トヨタの新世代「クラウンシリーズ第3弾となる新型「クラウン セダン」を2023年11月2日に正式発表、11月13日発売を開始した。HEV(ハイブリッド車)モデルの価格は7,300,000円となったが、レクサスの高級セダン車である「ES300h」は価格6.020,000円~7,280,000円と新型「クラウン セダン」よりも価格設定が安い。しかし、トヨタの高級ブランドであるはずのしかも同クラスの「ES」との価格差がないことから一番のライバルとなる可能性が高い車種なのかもしれない。そこで今回は2台の違いについて徹底比較してみました。購入時の参考にしていただければ幸いです。
トヨタ 新型「クラウン セダン」について
エクステリアについて
フロント部分は独特なデイライト付きヘッドライトを採用する。「クラウン」エンブレムは継続採用。リアは「LED リアコンビネーションランプ」を採用、横一文字に伸びる、薄くシャープなリアコンビネーションランプを採用。ボディカラーに今どきなツートン・カラーを採用する。駆動方式は「FR」ベース、全車ハイブリッドシステムを搭載。プラットフォームは「TNGA」に基づく「新開発 プラットフォーム」を採用。シャシーをニュルブルクリンクで鍛え上げて「走る・曲がる・止まる」といった車両性能を大きく進化させている技術が継承される。
インテリアは最新装備充実
インテリアは共通化し、どの車種に乗っても「クラウンだね!」と思わせてくれるだろう。ディスプレイオーディオを一体化させたインパネデザインを採用。メーターには「12.3インチ大型フル液晶デジタルメーター」を採用。ナビゲーションシステムを「コネクティッドナビ」+「トヨタプレミアムサウンドシステム」を採用する 。「デジタルインナーミラー」トヨタ初「ドライブレコーダー(前後方)」を採用。ディスプレイオーディオのオプションとして「車内Wi-Fi」を設定。
クロスオーバーとセダンの内装を並べて比較すると共通化によってデザインは全く同じと言っていいだろう。しかし、カラーリングの部品に違いがあり「クラウンセダン」は水平基調カラーリングにより印象を変えているのがわかる。
「センターコンソール」「サイドパネル」が木目調にしており質感の高さが伺える。インテリアカラーは落ち着いたブラックとブラウン系の色合いとなっており落ち着いた印象を与えている。後部座席はこれぞクラウンというFRならではな室内空間となっており、質感の高さを感じる。
トヨタ 新型 クラウンセダン エンジンについて
セダンは、2.5Lエンジン+モーターのマルチステージハイブリッドシステムモデル。更に上記でも話をしたが、MIRAIと同様のFCEVを採用し新たなクラウンとして発売される。
エンジンはHEV(FR)とFCEV(FR)を公式にも採用すると発表しているが、クラウンセダンで採用された、新型「2.5L マルチステージハイブリッドシステム」と「MIRAI」に採用されている「FCEV」が採用される。どちらも「クラウンセダン」にふさわしい、スポーティな走りと低燃費を手に入れることができる。
ハイブリット(HEV) モデル
エンジンと二つのモーターに加え、有段ギアを組み合わせることで、あらゆる車速域からのアクセル操作に応える駆動力を実現しました。従来はエンジン最高出力を使用できる車速領域が約140km/hからでしたが、本システムでは約43km/hから使用可能になりました。
スペック | クラウンセダン 2.5 ハイブリッド |
---|---|
全長 | 5,030mm |
全幅 | 1,890mm |
全高 | 1,475mm |
ホイールベース | 3,000mm |
エンジン | 直列4気筒 2.5L 直噴エンジンD-4S +モーター(THSⅡ) |
最高出力 | 136kW(185ps)/ 6,000rpm |
最大トルク | 225Nm(22.9kgm)/ 3,600rpm |
モーター 最大出力 | 132kW(180ps) |
モーター 最大トルク | 300Nm(30.6kgm) |
トランスミッション | Multi Stage Hybrid System (10速AT) |
バッテリー | ニッケル水素電池 5Ah |
駆動方式 | 4WD (E-Four) |
最小回転半径 | 5.7m |
乗車定員 | 5名 |
車両重量 | 2,000kg |
WLTCモード燃費 | 18.0㎞/L |
ボディサイズ比較
サイズは上記で記載した通り、全車種「TNGA(Toyota New Global Architecture)」と呼ばれる新開発のプラットフォームを採用する。同様のプラットフォームではあるが、クラウンシリーズはホールベースが長い更に全幅も広い。
スペック | クラウン セダン | ES300h |
---|---|---|
全長 | 5,030mm | 4,975mm |
全幅 | 1,890mm | 1,865mm |
全高 | 1,475mm | 1,445mm |
ホイールベース | 3,000mm | 2,870mm |
乗車定員 | 5名 | 5名 |
エンジン 比較
「クラウンセダン」「ES300h」は同様の2.5L 直列4気筒直噴エンジン+モーターのハイブリッドを搭載。しかし、「クラウンセダン」はマルチステージハイブリッドシステムを採用し、エンジン出力、モーター出力は「ES」よりも高く、更にMulti Stage Hybrid System(10速AT)を採用しており動力性能では「クラウンセダン」が高い。その分燃費は当然下がり、ES300hの方がWLTCモード燃費22.3km/Lと高い。
スペック | クラウンセダン | ES300h |
---|---|---|
全長 | 5,030mm | 4,975mm |
全幅 | 1,890mm | 1,865mm |
全高 | 1,475mm | 1,445mm |
ホイールベース | 3,000mm | 2,870mm |
エンジン | 2.5L 直列4気筒 直噴エンジンD-4S +モーター(THSⅡ) | 2.5L 直列4気筒 直噴エンジンD-4S +モーター(THSⅡ) |
最高出力 | 136kW(185ps)/ 6,000rpm | 131kW(178ps)/ 5,700rpm |
最大トルク | 225Nm(22.9kgm)/ 3,600rpm | 221Nm(22.5kgm)/ 3,600-5,200rpm |
モーター 最高出力 | フロント:132kW(180ps) | フロント:88kw(120ps) |
モーター 最大トルク | フロント:300Nm(30.6kgm) | フロント:202Nm(20.6kgm) |
システム出力 | 180kW(245ps) | 155kw(211ps) |
トランス ミッション | Multi Stage Hybrid System (10速AT) | 電気式 無段階変速機 |
駆動方式 | 2WD | 2WD |
バッテリー | リチウムイオン バッテリー 4.3Ah | リチウムイオン バッテリー |
乗車定員 | 5名 | 5名 |
最小回転半径 | 5.7m | 5.8~ 5.9m |
WLTCモード燃費 | 18.0㎞/L | 22.3km/L |
価格・グレード 比較
「クラウンセダン」のハイブリッドモデルは1グレードのみ、ESは4グレードラインナップがあるが、スタート価格だと約120万円安い6.020,000円からとかなりお得な価格設定となっている。
クラウンセダンの価格
グレード | 価格(10%) |
---|---|
X | 7,300,000円 |
ESシリーズの価格
グレード | 価格(10%) |
---|---|
ES300h | 6.020,000円 |
ES300h F sport | 6,540,000円 |
ES300h version L | 7,180,000円 |
ES300h 特別仕様車“Graceful Escort” | 7,280,000円 |
安全技術 比較
安全装備では出たばかりの「クラウンセダン」の方が多く装備されており、「プリクラッシュセーフティ」では「自動二輪車」まで検知が可能だ。更に「プロアクティブドライビングアシスト」により運転操作をサポートしてくれる。また、「Advanced Park」も採用されており、駐車時の支援もおこなってくれる。この違いを考えると価格差も少し仕方がない部分も出てくる。
システム装備 | 機能 | クラウンセダン | ES300h |
---|---|---|---|
Toyota Safety Sense | 衝突回避支援型 プリクラッシュ セーフティ | ◯ 昼・夜間歩行者 自転車・自動二輪車 | ◯ 昼・夜間歩行者 自転車 |
プロアクティブ ドライビングアシスト | ◯ | – | |
レーンディパーチャー アラート (ステアリング 制御機能付) | ◯ ステアリング制御 白線/黄線 検出 道路端 検出 ふらつき警報 | ◯ ステアリング制御 白線/黄線 検出 道路端 検出 ふらつき警報 | |
アダプティブ ハイビームシステム | ◯ | ◯ | |
レーダークルーズ コントロール (全車速追従機能付) | ◯ | ◯ | |
レーント レーシングアシスト | ◯ | ◯ | |
ロードサインアシスト 交通標識読取 | ◯ | ◯ | |
先行車発進告知 | ◯ | ◯ | |
予防 安全 装備 | ブラインドスポット モニター | ◯ | ◯ |
インテリジェント クリアランスソナー | ◯ | ◯ | |
リヤクロストラフィック オートブレーキ | ◯ | ◯ | |
Advanced Park リモート機能付き | ◯ | – | |
安心降車アシスト(SEA) | – | – | |
ドライバー異常時 対応システム | ◯ | ◯ | |
ヒルスタート アシストコントロール | ◯ | ◯ | |
パノラミックビュー モニター | ◯ | ◯ | |
快適 装備 | 快適温熱シート+ シートベンチレーション | ◯ | ◯ |
ステアリングヒーター | ◯ | ◯ | |
デジタルインナーミラー | ◯ | ◯ | |
ITS Connect | ◯ | ◯ | |
電動パーキングブレーキ &ホールド | ◯ | ◯ | |
パワーシート | ◯ | ◯ | |
ハンズフリー パワーバックドア | ◯ | ◯ | |
ヘッドアップ ディスプレイ | ◯ | ◯ | |
デジタルキー | ◯ | – | |
車載通信機(DCM) | ◯ | ◯ |
まとめ
「クラウンセダン」は「ES300h」と基礎となるプラットフォームやエンジンを共有している面が多く近い部分が多いが、高級感を考えると「ES300h」の方が当然レクサス車なので高いが、最新の安全装備や、装備を考えると「クラウンセダン」となるかもしれない。総合的な価格面ではお得な「ES300h」はありかもしれません。また、改良時に価格が上がる可能性が高そうです。それにしてもトヨタの商品力の高さに本当に驚くばかりだ。
▼詳しくはこちらの記事にまとめましたので参考にしてみて下さい。
→正式発表 トヨタ 新型「クラウン セダン」フルモデルチェンジ HEVとFCEVをランナップ 2023年11月13日発売
▼詳しくはこちらの記事にまとめましたので参考にしてみて下さい。
→カッコいい 魅力的な レクサス「ES300h」特別仕様車“Graceful Escort” 2022年7月28日発売
レクサス ES300h
トヨタ クラウン