コンパクトカーの代名詞とも言えるホンダ フィット。その人気を裏付ける販売台数と生産台数は、時代と共にどのように推移してきたのでしょうか。この記事では、フィットの販売台数と生産台数の推移を詳しく見ていきながら、その人気の背景や、近年における販売動向の変化について探っていきます。
フィットの販売台数 人気の軌跡
初代フィットは、2001年の発売から瞬く間に人気を獲得し、国内販売台数は2002年の年間国内販売台数は、なんと25万790台を超える記録を打ち立てました。その革新的なパッケージングと燃費性能は、コンパクトカー市場に新たな風を吹き込みました。その後、2代目、3代目とモデルチェンジを重ねるごとに、フィットは国内外で着実に販売台数を伸ばし、グローバルでの累計販売台数は2013年には487万台を突破しました。特に、新興国市場での需要の高まりが、販売台数増加を後押ししました。
しかし、近年ではSUV人気の上昇や、軽自動車の進化などにより、コンパクトカー市場全体が縮小傾向にあります。フィットもその影響を受け、販売台数は減少傾向に転じています。
参考:本田技研工業
2022年 販売台数
2022年の年間販売台数はホンダ フィットが72,084台で9位となりました。
年月 | 販売台数 |
---|---|
2022年1月 | 4,250台 |
2022年2月 | 5,359台 |
2022年3月 | 8,460台 |
2022年4月 | 3,509台 |
2022年5月 | 3,068台 |
2022年6月 | 4,971台 |
2022年7月 | 6,462台 |
2022年8月 | 5,148台 |
2022年9月 | 4,001台 |
2022年10月 | 4,688台 |
2022年11月 | 5,471台 |
2022年12月 | 4,884台 |
合計 | 60,271台 |
2023年 販売台数
2023年年間の販売台数はホンダ フィットが57,033台で15位となりました。
年月 | 販売台数 |
---|---|
2023年1月 | 3,992台 |
2023年2月 | 5,531台 |
2023年3月 | 9,099台 |
2023年4月 | 5,570台 |
2023年5月 | 2,934台 |
2023年6月 | 4,843台 |
2023年7月 | 5,428台 |
2023年8月 | 3,715台 |
2023年9月 | 4,673台 |
2023年10月 | 4,726台 |
2023年11月 | 4,254台 |
2023年12月 | 4,275台 |
合計 | 57,033台 |
2024年 販売台数
年月 | 販売台数 |
---|---|
2024年1月 | 5,047台 |
2024年2月 | 5,670台 |
2024年3月 | 7,362台 |
2024年4月 | 4,944台 |
2024年5月 | 4,436台 |
2024年6月 | 5,305台 |
2024年7月 | 6,049台 |
2024年8月 | 4,145台 |
2024年9月 | 6,677台 |
2024年10月 | 4,330台 |
2024年11月 | 4,291台 |
合計 | 58,256台 |
2020年2月のフルモデルチェンジを発表し月販目標台数は10,000台となっています。2023年は目標台数を大幅に下回る平均約4,752台ほどを生産しています。
フィット 納期は何ヶ月待ちか?
2024年8月現在、フィットの納期は、ガソリン車で約1~2ヶ月、ハイブリッド車(e:HEV)で約1~2ヶ月が目安となっています。上記でお話した通り、目標台数よりも少ない生産数のため納期までは時間がそこまでかからない様子です。※一部のナビなどの電子機器の納期遅れもあることがあるのでそこだけは特に注意が必要です。
ただし、これはあくまで目安であり、グレードやカラー、オプションの選択、さらには販売店や地域によっても納期は変動する可能性があります。例えば、人気グレードや特定のカラー、多くのオプションを選択した場合、納期が長引く可能性があります。
更新日時: 3月25日時点
工場出荷時期目処
- e:HEV:1ヶ月程度
- ガソリン車:1か月程度
出典:本田技研工業
フィットの販売台数が伸び悩む背景
1. 軽自動車やSUV人気の上昇
軽自動車の進化や、近年人気のSUVなどの選択肢が増えたことで、コンパクトカー市場全体が縮小傾向にあります。燃費性能や維持費の面で優位性を持つ軽自動車や、多人数乗車やアウトドアでの使い勝手の良さで人気のSUVに顧客を奪われている状況です。
2. デザインに対する賛否
現行フィットのデザインは、可愛らしさを強調した親しみやすいデザインとなっていますが、一部ユーザーからは「個性が薄い」「物足りない」といった声も聞かれます。スポーティーさや高級感を重視するユーザー層には、他の選択肢の方が魅力的に映る可能性があります。
3. モデルチェンジによる迷走
フィットはモデルチェンジの度にコンセプトやデザインが大きく変化してきました。初代のスポーティーなイメージから、現行モデルの可愛らしいイメージへの変化は、従来のファン層を困惑させ、顧客離れを招いた可能性があります。
4. 競合車種の台頭
ヤリスやノートなど、競合車種も燃費性能や安全性能を向上させ、魅力的なモデルを投入しています。価格競争も激化しており、フィットは相対的に割高感が出てしまっている可能性があります。
5. ブランドイメージの低下
近年のホンダは、N-BOXやフリードなど、ミニバンや軽自動車の販売が好調な一方、セダンやコンパクトカーの販売は苦戦しています。かつてのような「走りのホンダ」のイメージが薄れ、ブランド全体の魅力が低下していることも、フィットの販売に影響を与えているかもしれません。
フィットの魅力
1. 快適な乗り心地と優れた燃費性能
e:HEVシステムによるスムーズな加速と静粛性、そして優れた燃費性能は、日常の運転を快適かつ経済的にします。長距離ドライブでも疲れにくく、燃料費の節約にも貢献します。
マイナーチェンジで1.3L DOHC i-VTEC エンジンを1.5L 直噴 DOHC i-VTECエンジンに変更したことで最高出力と最大トルクがアップしたことでより快適な走りが可能となった。
スペック | 新型フィット | |
---|---|---|
全長 | 3,990mm(4,090mm) | |
全幅 | 1,695mm(1,725mm) | |
全高 | 1,515〜1,565mm(1,545mm) | |
ホイールベース | 2,530mm | |
エンジン | 1.5L i-VTECエンジン | 1.5L i-VTECエンジン +新型i-MMD (e:HEV) |
最高出力 | 87kw(118PS)/ 6,600rpm | 78kw(106PS)/ 6,000-6,400rpm |
最大トルク | 142Nm/ 4,300rpm | 127Nm(13.0kgfm)/ 4,500-5,000rpm |
モーター 最高出力 | – | 90kw(123PS)/ 3,500-8,000rpm |
モーター 最大トルク | – | 253Nm(25.8kgfm)/ 0-3,000rpm |
トランス ミッション | CVT | 電気式 無段階変速機 |
駆動方式 | 2WD(FF)/ 4WD | 2WD(FF)/ 4WD |
乗車定員 | 5名 | |
WLTCモード燃費 | 17.9km/L~18.7km/L(2WD) 16.0km/L~16.6km/L(4WD) | 27.6km/L~30.2km/L(2WD) 23.5km/L~25.4km/L(4WD) |
2. 広々とした室内空間と使い勝手の良さ
コンパクトカーながら、ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」により、広々とした室内空間と多彩なシートアレンジを実現しています。後席の足元も広く、ファミリーユースにも最適です。
3. 先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」
衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能など、様々な安全運転支援システムが標準装備されており、安心して運転を楽しむことができます。
4. 豊富なグレードと個性的なデザイン
ベーシックな「BASIC」から、SUVテイストの「CROSSTAR」、上質な「LUXE」まで、5つのグレードからライフスタイルに合わせて選ぶことができます。それぞれに個性的なデザインが施されており、自分らしさを表現できます。
現在は「BASIC(ベーシック)」「HOME(ホーム)」「NESS(ネス)」「LUXE(リュクス)」「CROSSTAR(クロスター)」と異なる5タイプを採用。2022年10月7日のマイナーチェンジで新グレード「RS」を追加ラインナップ。「RS」はスポーツグレードとなるがバンパーデザインは通常モデルよりもスタイリッシュなデザインを採用し印象を変える。「NESS(ネス)」を廃止。更にボディカラーに新色を追加ラインナップする。
5. 運転のしやすさと取り回しの良さ
コンパクトなボディサイズと良好な視界により、運転がしやすく、狭い道や駐車場でも安心して取り回せます。
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編集部から一言
フィットは、コンパクトカーの理想形を追求し続け、時代と共に進化を遂げてきました。その販売台数と生産台数の推移は、フィットが歩んできた歴史を物語っています。
今後も、変化する市場ニーズに対応しながら、フィットは新たな価値を創造し続けることでしょう。コンパクトカーの未来を担うフィットの進化に、これからも目が離せません。