとめ|スバル新型BRZ F型は「安全」と「走り」を磨き上げた進化版:
今回のスバル新型BRZ F型(2027年モデル)は、フルモデルチェンジほどの大変革ではないものの、最新アイサイト(トリプルカメラ)の搭載という安全面での確かな進化と、スロットル・シフトフィールの改善による走りの洗練が施されています。価格上昇幅も約5万円程度と比較的抑えられており、これからBRZを購入・乗り換えを検討するユーザーにとっては、最新仕様を選ぶ十分な理由があります。2026年7月の日本発売を楽しみに待ちましょう。
SUBARU ニュースリリース
https://media.subaru.com/pressrelease/2450/1/subaru-america-announces-pricing-2027-subaru-brz

