レクサスが2025年3月12日に正式発表したマイナーチェンジモデルの新型RZは、同社初の電気自動車専用モデルとして2023年にデビューした初代RZの大幅改良版です。2025年12月の日本発売に向けて、パワートレインの全面刷新、航続距離の大幅延長、そして新グレード「RZ550e F SPORT」の追加など、魅力的な進化を遂げています。
新型RZの主要変更点 2025年モデルの概要
パワートレイン・ラインナップの一新
新グレード構成
- RZ350e(FWD):227ps、航続距離575km
- RZ500e(AWD):381ps、航続距離500km
- RZ550e F SPORT(AWD):408ps、航続距離450km
従来の「RZ300e」と「RZ450e」から完全にモデルチェンジし、より高出力で効率的なパワートレインを採用。特にF SPORTモデルの追加により、スポーティな走りを求めるユーザーにも対応しています。
革新的な「ステアバイワイヤシステム」を標準搭載
新型RZの最大の注目点は、ステアリングホイールとタイヤの間にメカニカルな結合のない「ステアバイワイヤシステム」の搭載です。
主な特徴:
- ステアリング回転角度を左右約200度に制限(持ち替え不要)
- タイヤからの不要な振動をカット
- 必要なロードインフォメーションのみ伝達
- ドライビングポジションの自由度向上
航続距離の大幅改善
改善率:
- FWDモデル(RZ350e):約20%向上で575km
- AWDモデル:約14%向上
この改善は、バッテリー容量の76.96kWhへの増加と、新開発パワートレインの高効率化によるものです。
充電性能の向上
充電時間短縮:
- 最大30分以上の充電時間短縮を実現
- 「電池プレコンディショニング機能」搭載で低温環境での充電遅延解消
- バッテリーパック構造の最適化による充電効率向上
新グレード「RZ550e F SPORT」の魅力
専用装備・デザイン
エクステリア:
- 専用フロントロアバンパーモール
- 専用ブレーキダクト
- 専用リヤスポイラー・バンパーロア
- 20インチエアロホイール
- 新色「ニュートリノグレー」
インテリア:
- F SPORT専用「ブラック×ダークグレー」内装
- ブルーステッチアクセント
- マイクロジオメトリックパターンフィルム
- 表皮一体発泡工法フロントシート
「インタラクティブマニュアルドライブ」搭載
レクサス初採用の新機能で、EVでありながらマニュアル車のような操作感とサウンド演出を実現。加減速時のシフト操作感と高揚感のあるサウンドにより、スポーティな走りの楽しさを提供します。
内装・装備の進化
先進インフォテインメント
- 14インチマルチメディアシステム
- コネクティッドナビ:リアルタイム交通情報・駐車場空き情報
- BEV専用機能:充電施設表示、航続可能エリア表示
- OTAアップデート対応
- デジタルキー:スマートフォンでの車両操作
快適性装備
調光機能付パノラマルーフ
- 調光機能ON時の鮮明度向上
- 調光機能OFF時の遮光性向上
- 電子インナーミラーとの同時装着対応
レクサス初の装備
- ダイナミック陰影イルミネーション(マルチカラー)
- レーザーカット グラフィック ドアトリム表皮
安全性能・走行性能
Lexus Safety System + 3.0
最新の予防安全システムを搭載し、以下の機能を提供:
- 交差点での衝突回避支援
- 右折時対向車検知
- 歩行者・自転車運転者保護
- アクティブ操舵支援機能
DIRECT4四輪駆動システム
電動AWDシステム「DIRECT4」により、前後駆動力配分を0:100~100:0で精密制御:
- 発進・直進加速時:前後40:60~60:40で安定性確保
- コーナリング時:シーンに応じた最適配分でスポーティな旋回
価格・発売時期
発売スケジュール
- 世界初公開:2025年3月12日(完了)
- 日本発売予定:2025年12月
価格については現在未発表ですが、先代モデルから大幅な機能向上を考慮すると、現行価格(820万円~)からの上昇が予想されます。
現行モデルか新型か:購入判断のポイント
新型を待つべきユーザー
✅ こんな方におすすめ
- 最新技術(ステアバイワイヤ)を体験したい
- 航続距離をより重視する(575km vs 599km FWD)
- スポーティなF SPORTモデルに魅力を感じる
- 充電時間の短縮を重視する
- 最新の内装・装備を求める
現行モデルでも十分なユーザー
✅ こんな方は現行モデルも検討価値あり
- 価格を重視する(新型は価格上昇予想)
- 早急にEVが必要
- 現行RZ300e(FWD 599km)の航続距離で十分
- 基本性能重視でスポーツ性能は不要
競合他車との比較
トヨタ bZ4X vs レクサス RZ
項目 | bZ4X | 新型RZ350e | 新型RZ500e |
---|---|---|---|
価格 | 約460万円~ | 未発表 | 未発表 |
航続距離 | 559km | 575km | 500km |
出力 | 204ps | 227ps | 381ps |
内装質感 | スタンダード | プレミアム | プレミアム |
他メーカーとの競合
- BMW iX3:520km航続、高級感
- アウディ e-tron:400km航続、伝統的ブランド力
- テスラ Model Y:507km航続、先進技術
レクサス新型RZは、これらと比較してバランスの取れた性能と、レクサスならではの品質・サービスが魅力となります。
まとめ:2025年新型RZの総合評価
待つべき理由 TOP3
- 航続距離20%向上で実用性が大幅アップ
- ステアバイワイヤシステムという革新技術を体験可能
- 充電時間30分以上短縮で利便性向上
注意すべきポイント
- 価格上昇の可能性が高い
- 納期は発売後しばらく長期化の可能性
- 新技術のため初期不具合リスク
結論: 2025年12月発売の新型RZは、現行モデルから大幅に進化しており、価格上昇を許容できるなら待つ価値は十分にあります。特に航続距離、充電性能、先進技術を重視するなら、新型の発売を待つことをおすすめします。
ただし、早急にEVが必要で価格を重視する場合は、現行モデルも依然として魅力的な選択肢となるでしょう。