トヨタ自動車は2026年発売を予定している次世代バッテリEVに「ギガキャスト」を採用する予定だ。「ギガキャスト」とは、アルミ鋳造の設備を使って巨大な車体部品を一体成型する生産方式です。溶融したアルミニウム合金で自動車の車体部品などを一体成形する技術で、部品点数と生産工程を大幅に削減できる。
トヨタの「ギガキャスト」とは?
トヨタが開発を進めている鋳造技術「ギガキャスト」は、板材をプレスして作った部品を溶接で組み合わせる従来のボディ構造を、鋳造で一体成型する技術です。
メリット
- 工程を大幅に削減できる
- 部品点数を減らせるため、軽量化とコスト削減が期待できる
- 高い強度と剛性を実現できる
現状
現在、試作として公開されているのは、バッテリーEV「bZ4X」のリアまわりの86部品を1つの部品に置き換えたものです。この部品は、従来のプレス+溶接工程からわずか1工程で製造できるため、工程の大幅な削減と軽量化が期待されています。
今後の展開
トヨタは、2026年以降に発売するEVのボディにギガキャストを採用する予定です。今後、さらに技術を進化させ、より多くの部品に適用していくことで、EVの製造コストや生産効率の向上に貢献すると考えられます。
「ギガキャスティング」とは?
ギガキャスティングとは、自動車の大きな部品をアルミニウムで鋳造する技術です。従来は、複数の小さな部品を組み合わせて大きな部品を作っていましたが、ギガキャスティングでは、大量の溶融アルミニウムを金型に流し込んで、大きな部品を一体成形します。
ギガキャスティングのメリット
- 部品点数が減るため、生産コストを削減できる。
- 部品が軽くなるため、車両の重量を減らすことができる。
生産コストの削減は、自動車メーカーにとって大きなメリットです。テスラは、ギガキャスティングを採用したことで、モデルYの製造コストを40%削減できたと発表。
車両の重量を減らすことは、電気自動車(EV)にとって特に重要です。EVは、内燃機関車に比べてバッテリーの重量が大きいため、車両全体の重量を減らすことが、航続距離を延ばすために重要です。
ギガキャスティングは、EVの普及を加速させる可能性のある技術
- テスラのモデルYでは、後部を1つの大きな部品で構成しています。従来は、後部は複数の小さな部品で構成されており、組み立てに多くの時間と労力を要していました。ギガキャスティングを採用したことで、組み立て時間を大幅に短縮することができました。
- トヨタの次世代EVでは、フロントとリアをそれぞれ1つの大きな部品で構成する予定です。これにより、部品点数を従来の約半分に減らすことができます。
テスラのギガキャスト技術とは?
テスラは、EVのフロア構造全体を単一のアルミニウム部品として製造する「ギガキャスト」技術を開発。従来の製造方法では、フロア構造は複数の部品から構成されており、組み立てに時間とコストがかかっていました。ギガキャスト技術により、組み立て工程が大幅に簡略化され、製造効率とコスト削減が実現。
他の自動車メーカーも採用
テスラのギガキャスト技術は、他の自動車メーカーにも注目されています。トヨタは、独自のギガキャスト技術を開発し、生産プロセスを数時間からわずか3分に短縮できるとしています。中国の自動車メーカーも、ギガキャスト技術を積極的に採用しています。NioのET5とGeelyのZeekr 009は、どちらもギガキャスト製のリアフロアを採用しています。
「ギガキャスト」技術のメリットとデメリット
メリット
- 製造効率の向上
- コスト削減
- 軽量化
デメリット
- 設備投資額が大きい
- 部品の不良率が高くなる可能性がある
- 修理が困難になる可能性がある
まとめ
ギガキャスト技術は、EVの製造に革命をもたらす可能性を秘めた技術です。しかし、設備投資額が大きいなどの課題もあります。今後、技術の成熟とコスト削減が進むことで、さらに普及していくと考えられます。
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