ホンダは新型「フィット」のフルモデルチェンジを行い、5代目となる「フィット5」を2026年に発売します。先代モデルのフィットは2020年2月14日に発売を開始しており、丸6年でのフルモデルチェンジとなります。
ホンダのラインナップにおいて、長年にわたり主力コンパクトカーとしての地位を確立してきた「フィット」。その歴史は深く、多くのユーザーに愛され続けてきました。現行モデルである4代目「フィット4」は、2020年の登場以来、日本の道路事情に適したサイズ感と優れた実用性で人気を集め、2022年にはデザイン変更やパワートレインの改良を含む大規模なマイナーチェンジを実施し、商品力を一層高めてきました。そして今、自動車ファンの期待は、次なる世代、5代目となる「フィット5」へと注がれています。ホンダが満を持して送り出すこの新型フィット5は、単なるモデルチェンジに留まらず、コンパクトカーの概念を塗り替える可能性を秘めた、まさに新世代を象徴する一台となることが予想されています。フルモデルチェンジによって、エクステリアデザインからインテリアの機能性、走行性能、燃費、安全性に至るまで、あらゆる面での大幅な進化が予定されており、その詳細に注目が集まっています。この記事では、現時点で判明しているホンダ新型フィット5に関する最新情報を集約し、その魅力と進化のポイントを余すことなくご紹介していきます。
ホンダ新型フィット5(次期モデル)の要点まとめ
- フルモデルチェンジ: ホンダの主力コンパクトカー「フィット」が5代目「フィット5」へ全面刷新予定。走行性能、デザイン、居住性、機能性、安全性が大幅進化。
- コンセプト: 現行の「親しみやすさ」から、より「アグレッシブ」で「質感の高い」方向へ。軽自動車Nシリーズと差別化し、普通車コンパクトの魅力を訴求。
- エクステリア:
- ワイド感を強調したバンパー、スリムなヘッドライトなどを採用し、新世代を感じさせるデザインへ。
- 人気グレード「RS」(スポーツ)、「CROSSTAR」(クロスオーバー)は新型でも継続設定される可能性が高い。
- ボディサイズ:
- 5ナンバーサイズを維持しつつ、全長・ホイールベースを若干拡大(予想:全長4050mm、ホイールベース2550mm)。
- 室内空間の拡大と走行安定性の向上を両立。
- インテリア:
- 11.4インチの大型ディスプレイ(予想)を備えた最新インフォテインメントシステムを搭載。
- クラウド連携、ワイヤレススマホ連携、AIアシスタント対応で利便性向上。
- デジタルメーター、電動パーキングブレーキなどを採用し、先進性をアップ。
- 内装素材の質感も向上させ、快適な室内空間を演出。
- パワートレイン:
- ガソリン車:1.5Lエンジンを改良し、出力向上(予想:125ps)。
- ハイブリッド車:2モーター「e:HEV」を進化させ、エンジン(予想:110ps)とモーター(予想:135ps)の出力を向上。より力強く静かな走りを実現。
- 燃費:
- 走行性能を高めつつ、燃費性能も改善を目指す。
- 目標燃費(WLTCモード/FF予想):ガソリン車 19.0km/L、ハイブリッド車 32.5km/L。
- 安全装備:
- 最新の「ホンダセンシング」を全車標準装備(見込み)。
- ブラインドスポットインフォメーション、トラフィックジャムアシスト、後退出庫サポート、アダプティブドライビングビームなど、機能がさらに充実・進化。
- 価格:
- 最新装備の採用により、現行モデルより上昇する見込み。
- エントリー価格は180万円程度からと予想されるが、上位グレードは300万円を超える可能性も。
- 発売時期:2026年頃の発売が有力視されている。
ホンダ 新型「フィット」フルモデルチェンジ エクステリア について
ホンダ新型フィット5のエクステリアデザインは、現行モデルが持つ「心地よさ」や「親しみやすさ」といったコンセプトを継承しつつも、より時代の空気感を反映した、ダイナミックで存在感のある方向へと進化することが予想されます。近年の自動車デザインのトレンドとして、単なる機能性だけでなく、見た目の力強さや洗練性が重視される傾向にあります。新型フィット5もこの流れを汲み、より多くのユーザーにアピールするデザインを採用してくる可能性が高いでしょう。
具体的な変化としては、フロントマスクのデザインが挙げられます。現行モデルの柔和な表情から一転し、ワイド感を強調したバンパーデザインや、シャープでスリムな形状の最新LEDヘッドライトが採用されることで、より精悍でスポーティな印象を与えると考えられます。これにより、フロントビューは低重心で安定感のある、アグレッシブなものへと変貌を遂げるかもしれません。サイドビューやリアビューに関しても、ボディパネルの抑揚やキャラクターラインの処理によって、躍動感や上質感が表現されることが期待されます。
さらに、現行モデルで好評を博しているバリエーションモデルの展開も注目されます。スポーティな走りと専用デザインが魅力の「フィットRS」や、アクティブなライフスタイルに応えるクロスオーバーモデル「フィットCROSSTAR」は、その人気から新型フィット5でも継続設定される可能性が高いと見られています。これらのモデルは、それぞれ専用のエアロパーツや足回り、内外装の加飾が施されることで、標準モデルとは異なる個性を演出し、多様化するユーザーの嗜好に応える重要な役割を担うでしょう。新型フィット5は、標準モデルのデザイン進化に加え、これらの個性的なバリエーションモデルによって、幅広い層のユーザーに響く魅力的なエクステリアラインナップを構成することになりそうです。
5ナンバーサイズを維持しつつ拡大されるボディサイズとそのメリット
ホンダのラインナップを見ると、2024年にフルモデルチェンジしたコンパクトミニバン「フリード」は、全長4310mm、ホイールベース2740mmへと大型化しました。これにより、フィットとのサイズ差は従来よりも明確になっています。新型フィット5がボディサイズを拡大することは、フリードとの棲み分けをより明確にすると同時に、近年存在感を増している軽自動車(N-BOXなど)との差別化を図る上でも重要な意味を持ちます。軽自動車の手軽さも魅力ですが、新型フィット5は普通車コンパクトカーならではの「広さ」「走行安定性」「質感」といった付加価値を強調することで、独自のポジションを確立し、幅広いユーザー層にその魅力をアピールしていく戦略が見て取れます。5ナンバーサイズという制約の中で最大限のスペース効率と走行性能を追求する、ホンダの巧みなパッケージング技術が新型フィット5にも活かされることでしょう。
ホンダ 新型「フィット」フルモデルチェンジ インテリア について
新型フィット5のインテリアは、エクステリアデザインの進化と歩調を合わせ、よりモダンで機能的な空間へと生まれ変わることが期待されます。ホンダはかねてより、フィットにおいて前方視界の良さや開放感のある室内空間を重視してきましたが、新型ではこれらの美点を維持しつつ、先進装備の導入によって快適性と利便性を飛躍的に向上させることを目指していると考えられます。
その中心となるのが、大幅に進化するインフォテインメントシステムです。ダッシュボード中央には、現行モデルよりも大型化された11.4インチクラスのディスプレイが搭載される可能性が高いと見られています。この大型ディスプレイは、ナビゲーション画面の見やすさはもちろん、各種情報の表示や操作性を格段に向上させるでしょう。さらに、このシステムは単なる表示装置に留まらず、コネクテッド機能が大幅に強化される見込みです。クラウドサービスとの連携により、リアルタイムの交通情報や天気予報、オンラインでの地図更新などが可能になるほか、スマートフォンとの連携も進化し、ワイヤレスでのApple CarPlayやAndroid Autoへの対応が期待されます。
加えて、注目すべきは最新のAIアシスタント機能の搭載です。「OK、ホンダ」といった呼びかけに応じ、エアコンの温度調整やオーディオの選曲、ナビゲーションの目的地設定などを音声で操作できるようになることで、ドライバーは運転に集中したまま、安全かつ直感的に様々な機能を利用できるようになります。
装備面では、メーターパネルのフルデジタル化や、シフト周りをすっきりとさせる電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能の採用なども予想されます。これらの先進装備は、操作性の向上だけでなく、インテリア全体の洗練された雰囲気作りにも貢献するでしょう。
内装材の質感向上も見逃せないポイントです。シート表皮やドアトリム、ダッシュボードなどに、より手触りの良いソフトパッドや上質な加飾パネルが用いられることで、クラスを超えたプレミアムな空間が演出される可能性があります。広さや使い勝手といった実用性に加え、先進性と質感を高めた新型フィット5のインテリアは、乗る人すべてに快適で心地よい移動体験を提供してくれるはずです。
ホンダ 新型「フィット」フルモデルチェンジ 安全装備について
安全性能は、現代のクルマ選びにおいて最も重要な要素の一つです。ホンダは、先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を積極的に展開しており、新型フィット5においても、その最新バージョンが全グレードに標準装備される見込みです。これにより、ドライバーの安全運転を多角的にサポートし、事故のリスクを低減することを目指します。
搭載が予想される最新のホンダセンシングには、現行モデルで採用されている機能に加え、さらに高度な機能が追加される可能性があります。まず、衝突被害軽減ブレーキ(CMBS)や誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、標識認識機能といった基本的な安全機能は、センサーやカメラの性能向上により、検知精度や作動範囲がさらに進化することが期待されます。
高速道路や自動車専用道での運転負荷を軽減するアダプティブクルーズコントロール(ACC)には、渋滞追従機能が搭載されるだけでなく、新たに「トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)」が追加される可能性があります。これは、渋滞時に先行車に追従して走行し、停車、発進を自動で行う機能で、ドライバーの疲労を大幅に軽減します。
さらに、死角になりやすい車両後方の安全確認をサポートする機能も強化される見込みです。「ブラインドスポットインフォメーション」は、隣接する車線を走行する車両を検知し、ドアミラー上のインジケーターでドライバーに注意を促します。また、「後退出庫サポート」は、駐車場からバックで出る際に、後方左右から接近する車両を検知し、警報やディスプレイ表示で知らせる機能です。
夜間の視界確保に貢献するヘッドライトシステムも進化します。「オートハイビーム」は、先行車や対向車を検知してハイビームとロービームを自動で切り替えますが、さらに高度な「アダプティブドライビングビーム」の採用も期待されます。これは、ハイビームを維持したまま、先行車や対向車の部分だけを遮光する機能で、より広い範囲を明るく照らしながら、他車への眩惑を防ぎます。
その他にも、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによる急加速を抑制する「急アクセル抑制機能」や、駐車時などに車両周囲の障害物を検知する「パーキングセンサーシステム」なども搭載され、日常の運転シーンにおける”ヒヤリ”を減らすことに貢献します。これらの充実した先進安全装備により、新型フィット5は、ドライバーだけでなく同乗者、そして周囲の人々にとっても、より安全で安心なクルマとなることが期待されます。
システム 装備 | フィット |
---|---|
CMBS | ◯ (昼・夜間 歩行者 自転車) |
誤発進抑制機能 | ◯ |
近距離衝突軽減ブレーキ | ◯ |
急アクセル制御機能 | ◯ |
歩行者事故低減ステアリング | ◯ |
路外逸脱抑制機能 | ◯ |
渋滞時追従機能付き アダプティブ クルーズコントロール (ACC) | ◯ |
車線維持支援システム (LKAS) | ◯ |
先行車発進お知らせ機能 | ◯ |
標識認識機能 | ◯ |
後方誤発進抑制機能 | ◯ |
ブラインドスポット インフォメーション | ◯ |
オートハイビーム | ◯ |
パーキングセンサーシステム | ◯ |
マルチビューカメラシステム | ◯ |
トラフィックジャムアシスト (渋滞運転支援機能) | ◯ |
新型と先代「フィット」安全技術 比較
システム 装備 | 4代目 フィット 後期 | 5代目 フィット 前期 |
---|---|---|
CMBS | ◯ (昼・夜間 歩行者 自転車) | ◯ (昼・夜間 歩行者 自転車) |
誤発進抑制機能 | ◯ | ◯ |
近距離衝突軽減ブレーキ | – | ◯ |
急アクセル制御機能 | – | ◯ |
歩行者事故低減ステアリング | ◯ | ◯ |
路外逸脱抑制機能 | ◯ | ◯ |
渋滞時追従機能付き アダプティブクルーズコントロール(ACC) | ◯ (約0km/h~) | ◯ (約0km/h~) |
LKAS | ◯ | ◯ |
先行車発進お知らせ機能 | ◯ | ◯ |
標識認識機能 | ◯ | ◯ |
後方誤発進抑制機能 | ◯ | ◯ |
ブラインドスポット インフォメーション | ◯ (オプション) | ◯ |
オートマチックハイビーム | ◯ | ◯ |
パーキングセンサーシステム | ◯ | ◯ |
マルチビューカメラシステム | – | ◯ |
トラフィックジャムアシスト (渋滞運転支援機能) | – | ◯ |
ホンダ 新型「フィット」フルモデルチェンジ パワフルさと環境性能を両立する最新パワートレイン
ホンダ新型フィット5の心臓部となるパワートレインは、走行性能と環境性能の両面で大きな進化を遂げることが予想されます。現行モデルは2022年のマイナーチェンジで、ガソリン車のエンジンを従来の1.3Lから1.5Lへと変更し、動力性能を向上させましたが、新型フィット5ではさらに改良された最新世代のエンジンが搭載される見込みです。
ガソリンモデルには、現行の1.5L直列4気筒エンジンをベースに、さらなる効率化と出力向上が図られたユニットが採用されると考えられます。予想されるスペックとしては、最高出力が現行の118psから125ps程度へ、最大トルクは14.5kgmを維持しつつ、より扱いやすい特性にチューニングされる可能性があります。これにより、日常的な市街地走行でのスムーズさや、高速道路での追い越し加速など、様々なシーンで余裕のある走りを実現するでしょう。
一方、ホンダの電動化技術の結晶であるハイブリッドモデルには、進化した2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」が搭載されます。現行のe:HEVも、モーター主体のスムーズな走りと優れた燃費性能で高い評価を得ていますが、新型ではシステム全体の効率が見直され、エンジンとモーター双方の出力が向上すると見られています。具体的には、エンジン出力が現行の106psから110psへ、モーター出力は現行の123psから135psへと、それぞれパワーアップする可能性があります。最大トルクもモーターで26.0kgm程度まで高められると予想され、アクセルを踏んだ瞬間から力強い加速感を味わえる、よりダイナミックな走行性能が期待できます。
このe:HEVシステムの進化は、単にパワフルになるだけでなく、燃費性能や静粛性の向上にも貢献します。モーターで走行できる速度域の拡大や、エンジン効率の改善により、エネルギー消費を抑制。さらに、エンジンの回転数を必要以上に上げずに走行できるシーンが増えるため、車内の静粛性も高まり、より快適なドライブ環境が実現されるでしょう。駆動方式は、現行モデル同様にFF(前輪駆動)を基本とし、雪道など滑りやすい路面での安定性を高める4WDも設定される見込みです。新型フィット5は、これらの最新パワートレインによって、爽快な走りの楽しさと、地球環境への配慮を高い次元で両立する、次世代コンパクトカーにふさわしい性能を手に入れることになりそうです。
走行性能と燃費性能の高次元での両立を目指して
新型フィット5の開発において、ホンダが重要視しているポイントの一つが、走行性能の向上と優れた燃費性能の両立です。最新パワートレインの採用は、この目標達成に向けた鍵となります。
現行モデルのガソリン車は、2022年のマイナーチェンジでエンジン排気量が1.3Lから1.5Lに拡大された際、WLTCモード燃費がFF車で20.4km/Lから18.7km/Lへと若干低下しました。これは動力性能向上とのトレードオフでしたが、新型フィット5では、エンジンの効率改善や車体の軽量化などにより、走行性能を高めつつも燃費性能を改善することを目指していると考えられます。目標とされるWLTCモード燃費は、1.5Lガソリン車のFFモデルで19.0km/L程度と予想されており、現行モデルからのわずかな改善が見込まれます。
一方、ハイブリッドモデル(e:HEV)においては、燃費性能の向上がより顕著になる可能性があります。進化したe:HEVシステムは、モーターの出力向上による力強い走りを実現しながらも、エネルギー回生効率の向上や、モーターのみで走行できる領域(EV走行領域)の拡大によって、さらなる低燃費化が図られる見込みです。現行e:HEVモデルのFF車のWLTCモード燃費は30.2km/Lですが、新型フィット5ではこれを上回り、32.5km/L程度まで向上することが期待されています。これは、コンパクトカークラスにおいてもトップレベルの燃費性能であり、環境意識の高いユーザーにとって大きな魅力となるでしょう。
4WDモデルに関しても、駆動系の効率改善などにより、FFモデル同様に燃費性能の向上が見込まれます。現行モデルの燃費(1.5Lガソリン4WD: 16.6km/L、e:HEV 4WD: 25.4km/L)と比較しても、新型フィット5ではそれぞれ改善されることが期待されます。
このように、新型フィット5は、ガソリン車、ハイブリッド車ともに、ドライビングの楽しさを損なうことなく、優れた燃費性能を実現することを目指しています。日常の足としてはもちろん、長距離ドライブにおいても経済的なメリットを提供し、ユーザーのカーライフをより豊かにしてくれることでしょう。
ホンダ 新型「フィット」フルモデルチェンジ 予想 スペックについて
スペック | フィット | フィット |
---|---|---|
全長 | 4,055mm | 4,055mm |
全幅 | 1,695mm | 1,695mm |
全高 | 1,515mm | 1,510mm |
ホイールベース | 2,550mm | 2,550mm |
エンジン | 1.3L i-VTEC エンジン | 1.5L i-VTECエンジン +新型i-MMD (e:HEV) |
最高出力 | 72kW(98PS)/ 6,000rpm | 72kW(98PS)/ 5,600-6,400rpm |
最大トルク | 118Nm(12.0kgfm)/ 5,000rpm | 127Nm(13.0kgfm)/ 4,500-5,000rpm |
モーター 最高出力 | – | 80kW(109PS)/ 3,500-8,000rpm |
モーター 最大トルク | – | 253Nm(25.8kgfm)/ 0-3,000rpm |
トランス ミッション | CVT | 電気式 無段階変速機 |
駆動方式 | 2WD(FF)/ 4WD | 2WD(FF)/ 4WD |
乗車定員 | 5名 | 5名 |
WLTCモード燃費 | 20.2km/L(2WD) 18.2km/L(4WD) | 29.4km/L(2WD) 24.0km/L(4WD) |
ホンダ 新型「フィット」フルモデルチェンジ 気になる価格帯と発売時期の見通し
フルモデルチェンジによって大幅な進化を遂げる新型フィット5ですが、多くのユーザーにとって気になるのが車両価格でしょう。最新のパワートレインや進化したインフォテインメントシステム、充実した安全装備「ホンダセンシング」の標準装備化などを考慮すると、現行モデルからの価格上昇は避けられないと予想されます。
しかし、フィットはホンダにとって販売の柱となる重要な量販コンパクトカーです。そのため、大幅な価格アップによって競争力を失うことは避けたいはずです。エントリーグレードの価格設定は、ライバル車種との比較や、初めてクルマを購入する層へのアピールも考慮し、戦略的に抑えられる可能性があります。具体的な予想としては、最もベーシックなガソリンモデルで180万円程度からのスタートとなるのではないかと見られています。
現行モデルの価格帯(2025年4月時点)を参考にすると、ガソリン車の「BASIC」が約172万円から、ハイブリッド車の「e:HEV BASIC」が約214万円からとなっています。最上位グレードの「e:HEV LUXE」4WDモデルでは約285万円です。新型フィット5では、全体的に価格帯が上昇し、装備の充実した上位グレードや人気のRS、CROSSTARといったモデルでは、300万円に迫る、あるいはそれを超える価格設定になる可能性も考えられます。詳細なグレード構成や装備内容はまだ不明ですが、幅広いニーズに応える価格ラインナップが用意されることでしょう。
新型 フィット 2024年 一部改良 価格グレード
モデル | エンジン | トランス ミッション | 駆動 方式 | 価格 (10%) |
---|---|---|---|---|
BASIC | 1.5L 直列4気筒 DOHCエンジン | CVT | 2WD | 1,720,400円 |
4WD | 1,922,800円 | |||
HOME | 2WD | 1,985,500円 | ||
4WD | 2,186,800円 | |||
CROSSTAR | 2WD | 2,292,400円 | ||
4WD | 2,495,900円 | |||
LUXE | 2WD | 2,305,600円 | ||
4WD | 2,506,900円 | |||
RS | 2WD | 2,153,800円 | ||
HOME BLACK STYLE | 2WD | 2,107,600円 | ||
4WD | 2,311,100円 | |||
e:HEV BASIC | 直列4気筒DOHC 1.5L+ i-MMD (e:HEV) | 電気式 無段階変速機 | 2WD | 2,138,400円 |
4WD | 2,340,800円 | |||
e:HEV HOME | 2WD | 2,328,700円 | ||
4WD | 2,533,300円 | |||
e:HEV CROSSTAR | 2WD | 2,627,900円 | ||
4WD | 2,831,400円 | |||
e:HEV LUXE | 2WD | 2,643,300円 | ||
4WD | 2,846,800円 | |||
e:HEV RS | 2WD | 2,541,000円 | ||
e:HEV HOME BLACK STYLE | 2WD | 2,450,800円 | ||
4WD | 2,655,400円 |
そして、待望の発売時期については、現時点での情報では、2026年が有力視されています。開発スケジュールや生産体制の準備状況によって変動する可能性はありますが、順調に進めば、2025年の終わりに向けて、その全貌が明らかになり、市場に投入されることが期待されます。ホンダは、この新世代フィット5によって、国内のコンパクトカー市場における存在感をさらに高め、多様化するユーザーの期待に応えていく考えです。正式な発表と発売が今から待ち遠しい一台です。
フィットについて
フィットは2001年6月にロゴの後継車として発売を開始。他の車種と比べて優れた走行性能と低燃費の両立そして広いラゲッジスペースを確保。1代目と2代目は6年4ヶ月でフルモデルチェンジを行い2代目から3代目のフルモデルチェンジは5年11ヶ月で行い、3代目から4代目のフルモデルチェンジは6年5カ月で行わている。つまり、平均して6年目でのフルモデルチェンジが通常の流れとなる。
初代 GD1/2/3/4型
2001年6月21日発表し6月22日発売を開始した。グローバルスモールプラットフォーム採用。2004年6月10日マイナーチェンジ。
2代目 GE6/7/8/9型
200710月18日フルモデルチェンジ発表、10月26日発売。2007年11月21日には2007-2008日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。2010年10月8日マイナーチェンジ。2012年5月24日 2回目のマイナーチェンジ。
3代目 GK3/4/5/6型
2013年9月5日 フルモデルチェンジ発表 9月6日発売。2017年6月29日 -マイナーモデルチェンジ 6月30日発売 2014年10月に行われた、「あんしんパッケージ」を2017年6月のマイナーチェンジでホンダの先進技術、「Honda SENSING(ホンダ センシング)」へと変更され安全性での向上も今後図られた。2018年の一部改良では運転支援システムである「Honda SENSING(ホンダ センシング)」も全モデル標準装備される。
4代目 GR1/2/3/4/5/6/7/8型
2019年10月23日第46回東京モーターショー2019にて世界初公開され、主な概要も発表された。2020年2月13日フルモデルチェンジが公式発表され、2020年2月14日発売。2020年3月16日発売から約1か月となる3月16日時点での累計受注台数が月販目標(10,000台)の3倍以上となる31,000台と発表。2021年6月4日一部改良、20周年特別仕様車を設定。2022年10月7日マイナーチェンジ、エクステリアデザイン変更などを行う、更に2022年11月10日RSモデルを発売。
編集部から一言
ホンダが送り出す待望の5代目コンパクトカー「新型フィット5」。そのフルモデルチェンジは、単なる世代交代に留まらず、日本のコンパクトカー市場に新たな基準を打ち立てる可能性を秘めています。よりアグレッシブで洗練されたエクステリアデザイン、5ナンバーサイズを維持しつつ拡大されることで実現する広々とした室内空間と安定した走り、AIアシスタントや大型ディスプレイを備えた最新のインフォテインメントシステム、パワフルさと低燃費を高次元で両立する進化したパワートレイン、そして全車標準装備となる最新の「ホンダセンシング」による高度な安全性能。これらすべての要素が融合し、新型フィット5は、デザイン、快適性、機能性、走行性能、経済性、安全性といったあらゆる面で、現行モデルを凌駕する大きな進化を遂げることが期待されています。
軽自動車の人気が高まる一方で、ホンダはこの新型フィット5によって、普通車コンパクトカーならではの価値、すなわち、ゆとりのある空間、長距離移動もこなせる走行性能、そして先進技術による快適性と安全性を改めてユーザーに訴求していくことでしょう。人気の「RS」や「CROSSTAR」といった派生モデルの継続設定も予想され、多様なライフスタイルに応えるラインナップ展開も期待されます。
予想される発売時期は2026年です。価格については、装備の充実化に伴い上昇が見込まれるものの、主力車種として戦略的な価格設定がなされるはずです。ホンダが持てる技術と情熱を注ぎ込んで開発するであろう新型フィット5。その登場は、日本の自動車市場に新たな活気をもたらし、多くのドライバーにとって魅力的な選択肢となることは間違いありません。今後の正式発表に向けて、さらなる詳細情報から目が離せません。
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