米国のトヨタは、新型「カムリ」のフルモデルチェンジを行い、11代目として2024年4月18日に価格などを発表しました。日本モデルは販売を終了し、海外モデルはフルモデルチェンジをして11代目も販売を継続しますが、海外専売車種となります。さらに、米国では以前V6エンジンモデルがありましたが、今回はハイブリッドモデルのみとなり、ハイブリッド専用車となりました。価格は28,400ドル(約439万円)から36,125ドル(約560万円)となります。一体、どのようなモデルになったのか詳しい内容を説明いたします。
トヨタ 新型 カムリ フルモデルチェンジ フルモデルチェンジについて
新型「カムリ」のエクステリアは、先代モデルの10代目に続き、「ハンマーヘッド」デザインが採用されます。さらに、TNGA(Toyota New Global Architecture)の「TNGA-Kプラットフォーム」が採用され、より洗練された走行性能や乗り心地が期待されます。第5世代ハイブリッドシステムでは、効率を高めた「THSⅡ」が採用され、より燃費効率の高いパフォーマンスが実現されます。また、次世代の「Toyota Safety Sense 3.0」も採用され、昼間の自転車や夜間の歩行者などの検知能力が向上し、安全性が向上します。これらの要素が組み合わさり、新型「カムリ」はより先進的で安全性に優れた車両として注目されます。
トヨタ 新型 カムリ フルモデルチェンジ エクステリアについて
フルモデルチェンジにより、フロントデザインは「ハンマーヘッド」をモチーフとした機能性とデザイン性を高次元で両立させたものになります。さらに、DRL(デイタイムランニングライト)「シグネチャーランプ」が採用され、ヘッドライトの形状はより鋭くなり、2つのL字型のDRL「シグネチャーランプ」を備え、個性と先進性を強調します。
新デザインのハンマーヘッドについて
メーカー統一のデザインという選択も確かにあります。同社の高級部門であるレクサスでは、「スピンドルグリル」「スピンドルボディ」が特徴的であり、マツダの「鼓動(こどう)デザイン」やBMWの「キドニーグリル」など、メーカーはデザインを一定程度統一化することがあります。トヨタも「ハンマーヘッド」デザインはまさにその共通デザイン言語となっています。
5代目の新型「プリウス」と「bZ4X」から始まった「ハンマーヘッド」デザインは、シュモクザメ「ハンマーヘッドシャーク」から着想を得ています。まさにサメのような顔つきで、トヨタ車の新モデルに急速に広まっています。その後、「クラウンスポーツ」「クラウンエステート」など、次々にこのデザインが採用され、トヨタの象徴的なデザインとなっています。
トヨタ 新型 カムリ フルモデルチェンジ インテリアについて
インテリアは、センターメーターを採用し、より大きな液晶パネルを使い、情報や表示を見やすくするでしょう。新型「MIRAI」や新型「クラウン」など、トヨタ車の流れに沿って、エアコンの吹き出し口を変更し、ナビの位置を上にすることで、より使い勝手の良い仕様に変更される可能性が高いです。グレード「LE」と「SE」は、7インチのデジタルメーターと8インチのディスプレイに落ち着いていますが、「XLE」と「XSE」は、12.3インチのフルデジタル液晶メーターと12.3インチのディスプレイにアップグレードされます。さらに、「電動パーキングブレーキ&ホールド」も採用されます。
トヨタ 新型 カムリ フルモデルチェンジ 次世代Toyota Safety Senseについて
次世代「Toyota Safety Sense 3.0」全車標準搭載する。昼間の自転車や夜間の歩行も検知可能となった「プリクラッシュセーフティ」や、前方車両との車間距離を一定に保つ「レーダークルーズコントロール」の作動時に、車線維持に必要なステアリング操作を支援する「レーントレーシングアシスト(LTA)」を搭載。
歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ(PCS) レーザーレーダーとカメラを用いて前方の障害物を検知し、衝突の危険がある場合、まずドライバーにブザーとディスプレイ表示で警報を出すことでブレーキを踏むように促す。
ロードサインアシスト(RSA) 検知対象を拡大し、ほか、また、道路脇にある「制限速度」「一時停止」「進入禁止」「はみ出し禁止」といった主要な交通標識を読み取ってインパネに表示する。
レーンディパーチャーアラート(LDA) カメラによって走行車線の白線や黄線を認識し、車線逸脱の可能性を検知した場合にはブザーとディスプレイ表示でドライバーに警報を出すことで、車線逸脱による衝突事故の回避を支援。
先行車発進告知機能 信号待ちや渋滞で先行車に続いて停止し、先行車の発進に気づかずそのままでいる場合には、ブザーとディスプレイ表示でお知らせ。
オートマチックハイビーム(AHB) カメラによって対向車のヘッドランプ、または先行車のテールランプを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えることで、他の車両のドライバーの眩惑を低減するとともに、夜間の前方視界確保を支援。
レーダークルーズコントロール 先行車との車間距離の検知にミリ波レーダーを使用し、設定車速内で先行車の車速に合わせて速度を調節することで一定の車間距離を保ちながら追従走行できるレーダークルーズコントロールを採用。前方車両の車線変更をミリ波レーダーとカメラで検知し、よりスムーズな加減速制御を実現。トヨタはモビリティ社会の究極の願いである「交通事故死傷者ゼロ」を目指し、「統合安全コンセプト」に基づいた各種の安全装備・システムを研究・開発し、「より安全な車両・技術開発」に邁進するとともに、「交通環境整備への参画」「人に対する交通安全啓発活動」を通じ、交通安全への幅広い取り組みを強化している。
レーントレーシングアシスト(LTA) 高速道路や自動車専用道路を走行中、レーダークルーズコントロールの作動時にレーントレーシングアシスト[LTA]のスイッチをONにすると車線維持に必要なステアリング操作支援を行う。
プロアクティブドライビングアシスト プロアクティブ運転アシスト (PDA) は、システム動作条件が満たされた場合に車両のカメラとレーダーを使用して、穏やかなブレーキやステアリングを提供し、車両と先行車両、歩行者、車両との間の距離制御などの運転タスクをサポートします。または自転車に乗る人。 PDA は、カーブで緩やかにブレーキをかけることもできます。
アドバンスドセーフティ
インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ静止)アクセルの踏み間違いや踏みすぎなどで起こる衝突を緩和し、被害の軽減に寄与するシステム。車庫入れなどの運転時、静止物への接近を表示とブザーで知らせる「クリアランスソナー」に、静止物との接触を緩和する機能を追加。ソナーはコンビニなどのガラスもしっかり検知。低速走行時(15km/h以下)に進行方向にある静止物を検知している場合、ハイブリッドシステム出力を抑制し、さらに距離が縮まると自動的にブレーキをかける。
先行車発進告知機能信号待ちや渋滞で先行車に続いて停止し、先行車の発進に気づかずそのままでいる場合には、ブザーとディスプレイ表示でお知らせ。
緊急ブレーキシグナル(ハザードランプ点滅式)急ブレーキをかけると、ハザードランプが自動的に点滅。
ドライバー異常時対応システムレーントレーシングアシスト[LTA]制御中にドライバーの無操作状態が継続している場合、音と表示と緩減速による警告でドライバーに操作を促す、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車し、自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援。
デジタルインナーミラー車両後部に取り付けたカメラの映像をルームミラーに表示する。
Advanced Parkリモート機能付き画面表示や音声・ブザー音による操作案内および、ハンドル、シフトポジション、アクセルとブレーキ操作を行うことにより、画面上で確認した目標駐車位置付近への後退駐車や縦列駐車からの出庫のアシスト。更に専用スマホアプリを用意されており車外から遠隔操作をして駐車を行うことが可能。
パノラミックビューモニター(360°モニター) クルマの斜め後ろや真横など、目が届きにくい箇所も確認できるため、いち早く障害物に気が付くことができる。
ブラインドスポットモニター(BSM) 隣の車線を走る車両をレーダーで検知。車両が死角エリアに入ると、ドアミラーに搭載されたLEDインジケーターを点灯。
安心降車アシスト(SEA) 降車時、ブラインドスポットモニター[BSM]のセンサーを活用し、後方からの自転車を含む接近車両などを検知。開放後のドア、もしくは降車した乗員と衝突する可能性があるとシステムが判断した場合、ドアミラー内のインジケーターを点灯させ注意を促す。
リヤクロストラフィックオートブレーキ 後退時の死角を検知し、注意を喚起。衝突の危険性がある場合は自動的にブレーキ制御を行うことで接近車両との衝突被害軽減をサポートします。
リモートスタート(アプリ)MyTOYOTAアプリからエンジンスタート・エアコン起動が可能になる新しいオプションサービス。
トヨタ 新型 カムリ フルモデルチェンジ ハイブリット エンジン について
2025年のカムリは、ハイブリッド専用となり、ハイブリッドシステムは前輪駆動モデルに限定されなくなりました。前輪駆動車とAWD車の両方が、同じ基本的な「2.5L直列4気筒エンジン」を使用し、2つの電気モーターによって補強されています。しかし、前輪駆動バージョンは合計最高出力225hp(228PS)を発揮するのに対し、全輪駆動車は合計最高出力232hp(235PS)です。実際、全輪駆動のカムリは名目上前輪駆動ですが、AWD機能は必要に応じて後部に取り付けられた3番目の電気モーターによって供給されます。
スペック | カムリ ハイブリッド |
---|---|
エンジン | 直列4気筒 2.5L 直噴エンジンD-4S +モーター(THSⅡ) |
最高出力 | 131kW(178ps)/ 5,700rpm |
最大トルク | 221Nm(22.5kgm)/ 3,600-5,200rpm |
フロントモーター 最大出力 | 88kw(120ps) |
フロントモーター 最大トルク | 202Nm(20.6kgm) |
リアモーター 最大出力 | 40kW(54ps) |
リアモーター 最大トルク | 121Nm(12.3kgfm) |
システム出力 | E-Four:232hp(235PS) 2WD:225hp (228PS) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
バッテリー | リチウムイオン バッテリー |
駆動方式 | 2WD/ 4WD(E-Four) |
乗車定員 | 5名 |
トヨタ 新型 カムリ フルモデルチェンジ その他変更点 について
全モデルには、マクファーソンストラット式フロントサスペンションとマルチリンク式リアサスペンションが採用されています。SEおよびXSEグレードには、快適性を向上させるための大径フロントスタビライザーバーを含む、フロントとリアに新しいショックアブソーバーを備えた特別にスポーツ調整されたサスペンションが装備されています。新たに採用されたブレーキシステムにより、ブレーキフィールが向上し、さらなるコントロール性が実現されました。電子制御ブレーキシステム(ECB)は、新しいポンプモーターを備えたブレーキアクチュエーターを介して、オンデマンドで加圧を行う機能を備えており、制御性とブレーキの感触が向上しました。
トヨタ 新型 カムリ フルモデルチェンジ 価格 について
価格帯は約439万円~約560万円と今の市場価格を考えると非常に魅力的な価格帯になっていると感じました。
グレード | 駆動方式 | 価格 | 日本円 |
---|---|---|---|
LE | FWD | 28,400ドル | 約439万円 |
SE | FWD | 30,700ドル | 約475万円 |
XLE | FWD | 33,400ドル | 約517万円 |
XSE | FWD | 34,600ドル | 約535万円 |
LE | AWD | 29,925ドル | 約463万円 |
SE | AWD | 32,225ドル | 約498万円 |
XLE | AWD | 34,925ドル | 約540万円 |
XSE | AWD | 36,125ドル | 約560万円 |
カムリについて
日本では、トヨタがセダンモデルの「カムリ」の国内販売を終了しました。トヨタ公式ページによれば、生産は2023年12月下旬まで続けられ、2024年1月30日に「カムリ」がラインアップから消えることになります。
カムリの歴史を振り返ると、現在は10代目に当たります。過去には5~6年ごとにフルモデルチェンジを繰り返してきましたが、2023年から2024年にかけてのフルモデルチェンジは見送られました。日本国内では、残念ながら10代目での販売終了となります。
カローラと共に、トヨタ自動車の世界戦略車として位置づけられてきたカムリは、1980年に国内専用モデル「セリカ カムリ」として誕生し、1982年には現在の車名「カムリ」として一新し、グローバルに販売が開始されました。これまでカムリは、「トヨタのグローバルミッドサイズセダン」として、米国では15年連続で乗用車販売台数No.1を獲得するなど、100カ国以上の国や地域で販売され、累計1,800万台以上が販売されました。
日本モデルは2024年1月をもって販売終了となり、44年の歴史に幕を閉じます。
編集部から一言
新型カムリのフルモデルチェンジによる11代目は、興味深い進化を遂げたと感じます。特に、ハイブリッド専用という方向性は環境に対する配慮や持続可能性への取り組みを示しています。また、フロントデザインの変更や新しいライティングシステムの採用など、外観の洗練も目を引きます。ただし、V6エンジンモデルの廃止が、一部の顧客にとっては少し物足りないかもしれません。それでも、価格帯の幅広さやハイブリッド技術の導入による燃費向上など、多くの利点があるように思います。総じて、トヨタのカムリは進化を続け、ユーザーにとってより魅力的な選択肢となっているように感じます。また、日本再導入を望む人も多くいるかもしれませんね。
トヨタニュースリリース