米国のトヨタ自動車は、2026年型となるバッテリー電気自動車(BEV)新型C-HRを2025年5月14日(現地時間)に発表しました。米国市場での正式な発売時期は、2026年となる予定です。
トヨタはかつて、その独創的なスタイルで街の視線を集めたトヨタC-HR。しばらくの充電期間を経て、その名が再びアメリカの大地に刻まれようとしています。しかし、それは私たちが記憶しているC-HRの姿ではありません。時代の求める声を真摯に受け止め、内燃機関という過去の衣を脱ぎ捨て、100%電気で走るピュアEVへと大胆な変身を遂げたのです。その心臓部には、0-60mph(時速約96km)加速はわずか5.0秒と公表されており、これはトヨタのスポーツカーGR86よりも速いタイムというから驚きです。洗練されたデザインと心昂る走りで、新型C-HRはEVの世界に新たな風を吹き込む一台となりそうです。
この新しいC-HRの物語は、実はヨーロッパの地で静かに始まっていました。基本設計を共有する「C-HR+」と名付けられたモデルが、ひと足先にワールドプレミアを飾り、その斬新な姿で大きな話題を呼んだのです。ヨーロッパでは、既存のハイブリッドモデルやプラグインハイブリッドモデルと区別するためにEV版に「+」の名が与えられましたが、アメリカ市場では少し事情が異なります。2022年に一度C-HRの歴史に幕を下ろしていたアメリカでは、ハイブリッドなどの選択肢はなく、純粋な電気自動車として、新型C-HRが再びその存在を輝かせることになります。これは、トヨタの電動化への強い意志が感じられる、象徴的な船出と言えるでしょう。
はじめに:トヨタC-HR EVの概要
- かつて日本でも人気を博したトヨタC-HRが、米国市場において約3年ぶりに電気自動車(EV)として華麗なる復活を遂げます。
- 単なる再登場ではなく、トヨタGR86をも凌駕するとされる加速性能を秘めるなど、中身もデザインも大きな変貌を遂げての登場となります。
- ヨーロッパ市場では、先に「C-HR+」という名称でEV版が発表されており、これは既存のハイブリッド(HEV)やプラグインハイブリッド(PHEV)モデルと区別するためのネーミングでした。米国ではEV専用モデルとしての導入となります。
開発の背景・位置づけ
- 新型C-HR EVは、トヨタが推進する米国市場での電動化戦略における、極めて重要な役割を担う一台と位置づけられています。
- 基本骨格には、大幅な商品力向上を果たしたトヨタのEV「bZ」(旧bZ4X)と共通のプラットフォームが採用されています。
- 2022年に一度米国での販売を終了しており、個性的なデザインと走りを記憶するファンにとっては待望の再登場となります。
エクステリアデザインの特徴
- フロントマスクには、トヨタの最新デザイン言語であり、サメを想起させる「ハンマーヘッド」モチーフを大胆に採用し、精悍かつ知的な表情を演出しています。
- C-HRならではのクーペライクで流麗なファストバックスタイルを継承しつつ、より未来志向で洗練されたフォルムへと進化を遂げました。
- ヘッドライトユニットから独立して配置された、印象的な「コ」の字型のLEDデイタイムランニングライトが先進性を強調します。
- リアデザインでは、現代的なワイド感を演出する一文字型テールランプや、宝石のような4灯式水平基調ランプ、空力性能とデザイン性を両立するデュアルルーフスポイラーなどが特徴的です。
プラットフォームとボディサイズ
- EV専用に開発された「e-TNGA 2.0」プラットフォームを採用し、低重心化による優れた操縦安定性や広い室内空間の確保に貢献しています。
- ホイールベースはbZと共通の2,750mmですが、全長はbZよりも約102mm短い4,519mmとし、より引き締まったプロポーションを実現しています。全幅は1,869mm、全高は1,620mmです。
- 旧型C-HR(2022年モデル)と比較して一回り大型化しており、CセグメントSUVでありながら、DセグメントSUVに迫る堂々とした存在感を放ちます。
パワートレインと走行性能
- 米国市場向けには、最高出力338馬力(343PS/252kW)を発揮する高性能なデュアルモーターAWD(全輪駆動)システムのみが設定されます。
- 0-60mph(時速約96km)加速はわずか5.0秒と公表されており、これはトヨタのスポーツカーGR86よりも速いタイムで、心ときめく加速体験が期待されます。
- ヨーロッパ市場向けに設定される、よりマイルドな出力のシングルモーター版は、現在のところ米国市場への導入予定はありません。
バッテリーと充電システム
- 日常使いから長距離移動までをカバーする、77kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載します。
- フル充電からの航続可能距離は、約290マイル(約467km)に達する見込みです。
- 家庭用や公共の充電設備で利用可能な11kWのオンボードチャージャー(普通充電器)に加え、北米の充電規格として普及が進むNACS(North American Charging Standard)ポートを標準で装備します。
- 最大150kWの急速充電に対応しており、バッテリー残量10%の状態から80%までを約30分で充電可能です。
インテリアと装備
- インテリアデザインは新型bZと共通の思想でまとめられ、ダッシュボード中央には大型の14インチタッチスクリーンメディアシステムが搭載されます。
- 運転席正面のメーターには、プリウスなどとも共通性のある7インチの液晶パネルが採用されています。
- 米国市場では、SEとXSEという2つのグレードが展開される予定です。
- ベースグレードのSEでも、14インチタッチスクリーン、フロントシートヒーター、電動パワーバックドア、2台同時充電可能なワイヤレススマートフォン充電器などが標準装備されます。
- 上位グレードのXSEでは、標準の18インチアルミホイールに加えて20インチのデザインも選択可能になるほか、運転席メモリー機能付きパワーシート、助手席8ウェイ電動パワーシート、レーンチェンジアシスト、パノラミックビューモニターといった先進機能が標準で追加されます。
発売時期と予想価格
- 米国市場での正式な発売時期は、当初の予想よりも少し先の2026年に延期される予定です。
- 現時点での予想価格は、35,000ドル前後からのスタートとなる見込みで、兄貴分にあたるbZよりもやや手の届きやすい価格設定となる可能性があります。
トヨタの電動化戦略における役割
- 新型C-HR EVは、トヨタがグローバルに推進する「マルチパスウェイ」戦略の中で、特に北米市場におけるBEV(バッテリー式電気自動車)ラインナップ強化の重要な一翼を担います。
- 先に登場した「bZ」シリーズとは、デザインやキャラクターで明確な棲み分けを図り、より幅広い顧客ニーズへの対応を目指します。
- 今後のトヨタSUVラインナップ全体の動向(例えば、近く発表が噂される新型RAV4の電動化戦略など)も、C-HR EVの市場でのポジショニングに影響を与える可能性があります。
C-HR復活の背景:米国市場からの3年間の不在と待望の再登場
新型C-HRの米国市場への帰還は、トヨタの電動化戦略における重要なマイルストーンです。かつてのC-HRは、2022年に米国での販売を終了していました。その背景には、コンパクトSUVセグメントの競争激化や、当時のパワートレインでは市場の要求に応えきれなかったことなどが考えられます。しかし、そのユニークなデザインは多くのファンを魅了し、復活を望む声も少なくありませんでした。
今回の再登場は、単なるモデルチェンジではなく、EVへの完全なシフトという大きな変革を伴っています。これは、トヨタが最近発表したビッグマイナーチェンジ版「bZ」の存在とも深く関連しています。元々「bZ4X」としてラインナップされていたこのモデルは、「bZ」へと名称を変更し、フロントマスクやインテリアの大幅な刷新、バッテリー容量の増大と航続可能距離の向上によって商品力を大幅に高めました。新型C-HRは、この刷新されたbZとプラットフォームを共有しており、トヨタの次世代EVラインナップの中核を担うモデルとして位置づけられています。欧州でのC-HR+の先行発表は、グローバル市場での期待感を高めるとともに、米国市場への導入に向けた地ならしとも言える動きでした。
エクステリアデザイン:大胆かつ洗練された未来志向のフォルム
新型C-HR EVのエクステリアデザインは、従来のC-HRが持っていたクーペライクなクロスオーバーSUVのスタイリング哲学を継承しつつ、より大胆かつ洗練された未来志向のフォルムへと進化を遂げています。最も目を引くのは、トヨタの最新デザイン言語である「ハンマーヘッド」モチーフをフロントマスクに採用した点でしょう。これは、サメが獲物を狙う瞬間を彷彿とさせる鋭くアグレッシブな表情を生み出し、新型C-HRのダイナミックな走行性能を視覚的に表現しています。
さらに、ヘッドライトユニットは特徴的な「コ」の字型LEDデイタイムランニングライトと完全に独立して配置され、先進的かつシャープな印象を強調しています。ボディサイドは、抑揚の効いたキャラクターラインと滑らかな面構成が織りなす複雑な陰影により、止まっていても動きを感じさせる躍動感を表現。ルーフラインは従来モデルよりもさらに傾斜を強め、スポーティなファストバッククーペスタイルを際立たせています。このテールエンドのデザインは、角張った実用的なリアエンドを持つ兄弟車bZとは明確な差別化が図られており、C-HR独自の個性を際立たせる要素となっています。
リアセクションでは、センターで直結する一文字型のテールランプが現代的なワイド感を演出し、その両サイド直下には4灯式の水平基調OLED風ランプが配置され、夜間における独自の存在感を放ちます。また、デュアルルーフスポイラーは空力性能の向上に貢献するだけでなく、視覚的なアクセントとしても機能し、伸びやかでスポーティなスタイリングを完成させています。これらのデザイン要素は、新型C-HRが単なる移動手段ではなく、所有する喜びと運転する楽しさを提供するモビリティであることを強く主張しています。
インテリア:先進性と快適性を追求したコックピット
新型C-HR EVのインテリアは、エクステリア同様に先進性とドライバー中心の思想が貫かれています。デザインや一部のコンポーネントは、先に刷新された新型bZと多くの共通点を持っており、トヨタの最新EVとしての統一感を醸し出しています。コックピットの主役となるのは、ダッシュボード中央に鎮座する大型の14インチタッチスクリーンメディアシステムです。この高精細ディスプレイは、ナビゲーション、オーディオ、車両設定など、多彩な情報を直感的に操作可能とし、コネクテッド機能も充実しています。
ドライバーの目の前には、トヨタのコンパクトカー、プリウスなどとも共通性のある7インチの液晶メーターパネルが配置されます。このメーターは、速度、バッテリー残量、航続可能距離、運転支援システムの作動状況など、運転に必要な情報をグラフィカルかつ分かりやすく表示します。
米国市場では、このパワフルなデュアルモーターAWDパワートレインをベースに、SEとXSEという2つのグレードが展開される予定です。装備レベルは高く、エントリーグレードのSEであっても、前述の14インチタッチスクリーンメディアシステム、寒い日のドライブを快適にするヒーター付きフロントシート、荷物の積み下ろしに便利なパワーリフトゲート(電動パワーバックドア)、そして2台同時にスマートフォンを充電できるワイヤレス充電器が標準で装備されます。
上位グレードのXSEを選択すると、エクステリアでは標準の18インチアロイホイールがより存在感のある20インチへとアップグレードされ、選択の幅が広がります。インテリアでは、運転席にメモリー機能付きパワーシートが、助手席には8ウェイの電動パワーシートが備わり、よりきめ細やかなドライビングポジション調整が可能になります。さらに、先進安全運転支援システムも強化され、高速道路などでの車線変更をサポートするレーンチェンジアシスト(LCA)や、車両周囲の状況を俯瞰的に確認できるパノラミックビューモニター(PVM)といった便利な機能が標準装備となり、安全性と快適性が一層向上します。シート素材や内装トリムの質感についても、C-HRならではのこだわりが反映されることが期待されます。
ボディサイズとプラットフォーム戦略:e-TNGA 2.0が拓く可能性
新型C-HR EVの基盤となるのは、トヨタの電動車専用プラットフォーム「e-TNGA 2.0」です。このプラットフォームは、bZ(旧bZ4X)にも採用されており、低重心化による優れた操縦安定性、バッテリーの効率的な搭載による広い室内空間の確保、そして高い衝突安全性能を実現するために設計されています。新型C-HRは、この先進的なプラットフォームの恩恵を最大限に活かし、運動性能と居住性の高次元な両立を目指しています。
具体的なボディサイズに目を向けると、新型C-HR EVの全長は4,519mm、全幅は1,869mm、全高は1,620mm。ホイールベースはbZと共通の2,750mm(108.2インチ)を確保しています。しかし、全長はbZよりも4インチ(約102mm)短く設定されており、よりコンパクトで引き締まったプロポーションを実現しています。このディメンションは、取り回しの良さとダイナミックな走行性能に貢献すると考えられます。
かつて販売されていた2022年モデルのC-HR(全長4,385mm×全幅1,795mm×全高1,550mm)と比較すると、新型は全長で約134mm、全幅で約74mm、全高で約70mm拡大されており、明確な大型化が図られています。これにより、室内空間のゆとりが向上し、CセグメントSUVでありながら、DセグメントSUVに匹敵するほどの堂々としたサイズ感と存在感を放っています。参考までに、トヨタの他のSUVモデルと比較すると、カローラクロス(全長4,490mm)よりはやや長く、RAV4(全長4,600mm)やハリアー(全長4,740mm)よりはコンパクトという位置づけになります。この絶妙なサイズ設定は、都市部での扱いやすさと長距離移動の快適性を両立させることを狙ったものと言えるでしょう。
パワートレイン:GR86をも凌駕する圧倒的な加速性能
新型C-HR EVの米国市場向けモデルは、パワートレインの選択肢を潔く一本化しています。搭載されるのは、最高出力338馬力(343PS/252kW)を発揮する高性能なデュアルモーターAWD(全輪駆動)システムのみ。このパワフルな電動ユニットは、静止状態から時速60マイル(約96km/h)までをわずか5秒で加速させる驚異的なパフォーマンスを実現します。この数値は、トヨタのピュアスポーツクーペであるGR86の0-60mph加速タイム(約6.1秒)よりも1.1秒も速く、新型C-HRが単なるエコカーではなく、胸のすくようなドライビングプレジャーを提供できるスポーツEVとしての側面も持ち合わせていることを明確に示しています。
欧州市場向けのC-HR+には、システム総出力165馬力(167hp/123kW)および221馬力(224PS/165kW)のシングルモーターAWDバージョンもラインナップされていますが、これらの比較的マイルドな仕様は米国市場には導入されない予定です。トヨタが米国市場でパワフルなデュアルモーターAWD仕様のみに絞った背景には、米国の消費者がEVに対しても高い動力性能を求める傾向があることや、テスラをはじめとする競合EVが提供するパフォーマンスレベルに対抗する必要性などが考えられます。また、C-HRというブランドが持つべき「走りの楽しさ」というイメージを、EV化を機にさらに先鋭化させたいというトヨタの戦略も透けて見えます。この大胆なパワートレイン戦略は、新型C-HR EVが米国のEV市場において確固たる存在感を築くための重要な鍵となるでしょう。
バッテリー技術と充電ソリューション:日常使いと長距離移動の両立
電動ドライブの心臓部となるバッテリーシステムも、新型C-HR EVの魅力の一つです。米国仕様車には、77kWhという十分な容量を持つリチウムイオンバッテリーパックが1種類のみ設定されます。トヨタの発表によると、このバッテリーパックによって、フル充電からの航続可能距離は約290マイル(約467km)に達する見込みです。この航続距離は、日常的な通勤や買い物はもちろん、週末のドライブやある程度の長距離移動にも対応できる実用的なレベルと言えるでしょう。
充電システムに関しては、家庭用や公共の充電設備で利用可能な11kWのオンボードチャージャーが標準装備されます。さらに特筆すべきは、北米の充電規格として急速に普及が進んでいるNACS(North American Charging Standard)ポートを標準で採用している点です。これにより、テスラのスーパーチャージャーネットワークへのアクセスも将来的には容易になる可能性があり、ユーザーの利便性向上に大きく貢献することが期待されます。
急速充電については、最大150kWのピーク充電速度に対応しています。この能力により、バッテリー残量が10%の状態から80%まで充電するのに要する時間は約30分とアナウンスされており、長距離移動時の充電待ち時間を大幅に短縮できます。150kWというピーク充電速度は、市場の最先端を行くものではありませんが、実用的なレベルであり、充電インフラの整備状況と合わせて考えれば、多くのユーザーにとって満足のいく性能と言えるでしょう。トヨタは、バッテリーの耐久性や安全性にも最大限の配慮を払っており、長期間にわたって安心して使用できるEVシステムを提供することを目指しています。
発売計画と価格戦略:2026年の到来を待つ、期待高まる一台
今回、その魅力的な姿を現した北米向けの新型C-HR EVですが、実際に私たちの暮らしの中にやってくるのは、もう少し先のことになりそうです。トヨタからの発表によると、正式な発売は2026年へと少し延期されるとのこと。心待ちにしているファンにとっては、少し先の未来となりますが、その時間があるからこそ、より完成度が高められるのかもしれません。細部にわたる熟成や、さらなる磨き込みが行われることに期待しましょう。
そして、やはり気になるのはその価格です。発売日が近づいたタイミングで正式な情報が明らかになる予定ですが、現在のところ、新型C-HR EVのスタート価格は35,000ドル前後になるのではないかと予想されています。これは、兄貴分にあたるbZ(旧bZ4X)が40,000ドル台前半からのスタートと見られていることを考えると、より多くの方にEVの魅力を届けたいという、トヨタの想いが込められた価格設定となるかもしれません。スタイリッシュで高性能なEVを、現実的な選択肢として提案したいというトヨタの意気込みが感じられます。グレードごとの詳しい価格やオプションについては、今後の発表を心待ちにしたいところです。
トヨタの電動化戦略とC-HR EVの役割:未来への架け橋となる一台
新型C-HR EVの登場は、トヨタが世界に向けて発信する電動化への取り組み、特に重要なマーケットである北米におけるEVラインナップ強化という、新たな章の幕開けを告げる一台と言えるでしょう。トヨタは、ハイブリッド車で長年培ってきた電動化技術を礎に、バッテリーEV(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、そして燃料電池車(FCEV)といった、多様な選択肢を通じて持続可能な社会の実現を目指す「マルチパスウェイ」戦略を掲げていますが、その中でもBEVが持つ可能性への期待は、日増しに高まっています。
新型C-HR EVは、先に登場した「bZ」シリーズの仲間たちと共に、トヨタのBEV戦略を力強く牽引していくことでしょう。bZが、ファミリーユースや実用性を大切にする方々へアピールするならば、C-HR EVは、よりデザインにこだわりを持ち、運転することそのものを楽しみたいと願う人々の心を捉えるモデルとなりそうです。同じプラットフォームを使いながらも、それぞれに明確な個性とキャラクターを与えることで、多様なライフスタイルに寄り添おうというトヨタの姿勢がうかがえます。
アメリカのEV市場は、テスラをはじめとする多くのメーカーが、革新的な技術や魅力的なモデルを次々と投入し、まさに群雄割拠の様相を呈しています。その中で新型C-HR EVが成功を収めるためには、デザインの美しさや卓越した性能はもちろんのこと、長年にわたるクルマづくりで培ってきた信頼性や品質、そして何よりも、これまでトヨタが築き上げてきたお客様との信頼という名の絆が、大きな力となるはずです。また、2025年5月21日には、トヨタの主力SUVであるRAV4の新型が発表される予定との情報もあり、トヨタのSUVラインナップ全体が、電動化という大きなうねりの中で、劇的な変化を遂げようとしていることが感じられます。この新型RAV4がどのような形で登場するのかも、C-HR EVの市場での立ち位置に影響を与えるかもしれません。
編集部から一言
3年の歳月を経て、100%電気の力で再びアメリカの道を走り出す新型トヨタC-HR EV。それは、単に懐かしい名前が蘇ったのではありません。トヨタが思い描く、持続可能で心豊かなモビリティ社会の未来を体現し、デザイン、パフォーマンス、そして先進技術を高次元で融合させた、新しい時代のクロスオーバーの姿を、私たちに示してくれているようです。かつての印象を鮮やかに塗り替える、GR86さえも羨むほどの加速性能。見る者の心を奪う、流麗で未来的なクーペSUVデザイン。そして、日々の移動から週末の冒険までをしっかりと支える、実用的な航続距離とスマートな充電ソリューション。これら全ては、乗る人すべてに、新しい価値と心ときめく運転体験を届けるために、細部に至るまで情熱を注いで開発されました。
2026年の発売までは、まだ少し時間がありますが、新型C-HR EVは、間違いなくトヨタのEV戦略における重要な試金石となるでしょう。その挑戦的とも言える美しいスタイリングと、胸のすくようなパフォーマンスが、競争の激しいアメリカのEV市場でどのように受け入れられ、そしてトヨタが電動化時代のリーダーへと大きく羽ばたくための原動力となるのか。今、世界中から多くの熱い視線が注がれています。この一台が、これからのEV市場の新しい流れを創り出していくのかもしれません。そう思わせるだけの魅力と可能性を、新型C-HR EVは確かに秘めているのです。
トヨタニュースリリース