ダイハツが誇る軽オープンスポーツカー「コペン」が、2027年3月頃にフルモデルチェンジを迎えることが明らかになってきました。2023年のジャパンモビリティショーで公開された「VISION COPEN」では普通車への移行が示唆されていましたが、2025年のジャパンモビリティショーで発表された「K-OPEN」コンセプトにより、軽自動車規格を維持しながらFR(後輪駆動)レイアウトを採用するという驚きの仕様が判明しました。

新型コペンは軽自動車×FRで復活!待望の3代目が2027年登場予定

新型コペンを待つべき理由
- 軽自動車初のFRスポーツカー復活 - スズキ・カプチーノ以来の快挙
- 実走行テスト済みのランニングプロトが存在 - 市販化の実現性が高い
- 価格は250万円前後を予想 - 維持費の安い軽規格で本格スポーツが楽しめる
- モータースポーツを起点とした開発 - ラリーカーで培った技術をフィードバック
新型コペンの変更点まとめ【2027年モデル】
最大の変更点:FFからFRへの駆動方式変更

現行コペンはFF(前輪駆動)ですが、新型は軽自動車規格を維持しながらFR(後輪駆動)レイアウトを実現します。これは以下の技術革新により可能となりました:
- スラントエンジン採用 - 直列3気筒エンジンを67度傾けて搭載
- フロントミッドシップレイアウト - エンジンを低く、後方に配置
- トヨタ86/BRZ系のリアデフとドライブシャフトを流用 - コスト削減と信頼性確保
デザインの変更点
- 初代コペン(L880K)を彷彿とさせるレトロモダンなスタイル
- 全高を50mm低く設定し、ロー&ワイドなシルエットを実現
- ホイールベースを35mm延長(2,265mm)して走行安定性向上
- 電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」を継承
新型コペンのスペック【2027年モデル】
エンジン・パワートレイン
| 項目 | スペック |
|---|---|
| エンジン | 直列3気筒660ccターボ |
| 最高出力 | 64ps(軽自動車規格上限) |
| 最大トルク | 10.0~11.0kgm(現行比+0.6kgm) |
| トランスミッション | 5速MT / CVT |
| 駆動方式 | FR(後輪駆動) |
ボディサイズ
| 項目 | 新型 | 現行モデル | 変更 |
|---|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | 3,395mm | ±0mm |
| 全幅 | 1,475mm | 1,475mm | ±0mm |
| 全高 | 1,230mm | 1,280mm | -50mm |
| ホイールベース | 2,265mm | 2,230mm | +35mm |
| 車重 | 850kg前後(予想) | 850kg | - |
軽自動車規格を維持しながら、全高を低くし、ホイールベースを延長することで、よりスポーツカーらしいプロポーションを実現しています。
FR化で走りはどう変わる?運転の楽しさが大幅向上
FRレイアウトのメリット
開発担当の相原泰祐氏によると、新型コペンのFRレイアウトは以下の走行特性をもたらします:
- しっかり止まる - 前後重量バランスの最適化により制動性能向上
- すっと曲がる - 低重心化でコーナリング時の応答性が向上
- しっかり立ち上がる - リア駆動で加速時のトラクション確保
- ドリフト走行も可能 - ウェット路面でも楽しめる
スラントエンジンの効果
エンジンを67度傾けて搭載する「スラントエンジン」により:
- 低重心化 - ボンネットフードの高さを下げることが可能に
- フロントミッドシップ化 - 重量配分を最適化
- 機械損失の低減 - エンジン効率の向上
バイクのように斜めに搭載されたエンジンは、軽自動車の限られたスペースの中でFRレイアウトを実現する鍵となっています。
デザイン解説:初代へのオマージュと最新技術の融合
エクステリアデザインの特徴
新型コペンは初代L880K系のデザインDNAを受け継ぎながら、現代的にアレンジされています:
フロントデザイン

- 丸型LEDヘッドライト(コペンセロの流れを汲む)
- 上面が平らになった特徴的なリング形状
- ボンネットが独立したお椀形状
- サイドを大きく絞り込んだデザイン
サイドビュー

- 膨らみのあるフロント・リアフェンダー
- ドアに刻まれた矢印型のパーティングライン
- エアインテーク風の機能的デザイン
- 16インチ ブリヂストン ポテンザRE004装着
リアデザイン

- フロントと連動した丸型LEDテールランプ
- センター出しマフラー
- トランクカバーとソフトトップが一体化したカウル
- スピードスター系の流麗なデザイン
ワイド&ローに見える秘密

軽自動車規格(全幅1,475mm)に収めながら、新型コペンが幅広く見える理由:
- 水平ラインの強調 - ヘッドライト・テールランプからバンパーのパーティングラインまで一直線
- シート位置の低下・後退 - 目線が低くなり相対的にボディが低く見える
- Aピラーの傾斜 - FRレイアウトによりピラーを寝かせることが可能に
- 全高の低減 - 50mm低くなることでロー&ワイドなフォルムを実現
インテリア:スポーツカーの本質を追求
コックピット設計

- デジタルメータークラスター - 3面パネル構成
- 5速マニュアルトランスミッション - 運転の楽しさを重視
- 手引き式サイドブレーキ - ドリフト走行にも対応
- 独立式ヘッドレスト - スポーツシート
- ロールオーバーバー装備 - 安全性とスポーツ性の両立

軽量化へのこだわり
現行コペンの「Dress-Formation」(着せ替え外装)は廃止され、よりシンプルで軽量な構造に。ドアの内張りはストラップ式を採用する可能性が高く、徹底的な軽量化が図られています。
FRレイアウトによる室内設計の工夫
縦置きミッションが室内に入り込むため、ペダルレイアウトが課題となりましたが、軽自動車用のコンパクトなミッションとエンジンを採用することで解決。オルガン式アクセルペダルに3ペダル配置を実現しています。
燃費性能:スポーツ性能と実用性の両立
予想燃費値
- マニュアル車 - 18.5km/L(WLTCモード)
- CVT車 - 19.0km/L(WLTCモード)
現行モデル(FF)と同等の燃費性能を維持しながら、FR化による走行性能向上を実現。軽自動車規格ならではの維持費の安さも魅力です。
価格予想:250万円からスタートか
新型コペンの予想価格
- ベースグレード(MT) - 250万円~
- ベースグレード(CVT) - 255万円~
- 上級グレード(MT) - 280万円~
- 上級グレード(CVT) - 285万円~
- GR SPORTグレード - 300万円~
現行コペンは198万円~250万円ですが、FR化や最新技術の採用により価格は上昇すると予想されます。ただし、同グループのトヨタGR86が300万円を切る価格設定であることから、新型コペンは250万円前後からのスタートが見込まれます。
価格上昇でも納得の理由
- 軽自動車初のFRターボスポーツ
- モータースポーツで培った技術を投入
- 軽自動車税(年間10,800円)で維持費が安い
- ハイオクガソリン不要(レギュラー仕様)
発売日はいつ?2027年3月を予定
発売までのスケジュール
- 2023年10月 - ジャパンモビリティショーで「VISION COPEN」公開(普通車版)
- 2025年10月 - ジャパンモビリティショーで「K-OPEN」公開(軽自動車版)
- 2026年 - 市販モデルの詳細発表・予約開始か
- 2027年3月 - フルモデルチェンジ発売予定
ジャパンモビリティショー2025では、デザインコンセプトモデルに加えて、実走行テストを行っているランニングプロトタイプも展示されました。泥だらけのボディやすり減ったタイヤから、開発が相当進んでいることが伺えます。
「公開開発」で顧客の声を反映
ダイハツは新型コペンの開発を「公開開発」として進める方針を表明。ルーフ開閉機構についても:
- 電動ハードトップ
- 電動ソフトトップ
- タルガトップ
などの選択肢について、ユーザーの意見を募集しています。
ライバル車との比較:新型コペンの立ち位置
ホンダ S660(生産終了)との比較
| 項目 | 新型コペン | S660 |
|---|---|---|
| 駆動方式 | FR | MR |
| トランスミッション | 5MT / CVT | 6MT / CVT |
| ルーフ | 電動開閉式 | 手動脱着式 |
| 状況 | 2027年発売予定 | 2022年生産終了 |
S660の生産終了により、軽自動車のオープンスポーツカーは新型コペンが唯一の選択肢となります。
トヨタ GR86 / スバル BRZとの比較
同じFRスポーツカーとして、上位クラスのGR86/BRZと比較すると:
新型コペンの優位性
- 軽自動車税で維持費が安い(年間約10万円の差)
- 全長3.4m未満で取り回しが良い
- 車検時の重量税が安い
GR86/BRZの優位性
- 2.0L/2.4Lエンジンで余裕のパワー
- 4人乗車可能
- より本格的なスポーツ走行が可能
新型コペンは「日常使いできる軽スポーツ」として、独自のポジションを築くことができます。
新型コペンを待つべき人・待たなくていい人
待つべき人
- 軽自動車規格で本格的なスポーツ走行を楽しみたい
- マニュアル車でドリフトも楽しみたい
- 維持費を抑えながらオープンカーを所有したい
- 初代コペンのデザインが好きだった
- 希少性の高い車を所有したい
現行コペンを今買うべき人
- 2027年まで待てない
- 着せ替え外装システムに魅力を感じる
- FFの扱いやすさを重視
- 価格を200万円前後に抑えたい
- すぐにオープンドライブを楽しみたい
現行コペンも2025年に生産終了が発表されており、在庫がなくなる前に購入するのも選択肢です。
よくある質問(FAQ)
Q1: 新型コペンは本当に発売されるの?
A: ジャパンモビリティショー2025で実走行テスト中のランニングプロトタイプが公開されており、発売の実現性は非常に高いと言えます。開発担当の相原氏も「自分も購入したい」と明言しています。
Q2: ルーフ開閉機構はどうなる?
A: デザインコンセプトモデルから判断すると電動開閉式ソフトトップまたは電動ハードトップが有力です。ダイハツはユーザーの意見を募集しており、最終仕様は開発過程で決定される予定です。
Q3: なぜ普通車から軽自動車に変更したの?
A: ユーザーからの「日本の狭い道では軽規格でないと通れない場所が多い」「維持費の安さが魅力」という声を受けて、軽自動車規格を維持する方向に変更されました。
Q4: FRの軽自動車は他にないの?
A: 1998年に生産終了したスズキ・カプチーノ以来、約30年ぶりの軽FR車となります。新型コペンは非常に希少価値の高い車になることが予想されます。
Q5: 価格が高すぎるのでは?
A: 250万円という価格は軽自動車としては高額ですが、FRスポーツカーとして見ると:
- トヨタ GR86: 299.8万円~
- マツダ ロードスター: 280.5万円~
これらと比較すると、軽自動車税の安さや維持費を考慮すれば妥当な価格設定と言えます。
まとめ:新型コペンは待つ価値がある!
ダイハツ 新型コペンは、以下の理由から2027年の発売を待つ価値が十分にあると言えます:
待つべき最大の理由
- 軽自動車初のFRターボスポーツカー - 約30年ぶりの快挙
- 実走行テスト済み - 発売の実現性が高い
- 初代コペンのDNAを継承 - レトロモダンなデザイン
- モータースポーツ技術を投入 - ラリーカーで培った技術
- 250万円前後の価格 - 維持費の安さと合わせてコスパ良好
今後の注目ポイント
- ルーフ開閉機構の最終仕様 - 電動ハードトップ or ソフトトップ
- グレード構成と装備 - GR SPORTグレードの有無
- 実燃費性能 - 市販モデルでの実測値
- 予約開始時期 - 2026年中にも発表される可能性
新型コペンは、軽自動車の枠を超えた本格スポーツカーとして、日本の自動車史に新たな1ページを刻むことになるでしょう。オープンエアで風を感じながら、FRならではのハンドリングを楽しめる日が待ち遠しい限りです。
参考リンク

