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日産 キャシュカイ 第3世代e-POWER搭載 2025年9月欧州市場で発売 最高水準の燃費性能と1200km航続距離を実現

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日産自動車のキャシュカイはマイナーチェンジを行い、2025年9月欧州市場で発売します。この新型モデルの核心には、飛躍的な進化を遂げた第3世代の電動パワートレイン「e-POWER」が搭載されており、その卓越した性能と環境への配慮は、現代のドライバーが求めるニーズに完璧に応えるものとなっています。

2025年6月26日に欧州で発表した第3世代「e-POWER」システムは、ハイブリッド技術の新たな地平を切り開く革新的な進歩を遂げています。この最新システムを搭載したキャシュカイは、従来のハイブリッド車の常識を覆し、電気自動車の滑らかな走行感覚とディーゼル車並みの実用性を両立させた次世代クロスオーバーSUVとして注目を集めています。

第3世代e-POWERは、日本市場では2026年度発売予定の新型「エルグランド」、北米市場では2026年度中に発表予定の新型「ローグ」に搭載されます。

目次

第3世代e-POWERの革新的技術進化

日産のe-POWERシステムは2016年の市場投入以降、着実な技術進歩を重ねてきました。第3世代となる今回のシステムは、従来の優れた走行性能や運転体験を維持しながら、燃費性能と静粛性において飛躍的な向上を実現しています。

この新システムの最大の特徴は、エンジンを発電専用として使用し、駆動は100%電気モーターで行うシリーズハイブリッド方式を採用している点です。複雑な機械的結合を必要とする従来のパラレルハイブリッドシステムとは異なり、e-POWERはより単純でありながら効率的な構造を持っています。これにより、電気自動車のような滑らかで静粛な走行感覚を提供しながら、充電インフラへの依存を完全に排除しています。

新世代e-POWERの技術的優位性は、モーターや制御システムを電気自動車と共用可能な設計にあります。この共通化により、将来のゼロエミッション社会への移行期において、ユーザーが段階的に電動化に慣れ親しむことができる理想的な橋渡し役を果たしています。

圧倒的な燃費性能とセグメント最高水準の航続距離

新型キャシュカイに搭載された第3世代e-POWERは、燃費性能において画期的な改善を達成しています。WLTPモードでの燃費は4.5L/100km(約22.2km/L)を記録し、欧州Cセグメントクロスオーバー市場においてトップクラスの数値を実現しています。

この優秀な燃費性能により、最大航続距離は1200kmという驚異的な数値を達成しています。これはディーゼル車に匹敵する実用性を提供するものであり、長距離ドライブや旅行において給油回数を大幅に削減できます。実際の走行条件においても1000kmを超える航続距離を確保しており、日常使用から長距離移動まで幅広いニーズに対応しています。

環境性能の面でも大幅な改善が見られます。CO2排出量は従来の116g/kmから102g/kmへと12%の削減を実現しており、環境規制が厳格化する欧州市場においても十分に競争力のある数値となっています。

ADAC(ドイツ自動車連盟)が実施した独立試験では、現行キャシュカイと比較して実走行条件で最大16%、高速道路走行では14%の燃費向上が確認されています。この第三者機関による客観的な評価は、新システムの実用性能の高さを証明する重要な指標となっています。

5-in-1統合ユニットによる革新的パッケージング

第3世代e-POWERの技術的核心は、新開発された5-in-1統合パワートレインユニットにあります。このユニットは、モーター、発電機、インバーター、減速機、増速機という5つの主要コンポーネントを、コンパクトで軽量な単一ケースに統合した革新的設計となっています。

モーター出力は従来比11kW(15PS)向上し、151kW(205PS)の最高出力を発生します。バッテリー容量は2.1kWhと従来同等を維持しながら、ユニット全体の高剛性化と軸構造の最適化により、走行時の音と振動を大幅に低減しています。

特に注目すべきは、静粛性の大幅な改善です。第2世代と比較して最大5.6dBの騒音低減を実現し、まさに電気自動車レベルの静粛性を達成しています。これにより、高速走行時でも車内での会話や音楽鑑賞を快適に楽しむことができます。

さらに、スポーツモード選択時には追加で10kW(14PS)の出力向上が可能となり、総出力は161kW(219PS)まで引き上げられます。これにより、日常的な快適性と必要に応じたスポーティーな走行性能の両立を実現しています。

完全新設計の専用エンジンによる効率最大化

第3世代e-POWERのもう一つの技術的ハイライトは、完全新設計された1.5リッター直列3気筒ターボエンジンです。このエンジンはe-POWER専用として開発され、発電効率の最大化に特化した設計となっています。

日産独自のSTARC燃焼コンセプトを採用することで、シリンダー内の燃焼安定性を大幅に向上させ、熱効率42%という高い数値を達成しています。この高効率化により、低速域でも静粛で効率的な発電が可能となっています。

効率最大化のために大型ターボチャージャーを採用し、最終減速比の最適化と合わせて、高速走行時のエンジン回転数を従来より約200rpm低減しています。この改良により、高速巡航時の騒音レベルが大幅に抑制され、より快適な長距離ドライブが可能となっています。

e-POWER専用設計により、従来のマルチリンクエンジンで必要であった可変圧縮比技術が不要となりました。また、エンジンオイルには0W-16という低粘度オイルを採用することで、内部摩擦抵抗を最小限に抑えています。

メンテナンス面でも大きな改善が見られます。オイル交換インターバルが従来の15,000kmから20,000kmに延長され、ユーザーの維持費負担軽減と利便性向上に寄与しています。

電動化時代の理想的な移行ソリューション

第3世代e-POWERは、完全電動化への移行期における理想的なソリューションとして位置づけられています。電気自動車と同様の電気モーター駆動により、変速ショックや出力遅延のない滑らかな加速を提供する一方、充電インフラへの依存がないため既存のガソリンスタンドでの給油で継続使用が可能です。

この特性により、電動化への関心はあるものの、充電インフラの整備状況や充電時間への懸念を持つユーザーにとって、電動ドライブの魅力を体験できる絶好の機会を提供しています。回生ブレーキシステムも電気自動車同様に装備されており、減速エネルギーを電気に変換してバッテリーに回収することで、さらなる効率向上を実現しています。

新しいものへの関心と実用性の両立を求める現代のユーザーニーズに対し、e-POWERは技術的先進性と使い勝手の良さを兼ね備えた最適解となっています。多くのユーザーが電動ドライブの楽しさと利便性を体験することで、将来的な完全電動化への自然な移行を促進する効果も期待されています。

グローバル展開計画と市場戦略

第3世代e-POWERを搭載したキャシュカイは、英国サンダーランド工場で生産され、2025年9月から欧州市場での販売が開始される予定です。その後、アフリカ及びオセアニア市場への展開も順次進められる計画となっています。

日産の長期的な電動化戦略において、第3世代e-POWERは重要な役割を担っています。2026年度には、日本市場向けの新型エルグランドと北米市場向けの新型ローグへの搭載が予定されており、グローバルな普及拡大が進められます。

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このグローバル展開により、各地域の市場特性やユーザーニーズに応じた電動化ソリューションの提供が可能となります。特に充電インフラの整備が限定的な地域においても、e-POWERの自己完結型システムは大きな利点となります。

日産自動車のチーフテクノロジーオフィサーである赤石永一氏は、「この第3世代e-POWERは、日産のハイブリッド技術を再定義するものであり、あらゆる状況で滑らかで応答性の高い走行を提供します。約10年にわたる開発における知見を集約し、より効率的で洗練された、競争力のあるシステムを実現しました」と述べており、同社の技術開発への強い自信を表明しています。

市場競争力と将来への影響

第3世代e-POWERの登場は、欧州クロスオーバーSUV市場における競争構造に大きな変化をもたらす可能性があります。従来のディーゼルエンジンやプラグインハイブリッド車に対して、充電不要でありながら電気自動車レベルの走行品質を提供するe-POWERは、独自のポジションを確立することが期待されています。

特に1200kmという長大な航続距離は、長距離移動が多い欧州市場において大きな訴求力を持ちます。充電時間を気にすることなく、従来のガソリン車と同様の使い勝手を維持しながら、優れた燃費性能と環境性能を実現している点は、幅広いユーザー層にアピールするでしょう。

コスト面でも優位性があります。プラグインハイブリッド車に比べて大容量バッテリーが不要であり、複雑な機械的結合システムも不要なため、製造コストの抑制が可能です。これにより、先進的な電動化技術をより手頃な価格で提供することができます。

技術的観点からは、e-POWERの発展は将来の完全電動化への技術的基盤構築にも寄与しています。電気モーターや制御システムの技術蓄積、ユーザーの電動ドライブへの慣れ親しみ、そして生産システムの電動化対応など、多面的な効果が期待されています。

環境性能とサステナビリティへの貢献

第3世代e-POWERは、自動車産業が直面する環境課題への重要な回答の一つとなっています。CO2排出量の12%削減という成果は、気候変動対策への具体的な貢献を示しています。

さらに、高効率エンジンの採用と電動化技術の組み合わせにより、化石燃料の使用量削減にも寄与しています。1リッター当たりの走行距離が大幅に向上することで、同じ移動距離でも燃料消費量を大幅に削減できます。

持続可能なモビリティの実現に向けて、e-POWERは現実的で実用的なソリューションを提供しています。完全電動化への移行期間において、既存のエネルギーインフラを活用しながら環境負荷を削減できるため、社会全体の電動化推進に重要な役割を果たすことができます。

また、リサイクル性や長寿命化への配慮も重要な要素です。シンプルな構造と高信頼性により、長期間の使用が可能であり、資源の有効活用にも貢献しています。

技術革新の継続と次世代への展望

日産の第3世代e-POWERは、同社の電動化技術における現時点での集大成でありながら、さらなる発展への基盤でもあります。約10年間にわたる開発と市場での実績蓄積により、技術的成熟度と市場適応性の両面で高いレベルに到達しています。

今後の技術発展方向としては、さらなる効率向上、軽量化、コスト削減が期待されています。また、他の電動化技術との組み合わせや、自動運転技術との統合など、次世代モビリティへの発展可能性も秘めています。

グローバル市場への展開を通じて得られるフィードバックと技術データは、次世代システムの開発に活用され、継続的な技術革新のサイクルを生み出すでしょう。

第3世代e-POWERの成功は、日産の電動化戦略全体にとって重要な意義を持っています。技術的優位性の確立、市場競争力の向上、そして将来の完全電動化への道筋づくりという多面的な効果により、同社の持続的成長を支える重要な技術基盤となることが期待されています。

この革新的なハイブリッドシステムは、自動車産業の電動化推進において新たな選択肢を提示し、ユーザーのニーズに応える実用的なソリューションとして、今後の市場動向に大きな影響を与えることでしょう。

日産ニュースリリース

https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/250626-01-j

2025-Nissan-Qashqai-e-Power

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この記事を書いた人

KAZUのアバター KAZU 編集長

自動車専門メディア『最新自動車情報』編集長のKAZU。IT企業から独立後、自動車専門サイト『最新自動車情報』を立ち上げ、編集長として12年間運営に携わってまいりました。これまでに、新車・中古車、国産車(日本車)から輸入車(外車)まで、あらゆるメーカーの車種に関する記事を6,000本以上執筆。その経験と独自の分析力で、数々の新型車種の発表時期や詳細スペックに関する的確な予測を実現してきました。『最新自動車情報』編集長として、読者の皆様に信頼性の高い最新情報、専門的な視点からの購入アドバイス、そして車(クルマ)の奥深い魅力をお届けします。後悔しない一台選びをしたい方、自動車業界のトレンドをいち早く知りたい方は、ぜひフォローをお願いいたします。

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