スズキはコンパクトスポーツ新型「スイフトスポーツ」のフルモデルチェンジを行い2024年11月頃に発売します。2023年12月に登場した5代目新型「スイフト」をベースにしています。「スイフトスポーツ」は法規対応に伴う一部仕様変更を実施し2023年10月2日発表、2023年10月16日発売しており、新型「スイフト」の約1年後に新型「スイフトスポーツ」を導入することになります。どのような進化を遂げているのか、興味深いですね。
スズキ 新型「スイフトスポーツ」フルモデルチェンジ 5代目 について
今回のスイフトスポーツの最大の魅力は、国内仕様初となるマイルドハイブリッドの採用です。1.4リットル直列4気筒ターボエンジンに48Vマイルドハイブリッドが組み込まれます。トランスミッションは6速MTまたは6ATが選択できます。ボディーは、5代目新型スイフトに対してノーズを延長し、トレッドを30mm、前後フェンダーを左右各20mm広げ、全幅が1,735 mmとなり、3ナンバーモデルとなります。HEARTECT構造が引き継がれ、内装部品やシートなども最適化される見込みで、安全性も新型スイフト同様に「デュアルセンサーブレーキサポートII」が搭載され、先代モデルよりも向上しています。
- エクステリアデザインを変更。
- 大型9インチHDディスプレイ搭載のメモリーナビゲーションを採用
- 「1.4LDOHCVVT直噴ターボ」に+新開発マイルドハイブリッドを採用
- 「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を採用
スズキ 新型「スイフトスポーツ」フルモデルチェンジ 5代目 エクステリア について
エクステリアは、キープコンセプトを踏襲しつつ、さらに洗練されたデザインを採用しています。2024年の「スイフト」は全長3,860mm、全幅1,735mm、全高1,500mmで、ホイールベースは2,450mmです。先代モデルとほぼ同じサイズを持ち、プラットフォームには、軽量化と高剛性を両立させる次世代軽量プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」が採用されています。
スズキ 新型「スイフトスポーツ」フルモデルチェンジ 5代目 インテリア について
インテリアでは、白いプラスチックのトリムが興味深い質感でドアまで広がり、よりモダンな印象を与えます。また、太いベゼルを備えた「9インチのディスプレイオーディオ」が採用されており、コネクティッドサービス「スズキコネクト連動」「ドライブレコーダー連動」が可能です。USB電源ソケット[Type-C]が全車に標準装備され、さらに「ドライバーモニタリングシステム」「ナノイーX搭載フルオートエアコン」が採用されています。センターコンソールには複数のUSB充電ポートの上にCDスロットが採用されています。さらに、音声案内機能も搭載され、ドライバーに「ドアが開いています」「ガソリンが減っています」といった情報を音声でお知らせします。
スズキ 新型「スイフトスポーツ」フルモデルチェンジ 5代目 エンジン について
「スイフトスポーツ」に搭載されるエンジンは、1.4Lの直噴ターボガソリンエンジンにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドです。この組み合わせにより、最高出力は103kW(140PS)/5,500rpm、最大トルクは230Nm(23.4kgm)/2,500-3,500rpmとなります。さらに、モーターアシストの最高出力は2.3kW(3.1ps)/1,000rpmです。これにより、先代モデルよりも力強い走りを楽しむことができます。
スズキ 新型「スイフトスポーツ」フルモデルチェンジ 5代目 安全装備 について
新型「スイフト」は、最新の安全技術を搭載しています。衝突被害軽減ブレーキには、ミリ波レーダー、単眼カメラ、超音波センサーの3種類のセンサーが採用され、車両、歩行者に加えて自転車や自動二輪車も検知対象になりました。交差点での衝突や軽減を図るために、右折や左折時の車両や歩行者も検知します。
さらに、アクティブクルーズコントロール(全車速追走機能付き)も新たに採用されました。安全装備としては、「後方誤発進抑制機能」「リヤパーキングセンサー」「車線逸脱抑制機能」「標識認識機能 ロードサインアシスト(RSA)」に加えて、「ブラインドスポットモニター(BSM)」も搭載されています。さらに、全車速での追従機能を備えた「アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)」が標準装備されています。その他、「アダプティブハイビームシステム(AHS)」や「ドライバーモニタリングシステム(DMS)」も装備されています。
この車両は、経済産業省や国土交通省が推進する「セーフティ・サポートカー」の「サポカーS ワイド」や、国土交通省の「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)認定車」に該当します。
スズキ 新型「スイフトスポーツ」フルモデルチェンジ 5代目 デュアルセンサーブレーキサポートⅡについて
前方衝突警報機能 約5km/hから約100km/hで走行中、ステレオカメラが前方の車両や歩行者を検知。衝突の可能性があると判断した場合、ブザー音とメーター内の表示によって警報を発する機能。夜間の歩行者も検知。
前方衝突警報ブレーキ機能 衝突の可能性が高まると、警報に加え自動的に弱いブレーキを作動させ、運転者に衝突回避を促す機能。
前方衝突被害軽減ブレーキアシスト機能 衝突の可能性が高いと判断したあと、運転者が強くブレーキを踏むと、 ブレーキアシストが作動しブレーキ制動力を高める機能。
自動ブレーキ機能 衝突が避けられないと判断した場合に、自動で強いブレーキが作動し、衝突の回避、または衝突被害を軽減する機能。
誤発進抑制機能 ペダルやシフトの操作ミスによる衝突の回避に貢献、前方約4m以内の障害物をステレオカメラで検知。停車、または約10km/h以下の徐行中、障害物があるにもかかわらずアクセルを大きく踏み込んだ場合に、エンジン出力を自動で抑えて急発進、急加速を抑制する機能。最長約5秒間、エンジン出力を自動的に抑制。
車線逸脱警報機能 車線を外れそうになるとブザー音とメーター内の表示灯で警報約60km/hから約100km/hで走行中、ステレオカメラが車線の左右区画線を認識。車線を逸脱すると判断した場合、ブザー音とメーター内の表示灯によって運転者に注意を促す機能。
ふらつき警報機能 車両が蛇行するとブザー音とメーター内の表示灯で警報、約60km/hから約100km/hで走行中、ステレオカメラが車線内での車両の蛇行パターンから、ふらつきと判断した場合、ブザー音とメーター内の表示灯によって運転者に注意を促す機能。
先行車発進お知らせ機能 先行車の発進をブザー音とメーター内の表示でお知らせ停車時、先行車が発進して約4m以上離れても、自車が停止し続けた場合、ブザー音とメーター内の表示で運転者に先行車が発進したことをお知らせする機能。
ロードサインアシスト(RSA)前方のカメラで認識した道路標識を、マルチインフォメーションディスプレイに表示するシステム。
ブラインドスポットモニター(BSM)隣の車線を走る車両をレーダーで検知。車両が死角エリアに入ると、ドアミラーに搭載されたLEDインジケーターを点灯。
後方誤発進抑制機能 リアバンパーに内蔵した4つの超音波センサーが車両後方にある障害物を検知すると自動ブレーキを作動させる。
後退時ブレーキサポート リアバンパーに内蔵した4つの超音波センサーが車両後方にある障害物を検知すると自動ブレーキを作動させる。 全方位モニター用カメラパッケージ (全方位パッケージ 全方位モニター用カメラパッケージ装着車 メーカーオプション)クルマの前後左右4カ所にカメラを設置。対応ナビゲーション(販売会社装着アクセサリー)を装着すれば、クルマを真上から見たような俯瞰(ふかん)の映像などをモニターに映し出す「全方位モニター」に。運転席から見えにくい場所も画面上で確認でき、狭い場所での駐車に貢献する。
リヤクロストラフィックオートブレーキ 後退時の死角を検知し、注意を喚起。衝突の危険性がある場合は自動的にブレーキ制御を行うことで接近車両との衝突被害軽減をサポートします。
ハイビームアシスト ステレオカメラが対向車のヘッドランプなどの明るさを検知し、自動でハイビームとロービームを切り替えます。これにより、切り替え操作なくハイビームでの走行が可能になり、街灯の少ない道路でも安心して夜間の走行ができる。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)(全車速追走機能付き)ステアリングのACCスイッチを押せば先行車との距離をミリ波レーダーで測定し、車間距離を保ちながら自動的に加速・減速します。車間距離は3段階(短・中・長)で設定が可能。先行車がいない場合はあらかじめ設定した速度(全車速追従)をキープ。
全方位モニター用カメラパッケージ (セーフティパッケージ・全方位モニター用カメラパッケージ装着車 メーカーオプション) クルマの前後左右4カ所にカメラを設置。対応ナビゲーション(販売会社装着アクセサリー)を装着すれば、クルマを真上から見たような俯瞰(ふかん)の映像などをモニターに映し出す「全方位モニター」に。運転席から見えにくい場所も画面上で確認でき、狭い場所での駐車に貢献する。
標識認識機能 走行中、ステレオカメラが認識した道路標識を適切なタイミングでメーター内のマルチインフォメーションディスプレイに表示。「最高速度」「はみ出し走行禁止」「補助標識」「一時停止」「車両進入禁止」に対応。
スズキ 新型「スイフトスポーツ」フルモデルチェンジ 5代目「電動パーキングブレーキ」「オートブレーキホールド」初採用
電動パーキングブレーキ(Electronic parking brake<EPB>)は、基本的に運転席周りにボタンが配置され、パーキングブレーキ(サイドブレーキ・フットブレーキ)を電子制御します。
「電動パーキングブレーキ」は「Pレンジ」に入れると自動的にパーキングブレーキがかかります(メーカーにより多少異なります)。さらに、「Dレンジ」または「Rレンジ」に入れると自動でパーキングブレーキが解除されます。このシステムを採用している車種には、通常のパーキングブレーキ(サイドブレーキ・フットブレーキ)が装備されていません。そのため、サイドブレーキが自動的にかかるため、停車や始動時に気を使わずにすみ、負担が軽減されます。
一方、「オートホールドブレーキ」は、「Dレンジ」に入れた状態で走行中に「AUTO HOLD」ボタンを押すと、赤信号などで停車した際に「HOLD」の表示灯が点灯し、車が自動的にブレーキをかけ続けてくれます。青信号に変わり発進する際には、「アクセルペダル」を踏むことで「HOLD」の表示灯が消え、ブレーキが解除されます。これにより、渋滞や長時間の信号待ちなどで繰り返し停止する場合や、大きな交差点で信号待ちが長い場合などでも、ブレーキペダルから足を離すことができ、疲れが圧倒的に軽減されます。筆者は、「オートホールドブレーキ」のない車に乗ると、疲れ方が大きく違うと感じるほどです。
スズキのドライバーモニタリングシステム
スズキは初めて、ナビゲーションの横に取り付けたカメラを使用して、ドライバーの顔情報を認識し、取得します。この顔情報を元に、居眠りや眠気、わき見などを検知し、注意を促すドライバーモニタリングシステムを採用しました。これにより、安全な運転をサポートします。
スズキ 新型「スイフトスポーツ」フルモデルチェンジ 5代目 スペックについて
スペック | 新型スイフトスポーツ |
---|---|
全長 | 3,910mm |
全幅 | 1,735mm |
全高 | 1,500mm |
ホイールベース | 2,450mm |
エンジン | 1.4L直噴ターボ ガソリンエンジン +モーター |
最高出力 | 103kW(140PS)/ 5,500rpm |
最大トルク | 230Nm(23.4kgm)/ 2,500-3,500rpm |
モーター 最高出力 | 2.3kW(3.1ps)/ 1,000rpm |
モーター 最大トルク | 60Nm(6.1kgm)/ 100rpm |
トランス ミッション | 6AT 6MT |
駆動方式 | 2WD |
最小回転半径 | 5.1m |
WLTCモード燃費 | -km/L(6AT) -km/L(6MT) |
編集部より一言
スイフトスポーツは、今では200万円台で手に入る貴重な車種の一つとなりました。新型「スイフト」をベースに開発されており、多くの先進装備が採用されています。ただし、電動パーキングブレーキは採用されず、多くの声がサイドブレーキの廃止を望んでいるようです。これには理由があり、サイドブレーキの不在によるものです。そして、最も注目すべき点は、国内仕様初のマイルドハイブリッドシステムの採用です。このシステムにより、モーターアシストが可能となり、走行性能や燃費の向上が期待されます。さらに、空気抵抗も低減され、より素晴らしい走りを楽しむことができるでしょう。
スイフトスポーツ