トヨタのフラッグシップミニバン、グランエースが2024年4月をもって生産終了となりました。アルファードの上位に位置する、まさに「キング・オブ・ミニバン」の名にふさわしい風格と快適性を備えたグランエース。その生産終了は、多くのファンに惜しまれることとなりました。
今回は、グランエースの歴史を振り返りつつ、その魅力を改めて探っていきます。なぜグランエースはこれほどまでに人々を魅了したのでしょうか?そして、生産終了後もその価値は失われることはないのでしょうか? グランエースのすべてを、余すところなくお伝えします。
グランエースとは?
グランエースは、トヨタが2019年12月に発売したフルサイズワゴンです。全長5.3m、全幅1.97mという堂々たる体躯は、アルファードをも凌駕する圧倒的な存在感を放ちます。
その開発コンセプトは、「上質かつ快適な移動空間の提供」。ゆとりある室内空間、高級感あふれるインテリア、そして優れた走行性能と静粛性。すべてにおいて最高レベルを目指した、まさにトヨタのフラッグシップにふさわしいミニバンです。
トヨタは3列6人乗り 4列8人乗りのワゴン車、新型「グランエース」を日本にて2019年11月25日に正式発表12月16日に発売する。各ディーラーでの注文開始は2019年11月1日からである。TNGAに基づく新型専用プラットフォームの採用とセミボンネット化が特徴である。エクステリアは大型バンパーに大型グリルに水平ラインデザインクロームメッキを採用、LEDバイビームヘッドライト、サイドとその下のクロームメッキはフロントの水平ラインデザイン、大型17インチアルミホイール、ダブルL字型LEDテールライトを採用。
ボディサイズは全長5,300mm 全幅1,970mm 全高1,990mm ホイールベース3,210mm。クラスの中で最も小さい回転半径(5.5m)とした。更にシャークアンテナをやめてオリジナルのアンテナとすることで全高1,990mmに抑えた。
高級レザーを仕様に「エグゼクティブパワーシート(キャプテンシート)」を採用した3列6人乗りに加え、4列8人乗りのタイプも設定。ユーザーの多様なニーズに応じ選択可能。
室内長:3,290mm×室内幅1,735mm×室内高1,290mm(8人乗り)となる。USBポート4つ、サンシェード、エグゼクティブパワーシートにシートヒーターを採用する。12スピーカーカーオーディオシステムを装備。デジタルインナーミラーを標準装備。
8人乗りのシート形状は、なんと4列の「2:2:2:2」を採用、後部座席となる2列目に「エグゼクティブパワーシート」を採用、3列目はマニュアルシート、4列目はチップアップベンチシートを採用している。
6人乗りのシート形状は3列の「2:2:2」を採用、後部座席となる2列目と3列目に「エグゼクティブパワーシート」を採用を採用した豪華な仕様となる。
エンジンには「1GD-FTV 2.8L ディーゼルターボエンジン」とトランスミッションは6AT(マニュアルモード付き)を採用。サスペンションには新開発「トレーリングリンク車軸式リヤサスペンション」採用。
安全装備としてSRSエアバッグ、車両安定制御システム(VSC)などに加えて「Toyota Safety Sense」(衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ(PCS)、レーンディパーチャーアラート(LDA)(ステアリング制御機能付) オートマチックハイビーム(AHB) レーダークルーズコントロール (全車速追従機能付) )を採用。ブラインドスポットモニター(BSM)リヤクロストラフィックアラート(RCTA)パノラミックビューモニター(PVM)なども採用されている。
8インチディスプレイオーディオを標準装備し「Apple CarPlay」と「Android Auto」を採用する。DCM車載通信機を標準装備。車載用ナビ機能、「T-Connect ナビキット」もオプション設定。さらに、専用通信機DCMを全車に標準搭載し、T-Connectサービスを3年間無料で提供。
スマートフォンをUSBケーブルで接続することで連携が可能(「Apple CarPlay」と「Android Auto」に対応 オプション、SDL(Smart Device Link)「TCスマホナビ」「LINEカーナビ」「LINE MUSIC」など)となり、日常利用している地図アプリや音楽などをディスプレイで操作・利用が可能。
「SDL(Smart Device Link)」対応アプリ(「LINEカーナビ」「LINE MUSIC」など)であれば標準で連動が可能。「Apple CarPlay」と「Android Auto」を仕様する場合にはTV(フルセグ)+Apple CarPlay+Android Autoのセットオプション価格33,000円[税込]の申し込みが必要となる。
トヨタ ディスプレイオーディオ Apple CarPlay や Android Auto 対応
グランエース スペック
アルファード、ヴェルファイアよりも更にサイズが近いのが旧型「ハイエース グランドキャビン」である。乗車人数の違いや全幅に大きな違いがある。同サイズで比較すると「グランエース」の最小回転半径が5.5mである部分で小回りが利くのがよくわかる。
サイズ | グランエース |
---|---|
全長 | 5,300mm |
全幅 | 1,970mm |
全高 | 1,990mm |
ホイールベース | 3,210mm |
最低地上高 | 175mm |
駆動方式 | 2WD(FR) |
最小回転半径 | 5.5m |
乗車定員 | 6名・8名 |
グランエースの歴史
グランエースの系譜を辿ると、1990年に発売された初代グランビアに行き着きます。当時、ハイエースをベースに開発されたグランビアは、高級ワゴンとして人気を博しました。その後、2002年に後継車となるアルファードが登場し、グランビアの名前は一旦姿を消します。
そして2019年、17年ぶりにグランビアの名を冠したグランエースが復活。ハイエースをベースとしつつも、アルファードを上回る高級感と快適性を追求した、新たなフラッグシップミニバンとして誕生しました。
グランエースの系譜
- 1990年 - 初代グランビア発売
- 2002年 - アルファード発売(グランビアの後継車)
- 2019年 - グランエース発売
グランエースの魅力
グランエースの魅力は、多岐にわたります。
圧倒的な存在感と広々とした室内空間
全長5.3m、全幅1.97mという巨体は、他のミニバンを圧倒する存在感を放ちます。そして、その広大なボディサイズを活かした室内空間は、まさに「動くリビングルーム」。ゆとりある空間で、乗員全員が快適に過ごせるよう設計されています。
高級感あふれるインテリア
グランエースのインテリアは、高級セダンに匹敵するほどのクオリティを誇ります。上質な素材をふんだんに使用し、細部まで丁寧に作り込まれた空間は、乗る人すべてに特別な時間を提供します。
優れた走行性能と静粛性
グランエースは、2.8Lクリーンディーゼルエンジンを搭載。力強いトルクと優れた燃費性能を両立しています。また、高いボディ剛性と徹底した静粛性へのこだわりにより、まるで高級セダンに乗っているかのような快適な乗り心地を実現しています。
多彩なシートアレンジ
グランエースは、3列シート6人乗りと4列シート8人乗りの2つのシートレイアウトを用意。用途や人数に合わせて、最適なシートアレンジを選択できます。3列シート仕様では、2列目シートにエグゼクティブパワーシートを採用。ゆったりとくつろげる、まさにVIPのための空間が広がります。
グランエースの生産終了 そして、その未来へ
2024年4月、グランエースは惜しまれつつも生産終了となりました。しかし、その魅力は色褪せることはありません。中古車市場では、依然として高い人気を誇っています。
グランエースは、トヨタの技術と情熱が結集した、まさに「キング・オブ・ミニバン」と呼ぶにふさわしい車でした。その存在は、日本の自動車史に燦然と輝き続けるでしょう。
グランエースの中古車選びのポイント
グランエースの生産終了に伴い、中古車市場での需要が高まっています。これからグランエースの購入を検討されている方のために、中古車選びのポイントをいくつかご紹介します。
グレード
グランエースには、「Premium」と「G」の2つのグレードがあります。「Premium」は、3列シート6人乗りで、2列目シートにエグゼクティブパワーシートを採用した豪華仕様。「G」は、4列シート8人乗りで、多人数乗車に適した実用的な仕様となっています。
年式
グランエースは、2019年12月に発売されました。年式が新しいほど、状態の良い車両が多い傾向にあります。
走行距離
走行距離が少ないほど、車両の状態が良い可能性が高いです。ただし、走行距離だけでなく、メンテナンス状況なども考慮することが重要です。
装備
グランエースには、メーカーオプションやディーラーオプションなど、様々な装備があります。必要な装備が揃っているかを確認しましょう。
価格
中古車価格は、グレード、年式、走行距離、装備などによって異なります。複数の販売店を比較して、納得のいく価格で購入しましょう。
グランエースの代替車種は?
グランエースの生産終了後、その代替車種として注目されているのが、アルファードです。アルファードは、グランエースグランエースほどの広さはありませんが、それでも十分な広さを確保しています。
また、トヨタ車以外では、日産エルグランドやホンダ・オデッセイなども、グランエースの代替車種として考えられます。
編集部から一言
グランエースは、トヨタが誇るフラッグシップミニバンでした。その圧倒的な存在感、広々とした室内空間、高級感あふれるインテリア、そして優れた走行性能と静粛性。すべてにおいて最高レベルを目指した、まさに「キング・オブ・ミニバン」と呼ぶにふさわしい車でした。
生産終了は残念ですが、その魅力は色褪せることはありません。中古車市場では、依然として高い人気を誇っています。グランエースは、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。