トヨタは水素燃焼エンジンを搭載するコンセプトカー「GRヤリス H2」を欧州で12月2日(現地時間)発表した。
トヨタ 「GRヤリス H2」
未来は燃料電池で化学反応を利用してエネルギーを生成するのに対し、実験的なGR Yarisは、燃料として水素を使用する内燃エンジンを備えている。水素駆動の実験用GRヤリスとカローラスポーツはどちらも、同じG16E-GTS、1.6リッター直列3気筒、ターボ付きエンジンを備えた、燃料供給が変更。燃料として水素を使用するための噴射システムを搭載。
水素はガソリンよりも速い速度で燃焼するため、優れた環境性能を発揮しながら、優れた応答性を実現。水素燃焼は、非常にクリーンであることに加えて、内燃機関の特徴である音響および感覚の感覚を体験する楽しみを伝える可能性を秘めている。
トヨタは、カーボンニュートラルの実現に向けて、FCEVなどの燃料電池製品の普及を通じて水素の利用促進を目指すなど、取り組みを強化してきました。トヨタは、モータースポーツを通じて水素エンジン技術をさらに磨き、より良い水素社会の実現を目指します。
水素エンジンのメリット・デメリットは?
メリット
水素エンジンにおけるメリットは水素の燃焼の速さは、ガソリンよりも速く、応答性が良いという特徴がある。優れた環境性能を持つと同時に、クルマが持つ、音や振動を含めた「クルマを操る楽しさ」を実現する可能性を秘めている。電気自動車やFCVに比べ価格を安くできる。
デメリット
デメリットは燃焼の速さによる異常燃焼により点火プラグで火花を飛ばす前に火が付くことによりエンジンが壊れる。燃費。水素ステーションの不足。輸送コストで割高。
水素エンジンの必要性
ガソリンや軽油などの化石燃料を使わず、更に排出ガスも0と出るのは水だけという仕組みの「水素エンジン」。既に海外では内燃機関のエンジンを使用しない「電気自動車(EV)」にシフトし出しており、2021年1月18日の通常国会での施政方針演説で菅首相は国内販売車の電動化について「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と表明。自動車メーカーによる電気自動車等のゼロエミッション車の開発・販売が急がれている。更に菅首相は2020年10月26日、臨時国会の表明演説にて「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言。約10,000点の部品は多くの中小零細企業が関与し雇用に影響を及ぼす。豊田章男氏は「日本には自動車関連企業で働く人たちが550万人いる、世の中すべてのクルマがEVになったら100万人が職を失う。強みを生かしてエンジンを残しながら日本のカーボンニュートラルに向かう道があってもいいのではないか?」ということで「水素エンジン」に目を向けた。今までトヨタが培ってきた内燃機関の技術を使った化石燃料を使わない仕組みを浸透させていけば、雇用と他社に負けないトヨタの技術を継承できるという考えだ。更に「FCV」に比べ低コストで作成できるため車両価格を下げることもできる。
ここからは筆者の考えだと思って頂きたいが、海外でこれだけ電気自動車(EV)が流行っているのにはもう一つ理由が隠されており、仕様するパーツの少なさとモーターとバッテリーを揃えれば作れてしまうことで自動車業界に新たに参入を果たす新しい会社やIT関連企業まで業界に参入することができる。内燃機関の仕組みは日本車が他を寄せ付けない出来栄えだけに勝てないので他社は電気自動車に力を入れて排出ガスや地球温暖化を盾にEVエンジンを普及させたい考えである。トヨタはどちらかと言うと電気自動車に対しては遅れておりそこに勝機を感じている会社も少なくないだろう。もちろんトヨタとしても「電気自動車(EV)」へシフトする世界的な背景に黙っているわけではなく最近では積極的に電気自動車のコンセプトモデルなど量産化に向けて動き出している。
トヨタ ニュースリリース