トヨタ自動車が米国で生産した車両を日本に「逆輸入」する方針を米国側へ伝える方向で調整していることが明らかになりました。この動きにより、2024年に北米で発売された新型カムリ(9代目)が、2026年に日本市場へ復活する可能性が高まっています。共同通信

2026年、カムリが再び日本の道を走る可能性
日本国内でのカムリ生産は2023年10月に終了し、22年続いた国内販売にも幕が下ろされました。しかし、北米市場では22年連続ベストセラーセダンとして圧倒的な人気を誇り続けており、フルモデルチェンジを果たした新型は大きな注目を集めています。

新型カムリ(9代目)の特徴と進化ポイント
デザインの大幅刷新:スポーティさと洗練を両立

9代目となる新型カムリは、従来モデルから大きくイメージチェンジを果たしています。
エクステリアデザインの進化
- より低く、ワイドなスタンス
- シャープで立体的なフロントグリル
- デイタイムランニングライト(DRL)を2段構成に変更
- クーペライクな流麗なルーフライン
- BMW風の洗練されたデザインコンセプト
特にフロントフェイスは、トヨタの最新デザイン言語を採用し、クラウンスポーツやプリウスにも通じる先進的なスタイリングとなっています。
インテリア:デジタル化と質感の向上

最新のコックピット設計
- 12.3インチフルデジタルメーター
- 12.3インチディスプレイオーディオ
- レクサスES同様の上質な内装仕上げ
- MyTOYOTAアプリ連携機能
- 360度パノラミックビューモニター
インテリアは、MIRAIやレクサスESで培った高級感あるデザインを採用し、セダンカテゴリーの中でも際立つ質感を実現しています。
パワートレイン:全車ハイブリッド化で環境性能を強化
2.5Lハイブリッドシステムの詳細スペック
新型カムリは、北米市場において全グレードがハイブリッド専用となる画期的な転換を果たしました。

エンジンスペック
- 直列4気筒 2.5L ダイナミックフォースエンジン(D-4S)
- 最高出力:131kW(178ps)/5,700rpm
- 最大トルク:221Nm(22.5kgm)/3,600-5,200rpm
フロントモーター
- 最高出力:88kW(120ps)
- 最大トルク:202Nm(20.6kgm)
リアモーター(AWDモデル)
- 最高出力:40kW(54ps)
- 最大トルク:121Nm(12.3kgm)
システム総合出力
- 2WDモデル:225hp(228PS)
- AWDモデル(E-Four):232hp(235PS)
V6エンジン廃止の背景
従来モデルで設定されていたV6エンジンは完全に廃止され、全車ハイブリッド化されました。これは環境規制への対応と、トヨタのカーボンニュートラル戦略の一環です。第5世代のハイブリッドシステム(THS)により、優れた燃費性能とパワフルな走行性能を両立しています。
Toyota Safety Sense 3.0:最新の安全装備

先進安全機能の全容
新型カムリには、トヨタの最新安全システム「Toyota Safety Sense 3.0」が標準装備されます。
主要安全機能
- プリクラッシュセーフティ(PCS):歩行者・自転車検知機能付き
- レーントレーシングアシスト(LTA):車線中央維持支援
- ロードサインアシスト(RSA):標識認識機能
- レーンディパーチャーアラート(LDA):車線逸脱警報
- オートマチックハイビーム(AHB):自動ハイビーム切替
新機能
- プロアクティブドライビングアシスト(PDA):15km/h以上で作動する予防安全支援
- ブラインドスポットモニター(BSM):LED表示による死角警告
- セーフティエグジットアシスト(SEA):降車時の後方接近警告
- Advanced Park:駐車支援システム
グレード構成と価格設定
北米市場での展開
| グレード | 駆動方式 | 価格(米ドル) | 価格(円換算) |
|---|---|---|---|
| LE | FWD | 28,400ドル | 約439万円 |
| SE | FWD | 30,700ドル | 約475万円 |
| XLE | FWD | 33,400ドル | 約517万円 |
| XSE | FWD | 34,600ドル | 約535万円 |
| LE | AWD | 29,925ドル | 約463万円 |
| SE | AWD | 32,225ドル | 約498万円 |
| XLE | AWD | 34,925ドル | 約540万円 |
| XSE | AWD | 36,125ドル | 約560万円 |
日本市場での価格予想
逆輸入が実現した場合、日本での価格は輸送コストや諸経費を考慮すると、400万円台後半〜600万円程度になると予想されます。
逆輸入の可能性と日本発売時期
2026年発売の根拠
トヨタが米国で生産した車両を日本へ逆輸入する方針を調整しているという報道は、カムリファンにとって朗報です。具体的な発売時期は2026年と見込まれており、以下の理由が挙げられます。
発売時期の根拠
- 米国での生産体制が2024年に確立
- 日本市場への再導入に向けた調整期間(約1〜2年)
- 右ハンドル仕様の開発・認証手続き
- 販売網の再構築
日本市場で成功する可能性
日本再参入の有利な点
- 歴史的なブランド認知度の高さ(1980年発売、累計販売100万台超)
- セダン需要の根強さ(特に法人・タクシー需要)
- ハイブリッド専用化による環境性能の訴求力
- クラウンシリーズとの差別化
懸念材料
- セダン市場の縮小傾向
- SUV人気の継続
- 輸入コストによる価格上昇
- 競合車種(アコード、カムリ等)との競争
TNGA-Kプラットフォームの優位性
新型カムリは、トヨタの最新プラットフォーム「TNGA-K」を採用しています。このプラットフォームは、プリウス、RAV4、ハリアーなどにも使用されており、以下の特徴があります。
TNGA-Kの特長
- 低重心化による優れた操縦安定性
- 高剛性ボディによる安全性向上
- 快適な乗り心地と静粛性
- 効率的なパワートレイン配置
競合車種との比較
日本市場でのライバル
ホンダ アコード
- ハイブリッド専用
- 価格帯:465万円〜
- 国内生産
マツダ MAZDA6(生産終了)
- ディーゼル/ガソリン
- 後継モデル待ち
日産 スカイライン
- ハイブリッド/ガソリン
- 価格帯:435万円〜
カムリが逆輸入された場合、ホンダ アコードが最大のライバルとなります。両車ともハイブリッド専用セダンとして、日本市場での競争が注目されます。
まとめ:カムリ復活への期待
新型カムリの日本逆輸入は、セダンファンにとって待望のニュースです。北米で22年連続ベストセラーとなった実績、フルモデルチェンジによる大幅な進化、そして全車ハイブリッド化による環境性能の高さは、日本市場でも十分に通用する競争力を持っています。
新型カムリの魅力まとめ
- 洗練されたデザインと質感の高いインテリア
- 第5世代ハイブリッドシステムによる優れた燃費性能
- Toyota Safety Sense 3.0による最新安全装備
- TNGA-Kプラットフォームの優れた走行性能
- AWDモデルの設定による全天候対応
2026年の日本発売が実現すれば、カムリは再び日本の道を走り、セダン市場に新たな活力をもたらすことでしょう。トヨタからの正式発表が待たれます。
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