スバルの米国法人(Subaru of America)は2026年9月22日、公式ニュースリリースを通じて、2027年モデルとなる新型「WRX」と「BRZ」の限定生産・エンスージアスト(走り好き)向け特別モデルを発表すると明らかにしました。
発表の舞台となるのは、現地時間2026年9月27日(日)に米国ペンシルベニア州ヨークの「ヨーク・フェアグラウンズ(York Fairgrounds)」で開催されるスバル最大級のファンイベント**「ボクサーフェスト2026(Boxerfest 2026)」**です。日本時間では9月28日(月)にあたります。
現時点で公式スペックの詳細は明かされていませんが、スバルが公開した1枚のティーザー画像が、モデルの正体を強く示唆しています。本記事では、公開情報と関連する既存モデルのスペックをもとに、両モデルの中身を予想・解説します。

WRXは「tSの限定強化版」か|巨大リアウイングが示すもの
公開されたティーザー画像には、スバルのコーポレートカラーであるWRブルー・パールをまとったWRXが写っており、リアゲートには明確に**「WRX tS」のバッジ**、そして「公園のベンチほどのサイズ」と評される巨大なリアウイングが装着されています。

この時点で、多くのメディアが一致して指摘しているのは、これが噂されていた**「WRX STIのサプライズ復活」ではないという点です。あくまでtSをベースにした数量限定モデルであり、かつてEJ20エンジンを搭載し400ps級を狙った過激なSTIとは方向性が異なります。パワートレインは既存の2.4L 水平対向4気筒直噴ターボをベースとし、最高出力は300ps未満(米国仕様で271hp前後)**に収まる可能性が高いとみられています。
参考:現行WRX tSの装備とスペック
現行の米国仕様WRX tSには、走りを引き上げる以下の装備が採用されています。
- STIチューニングによる電子制御ダンパー
- ブレンボ(Brembo)製ブレーキシステム
- レカロ(RECARO)製スポーツシート
- 19インチアルミホイール
- その他各種シャシーアップグレード
一方でパワートレインは通常グレードと共通で、2.4L 水平対向4気筒直噴ターボが**最高出力271hp(202kW)/最大トルク350Nm(258lb-ft)**を発揮します。トランスミッションはCVTと6速MTの2種類、駆動方式はスバル伝統のシンメトリカルAWD(四輪駆動)のみです。

課題は「動力性能」|ライバルに追い抜かれた現状
WRXとSTIがかつて熱狂的な支持を集めたのは、手の届く価格ながらターボ・AWD・本格的な走行ハードウェアを備え、はるかに高価な車両を峠道で慌てさせる「価格以上の速さ」があったからです。
しかし現在、ライバルはその性能を追い越しています。トヨタ「GRカローラ」は300hp、ホンダ「シビック タイプR」は315hp、フォルクスワーゲン「ゴルフR」に至っては328hpを発揮します。米国仕様WRXの271hpは、巨大ウイングの見た目に反して、動力性能では見劣りするのが実情です。だからこそ、今回の限定モデルでパワーアップが図られるのかが最大の注目点となります。
BRZは「STI Sport Type RA」がベースの可能性大
もう1台の限定モデルであるBRZについては、より具体的な予想が立てられています。有力視されているのが、日本でも設定された特別仕様車**「BRZ STI Sport Type RA」**の投入です。
Type RAは単なるバッジやトリムの追加ではなく、エンジン内部に踏み込んだ本格チューニングが施されている点が最大の特徴です。
BRZ STI Sport Type RAの主な特徴
- 特別選別・バランス調整されたエンジン部品(ピストン、コンロッド、クランクシャフト、フライホイール、クラッチカバー)
- ZF製ダンパー
- ブレンボ製ブレーキシステム
- BBS製ホイール
- STI製シャシーコンポーネント
- スーパー耐久(Super Taikyu)レースプログラムで開発されたドライカーボン製リアウイング装着グレードも設定
劇的な馬力アップこそないものの、公差にこだわった部品選別によってエンジンレスポンスと高回転域でのスムーズさが向上しており、走行フィールは通常のBRZとは別物とされています。
なお日本市場では、BRZ STI Sport Type RAは200台/300台といった数量限定で展開され、メーカー希望小売価格は約497万2000円〜(税込)と、ベースモデルより100万円以上高い価格設定となっています。米国モデルがこれと同一仕様である保証はありませんが、スバルが「魅力的なBRZ用ハードウェアを既に持っている」ことは間違いなく、その一部が今回の限定車に採用されることが期待されます。
まとめ:正体判明は9月27日「ボクサーフェスト2026」
今回の発表内容を整理すると以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年9月27日(日)※日本時間9月28日(月) |
| 発表場所 | ボクサーフェスト2026(米ペンシルベニア州ヨーク) |
| 対象車種 | 2027年型 WRX / 2027年型 BRZ |
| 位置づけ | エンスージアスト向け限定生産モデル |
| WRX予想 | tSベースの限定強化版(巨大リアウイング装着) |
| BRZ予想 | STI Sport Type RAベースの可能性 |
STIの完全復活ではないものの、スバルが「あの頃の魔法」を取り戻そうとしている姿勢は明確です。巨大なリアウイングやバランスドエンジンといったハードウェアが、どこまで走りに反映されるのか。正式なスペックとラインナップは、9月27日のボクサーフェスト2026で明らかになります。続報が入り次第、改めてお伝えします。
参考・出典
- Subaru of America 公式プレスリリース(media.subaru.com)

