2025年10月21日、トヨタは待望の新型「ランドクルーザーFJ」を世界初公開しました。ジャパンモビリティショー2025でも大きな注目を集めたこのモデルは、2026年中頃(春から夏頃)の発売が予想されています。「Freedom & Joy」の略称を持つFJは、ランドクルーザーシリーズの中でもっともコンパクトながら、本格オフローダーとしての性能を備えた意欲作です。
本記事では、実際にジャパンモビリティショー2025で展示された実車を徹底取材し、内外装の魅力や優れている点、そして購入前に知っておくべき残念な点まで詳しく解説します。
エクステリア:コンパクトながら迫力あるデザイン

ボディサイズと全体的な印象
主要寸法:
- 全長:4,575mm
- 全幅:1,855mm
- 全高:1,960mm
- ホイールベース:2,580mm
- 最小回転半径:5.5m
ランドクルーザーFJの第一印象は、「予想以上にコンパクトではない」という点です。全長4,575mmは確かにランドクルーザー250(4,920mm)や300(4,950mm)と比較すると大幅に短いものの、全幅1,855mmはトヨタRAV4やハリアー、クラウンスポーツと同等のサイズです。
サイズ比較
| モデル | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | 最小回転半径 |
|---|---|---|---|---|---|
| FJ | 4,575mm | 1,855mm | 1,960mm | 2,580mm | 5.5m |
| 70 | 4,890mm | 1,870mm | 1,920mm | 2,730mm | 6.3m |
| 250 | 4,925mm | 1,940~1,980mm | 1,925~1,935mm | 2,850mm | 6.0m |
| 300 | 4,965mm | 1,980mm | 1,925mm | 2,850mm | 5.9m |
実車を見ると、背が高く(1,960mm)、フェンダーアーチモールが力強く張り出しているため、むしろ存在感のある印象を受けます。「ランクルミニ」という愛称で呼ばれることもありますが、決して小さな車ではありません。駐車場のサイズには注意が必要です。
優れている点:オフロード性能を示すデザイン要素

1. 最低地上高200mm以上
ランドクルーザーFJの最低地上高は200mm以上と、本格オフローダーとしての性能を示しています。これはランドクルーザー250(VXグレードで約200mm)よりも高く、悪路走破性に優れています。
2. ホイールベースの短さ
2,580mmという短いホイールベースは、最小回転半径5.5mを実現。ランドクルーザー250やランドクルーザー300が6.0m超えであることを考えると、FJの取り回しの良さが際立ちます。驚くべきことに、スズキ・ジムニーノマド(5.7m)よりも小回りが効くのです。
3. 特徴的なグリルとヘッドライト
FJには2つのフェイスデザインが用意されています:
- 丸目タイプ: レトロでかわいらしい印象。FJらしい個性を最も表現しており、多くのレビュアーから高評価
- 角目タイプ: ランドクルーザー250に近い精悍な印象。よりモダンで力強い外観
個人的には、FJのコンセプトには丸目タイプがより適していると感じられます。フロントグリルには立体的なキューブ型の凹凸が施されていますが、洗車時には埃が溜まりやすいという懸念点もあります。
4. 樹脂パーツの多用
ドアロア部分、フェンダーアーチモール、サイドシルなど、随所に樹脂パーツが使用されています。これはオフロードでの使用を想定した実用的な選択であり、傷や汚れを気にせずワイルドに使える証です。


残念な点:デザイン上の妥協点

1. Cピラーの太さと後方視界
FJの大きな特徴であるCピラーは非常に太く、後方視界に影響を与える可能性があります。リアガラスは上半分のみで、下半分はボディの一部というデザインになっています。実車を確認したところ、確かにCピラーが太く、ドアミラーから後方を見た際に死角が大きいことが確認されました。ただし、背面にはカメラが装備されており、後方視界の補助はされています。デジタルミラーは装備されていないため、この点は購入前に試乗で確認すべきでしょう。
2. バンパー形状の違い
丸目タイプと角目タイプでは、バンパー形状も異なります。丸目タイプは斜めにカットされたより攻撃的なデザインで、アプローチアングルに優れています。一方、角目タイプは四角いスクエアなデザイン。オフロード性能を重視するなら丸目タイプがおすすめです。
インテリア:機能性重視の割り切った作り

運転席周りの特徴
優れている点:
1. シンプルで操作しやすいレイアウト
メーターは7インチ液晶、ディスプレイオーディオは12.3インチワイド画面を採用。ランドクルーザー250とパーツを共有しており、基本的なレイアウトは同じです。
2. 大型のシフトノブ
最近の車では小型化が進んでいるシフトノブですが、FJは伝統的な大型ストレートタイプを採用。オフロード走行時にも確実な操作が可能です。
3. 機械式サイドブレーキ
電動パーキングブレーキではなく、引っ張るタイプの機械式サイドブレーキを採用。これは電子系統のトラブルを避けるための実用的な選択であり、オフロード愛好家からは高評価を得ています。
4. 本格オフロード装備
- ランドクルーザーロゴ入りのトランスファーレバー(Hi/Loの切り替え)
- リアデフロックスイッチ
- ヒルディセントコントロール
- 2速発進機能
- トラクションコントロールのオン/オフスイッチ
これらの装備は、FJが本格的なオフローダーであることを示しています。
残念な点:
1. 内装の質感は価格相応
予想価格が380万円から450万円程度ということを考慮しても、内装の質感は決して高級とは言えません。多くの部分がハードプラスチックで仕上げられており、ランドクルーザー250と比較してもカチカチした素材感が目立ちます。
- ドア内側:肘置き部分とアームレストはソフトパッドだが、他はハードプラスチック
- ダッシュボード:上部の一部にソフトパッドがあるが、大半はハードプラスチック
- センターコンソール周り:非常にシンプルで、装飾的な要素はほとんどなし
ただし、これはオフロード走行を想定した耐久性重視の選択であり、高級感よりも実用性を優先した結果と言えます。
2. 装備の省略
- シートベンチレーション:非搭載
- パドルシフト:非搭載
- 電動テレスコ・チルト:非搭載
- デジタルミラー:非搭載
これらの快適装備は省略されており、都会的なSUVを期待する方には物足りなさを感じるかもしれません。
3. エアコンはデュアルエアコン仕様
左右独立温度調整が可能なデュアルエアコンは装備されていますが、操作はダイヤル式。操作性は悪くありませんが、タッチパネル式に慣れた方には古臭く感じるかもしれません。
シート:実用性重視の合成皮革

優れている点:
- 運転席:電動パワーシート装備
- シートヒーター:運転席・助手席に標準装備
- ステアリングヒーター:装備
- 素材:合成皮革でワイルドな使用にも対応
残念な点:
- 助手席:マニュアルシート(電動ではない)
- シート素材:本革ではなく合成皮革
- デザイン:シンプルで装飾的な要素は少ない
後部座席:割り切りが必要
優れている点
1. 床から座面までの距離が十分
後部座席の座面と床の距離は十分に確保されており、足元の抜け感は良好です。前席の下に足が収まるため、膝周りの窮屈さは軽減されています。
2. シートバックポケット
運転席・助手席の両方にシートバックポケットが装備されており、小物の収納に便利です。
3. リクライニング機能
後部座席はかなりの角度までリクライニング可能で、長距離移動時の快適性に配慮されています。
残念な点

1. 膝前空間の狭さ
全長4,575mm、ホイールベース2,580mmという寸法から、後部座席の膝前空間は握りこぶし1つ分程度です。これはトヨタ・カローラクロスと同程度で、ヴェゼルやランドクルーザー250と比較すると明らかに狭く感じます。
2. 乗降性の悪さ
- ドア開口部が狭い
- 床の位置が高い(サイドステップが必要なレベル)
- Aピラーにアシストグリップがない
これらの要因により、後部座席への乗り降りは決して快適とは言えません。特に高齢者や子供には苦労するかもしれません。
3. センタートンネルの張り出し
フレーム構造のため、センタートンネルの張り出しがあり、床がフラットではありません。3人乗車時の中央席は快適性が低いでしょう。
4. 装備の簡素化
- アームレスト:なし
- リアエアコン吹き出し口:なし
- ルームランプ:LEDだが簡素な造り
これらの点から、FJは明らかにドライバーズカーとしての性格が強く、後部座席の快適性は二の次と考えられています。
実際の使用シーン:
軽自動車(例:N-BOX、タント)の後部座席の方が広いため、子育て世代で後部座席を頻繁に使用する方は、ハリアー、クラウンスポーツ、RAV4などの都会派SUVの方が適しているでしょう。
ラゲッジスペース:十分な積載能力
優れている点
1. 広い荷室容量
荷室はスクエアで使い勝手が良く、容量も十分です。床面はフラットで、背の高い荷物も立てて積むことができます。
2. リアゲートは横開き式
ランドクルーザープラドと同様、横開き式のリアゲートを採用。ダンパーにより任意の角度で固定可能で、90度以上まで開くことができます。
3. 背面タイヤの実用性
背面にスペアタイヤを装備することで、パンク時の安心感があります。また、オフローダーらしい外観を演出しています。
4. ホイールハウスの張り出しが小さい
床の位置が高いため、ホイールハウスの張り出しは比較的小さく抑えられており、スクエアな荷室形状を実現しています。
5. MOLLEシステム対応(オプション)
ラゲッジに取り付けられるMOLLEシステム対応のアクセサリーが用意される予定で、カスタマイズ性に優れています。
残念な点
1. 床の位置が高い
最低地上高200mm以上の設定により、荷室の床も高い位置にあります。重い荷物の積み下ろしには苦労するかもしれません。特に高齢者には不向きです。
2. タンブル機能なし
後部座席は前倒しはできますが、タンブル(座面を跳ね上げる)機能はありません。フルフラットにはできないため、車中泊などには工夫が必要です。
3. 横開きゆえのデメリット
- 雨天時に屋根代わりにならない
- 後方に十分なスペースが必要
- 背面タイヤがあるため、やや重たい
上開き式のランドクルーザー300と比較すると、雨天時の利便性では劣ります。
4. ラゲッジアンダーの収納は限定的
床下収納はパンク修理キットのスペース程度で、大きな荷物を隠して収納することはできません。
パワートレイン:実績ある2.7Lエンジン
エンジン・トランスミッション
エンジン: 2TR-FE型 2.7L 直列4気筒ガソリンエンジン
- 最高出力:120kW(163PS)
- 最大トルク:246Nm
- トランスミッション:6速AT(6 Super ECT)
- 駆動方式:パートタイム4WD
優れている点
1. 実績あるエンジン
2TR-FE型エンジンは、約20年にわたり使用されている実績あるエンジンです。ランドクルーザープラド(旧型)、ハイエースなど、多くの車両に搭載されてきました。信頼性が高く、メンテナンス体制も整っています。
2. 軽量なボディ
車両重量は約2,040kg(推定)で、ランドクルーザー250(2,240kg〜)より約200kg軽量です。この軽量化により、2.7Lエンジンでも十分な走行性能が期待できます。
3. シンプルな機構
- 6速AT:オーソドックスだが信頼性が高い
- パートタイム4WD:構造がシンプルで故障が少ない
- 部品の共通化:ハイラックス、ランドクルーザー70などとプラットフォームを共有
これらの要素により、製造コストが抑えられ、価格の抑制に貢献しています。
残念な点:パートタイム4WDの制約
ランドクルーザーFJは「パートタイム4WD」を採用しています。これは現代のSUVでは珍しく、多くの人が誤解しやすいポイントです。
パートタイム4WDとは:
- 通常時は2WD(FR)で走行
- 悪路やオフロード時のみ4WDに切り替える
- センターデフやビスカスカップリングが非搭載
舗装路で4WDモードを使用すると:
- タイトコーナーブレーキング現象が発生
- カーブを曲がる際、前輪と後輪の回転差を吸収できない
- ハンドルを切ると「ギリギリ」という音とともに、4輪にブレーキがかかったような状態になる
- 無理に曲がろうとすると、タイヤや駆動系にダメージを与える可能性
- 舗装路では2WDで走行する必要がある
- 雨の日の舗装路でも4WDの恩恵は受けられない
- カーブの多いワインディングロードでも2WDで走行
- 現代のフルタイム4WD車のような駆動力配分制御はなし
パートタイム4WDの車:
- スズキ・ジムニー
- ランドクルーザー70
- ハイラックス
対照的な車:
- ランドクルーザー250:センターデフ搭載のフルタイム4WD
- ランドクルーザー300:センターデフ搭載のフルタイム4WD
- トヨタRAV4:電子制御4WD
- トヨタ・ハリアー:電子制御4WD
購入前の注意:
「うっかり4WDモードのまま舗装路を走ってカーブを曲がろうとしたら車が言うことを聞かない」という事態が起こり得ます。この特性を理解せずに購入すると、「故障かと思った」「使いにくい」と後悔する可能性があります。必ず試乗で確認してください。
エンジン・駆動方式比較
| モデル | エンジン | 排気量 | 燃費 | 駆動方式 | トランスミッション |
|---|---|---|---|---|---|
| FJ | ガソリン | 2.7L | 約13.0km/L | パートタイム4WD | 6AT |
| 70 | ディーゼルターボ | 2.8L | 10.1km/L | パートタイム4WD | 6AT |
| 250 | ディーゼルターボ/ガソリン | 2.8L/2.7L | 11.0km/L 7.5km/L | フルタイム4WD | 8AT/6AT |
| 300 | ツインターボ | 3.5L/3.3L | 9.7km/L 7.9km/L | フルタイム4WD | 8AT/6AT |
乗り心地と走行性能(予想)
実際の試乗レポートはまだありませんが、構造から以下のような特性が予想されます。
予想される優れている点
1. オフロードでの走破性
- 最低地上高200mm以上
- 短いホイールベース(2,580mm)
- 大径オールテレインタイヤ(265/65R17または265/60R18)
- 優れたアプローチアングルとデパーチャーアングル
- リアデフロック機能
これらにより、本格的なオフロード走行が可能です。
2. ラダーフレーム構造の堅牢性
ラダーフレームを採用しているため、ねじれ剛性が高く、悪路での耐久性に優れています。
予想される残念な点
1. 舗装路での乗り心地
ランドクルーザー250でも指摘される「ふわふわした乗り心地」は、FJでも同様または、より顕著に現れる可能性があります。
理由:
- オフロード向けの足回りセッティング
- 大径タイヤ(タイヤの厚みがある)
- ラダーフレーム構造
懸念される症状:
- 長距離走行時の揺さぶられ感
- 後部座席での車酔い
- 高速道路での横風の影響を受けやすい
2. ロードノイズ
オールテレインタイヤを装着した場合、舗装路でのロードノイズは大きくなる傾向があります。
3. 取り回しの難しさ(一部のシーン)
- 最小回転半径5.5mは優秀だが、全高1,960mmのため立体駐車場に入らない可能性
- サイドステップがあるため、全幅が実質的にさらに広く感じる
- 車高が高いため、乗り降りに慣れが必要
4. ハンドリング
パートタイム4WDとオフロード向けの足回りにより、舗装路でのキビキビとしたハンドリングは期待できません。カローラクロスやRAV4のような都会派SUVとは全く異なる挙動になるでしょう。
価格予想:380万円〜450万円
複数の自動車専門家の分析によると、FJの価格は以下のように予想されています。
予想価格帯:
- ベーシックグレード:約380万円
- 標準グレード:約400万円〜450万円
価格抑制の根拠:
- エンジン
2.7L直列4気筒エンジンは約20年使用されており実績あります。 - トランスミッション
6速ATは新開発ではなく、既存の実績あるユニット - パートタイム4WDの採用
センターデフやビスカスカップリングが不要で、コスト削減 - プラットフォームの共用
ハイラックス、ランドクルーザー70などとIMVプラットフォームを共有 - ランドクルーザー70との価格比較
ランドクルーザー70は2.8Lクリーンディーゼルターボ搭載で480万円。FJがより小型で2.7Lガソリンであることを考慮する。
グレード展開の可能性:
- 業務用ベーシックグレード:約380万円(林道管理、道路管理団体向け)
- 一般向けスタンダードグレード:約400万円
- 上級グレード(丸目タイプなど):約450万円
400万円を切るスタート価格は、ほぼ確実と見られています。
発売時期:2026年中頃(春〜夏)
公式発表: 2026年中頃発売予定
予想される具体的なスケジュール:
- 2026年4月〜5月:予約受注開始
- 2026年6月〜8月:正式発売・納車開始
注意点:
早期予約が殺到する可能性が高いため、購入を検討している方は、早めにディーラーに相談することをおすすめします。ただし、試乗せずに予約することはリスクが高いです。パートタイム4WDの特性を必ず理解してから購入しましょう。
競合車種との比較
トヨタ・ランドクルーザー250

FJが優れている点:
- 価格(FJ: 380万円〜、250: 545万円〜)
- 小回り性能(FJ: 5.5m、250: 6.0m)
- 軽量(FJ: 約2,040kg、250: 2,240kg〜)
250が優れている点:
- センターデフ搭載のフルタイム4WD
- 後部座席の広さ
- 内装の質感
- 乗り心地
- 2.8Lディーゼルターボの選択肢
トヨタ・ランドクルーザー300

FJが優れている点:
- 価格(300は700万円〜)
- 小回り性能
- 維持費
300が優れている点:
- 圧倒的な高級感
- 後部座席の快適性
- 3.5LV6ツインターボなど強力なエンジン
- 最新の電子制御4WDシステム
トヨタ・ランドクルーザー70

FJが優れている点:
- ボディサイズのコンパクトさ
- 小回り性能
- 価格(70: 480万円)
- ガソリンエンジン(燃料選択の自由度)
70が優れている点:
- 2.8Lクリーンディーゼルターボ
- より本格的なオフロード性能
- 前後リジッドアクスル(FJはフロント独立懸架)
スズキ・ジムニー / ジムニーシエラ

FJが優れている点:
- ボディサイズ(居住性)
- エンジンパワー
- 安全装備(Toyota Safety Sense 3搭載)
ジムニーが優れている点:
- 価格(ジムニーシエラ: 約200万円〜)
- 軽量さゆえの取り回しやすさ
- 維持費の安さ
- 短いホイールベースゆえの悪路走破性
トヨタRAV4 / ハリアー / クラウンスポーツ
これらの都会派SUVとFJは、全く異なる車です。
都会派SUVが優れている点:
- 舗装路での乗り心地
- 後部座席の広さと快適性
- 内装の質感
- 乗降性
- 燃費性能
- 静粛性
- フルタイム4WD(舗装路でも4WDの恩恵)
FJが優れている点:
- 本格的なオフロード性能
- 個性的なデザイン
- スペアタイヤ標準装備
- タフネス(ラダーフレーム構造)
結論: 舗装路メインで使用する方、快適性を重視する方、後部座席を頻繁に使う方は、都会派SUVを選ぶべきです。
FJに向いている人・向いていない人

向いている人
- 本格的なオフロード走行を楽しみたい人
- キャンプ、釣り、林道走行などが趣味
- 雪道、悪路を頻繁に走行する
- パートタイム4WDの操作を楽しめる
- ランドクルーザーの世界観が好きな人
- 「道具としての車」を求めている
- 高級感よりも実用性・堅牢性を重視
- ランクルブランドに憧れがあるが、250や300は予算オーバー
- 個性的なSUVが欲しい人
- 丸目デザインに惹かれる
- 背面タイヤのワイルドなスタイルが好き
- 人と違う車に乗りたい
- 主にドライバーのみで使用する人
- 後部座席はたまにしか使わない
- 1人または2人乗車がメイン
- 荷物を多く積む機会が多い
- メカニカルな操作を楽しみたい人
- トランスファーレバーの操作に魅力を感じる
- 機械式サイドブレーキが好き
- 電子制御よりも機械式を信頼している
向いていない人
- 主に舗装路を走る人
- 都市部での使用がメイン
- 高速道路の使用が多い
- オフロード走行はほとんどしない
→ カローラクロス、RAV4、ハリアーなどが適しています
- 後部座席の使用頻度が高い人
- 子育て世代(チャイルドシート使用)
- 3世代での移動が多い
- 後部座席に大人が頻繁に乗る
→ ヴェゼル、ランドクルーザー250、アルファードなどが適しています
- 高級感・快適性を求める人
- 内装の質感にこだわる
- 静かで快適な移動を望む
- 最新の電子装備を使いたい
→ ランドクルーザー250、ランドクルーザー300、レクサスGXなどが適しています
- 乗降性を重視する人
- 高齢者を乗せる機会が多い
- 体が不自由な家族がいる
- 子供の乗り降りが頻繁
→ 低床設計のミニバンや都会派SUVが適しています
- 4WDの複雑さを避けたい人
- 「4WDモードの切り替え」を面倒に感じる
- 常時4WDで安心したい
- オートで4WD制御してほしい
→ フルタイム4WDや電子制御4WD車が適しています
カスタマイズの可能性
FJは、ランドクルーザーシリーズの伝統に則り、豊富なカスタマイズパーツが用意される見込みです。
予想されるカスタマイズ:
- エクステリア
- 丸目/角目ヘッドライトの選択
- シュノーケル(給気口を高位置に)
- 各種サイドステップ(パイプタイプ、板タイプ)
- フロント・リアバンパーガード
- ルーフキャリア、ルーフラック
- オーバーフェンダー
- マッドフラップ
- ホイール・タイヤ
- 17インチ〜18インチホイール
- オールテレインタイヤ
- マッドテレインタイヤ
- タイヤチェーン
- インテリア
- MOLLEシステム対応ラゲッジアクセサリー
- シートカバー
- フロアマット
- ラゲッジマット
- 機能パーツ
- ドライブレコーダー
- ETCユニット
- USBポート増設
- 照明類のLED化
ランドクルーザー250とプラットフォームやパーツを共有しているため、アフターマーケットパーツも豊富になることが期待されます。
購入を検討している方へのアドバイス
1. 必ず試乗してから購入を決定する
FJは「見た目がかっこいいから」という理由だけで購入すると、後悔する可能性が高い車です。特に以下の点を試乗で確認してください:
- パートタイム4WDの操作感
- 2WDと4WDの切り替え方法
- 4WDモードでのカーブでの挙動
- トランスファーレバーの操作感
- 乗り心地
- 舗装路での揺れ具合
- ロードノイズのレベル
- 後部座席の快適性
- 視界
- Cピラーによる死角の程度
- バックカメラの視認性
- ドアミラーでの後方視界
- 乗降性
- ドライバーの乗り降りのしやすさ
- 後部座席への乗り降りのしやすさ
- 高齢者や子供でも大丈夫か
2. 使用目的を明確にする
以下の質問に答えてみてください:
- オフロードを走る機会は年に何回あるか?
- 後部座席に人を乗せる頻度は?
- 主な使用シーンは都市部か、郊外か、山間部か?
- 荷物を多く積む機会は?
- 高級感と快適性、どちらを重視するか?
これらの答えによって、FJが本当に適しているかが見えてきます。
3. 競合車種も検討する
FJだけに絞らず、以下の車種も比較検討することをおすすめします:
- トヨタ・ランドクルーザー250(フルタイム4WD、より快適)
- スズキ・ジムニーシエラ(より安価、よりコンパクト)
- トヨタRAV4(都会派SUV、快適性重視)
- マツダCX-60(プレミアム感、ディーゼル)
4. 早めにディーラーに相談する
人気が予想されるため、発売前から予約が殺到する可能性があります。ただし、試乗前の予約は避けましょう。 以下のステップをおすすめします:
- ディーラーに「FJに興味がある」と伝える
- 試乗車が到着したら連絡をもらえるよう依頼
- 試乗して納得してから予約
5. オプションとカスタマイズを検討する
FJは、オプション選択とカスタマイズで印象が大きく変わります。以下を検討しましょう:
- 丸目 vs 角目
- タイヤサイズとタイプ
- サイドステップのタイプ
- ルーフキャリアの必要性
まとめ:FJは「本物志向」のための本格オフローダー
ランドクルーザーFJは、見た目のかわいらしさや比較的コンパクトなサイズから「気軽に乗れるSUV」と誤解されがちですが、実態は本格的なオフローダーです。
FJの本質
- ラダーフレーム構造の堅牢なボディ
- パートタイム4WDによる本格的な悪路走破性
- 実用性重視の内装と装備
- ドライバーズカーとしての性格
これらの特性を理解し、「本格的なオフロード走行を楽しみたい」「タフで頼れる相棒が欲しい」という方には最高の選択肢となるでしょう。
一方で、「見た目がかっこいいから」「ランクルブランドに憧れて」という理由だけで購入すると、舗装路での乗り心地、後部座席の狭さ、パートタイム4WDの扱いにくさに戸惑う可能性があります。
最終的な判断基準
FJを選ぶべきか迷ったら、この1つの質問に答えてください:
「この車で実際にオフロードを走る予定がありますか?」
答えが「はい」なら、FJは素晴らしい選択です。
答えが「いいえ」「わからない」なら、都会派SUVの方が満足度が高いかもしれません。
購入前のチェックリスト
- [ ] パートタイム4WDの仕組みを理解している
- [ ] 実車を見て、サイズを確認した
- [ ] 試乗して、乗り心地を体験した
- [ ] 後部座席に実際に座ってみた
- [ ] 視界(特に後方)を確認した
- [ ] 荷室の使い勝手を確認した
- [ ] 乗降性(特に後部座席)を確認した
- [ ] 自分の使用目的に合っていることを確認した
- [ ] 予算内であることを確認した
- [ ] 競合車種と比較検討した
これらすべてにチェックが入り、それでもFJが欲しいと思えたなら、あなたにとってFJは理想の車です。
2026年の発売が今から楽しみですね。本物志向のオフローダーとして、FJが多くの冒険を支える相棒となることを期待しています。
参考リンク:

