2025年、トヨタ自動車の最高峰ブランドとして独立したセンチュリーが、ジャパンモビリティショー2025で特別な姿を披露しました。特に注目を集めたのが、マットブラック塗装を纏ったセンチュリーSUVタイプです。本記事では、実際に展示された車両の内外装について、その魅力を徹底的に解説します。
センチュリーブランドの新たな挑戦 センチュリーSUV マットブラック仕様の概要

テーラーメイドのコンセプトモデル
ジャパンモビリティショー2025で公開されたマットブラックのセンチュリーSUVは、市販モデルをベースにした「テーラーメイド」の一例として企画されました。この展示車両は、センチュリーブランドが掲げる「顧客一人ひとりの価値観に寄り添うテーラーメイド」という理念を具体的に可視化したものです。
特別仕立ての証明
注目すべきは、パワートレインは市販仕様と変わらないものの、内外装には市販仕様にない特別な仕立てが施されている点です。これはあくまでカスタマイズの可能性を示すコンセプトであり、センチュリーが提供できる「フルオーダー」の世界観を示しています。
外装デザイン:重厚感を極めたマットブラック

トヨタ田原工場による本格塗装
最大の特徴は、ボディ全体をマットブラック塗装で仕上げたエクステリアです。重要なポイントとして、これはラッピングではなく正式な塗装による処理であり、トヨタの田原工場が担当しました。この事実は、単なる表面的なカスタマイズではなく、本格的な特別仕様であることを物語っています。
ブラックで統一された美学

マットブラックのボディカラーに加えて、以下の各部もブラックで統一されています:
- フロントグリル:威厳ある存在感を放つブラック仕上げ
- モール類:細部まで徹底したブラック加飾
- ホイール:足元からスポーティさと重厚感を演出
- 各種エクステリアパーツ:統一感のある洗練されたデザイン
この徹底したブラックコーディネートにより、センチュリーSUVの重厚感が際立ち、唯一無二の存在感を放っています。
マットブラックが生み出す質感

マット塗装特有の艶消し仕上げは、光の反射を抑え、深みのある上質な質感を実現しています。通常の光沢塗装とは一線を画す、落ち着いた佇まいが最高級SUVとしての品格を高めています。
内装デザイン:緋色が奏でる華やかさと格式
緋色を基調とした専用カラーコーディネート

外装の漆黒とは対照的に、インテリアには緋色(ひいろ)を基調とした専用カラーコーディネートが採用されています。この色彩の対比が、乗り込んだ瞬間の驚きと特別感を演出します。
緋色は日本の伝統色の一つであり、高貴さと華やかさを象徴します。センチュリーというブランドが持つ日本の美意識と伝統を体現する色選びと言えるでしょう。
細部にまで施された特別仕様

インテリアの魅力は、単なる色使いだけではありません:
- 刺繍:職人技が光る繊細な刺繍パターン
- 素材使い:上質なレザーとファブリックの組み合わせ
- 細部の仕上げ:隅々まで行き届いた丁寧な作り込み
これらの要素が組み合わさり、センチュリーらしい格式と華やかさを両立させた空間が完成しています。
ショーファーカーとしての機能美

センチュリーSUVは、オーナー自らが運転する場合もあれば、ショーファー(お抱え運転手)に運転を任せる場合もあります。そのため、インテリアは後席の快適性にも最大限の配慮がなされています。
緋色のシートは、視覚的な華やかさだけでなく、上質な座り心地と長時間のドライブでも疲れにくい設計が施されていると考えられます。
マット塗装の特別性:現時点では受注対象外

コンセプトモデルとしての位置づけ
非常に魅力的なマットブラック仕様ですが、現時点では受注対象外となっている点に注意が必要です。この展示車両は、あくまでセンチュリーブランドが提供できるカスタマイズの可能性を示すためのコンセプトモデルという位置づけです。
将来的な展開への期待
ただし、「現時点では」という表現は、将来的な可能性を残しています。顧客からの反響次第では、マット塗装がオプションとして追加される可能性も十分に考えられます。
実際、トヨタの他のモデルでも、クラウンエステートのTHE LIMITED-MATTE METALなど、マット塗装を採用した特別仕様車が存在します。センチュリーブランドにおいても、このような展開が今後期待できるでしょう。

センチュリーブランドのテーラーメイド戦略
個人ユーザーへのアプローチ
従来、センチュリーは主に法人ユーザーや公的機関に採用される車両というイメージが強い存在でした。しかし、独立したブランドとして新たなスタートを切ったセンチュリーは、個人ユーザーにも積極的にアピールしています。
マットブラックのSUVという選択は、まさにその戦略の表れです。スポーティで個性的なデザインは、若い世代の富裕層やライフスタイルにこだわりを持つ個人顧客に響く提案と言えます。
フルオーダーの可能性
センチュリーブランドが目指すのは、顧客一人ひとりの価値観に寄り添うテーラーメイドです。今回のマットブラックSUVは、その可能性の一例に過ぎません。
以下のようなカスタマイズが考えられます:
- 外装色:マットブラック以外のマットカラーや特別な塗装色
- 内装色:緋色以外の伝統色や顧客の好みに合わせた配色
- 素材:レザーの種類、ファブリックの選択、木目パネルの材質
- 刺繍・装飾:個人のイニシャルや家紋など
- 装備:特別なオーディオシステムや後席エンターテインメント
価格帯と購入条件
センチュリーSUVの価格は2,700万円からとされています。マットブラックのような特別仕様が実現した場合、さらに価格が上乗せされることが予想されます。
また、センチュリーの購入には一定の条件が設けられている場合があります。詳細は販売店での相談が必要ですが、4ヶ月以上の納期も考慮に入れる必要があります。
他のセンチュリー特別仕様車との比較
センチュリーGRMN(セダン)

同じくジャパンモビリティショー2025で発表されたセンチュリーGRMNは、セダンタイプに「走り」のイメージを加えた提案型モデルです。
- 七宝文様のカーボンファイバー:日本の伝統美とモダンな素材の融合
- パールホワイトのボディ:ワンオフの特別な白
- 緋色のステッチ:インテリアのスポーティな演出
- 19インチメッシュホイール:足回りの強化
GRMNは豊田章男会長の専用車をベースにしており、ショーファーカーでありながら運転する楽しさを提供するという、新しいセンチュリー像を提示しています。
対比から見えるマットブラックSUVの個性
GRMNがパールホワイトで「走りと格式」を両立させているのに対し、マットブラックSUVは「重厚感と個性」を前面に打ち出しています。同じセンチュリーブランドでも、顧客の嗜好に合わせて全く異なる表情を見せられることが、このブランドの強みです。
実際に見た印象:展示会場でのレポート
圧倒的な存在感
ジャパンモビリティショー2025の会場で、マットブラックのセンチュリーSUVは圧倒的な存在感を放っていました。周囲の車両とは一線を画す漆黒のボディは、来場者の視線を釘付けにしていました。
質感の高さ
近づいて見ると、細部に至るまで繊細かつ上質につくり込まれていることに驚かされます。マット塗装の均一性、パーツとパーツの合わせ目の精密さ、エンブレムの配置など、あらゆる要素が完璧に仕上げられています。
インテリアの華やかさ
ドアを開けた瞬間に広がる緋色のインテリアは、外装の漆黒とのコントラストで一層際立ちます。日本の美意識と匠の技を強く意識した作り込みは、まさに「動く芸術品」という表現がふさわしい仕上がりです。
センチュリーSUV マットブラックの魅力まとめ
唯一無二のデザイン
マットブラックのセンチュリーSUVは、以下の点で唯一無二の存在です:
✓ 正式な塗装による本格的なマット仕上げ
✓ 徹底したブラック統一デザイン
✓ 緋色を基調とした特別なインテリア
✓ 細部まで行き届いた職人技
✓ テーラーメイドの可能性を示すコンセプト
ターゲット層
この車両は、以下のような顧客層に響くはずです:
- 個性を重視する富裕層:人と同じものを持ちたくない方
- デザインにこだわりを持つ経営者:自社のブランドイメージを体現したい方
- 日本の伝統美を愛する方:モダンと伝統の融合を求める方
- SUVの実用性と最高級の質を両立させたい方
今後の展開に期待
現時点ではコンセプトモデルですが、顧客からの反響次第で実際のオーダーメイドオプションとして展開される可能性は十分にあります。センチュリーブランドの今後の動向に、大いに期待が寄せられます。
センチュリーSUVの基本スペックと購入情報
価格と納期
- ベース価格:2,700万円(税込)
- 納期:約4ヶ月以上
- マット仕様:現時点では受注対象外(将来的な展開に期待)

購入方法
センチュリーの購入には、通常の販売店購入に加えてKINTOなどの選択肢もあります。詳細については、センチュリー専門の販売担当者への相談が推奨されます。

競合車種との比較
センチュリーSUVは、以下のような車種と比較検討されることが多いでしょう:
- ベントレー ベンテイガ
- ロールスロイス カリナン
- レクサス LX
- ランドローバー レンジローバー
しかし、センチュリーSUVは日本の美意識と伝統を体現する唯一の最高級SUVとして、独自のポジションを確立しています。
まとめ:センチュリーブランドの未来を示す一台
ジャパンモビリティショー2025で披露されたマットブラックのセンチュリーSUVは、単なる展示車両ではありません。それは、センチュリーブランドの新たな方向性を示す重要なメッセージでした。
法人ユーザーから個人ユーザーへ、画一的な高級車からテーラーメイドの芸術品へ。センチュリーは、日本を代表する最高級ブランドとして、新たな時代を切り拓こうとしています。
マットブラックという斬新な選択、緋色という伝統的な色使い、そして細部まで行き届いた匠の技。これらすべてが融合したセンチュリーSUV マットブラック仕様は、日本の自動車文化の到達点を示す一台と言えるでしょう。
実際に展示を見た方々からは、「写真で見るよりも圧倒的に美しい」「内装の緋色に感動した」「ぜひ注文したい」といった声が多数聞かれました。今後、このコンセプトが実際の商品として展開されることを、多くのファンが待ち望んでいます。
センチュリーブランドの未来に、ぜひご注目ください。

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