ダイハツは、新型「ハイゼットカーゴ」に、「e-SMART ELECTRIC」を採用したバッテリーEV(BEV)モデル「e-ハイゼットカーゴ(e-HIJET CARGO)」をラインナップに追加します。
「e-HIJET CARGO」は2022年6月14日に日本の特許庁に申請(商願2022-068121)した。同日「e-SMART ELECTRIC」も申請(商願2022-068122)しています。当初は2023年12月頃の発売を予定していましたが、ダイハツ工業の認証手続きに関する不正問題の影響で発売が延期されていました。
「e-HIJET CARGO」は、東京ビッグサイトで開催された「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に出展され、注目を集めました。
ダイハツ 新型「ハイゼットカーゴ」一部改良 BEV 「e-ハイゼットカーゴ」について
BEV商用軽バンの導入にあたり、スズキとダイハツの軽自動車製造のノウハウと、トヨタの電気自動車技術を融合し、3社共同で軽商用車に適したBEVシステムを開発しました。車両はダイハツが生産し、スズキ、ダイハツ、トヨタがそれぞれ2023年度内に導入する予定でした。
- スズキ: EVERY EV
- ダイハツ: HIJET CARGO EV
- トヨタ: PIXIS VAN EV
一充電あたりの航続距離は200km程度を見込んでいます。
詳しくはこちらの記事にまとめましたので参考にしてみて下さい。
→ついに「スズキ」「ダイハツ」「トヨタ」3社共同開発で新型バッテリEV商用軽バン 2023年度内導入
東京ビッグサイトを中心に開催された「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」が展示・公開され、実際に筆者も身近で見て、デザインや機能なども聞き撮影もさせて頂きました。
新型 ハイゼットカーゴ フルモデルチェンジについて
エクステリアデザイン変更、スクエアなシルエットに進化。
新開発プラットフォーム「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」を採用する。車両構造の見直しによる車両の軽量化、上下曲げ剛性は従来比30%向上、アッパーボディのハイテン率10%向上させ車両全体の軽量化を実現。
トランスミッションの改良を行い「FR車専用新開発CVT」・エンジンの改良。日本初の「マルチスパーク(複数回点火)」などを採用により、エンジンは圧縮比の向上やインジェクター噴霧微粒化等により燃焼効率を高めた。
インテリアでは「9インチのディスプレイオーディオ」を採用。SmartDeviceLinkとApple CarPlayに対応したアプリをディスプレイ上で操作することが可能。
先進技術「次世代スマートアシスト」搭載。
新型 ハイゼットカーゴ 先進技術「次世代スマートアシスト」標準搭載
「次世代スマートアシスト」を搭載。ステレオカメラを採用、歩行者対応や従来より作動速度域を拡大。「セーフティ・サポートカーS〈ワイド〉」(サポカーS〈ワイド〉対象車対象車となる。
車体前後各二つのコーナーセンサー装備 さらに進化した「次世代スマートアシスト」が、運転中の「ヒヤッ」とするシーンで事故の回避を図り、あなたの安全運転を支援します。 ソナーセンサーに加え、ドライバーの視界や頭上空間を妨げない、世界最小ステレオカメラを新搭載。 歩行者や先行車、障害物などの様々な情報を的確に捉え、運転者に注意を促したり、緊急ブレーキを作動させます。
衝突警報機能/衝突回避支援ブレーキ機能 ①衝突警報(対車両、対歩行者) 走行中に前方の車両や歩行者をカメラが検知し、衝突の危険性があると判断した場合、ブザー音とメーター内表示でお知らせします。
②一次ブレーキ(対車両、対歩行者) 衝突の危険があるとシステムが判断した場合、自動的に弱いブレーキ(一次ブレーキ)をかけ、運転者に衝突回避を促します。
③被害軽減ブレーキアシスト(対車両、対歩行者) 一次ブレーキ機能が作動している時にドライバーがブレーキを踏むと、ブレーキアシストが作動し、ブレーキ制動力を高めます。
④緊急ブレーキ(対車両、対歩行者) 衝突が避けられないとシステムが判断した場合、強いブレーキ(二次ブレーキ)で減速。衝突を回避したり、被害を軽減します。
車線逸脱抑制制御機能 走行中、ウインカーなしで車線からはみ出しそうになると、ブザー音とメーター内表示でドライバーに警告し、操作を促す。更に車線内に戻すようステアリン グ操作をアシスト。
先行車発進お知らせ機能 停止時に先行車が発進したことに気づかず、発進しなかった場合にブザー音とメーター内表示でお知らせ。
AT誤発進抑制制御機能+ブレーキ制御付誤発進抑制機能 ①前方誤発進抑制制御機能 ステレオカメラにより、前方4m以内に車両や壁などの障害物を検知している時に、シフトポジションを「前進」にしたままアクセルペダルを踏み込んだ場合、エンジン出力を制限することで、急発進を抑制します。②後方誤発進抑制制御機能 リアバンパーに内蔵されたソナーセンサーにより、後方2~3m以内に壁などの障害物を検知している時に、シフトポジションを「後退」にしたままアクセルペダルを踏み込んだ場合、エンジン出力を制限することで、急発進を抑制します。更にブレーキ制御を付加した。
ハイビームアシスト ステレオカメラが対向車のヘッドランプなどの明るさを検知し、自動でハイビームとロービームを切り替えます。これにより、切り替え操作なくハイビームでの走行が可能になり、街灯の少ない道路でも安心して夜間の走行ができます。
アダプティブドライビングビーム ハイビームで走行中に、対向車を検知すると、対向車の部分のみ自動で遮光。
標識認識機能 進入禁止の標識をステレオカメラが検知すると、メーター内表示でお知らせ。
「スマートアシストⅡ」「スマートアシストⅢ」「次世代スマートアシスト」の違いについて
機能システム | スマートアシスト Ⅱ | スマートアシスト Ⅲ | 次世代 スマートアシスト |
---|---|---|---|
方式 | レーザーレーダー +単眼カメラ | ステレオカメラ | ステレオカメラ |
自動ブレーキ 歩行者 | – 警告のみ (50km/h以下) | ◯ (50km/h以下) | ◯ (50km/h以下) |
自動ブレーキ 衝突回避 | ◯ (20km/h以下) | ◯ (30km/h以下) | ◯ (30km/h以下) |
自動ブレーキ 被害軽減 | ◯ (30km/h以下) | ◯ (80km/h以下・ | ◯ (80km/h以下・ 対歩行者 50km/h以下) |
誤発進抑制 前方/後方 | ◯ | ◯ | ◯ (ブレーキ制御) |
車線逸脱警報 | ◯ | ◯ | ◯ |
先行者発進 お知らせ | ◯ | ◯ | ◯ |
オートハイビーム orアダプティブ ハイビームシステム | – | ◯ | ◯ |
標識認識機能 | – | – | ◯ |
コーナーセンサー | – | – | ◯ |
新型 ハイゼットカーゴ スペック
スペック | 新型 ハイゼットカーゴ | 新型 ハイゼットカーゴ |
---|---|---|
エンジン形式 | NA | ターボ |
全長 | 3,395mm | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm | 1,475mm |
全高 | 1,890mm | 1,890mm |
ホイールベース | 2,450mm | 2,450mm |
エンジン | 660cc 直3 DOHC エンジン | 660cc 直3 DOHC ターボエンジン |
最高出力 | 39kW(53ps)/ 7,200rpm | 47kW(64ps)/ 5,700rpm |
最大トルク | 60Nm(6.1kgm)/ 4,000rpm | 91Nm(9.3kgm)/ 2,800rpm |
トランスミッション | CVT | CVT |
駆動方式 | FF/4WD | FF/4WD |
JC08モード燃費 | 20.5km/L(2WD) 20.3km/L(4WD) | 19.7km/L(2WD) 19.0km/L(4WD) |
WLTCモード燃費 | 15.6km/L(2WD) 15.6km/L(4WD) | 14.7km/L(2WD) 14.7km/L(4WD) |
ダイハツ 新型 ハイゼットカーゴ フルモデルチェンジ 17年ぶり 2021年12月20日発売
ハイゼット カーゴ 新価格について
ダイハツは、軽商用車「ハイゼット カーゴ」「ハイゼット トラック」その特装車シリーズのメーカー希望小売価格を2023年7月生産分より下表のとおり改定する。
グレード | エンジン | トランス ミッション | 駆動 方式 | 現行価格 | 新価格 |
---|---|---|---|---|---|
スペシャル | 直列3気筒DOHC 0.66L | 5MT | 2WD | 1,045,000円 | 1,100,000円 |
4WD | 1,199,000円 | 1,254,000円 | |||
CVT | 2WD | 1,100,000円 | 1,155,000円 | ||
4WD | 1,254,000円 | 1,309,000円 | |||
スペシャルクリーン | CVT | 2WD | 1,122,000円 | 1,177,000円 | |
4WD | 1,276,000円 | 1,331,000円 | |||
デラックス | 5MT | 2WD | 1,155,000円 | 1,215,500円 | |
4WD | 1,309,000円 | 1,369,500円 | |||
CVT | 2WD | 1,210,000円 | 1,270,500円 | ||
4WD | 1,364,000円 | 1,424,500円 | |||
クルーズ | 5MT | 2WD | 1,232,000円 | 1,298,000円 | |
4WD | 1,386,000円 | 1,452,000円 | |||
CVT | 2WD | 1,331,000円 | 1,397,000円 | ||
4WD | 1,485,000円 | 1,551,000円 | |||
クルーズターボ | 直列3気筒DOHC 0.66Lターボ | CVT | 2WD | 1,452,000円 | 1,529,000円 |
4WD | 1,606,000円 | 1,683,000円 |
ハイゼット トラック 新価格について
グレード | エンジン | トランス ミッション | 駆動 方式 | 現行価格 | 新価格 |
---|---|---|---|---|---|
スタンダード スマートアシスト非装着車 | 直列3気筒DOHC 0.66L | 5MT | 2WD | 902,000円 | 962,500円 |
4WD | 1,034,000円 | 1,094,500円 | |||
CVT | 2WD | 957,000円 | 1,017,500円 | ||
4WD | 1,111,000円 | 1,171,500円 | |||
スタンダード | 5MT | 2WD | 968,000円 | 1,028,500円 | |
4WD | 1,100,000円 | 1,160,500円 | |||
CVT | 2WD | 1,023,000円 | 1,083,500円 | ||
4WD | 1,177,000円 | 1,237,500円 | |||
スタンダード “農用スペシャル” スマートアシスト非装着車 | 5MT | 4WD | 1,061,500円 | 1,122,000円 | |
CVT | 4WD | 1,138,500円 | 1,199,000円 | ||
スタンダード “農用スペシャル” | 5MT | 4WD | 1,127,500円 | 1,188,000円 | |
CVT | 4WD | 1,204,500円 | 1,265,000円 | ||
ハイルーフ スマートアシスト非装着車 | 5MT | 2WD | 918,500円 | 979,000円 | |
4WD | 1,050,500円 | 1,111,000円 | |||
CVT | 2WD | 973,500円 | 1,034,000円 | ||
4WD | 1,127,500円 | 1,188,000円 | |||
ハイルーフ | 5MT | 2WD | 984,500円 | 1,045,000円 | |
4WD | 1,116,500円 | 1,177,000円 | |||
CVT | 2WD | 1,039,500円 | 1,100,000円 | ||
4WD | 1,193,500円 | 1,254,000円 | |||
エクストラ | 5MT | 2WD | 1,133,000円 | 1,199,000円 | |
4WD | 1,287,000円 | 1,353,000円 | |||
CVT | 2WD | 1,188,000円 | 1,254,000円 | ||
4WD | 1,342,000円 | 1,408,000円 | |||
ジャンボスタンダード | 5MT | 2WD | 1,094,500円 | 1,160,500円 | |
4WD | 1,226,500円 | 1,292,500円 | |||
CVT | 2WD | 1,149,500円 | 1,215,500円 | ||
4WD | 1,303,500円 | 1,369,500円 | |||
ジャンボエクストラ | 5MT | 2WD | 1,243,000円 | 1,320,000円 | |
4WD | 1,397,000円 | 1,474,000円 | |||
CVT | 2WD | 1,298,000円 | 1,375,000円 | ||
4WD | 1,452,000円 | 1,529,000円 |
詳しくはこちらの記事にまとめましたので参考にしてみて下さい。
→ダイハツ 軽商用車「ハイゼット」原材料価格高騰などで2023年7月生産分より価格改定へ
ダイハツ 新型 BEV 「e-ハイゼットカーゴ」ライバル車種について
商用軽自動車のEVモデル開発は他社でも進んでおり、ホンダは軽バン「N-VAN」をベースとした新型軽商用EV「N-VAN e:」を2024年5月先行予約開始、2024年秋に発売予定です。
ホンダは2030年までにグローバルで30種類のEV展開を計画しており、取り外し可能なバッテリーを搭載した「MEV-VAN Concept」を「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で展示しました。
詳しくはこちらの記事にまとめましたので参考にしてみて下さい。
2024年度「EV」「PHEV」「FCEV」クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)について
EVの補助金の利用により、e-ハイゼットカーゴの購入価格は大幅に下がる可能性もあります。
補助金予算額1,291億円
クリーンエネルギー自動車の普及拡大に向けて、R5年度補正予算を拡充、補助金予算額1,291億円。 自動車分野のGXを実現するためには、車両性能の向上だけではなく、「電動車が持続的に活用できる環境構築」も必要。そのため、R5年度補正予算からは新たな補助額の算定方法を導入する。具体的には、車両性能や充電インフラ整備、アフターサービス体制の確保及び災害時の地域との連携等、「自動車分野のGX実現に必要な価値」に基づき、メーカーの取組を総合的に評価し、補助対象や金額を決定。
補助金額
補助金額は、車両の種類や燃費性能等によって異なりますが、2024年度(令和5年度補正予算)は、以下の通りです。
車両種別 | 補助金額 |
---|---|
電気自動車(EV) | 最大85万円 |
軽電気自動車(軽EV) | 最大55万円 |
プラグインハイブリッド車(PHEV) | 最大55万円 |
燃料電池自動車(FCEV) | 最大255万円 |
引用:クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)
編集部から一言
軽自動車 商用EVは他社のホンダ、三菱、など各社2024年にはラインナップが揃うほど、多くの需要があります。新しいEVの世界に目が離せませんね。新しい情報が入り次第お知らせいたいます。
ダイハツニュースリリース
https://www.daihatsu.com/jp/news/2023/20230420-1.html
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