2026年1月9日、東京オートサロン2026で日産は2027年モデル(MY27)となるフェアレディZ(RZ34型)のマイナーチェンジモデルを世界初公開しました。2026年夏の発売を予定しているこのモデルは、Zの歴史を継承しつつ、パフォーマンス面でも歴代最高を目指した意欲作となっています。
マイナーチェンジの概要|56年の歴史を継承する2027年モデル

主な変更内容一覧
- フロントデザインの大幅変更:Gノーズスタイルの採用
- 空力性能の向上:フロントリフト3.3%低減、ドラッグ1%低減
- 新ボディカラー追加:ウンリュウグリーン(グランプリグリーンのオマージュ)
- ホイールデザイン刷新:Z31世代をイメージした新デザイン
- サスペンション強化:ショックアブソーバー大径化
- NISMO 6速MT追加:待望のマニュアルトランスミッション設定
- 特別仕様車追加:ヘリテージエディション設定
外装(エクステリア)の変更点と魅力|Gノーズの復活がもたらす劇的変化

最大の注目ポイント:Gノーズスタイルの採用
今回のマイナーチェンジで最も印象的なのが、フロントバンパーの造形変更です。初代S30時代の伝説的な空力パーツ「Gノーズ」をイメージした新造形を採用し、フロントノーズを30mm延長。単なるヘリテージデザインにとどまらず、最新のエアロダイナミクス技術を融合させています。

空力性能の具体的な向上
- フロントリフト:3.3%低減
- ドラッグ(空気抵抗):1%低減
- 高速走行時の安定性向上
延長されたノーズ先端には「NISSAN」ロゴに代わり「Z」エンブレムを配置。これにより、よりアイコニックでスポーティなフロントマスクを実現しています。
フロントグリルの意匠変更

現行モデルの大口タイプのスクエア型グリルから、2口タイプの分割式フロントグリルへと変更。これは既存のカスタマイズドエディションに近いデザインで、標準仕様でも十分に個性的なフロントフェイスとなりました。
ただし、フロントナンバープレート下のレーダーセンサー配置は変更されていないため、ナンバープレート位置は現行モデルと同じ。一部では「出っ歯」と評される配置は継続されています。
新ボディカラー「ウンリュウグリーン」の魅力
S30型のグランプリグリーンをイメージした「ウンリュウグリーン」が新たに設定されました。深みのあるメタリックグリーンは、フェアレディZのヘリテージ感を強調し、往年のファンにとっても感慨深いカラーリングとなっています。
既存カラーと合わせて豊富な選択肢が用意され、個性的なカラーコーディネートが可能になりました。
ホイールデザインの刷新
19インチアルミホイールのデザインがZ31時代をイメージしたものに変更。スポークデザインが洗練され、よりモダンでダイナミックな足元を演出しています。特にブラック仕上げのホイールとレッドキャリパーの組み合わせは、視覚的なインパクトも抜群です。
リアデザインの変更点

基本的なリアデザインに大きな変更はありませんが、一部グレードではリアスポイラーがオプション化される可能性があります。展示車両ではリアスポイラーレスで、トランク部分に斜めに「Fairlady Z」バッジが配置されていました。
これは値上げ抑制のための措置とも考えられますが、よりシンプルでクリーンなリアビューを好むユーザーには歓迎される変更かもしれません。
内装(インテリア)の進化ポイント|質感向上と実用性の両立
新インテリアカラー「タン」の追加

ブラウン系の「タン」カラーが新たにインテリアカラーとして追加されました。よりモダンで上質な雰囲気を演出し、従来のブラックやレッド系とは異なる落ち着いた大人のスポーツカーという印象を与えます。
自動防眩ルームミラーの設定

これまでオプションだった自動防眩ルームミラーが一部グレードで標準装備化。夜間走行時の後続車ヘッドライトの眩しさを自動で軽減し、ロングドライブの快適性が向上しています。
6速MTシフトノブの変更
マニュアルトランスミッション車のシフトノブにブラウンの加飾が追加され、質感が向上。操作感だけでなく、視覚的な満足度も高められています。
クルーズコントロールスイッチの追加
レーダークルーズコントロールとは別に、シンプルなクルーズコントロールスイッチが追加されました。これにより、状況に応じて使い分けができ、操作性が向上しています。
パドルシフトの加飾変更
AT車に装備されるパドルシフトの加飾も変更され、より高級感のある仕上がりに。ステアリング周りの質感向上により、ドライバーの所有満足度を高めています。
USBポートは継続
USBポートの配置や仕様に大きな変更はなく、使い勝手は現行モデルから継承されています。
デジタルメーターとインフォテインメント
12.3インチのフルデジタルメーターディスプレイは継続採用。3連メーター(ブースト計、ターボスピード計、電圧計)との組み合わせで、スポーツカーらしい情報表示を実現しています。
シフトアップインジケーターは、エンジン回転計の針が真上を示すと同時に点滅し、最適なシフトタイミングを直感的に伝えます。
走行性能の向上と改良内容|街乗りとスポーツ走行の両立
ショックアブソーバーの大径化がもたらす劇的改善
今回のマイナーチェンジで最も重要な改良点が、サスペンションシステムの強化です。
ショックアブソーバーの主な変更点
- ピストン径:40φ → 45φに大径化
- 受圧面積:26.6%増加
- 振動収束時間:18%短縮(従来型比)
この改良により、以下の効果が実現されています。
走行性能の向上
- 路面追従性の大幅向上
- 小さなギャップやうねりをスムーズに吸収
- コーナリング中の荒れた路面でも姿勢が安定
- タイヤ性能を最大限に引き出せる
街乗り快適性の改善
現行モデルでユーザーから指摘されていた「街中での乗り味の硬さ」を解消。日常使いでもストレスのない快適な乗り心地を実現しながら、スポーツ走行時のパフォーマンスも維持しています。
ブレーキシステムのアップグレード
標準モデルでもブレーキ性能が向上し、制動力と耐フェード性が改善されています。
エンジン性能は継続
パワートレインは現行モデルから継承。
V型6気筒3Lツインターボエンジン
- 最高出力:405ps
- 最大トルク:48.4kgm
- トランスミッション:6速MT / 9速AT
- 燃費:9.5km/L(6MT) / 10.2km/L(9AT)
アドバンストローンチアシストコントロールシステムも継続採用され、ゼロヨン加速など停止状態からの加速性能を最大限に引き出します。
フェアレディZ NISMOの進化|待望の6速MT追加
トラックで楽しむ至極のZ
NISMOモデルは「トラック上で楽しい至極のZ」をコンセプトに、サーキット走行を想定したチューニングが施されています。
最大のトピック:6速MT設定
ユーザーからの強い要望に応え、NISMOモデルに6速MTが追加設定されました。
6速MT専用ECUチューニング
- 点火時期の最適化
- スロットル制御の見直し
- アクセルレスポンスの向上
- 高回転域まで加速感が持続
マニュアルシフトの楽しさを最大限に引き出すエンジンフィーリングを実現し、真のドライビングプレジャーを提供します。
パワーユニットの強化
V型6気筒3Lツインターボエンジン(NISMOチューン)
- 最高出力:420ps(標準モデル+15ps)
- 最大トルク:53.0kgm(標準モデル+4.6kgm)
- トランスミッション:6速MT(新設定) / 9速AT
9速AT車では、シフトダウン時間が約50%短縮され、よりダイレクトな変速フィーリングを実現しています。
サスペンション・ブレーキの強化
サスペンション改良
- 減衰力の見直し
- 高速コーナリング時の安定性向上
- 従来型の「乗り心地が硬い」という指摘への対応
ブレーキシステム
- フロントブレーキローター:R35 GT-R(初期モデル)用2ピースタイプ採用
- バネ下重量の低減
- キャリパーカラー:より明るいレッドに変更
- ホイール:グロスブラック仕上げRAYS製19インチ
- リアタイヤ幅:10mm拡大(285/35R19)
車重の軽量化
AT車:1,670kg(従来型-10kg)
MT車:1,640kg(AT車-30kg)
軽量化により、パワーウェイトレシオが向上し、よりシャープな加速感を実現しています。
エアロダイナミクス
NISMOモデルのフロントバンパーは従来の形状を維持。Gノーズスタイルとは異なる独自のエアロデザインで、サーキット走行に最適化された空力性能を発揮します。
- 専用フロントスプリッター
- カナード
- 大型サイドスカート
- リアディフューザー
これらのエアロパーツにより、高速走行時のダウンフォースを確保し、安定した姿勢を維持します。
優れている点まとめ|マイナーチェンジで進化したポイント
1. Gノーズデザインによるヘリテージ感の向上
初代S30へのオマージュとして採用されたGノーズスタイルは、単なるレトロデザインではありません。最新の空力技術と融合させることで、見た目の魅力と実用性能を両立させています。
フロントリフト3.3%低減、ドラッグ1%低減という数値的な改善は、高速走行時の安定性向上に直結します。
2. サスペンション改良による走りと快適性の両立
ショックアブソーバーの大径化は、このマイナーチェンジの最大の成果です。
スポーツ走行時
- 路面追従性向上
- コーナリング安定性向上
- タイヤ性能の最大活用
街乗り時
- 乗り心地の大幅改善
- 小さな段差もスムーズに吸収
- 長時間運転の疲労軽減
従来モデルの弱点だった「街乗りの硬さ」を解消しながら、スポーツカーとしての性能を維持した点は高く評価できます。
3. NISMOモデルに6速MT追加

マニュアルトランスミッションを求めるエンスージアストにとって、これは最高のニュースです。専用ECUチューニングにより、MTならではの「車とのつながり感」を最大限に楽しめます。
アクセルレスポンスの向上と高回転域まで持続する加速感は、サーキット走行やワインディングロードで真価を発揮するでしょう。

4. R35 GT-Rパーツの流用による高性能化
NISMOモデルのブレーキローターにR35 GT-R用2ピースローターを採用したことは、コストパフォーマンスの高い性能向上策です。実績ある高性能パーツを流用することで、信頼性と性能を確保しています。

5. 多彩なカラーバリエーション
ウンリュウグリーンの追加により、個性的なカラー選択が可能に。往年のファンにとっても、新規ユーザーにとっても魅力的な選択肢が増えました。
6. 軽量化の実現
NISMOのAT車で10kg、MT車で30kgの軽量化を達成。わずかな軽量化でも、スポーツカーにとっては重要な性能向上要素です。
7. 細部の質感向上
インテリアカラーの追加、シフトノブやパドルシフトの加飾変更など、細かな部分にも配慮が行き届いています。所有満足度を高める重要なポイントです。

残念な点
1. カスタマイズドエディションの存在意義
標準仕様がカスタマイズドエディションに近いデザインになったことで、既存のオプションパッケージの存在意義が薄れています。
懸念ポイント
- カスタマイズドエディションは廃止?
- 既存オーナー向けには継続販売されるのか?
- フロントグリル交換パーツは入手可能か?
グリーンカラーでラッピングしたオーナーや、カスタマイズドエディションを選択したオーナーにとっては複雑な心境かもしれません。
2. ナンバープレート位置の変更なし
フロントバンパーデザインは大幅に変更されましたが、レーダーセンサーの配置は変わらず、ナンバープレート位置も継続。
一部で「出っ歯」と評されるナンバープレート配置は、美観を損なう要因として指摘されてきました。マイナーチェンジの機会に改善されなかったのは残念です。
3. リアスポイラーのオプション化?
展示車両でリアスポイラーが装着されていなかったことから、標準装備からオプション化される可能性があります。
懸念される理由
- 値上げ抑制のためのコストカット
- スポイラーレスを好むユーザーへの配慮
しかし、フェアレディZのアイコニックなシルエットにはリアスポイラーが不可欠という意見も多く、標準装備廃止は賛否が分かれるでしょう。
4. パワーユニットの据え置き
標準モデルのエンジン出力は現行モデルから変更なし(405ps/48.4kgm)。サスペンションやブレーキは改良されましたが、心臓部のパワーアップがなかったのは物足りなさを感じます。
NISMOは420psに向上していますが、標準モデルでも410〜415ps程度への小幅向上があれば、より魅力的だったでしょう。
5. 価格上昇の懸念
詳細な価格は未発表ですが、改良内容からして値上げは避けられないでしょう。
予想される価格帯
- ベースモデル:約570万円〜(現行549.78万円+20万円)
- Version ST:約695万円〜(現行675.95万円+20万円)
- NISMO:約950万円〜(現行930.27万円+20万円)
原材料費や物流費の高騰を考慮すると、20〜30万円程度の値上げが予想されます。競合他社のスポーツカーと比較しても、価格競争力が低下する可能性があります。
6. 電動化への言及なし
世界的な電動化の流れの中で、ハイブリッドやPHEVといった電動化技術の導入がありませんでした。
次期フルモデルチェンジまで純ガソリンエンジンを継続するのか、それとも今後のマイナーチェンジで電動化されるのか、中長期的な戦略が見えにくい点は不安要素です。
7. USBポートの仕様変更なし
USB Type-Cポートの追加や、充電速度の向上といった、現代のニーズに合わせた改良が見られませんでした。スマートフォンの急速充電対応など、細かな利便性向上も期待されていました。
8. 先進安全装備の進化が限定的
自動防眩ルームミラーの設定は歓迎すべき改良ですが、最新の運転支援システムや安全装備の大幅なアップデートはありませんでした。
期待されていた装備
- 360度カメラシステム
- ブラインドスポットモニター強化
- 渋滞追従機能の精度向上
スポーツカーとはいえ、安全装備は重要な選択基準です。競合他社が先進安全装備を充実させる中、やや見劣りする印象は否めません。
価格とグレード構成|値上げ幅と装備バランス
予想価格(2026年6月発売予定)
標準モデル
- ベースモデル(6MT / 9AT):約570万円
- Version S(6MT):約655万円
- Version T(9AT):約615万円
- Version ST(6MT / 9AT):約695万円
ハイパフォーマンスモデル
- フェアレディZ NISMO(6MT / 9AT):約950万円
特別仕様車
- フェアレディZ ヘリテージエディション:約720万円
※上記は予想価格であり、正式発表をお待ちください。
グレード選択のポイント
ベースモデル
純粋にZを楽しみたい方向け。必要十分な装備で、コストパフォーマンスに優れています。
Version S
6速MTのみの設定。マニュアル派には最適な選択肢です。
Version T
9速ATのみの設定。快適装備が充実し、日常使いにも対応します。
Version ST
6MT / 9AT両方から選択可能。装備が最も充実した標準モデルの最上級グレードです。リアスポイラーの装備状況に注意が必要です。
NISMO
究極の走りを求める方向け。420psのハイパワーエンジン、専用サスペンション、強化ブレーキなど、サーキット走行を本気で楽しめます。6速MTの追加は大きな魅力です。
ヘリテージエディション
Z32世代へのオマージュモデル。ブロンズカラーのRAYS製ホイール、TWIN TURBOデカール、カーボンリアスポイラーなど、特別な仕様が満載です。限定生産の可能性が高く、コレクターズアイテムとしての価値も期待できます。
発売時期と購入検討のポイント|2026年夏に向けて
発売スケジュール
- 世界初公開:2026年1月9日(東京オートサロン2026)
- 予約開始:2026年4月頃(予想)
- 発売時期:2026年夏(6〜8月予定)
現行モデルオーナーへの提案
すでにRZ34を所有している方
- サスペンション改良が魅力的:乗り心地の改善を体感したい場合、下取り/買い替えを検討する価値があります。
- 外観変更のみなら見送り:Gノーズデザインやホイール変更だけなら、アフターパーツで対応可能かもしれません。
- NISMO MTが本命:6速MTのNISMOを待ち望んでいた方は、買い替えの絶好の機会です。
これから購入を検討される方
- 現行モデルの値引き:マイナーチェンジ前の現行モデルは、在庫処分で値引き交渉がしやすくなる可能性があります。
- 試乗が重要:サスペンション改良の効果を体感するため、必ず試乗してから決定しましょう。
- 納期確認:人気グレードは納期が長くなる可能性があります。早めの予約が得策です。
競合車種との比較
トヨタ スープラ
- 価格帯:約499万円〜740万円
- 直6 3Lターボ:387ps/50.6kgm
- BMWとの共同開発で高い完成度
マツダ ロードスター
- 価格帯:約280万円〜370万円
- オープン2シーター
- 軽量FRスポーツの楽しさ
ポルシェ 718ケイマン
- 価格帯:約800万円〜
- 水平対向4気筒ターボ:300ps
- ミッドシップレイアウト
フェアレディZは、純粋な日本製スポーツクーペとして、独自のポジションを確立しています。V6ツインターボの力強いサウンドと、伝統のロングノーズ・ショートデッキスタイルは、他では味わえない魅力です。
購入後のカスタマイズ提案
エクステリア
- カーボンパーツ(ミラーカバー、リップスポイラー)
- ホイール交換(RAYS、ENKEIなど)
- ローダウンサスペンション(※保証に注意)
インテリア
- レーシングシート(RECARO、BRIDEなど)
- ステアリング交換
- メーターフード
パフォーマンス
- ECUチューニング
- マフラー交換
- エアクリーナー交換
※改造は保証対象外となる場合があります。ディーラーに確認の上、慎重に検討してください。
まとめ|伝統と革新が融合した2027年モデル
2027年モデルのフェアレディZマイナーチェンジは、Zの伝統を守りながらも、現代的な性能向上を実現した意欲作です。
最大の魅力
- Gノーズデザインによるヘリテージ感
- サスペンション改良による走りと快適性の両立
- NISMO 6速MTの追加
改善希望ポイント
- ナンバープレート位置
- パワーユニットのさらなる向上
- 電動化技術の導入
総合的に見れば、マイナーチェンジとしては大成功と言えるでしょう。特にサスペンション改良による走行性能と快適性の両立は、日常使いとスポーツ走行の両方を楽しみたいユーザーにとって大きな魅力です。
56年の歴史を持つフェアレディZは、これからも日本を代表するスポーツカーとして進化を続けていくでしょう。2026年夏の発売が今から楽しみです。
日産 フェアレディZ

