トヨタが2025年のジャパンモビリティショーで披露した新型RAV4は、前世代から約6年ぶりのフルモデルチェンジを果たしました。6代目となる新型RAV4は、3つのグレード構成によって多様なニーズに応える魅力的なSUVとして生まれ変わっています。本記事では、実際の展示車両を詳しく見た内外装の進化点と、新型RAV4の優れている点を徹底解説します。

新型RAV4の3つのグレード展開
新型RAV4は、異なるキャラクターを持つ3つのグレードで展開されます。
Adventure(アドベンチャー)- アウトドア志向

オフローダー志向のユーザーに向けたグレードです。タフなデザインと実用性を重視した仕様が特徴で、アウトドアアクティビティを楽しむユーザーに最適な選択肢となっています。
Core(コア)- バランス型のベストセラー候補

ベーシックでありながら上質な仕上がりを実現したグレードです。ハイブリッドとプラグインハイブリッド(PHV)の両方から選べる柔軟性が魅力で、幅広いユーザー層からの人気が期待されます。
GR Sport(GRスポーツ)- オンロードスポーツ仕様

プラグインハイブリッド専用のスポーティモデルです。専用のサスペンションやデザイン要素によって、オンロードでの走行性能とスタイリングを追求したグレードとなっています。
外装デザインの進化点
新世代トヨタデザイン言語の採用

新型RAV4は、トヨタの新世代デザイン言語を採用し、統一感のある洗練されたフロントマスクを実現しています。従来モデルからの正統な進化を遂げながらも、違和感のない自然なデザイン変更となっているのが特徴です。
グレード別の外装特徴
Adventure(アドベンチャー)

新色「アーバンロック」メタリックを採用し、渋めのカラーリングでタフな印象を演出しています。四角基調のラギッドなフロントバンパーデザインと、専用のデイライトパターンが特徴的です。18インチホイール(235/60R18)を装備し、LEDフォグランプも標準装備されています。下部にはシルバーのガーニッシュを配置し、オフローダーらしい力強さを強調しています。
Core(コア)

「アバンギャルドブロンズメタリック」という新色を設定し、よりラグジュアリーな雰囲気を醸し出しています。クラウンに採用されているような洗練されたハニカムグリルデザインを採用し、メッキ仕上げのエンブレムと先進的なバンパー形状が特徴です。20インチの切削光輝ホイール(235/50R20)を装着し、Core専用のホイールは1本あたり2.2kgの軽量化を実現しています。グロスブラックのルーフレールとブラックミラーが、スタイリッシュな印象を加えています。
GR Sport(GRスポーツ)

最も精悍な顔つきを持つGR Sportは、トヨタエンブレムをブラックアウトし、G字をモチーフにしたファンクショナルマトリクスグリルを採用しています。グロスブラック塗装のフェンダーモールやバンパーガーニッシュによって質感が高められ、レーシーな印象を強調しています。20インチダンロップスポーツマックス(235/50R20)にGRロゴ入りのレッドキャリパーを組み合わせ、スポーティさを際立たせています。大型リアウイングを装備し、高速域でのダウンフォースを意識した造形も特徴的です。ピアノブラックのルーフとツートンカラーの組み合わせが、よりスポーティな雰囲気を演出しています。
ライティングシステムの進化

新型RAV4では、ツーレベル(上下二段)のLEDヘッドライトとデイライトを採用し、グレードごとに異なる点灯パターンを実現しています。Adventureでは下部のみが点灯する独特のデイライトパターンを採用し、個性的な顔つきを演出しています。
内装の質感向上と機能進化

ソフトパッド材質の拡大採用

新型RAV4の内装で最も目を引く進化点は、ソフトパッド材質の大幅な拡大採用です。ダッシュボード、ドアトリム、センターコンソール周辺など、視界に入る部分や手が触れる部分に上質なソフトパッドを配置し、従来モデルから大幅な質感向上を実現しています。グレーメタリック加飾パーツを複数箇所に配置することで、先進感と上質感を同時に演出しています。
革新的な新OS搭載の大型ナビゲーション

新型RAV4は、トヨタ車として初めて新OS「Ariane(アリーン)」を搭載した大型センターディスプレイを採用しています。画面サイズが大幅に拡大され、視認性と操作性が向上しました。ナビゲーション、オーディオ、エアコンなど、頻繁に使用する機能については物理スイッチを配置し、運転中でも直感的に操作できる設計となっています。
新世代シフトセレクター

トグル式の新世代シフトセレクターを導入し、操作フィールを刷新しました。Pボタンを押す、Rは上に倒すというシンプルな操作系統で、コンパクトなサイズ感も特徴です。この小型化により、センターコンソール周辺のスペース効率が向上しています。
【後席・ラゲッジスペース】実用性も大幅向上
後席の快適性:広々とした空間と充実した装備
空間

- 運転席を標準ポジションに設定した状態で、後席には拳2つ以上の膝周りスペース
- 現行型とボディサイズはほぼ同等で、居住性は維持
- センタートンネルの張り出しは低く抑えられている
- 足元の回遊性良好
装備

- シートバックポケット(運転席側・助手席側両方)
- USB Type-Cポート×2口(後席用)
- エアコン吹き出し口
- リアシートヒーター(Core)
- LED式ルームランプ
シート調整

- リクライニング可能(1段階)
ラゲッジスペース:大容量で使い勝手も良好
容量と使い勝手

- 電動テールゲート標準装備
- 広角で見ても十分な容量
- 大容量のラゲッジスペースを確保
- ラゲッジカバー装備(従来は別売りだった可能性、今回標準装備の可能性)
- LEDラゲッジランプ
ラゲッジアンダー
- インバーター等の機械類を配置(PHVモデル)
- それでも十分な収納スペース確保
- サイドポケット装備(片側のみ)
- Coreグレードにはラゲッジ下にスペアタイヤが搭載
シートアレンジ
- 後席シートを倒すとほぼフラットなラゲッジスペースに
- 段差は最小限に抑えられている
- かなりフラットな積載スペース
- 車中泊にも対応可能な広さとフラットさ
新型RAV4は、従来モデル同様に車中泊にも適したフラットなラゲッジスペースを実現しています。実用性の高さは、RAV4の大きな魅力の一つです。
グレード別の内装特徴
Adventure(アドベンチャー)
15Wのワイヤレス充電パッドを装備し、撥水加工シートを採用することでアウトドアでの使用を想定した仕様となっています。
Core(コア)
45Wへと強化されたUSBワイヤレス充電パッドを装備し、急速充電に対応しています。リアシートにはシートヒーターを装備し、後席の快適性も向上しています。ガンメタ加飾を広範囲に施すことで、樹脂質感への不満を解消し、上質な室内空間を実現しています。
GR Sport(GRスポーツ)
スポーツシートを新設計し、サイドサポートを大幅に強化しました。合皮とスエードのコンビネーションシートに、レッドステッチとレッドパイピングを施し、スポーティな雰囲気を演出しています。GR刺繍入りのシートとステアリングには、ディンプル加工とGR専用ロゴが施されています。オルガン式アクセルペダルの採用により、レーシングフィールを強調し、パドルシフトの装備によってスポーティな操作性を実現しています。
実用的な収納と機能性
リバーシブルセンタートレイを採用し、天板とソフトパッド面を使い分けることができる革新的な設計となっています。縦並びのカップホルダーや、USB-C 45W充電ポート×2、HDMI端子、アクセサリーソケットなど、充実した装備によって利便性が向上しています。
先進的な操作系統
ステアリングスイッチのグラフィックが刷新され、運転支援機能の進化を示唆しています。EV/ハイブリッド切替スイッチ、トレイル・スノーモードの切替スイッチを配置し、多彩な走行シーンに対応できるようになっています。拡大されたヘッドアップディスプレイとDriver Monitoring機能の搭載により、安全性と利便性が向上しています。
パワートレインの進化
グレード別パワートレイン構成
新型RAV4は、グレードごとに最適化されたパワートレイン構成を採用しています。
Adventure(アドベンチャー): 2.5Lハイブリッドシステムのみを設定し、オフロード走行とのバランスを重視した構成となっています。
Core(コア): 2.5Lハイブリッドと新世代2.5Lプラグインハイブリッド(PHV)の両方から選択可能です。PHVが上級バージョンとして位置付けられており、ユーザーのニーズに応じた柔軟な選択肢を提供しています。
GR Sport(GRスポーツ): 新世代2.5Lプラグインハイブリッド(PHV)専用とし、パフォーマンスと環境性能の両立を実現しています。
急速充電対応
プラグインハイブリッドモデルには急速充電対応の充電ポートを装備しており、左側にプッシュオープン機構の普通充電ポートを配置しています。最近のトヨタPHVシステムは充電性能が向上しており、実用性が大幅に高まっています。
多彩な走行モード
EVオート、ハイブリッドモード、トレイルモード、スノーモードの切替が可能となっており、様々な走行シーンに対応できます。PHV仕様では回生ブレーキが強化され、効率的なエネルギー回生を実現しています。
安全装備と運転支援機能
新型RAV4には、パノラミックビューモニター、アドバンスドパーク(駐車支援)、アダプティブハイビーム、アドバンスドライブ(高速道路運転支援)など、先進的な安全装備と運転支援機能が搭載されています。ドライバーモニタリング機能も追加され、安全性がさらに向上しています。
ラゲッジスペースと実用性
大容量のラゲッジスペースを確保しており、Coreグレードにはラゲッジ下にスペアタイヤが搭載されています。アドバンスドパークやパノラミックビューモニターによって、日常使いでの安心感も高まっています。
シャシーと走行性能
GR Sport専用チューニング
GR Sportには専用コイルスプリングと剛性強化ブレースが装備され、オンロードでのスポーツ走行性能を追求しています。専用バンパーデザインとレッドキャリパー、20インチスポーツタイヤの組み合わせにより、スポーツSUVとしての高い魅力を実現しています。
軽量化への取り組み
Core専用の20インチホイールは1本あたり2.2kgの軽量化を達成し、燃費性能と走行性能の向上に貢献しています。
【新型RAV4の優れている点まとめ】正統進化と多様性の両立
新型RAV4のフルモデルチェンジにおける最大の魅力は、「正統な進化」と「多様性」の両立です。以下が特に優れている点となります。
1. 質感の大幅向上:価格帯を超えた上質感
- ソフトパッド材質の拡大採用とメタリック加飾により、従来モデルから大きく質感が向上
- 価格帯を超えた上質な室内空間を実現
- ドアトリム、ダッシュボード、センターコンソールなど、視界に入る部分や手が触れる部分に上質な素材を配置
- ガンメタ加飾を広範囲に施すことで、樹脂質感への不満を解消
2. 革新的な操作系統:直感的で使いやすい
- 新OS「Arene」搭載の大型ディスプレイと、物理スイッチのバランスの取れた配置
- 直感的で使いやすい操作環境を実現
- トグル式の新世代シフトセレクター
- リバーシブルセンタートレイなど、革新的な機能
3. 選べる楽しさ:3グレード×2パワートレイン
- Adventure、Core、GR Sportという3つのグレード
- ハイブリッド/PHVの組み合わせ
- ユーザーのライフスタイルに合わせた最適な選択が可能
- それぞれが明確な個性を持つ
4. GR Sportの圧倒的な魅力:オンロードスポーツSUVの頂点
- 「見た目だけだったらGRスポーツが一番かっこいい」という評価が多数
- 専用デザインとスポーティな装備の組み合わせが高い魅力を生み出す
- オンロードスポーツSUVとしての完成度の高さが際立つ
- 専用サスペンション、レッドキャリパー、大型リアウイングなど充実した装備
5. 実用性の向上:日常使いでの満足度アップ
- 大容量ラゲッジ、スペアタイヤ搭載(Core)
- 多彩な充電ポート(45W USB Type-C、ワイヤレス充電)
- 先進的な運転支援機能(アドバンスドライブ、アドバンスドパーク)
- 日常使いでの実用性が大幅に向上
6. 環境性能と走行性能の両立:新世代PHVの実力
- 新世代PHVシステムの採用
- 環境性能と走行性能を高次元で両立
- 急速充電対応により、実用性も向上
- 回生ブレーキの強化で効率的な走行
7. 違和感のない正統進化:RAV4らしさの継承
- フルモデルチェンジでありながら、RAV4らしさを保つ
- 違和感のないデザイン進化を実現
- 既存ユーザーも新規ユーザーも受け入れやすい仕上がり
- トヨタの新世代デザイン言語を自然に取り入れる
8. 先進技術の投入:トヨタ車初の新OS搭載
- 新OS「Arene」をトヨタ車で初めて搭載
- アドバンスドライブ(高速道路ハンズオフ走行)対応
- 大型ディスプレイによる視認性向上
- ドライバーモニタリング機能
9. 細部へのこだわり:使い勝手の向上
- リバーシブルセンタートレイ
- 45W USB充電対応
- LEDライト標準化(室内灯、ラゲッジ灯など全てLED化)
- サングラスホルダー装備(最近減少傾向の装備)
10. グレード別の明確な個性:選ぶ楽しさ
- Adventure:タフなアウトドア志向
- Core:バランスの取れた都会派
- GR Sport:スポーティな走りを追求
それぞれが異なるキャラクターを持ち、ユーザーの好みやライフスタイルに合わせた選択が可能です。
【どのグレードを選ぶべきか?】ライフスタイル別おすすめグレード
GR Sportがおすすめの人
- スポーティーな走りを重視する
- プラグインハイブリッドで環境性能と動力性能を両立したい
- 専用装備とエクステリアの特別感を求める
- 急速充電設備のある環境(自宅や職場)
- 「見た目だけだったらGRスポーツが一番かっこいい」という評価に共感
- オンロードでの走行性能を最優先
- レッドキャリパー、大型リアウイング、専用シートなどの装備に魅力を感じる
Adventureがおすすめの人
- アウトドア・キャンプが趣味
- SUVらしいラギッドなデザインが好き
- 撥水シートなど実用装備を重視
- オフロード走行も視野に入れている
- 18インチホイールでオフロード性能を確保したい
- 「アーバンロック」メタリックの渋いカラーに魅力を感じる
Coreがおすすめの人
- バランスの取れた装備を求める
- シートベンチレーションが欲しい(夏場の快適性重視)
- 都会的なスタイリングが好み
- 快適装備を重視
- ハイブリッドとPHVから選びたい(柔軟性)
- 「アバンギャルドブロンズメタリック」のラグジュアリーな雰囲気が好き
- 20インチホイールの軽量化に価値を感じる
- リアシートヒーターが欲しい
注目ポイント Coreグレードのシートベンチレーションは、特に暑い季節や長距離ドライブで大きなアドバンテージとなります。この装備だけでもCoreを選ぶ価値があるという声も多く聞かれました。
発売時期と今後の展望
新型RAV4は2025年度内(2025年12月頃)の国内発売が予定されています。ジャパンモビリティショー2025での反響も大きく、発売を待ち望む声が多く聞かれました。
まとめ:新型RAV4は次世代SUVのスタンダードとなる可能性
新型トヨタRAV4は、約6年ぶりのフルモデルチェンジによって、以下の点が大きく進化しました:
デザイン面
- 新世代トヨタデザイン言語の採用
- グレード別の明確な個性(Adventure、Core、GR Sport)
- ツーレベルLEDライトとグレード別点灯パターン
- 違和感のない正統進化
内装・装備面
- ソフトパッド材質の大幅拡大で質感向上
- トヨタ車初の新OS「Arene」搭載
- 大型ディスプレイと物理スイッチの絶妙なバランス
- 革新的なリバーシブルセンタートレイ
- シートベンチレーション(Core)
- 45W USB充電対応
パワートレイン
- 新世代2.5L PHVシステム(GR Sport、Core PHV)
- 2.5Lハイブリッド(Adventure、Core HV)
- 急速充電対応で実用性向上
- 回生ブレーキ強化
走行性能
- GR Sport専用サスペンションとブレース
- Core専用ホイールの軽量化(1本あたり2.2kg)
- 多彩な走行モード(EV、HV、トレイル、スノー)
実用性
- 広大なラゲッジスペース
- フラットな車中泊対応シートアレンジ
- 充実した後席装備(USB充電、シートヒーター)
- スペアタイヤ搭載(Core)
先進安全装備
- アドバンスドライブ(高速道路ハンズオフ)
- アドバンスドパーク
- パノラミックビューモニター
- ドライバーモニタリング機能
新型RAV4は、「早く乗りたい」「走り味が相当気になる」という期待の声が多く聞かれるように、内外装の進化と多彩な選択肢によって、次世代SUVのスタンダードとなる可能性を秘めています。
特に注目すべきは以下の3点です:
- グレード別の明確な個性:Adventure、Core、GR Sportそれぞれが異なるキャラクターを持ち、選ぶ楽しさを提供
- 質感の大幅向上:ソフトパッド材質の拡大採用とメタリック加飾により、価格帯を超えた上質な室内空間を実現
- GR Sportの圧倒的魅力:「見た目だけだったらGRスポーツが一番かっこいい」という評価が示すように、専用装備とスポーティなデザインが高い完成度を実現
ミドルサイズSUV市場で圧倒的な人気を誇るRAV4。新型は、その地位をさらに確固たるものにする商品力を備えていると言えるでしょう。2025年末の正式発表と試乗レポートが待ち遠しい一台です。


