フォルクスワーゲンのティグアンは、ドイツ本国をはじめ世界中でベストセラーを誇るSUVであり、2024年11月に3代目として日本市場へ上陸しました。全面刷新された力強いエクステリアデザイン、マイルドハイブリッドガソリンエンジンとクリーンディーゼルエンジンの2つのパワートレイン、そして先進的な安全装備「Volkswagen オールイン・セーフティ」を武器に、輸入SUV市場において高い存在感を放っています。本記事では、2025年度JNCAP(自動車安全性能評価)の評価結果をはじめ、グレード・価格構成、基本スペック、安全装備の詳細まで購入検討者が必要な情報を網羅的にまとめます。

JNCAP 2025年度評価結果:ティグアンの安全性能を徹底解説
2026年4月1日、国土交通省とNASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)が実施した「自動車安全性能2025」の評価結果第2弾として、フォルクスワーゲン「Tiguan」の結果が公表されました。総合評価は5段階中上から2番目となる「★★★★☆(4つ星)」という結果です。

予防安全性能については「Aランク」を獲得しており、被害軽減ブレーキ(昼間・夜間の歩行者対応、対自転車、交差点対応)、車線逸脱抑制、高機能前照灯、ペダル踏み間違い時加速抑制のすべての項目においてレベル5/5という最高評価を記録しました。この高評価を支えているのが、フロントカメラとレーダーセンサーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ「Front Assist」です。昼夜を問わず、車両・歩行者・自転車を検知して自動ブレーキを作動させるほか、交差点侵入時の対向車や横断歩行者への対応も行います。また、先進のLEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT HD」が夜間視界を大幅に改善し、緊急時停車支援システム「Emergency Assist」は万一ドライバーが運転操作不能になった際に自動停車と周囲への注意喚起を行うなど、多層的な予防安全機能が高評価につながっています。
一方、衝突安全性能については「Bランク」という評価となりました。フルラップ前面衝突(運転席)や側面衝突(助手席)、歩行者保護(脚部)、シートベルト着用警報については最高のレベル5を獲得している一方で、フルラップ前面衝突(後席)と新オフセット前面衝突でレベル4、歩行者保護(頭部)でもレベル4となっています。特に後面衝突頚部保護(運転席・助手席)が両席ともレベル1という結果となっており、後突時のむち打ち対策において課題が残る結果となっています。衝突安全性能の評価はBランクにとどまり、予防安全性能のAランクと合わせた総合評価は4つ星となりました。
事故自動緊急通報装置については「装備なし」と評価されており、万一の事故発生時に自動でコールセンターへ通報する機能が非搭載であることが、総合評価においてもマイナス要因となっています。また、交通標識認識システム(TSR)についても最高速度標識・車両進入禁止標識・一時停止標識・はみ出し通行禁止標識のすべてで「非対応」という結果になっています。
JNCAP 2025年度 評価結果 詳細一覧
予防安全性能:Aランク
| 評価項目 | 評価結果 |
|---|---|
| 被害軽減ブレーキ〔対歩行者:昼間〕 | ★★★★★ レベル5/5 |
| 被害軽減ブレーキ〔対歩行者:夜間〕 | ★★★★★ レベル5/5 |
| 被害軽減ブレーキ〔対自転車〕 | ★★★★★ レベル5/5 |
| 被害軽減ブレーキ〔交差点〕 | ★★★★★ レベル5/5 |
| 車線逸脱抑制 | ★★★★★ レベル5/5 |
| 高機能前照灯 | ★★★★★ レベル5/5 |
| ペダル踏み間違い時加速抑制 | ★★★★★ レベル5/5 |
衝突安全性能:Bランク
| 評価項目 | 評価結果 |
|---|---|
| フルラップ前面衝突(運転席) | ★★★★★ レベル5/5 |
| フルラップ前面衝突(後席) | ★★★★☆ レベル4/5 |
| 新オフセット前面衝突 | ★★★★☆ レベル4/5 |
| 側面衝突(助手席) | ★★★★★ レベル5/5 |
| 後面衝突頚部保護(運転席) | ★☆☆☆☆ レベル1/5 |
| 後面衝突頚部保護(助手席) | ★☆☆☆☆ レベル1/5 |
| 歩行者保護(頭部) | ★★★★☆ レベル4/5 |
| 歩行者保護(脚部) | ★★★★★ レベル5/5 |
| シートベルト着用警報(助手席) | ★★★★★ レベル5/5 |
| シートベルト着用警報(後席) | ★★★★★ レベル5/5 |
事故自動緊急通報装置
| 評価項目 | 評価結果 |
|---|---|
| 事故自動緊急通報装置 | 装備なし |
交通標識認識システム(TSR)対応状況
| 対象標識 | 搭載状況 |
|---|---|
| 最高速度標識 | ー 非対応 |
| 車両進入禁止標識 | ー 非対応 |
| 一時停止標識 | ー 非対応 |
| はみ出し通行禁止標識 | ー 非対応 |
総合評価
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 総合評価 | ★★★★☆(4つ星・2025年度) |
| 予防安全性能 | Aランク |
| 衝突安全性能 | Bランク |
| 事故自動緊急通報装置 | 装備なし |
新世代デザインと基本スペック
3代目ティグアンは「Go anywhere」をコンセプトに掲げ、フォルクスワーゲンの新しいデザインコンセプトのもとエクステリアを大胆に刷新しました。ボンネット位置が従来モデルより高くなりSUVらしい力強さをさらに強調し、フロントに採用された直線的なLEDライトと水平基調のラインがよりシャープで現代的な印象を演出しています。空力性能も追求されており、空気抵抗係数(Cd値)は従来の0.33から0.28へと大幅に改善されました。

車両サイズはグレードによって若干異なり、R-Lineグレードが全長4,540mm×全幅1,860mm×全高1,655mm、Active・Eleganceグレードが全長4,545mm×全幅1,840mm×全高1,655mmとなっています。ホイールベースは2,700mm、最小回転半径は全グレード共通で5.4mです。乗車定員は5名の5ドアSUVで、日常使いから長距離ドライブまで幅広いシーンに対応できる実用的なパッケージングを実現しています。

2つのパワートレイン:eTSIとTDI 4MOTIONの違い
新型ティグアンは、1.5L eTSI(マイルドハイブリッドガソリン)と2.0L TDI(クリーンディーゼル)という、キャラクターの異なる2つのパワートレインを用意しているのが大きな特徴です。

eTSIエンジンは1,497ccの直列4気筒ターボエンジンに14kW(18ps)のモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムです。最高出力は142kW(193ps)を発揮し、駆動方式はFF(前輪駆動)となります。WLTCモード燃費は15.6km/Lで、街乗りメインの方や日常使い重視の方に適したパワートレインです。
TDI 4MOTIONエンジンは1,968ccのクリーンディーゼルエンジンで、4MOTION(フルタイム4WD)と組み合わされています。WLTCモード燃費は15.1km/Lを達成しており、高速道路や山岳路・悪路走破性を重視するユーザー、長距離ドライブが多いユーザーに向いています。全グレードにDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が採用されており、スムーズで素早い変速応答性が走行フィールの質を高めています。
グレードラインアップと価格一覧
新型ティグアンは「Active」「Elegance」「R-Line」の3グレード構成に、eTSIとTDI 4MOTIONの2パワートレインを組み合わせた計6グレード展開です。価格帯は約487万円から655万円と幅広く、ライフスタイルや走行シーンに合わせた選択が可能です。
- eTSI Active:4,871,000円(FF)
- eTSI Elegance:5,490,000円(FF)
- eTSI R-Line:5,909,000円(FF)
- TDI 4MOTION Active:5,619,000円(4WD)
- TDI 4MOTION Elegance:6,238,000円(4WD)
- TDI 4MOTION R-Line:6,552,000円(4WD)
エントリーグレードのeTSI Activeでも、衝突被害軽減ブレーキFront Assist、車線維持支援システムLane Assist、後退時自動ブレーキなど充実した安全装備が標準搭載されています。上位グレードのEleganceではLEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT HD」、R-Lineでは専用エアロパーツや大径アルミホイールなどスポーティな装備が加わります。
先進安全技術「Volkswagen オールイン・セーフティ」
ティグアンの安全技術の柱となるのが「Volkswagen オールイン・セーフティ」というコンセプトです。予防安全から衝突安全まで包括的な安全設計を採用しており、特に予防安全領域では以下の先進装備が高く評価されています。
衝突被害軽減ブレーキ「Front Assist」はフロントカメラとレーダーセンサーの組み合わせにより、昼夜・対象物を問わず衝突の危険を検知して自動ブレーキを作動させます。同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist」はアクセル・ブレーキ・ステアリングを自動制御し、長距離ドライブや渋滞時の運転疲労を大幅に軽減します。また、ドライバーが意識を失った際に自動停車とハザードランプ・クラクションで周囲へ警告する緊急時停車支援システム「Emergency Assist」も全グレードに標準装備されています。衝突安全面では、事故の可能性をいち早く察知してシートベルト自動締め付けなど乗員保護の準備を行う「プロアクティブ・オキュパント・プロテクション」や、衝突直後に自動ブレーキで二次被害を防止する「ポストコリジョンブレーキシステム」も搭載されています。
デジタルコックピットとユーティリティ

新型ティグアンのインテリアはデジタル化が徹底されており、フォルクスワーゲン純正インフォテインメントシステム「Discover」または上位グレード向けの「Discover Pro Max」を中心に据えたデジタルコックピットを採用しています。シンプルなダイヤルと小型スクリーンで構成された快適ドライブ支援機能もセンターコンソールに配置されており、直感的な操作性と洗練された空間デザインが高次元で両立しています。進化した駐車支援システム「Park Assist Plus」(一部グレードに標準装備)は縦列・並列・直角駐車に対応し、日常の駐車ストレスを低減します。
ティグアンとフォレスターの安全性能比較
同じく2025年度JNCAPで評価を受けたスバルのフォレスター(★★★★★:5つ星)と比較すると、ティグアンは予防安全性能ではいずれも同じAランク・全項目レベル5という同水準の結果を出しているものの、衝突安全性能でBランク(フォレスターはAランク)にとどまり、さらに事故自動緊急通報装置が非搭載であることが総合評価の差(4つ星 vs 5つ星)に直結しています。後面衝突頚部保護の評価が運転席・助手席ともにレベル1という点は、高速道路での後突リスクを懸念するユーザーにとって購入判断に影響し得る数値です。予防安全性能に関しては欧州車として世界最高水準を誇りますが、衝突安全性能と緊急通報装置の面では今後の改善が期待されます。
まとめ:フォルクスワーゲン ティグアンが選ばれる理由と注意点
フォルクスワーゲンのティグアンは、世界SUV販売台数No.1(ドイツ本国)の実績を持つグローバルベストセラーモデルが、全面刷新されて日本市場に上陸した意欲作です。JNCAP2025において予防安全性能でAランク・全項目最高評価を獲得した先進安全技術、マイルドハイブリッドとクリーンディーゼルから選べる多様なパワートレイン、そしてフォルクスワーゲンらしい上質なインテリアと洗練されたデザインは、輸入SUVとしての魅力を十分に備えています。一方、衝突安全性能のBランク評価、後面衝突頚部保護のレベル1、事故自動緊急通報装置の非搭載など、安全性能の一部に課題が残る結果となっているため、ファミリーユースや安全性能を最優先に考えるユーザーはこれらの評価結果も踏まえて総合的に検討することをおすすめします。試乗やグレード選びについては、最寄りのフォルクスワーゲン正規ディーラーへお問い合わせください。
https://www.nasva.go.jp/gaiyou/pdf/2026/20260401_1.pdf
フォルクスワーゲン
https://www.volkswagen-press.jp
フォルクスワーゲン ティグアン

