トヨタ自動車は、電気自動車SUVのラインナップに上級モデル「bZ4X Touring（ビーズィーフォーエックス ツーリング）」を投入します。この新型モデルは、2025年5月15日にワールドプレミア（世界初公開）され、日本国内では2026年3月の発売が予定されており、電動SUVセグメントにおけるトヨタの存在感をさらに高めることが期待されています。
北米市場では既に「bZ Woodland」という名称でそのタフな姿を現しており、日本市場へもこのコンセプトを色濃く反映した形で導入される見込みです。「bZ4X Touring」は、既存の「bZ4X」をベースとしながらも、内外装のデザイン刷新、ボディサイズの拡大、そしてパワートレインの強化など、多岐にわたる進化を遂げており、特にアクティブなライフスタイルを持つユーザーや、より上質なEV体験を求める層からの注目を集めています。トヨタは既にこの「bZ4X Touring」に関する情報を発信する特設サイトを立ち上げており、今後、詳細なスペックや日本市場向けの装備、独自の価値提案などが順次明らかにされていく予定です。
トヨタ新型EV SUV「bZ4X Touring」のポイント
- モデル概要
- トヨタが投入する電気自動車SUVの新型上級モデル。
- 2025年5月15日にワールドプレミア、2026年3月に日本発売予定。
- 北米市場では「bZ Woodland」として展開され、そのアウトドア志向を色濃く反映。
- 既存の「bZ4X」をベースに、内外装デザイン、ボディサイズ、パワートレインなどを大幅に進化。
- アクティブなライフスタイルを持つユーザーや、より上質なEV体験を求める層がターゲット。
- スバルの電気自動車SUV「トレイルシーカー」とは兄弟モデル。
- コンセプト・ポジショニング
- 明確な「アウトドア志向」が最大の特徴。
- 都市での洗練された走行性能と、自然の中での本格的な走破性・機能性を両立。
- 既存「bZ4X」ラインナップにおいて、よりアクティブで冒険心を刺激するバリエーション。
- 専用エクステリアパーツ（タフなバンパー等）、アウトドア向けインテリア、悪路走破性向上のための専用チューニングが期待される。
- エクステリアデザイン
- EVの先進性とSUVの力強さを融合した新世代デザイン。
- フロントにはシャープなコの字型LEDヘッドライト、EV特有のグリルレスデザインを採用。
- サイドは流麗かつダイナミックなシルエットで、18インチまたは20インチの大径ホイールを装着。
- リアは左右のテールランプを一直線に繋ぐデザインで、ワイド感と安定感を強調。
- ボディサイズ・ユーティリティ
- 全長約4830mm（「bZ4X」比+140mm）、全幅約1860mm、全高約1620mm（「bZ4X」比-30mm）。
- ホイールベースは2850mm。
- ボディ拡大により、室内空間とラゲッジスペース（通常時600L）が大幅に向上。
- 最低地上高211mmを確保し、優れた悪路走破性も期待される。
- クロスオーバーワゴン風のスタイリッシュなプロポーション。
- インテリアデザイン
- 最新装備と上質な素材により、快適性と機能性を高次元で両立。
- 14インチの大型インフォテインメントディスプレイ、フルデジタルメーターパネルを搭載。
- センターコンソールにはワイヤレス充電システムを2基装備する見込み。
- リアシートの居住性向上、広大なラゲッジスペースを実現。
- パワートレイン・走行性能
- 新開発された高性能EVパワートレインを搭載。
- AWDモデルのシステム最高出力は380馬力（ps）。
- 0-96km/h加速は4.4秒と俊足。
- バッテリー容量は74.7kWh、航続距離は米国EPA基準で418km。
- 悪路走破性を高めるAWDシステム「X-MODE」を採用。
- 牽引能力は1590kg。
- バッテリープレコンディショニングシステムにより、低温時の急速充電時間を約30分に短縮。
- 先進安全技術
- 最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を搭載。
- 検知対象を拡大（車両、歩行者、自転車、自動二輪）。
- 交差点での支援機能を強化。
- 運転状況に応じたリスクを先読みする「プロアクティブドライビングアシスト（PDA）」を搭載。
- 高度運転支援技術「リモート機能付きアドバンスト パーク」を設定見込み。
- 市場投入・価格
- 日本での発売は2026年3月を予定。
- 価格は700万円台前半からと予想される（「bZ4X」の上位モデルとして）。
- トヨタのマルチパスウェイ戦略における重要なBEVモデル。
- 2025年後半には現行「bZ4X」の一部改良モデルも発売予定。
- 詳細は特設サイトにて順次公開予定。
- 期待される価値
- 日本の電動SUV市場に新たな選択肢と活気をもたらす。
- 日常の使い勝手からアウトドアレジャー、長距離ドライブまで幅広く対応。
- ユーザーのライフスタイルを豊かにする新しい電動モビリティ体験の提供。
新型 bZ4X Touring コンセプトとポジショニング：「bZ4X」からの進化と「Touring」の独自性
「bZ4X Touring」の最大の特徴は、その明確な「アウトドア志向」のコンセプトです。これは北米仕様の「bZ Woodland」が持つDNAを色濃く受け継ぐものであり、都市部での洗練された走りだけでなく、自然の中でもその真価を発揮する本格的な走破性と機能性を追求しています。「bZ Woodland」は、力強いエクステリアデザイン、余裕を持たせた最低地上高、そしてAWDシステムによる優れた悪路走破性を備え、オプションでオールテレインタイヤも用意されるなど、アドベンチャーシーンでの活躍を予感させるモデルです。このコンセプトが「bZ4X Touring」にも息づくことで、日本の多様な自然環境、例えば都市部から郊外へのアクセス、さらには積雪地域や山間部といった変化に富んだ道路状況においても、新たなドライビングプレジャーと実用性を提供してくれることが期待されます。
既存のBEV「bZ4X」が市場に投入されている中で、「bZ4X Touring」はラインナップにおける新たなバリエーションとして、よりアクティブで冒険心を刺激するキャラクターを前面に押し出してくると考えられます。具体的には、専用デザインのエクステリアパーツ、例えばよりタフな印象を与えるフロントバンパーやフェンダーアーチ、実用性の高いルーフレールなどが装備される可能性があり、視覚的にもその個性を際立たせるでしょう。また、インテリアにおいても、アウトドアでの使用を想定した耐久性の高い素材や、汚れに強い加工が施されたシート、機能的な収納スペースなどが採用されるかもしれません。さらに、悪路走破性を一段と高めるための専用チューニングが施されたサスペンションやドライブモードの搭載も期待されます。これにより、既存の「bZ4X」が持つ先進性や都市的な洗練性に加え、「bZ4X Touring」は自然との親和性やレジャーユースでの利便性を重視するユーザー層に強く訴求することになるでしょう。また、スバルが新設定する電気自動車SUV「トレイルシーカー」とは兄弟モデルの関係にあり、プラットフォームや基本コンポーネントを共有しつつも、各ブランドの個性を反映したモデルとして展開されることが予想されます。
新型 bZ4X Touring エクステリアデザイン：先進性とタフネスを融合した新世代の造形美
エクステリアデザインにおいては、「bZ4X Touring」は新世代のデザイントレンドを取り入れ、電気自動車としての先進性とSUVとしての力強さを見事に融合させています。フロントマスクでは、トヨタブランドの他モデルにも採用されているシャープなコの字型のLEDヘッドライトが採用され、エッジを際立たせることで引き締まった精悍な表情を創出しています。グリルレスのデザインはEVならではの未来的フィーリングを強調しつつ、バンパー下部にはアンダーガード調のデザインを取り入れることでSUVらしいタフネスさも表現されるでしょう。
サイドビューは、拡大されたボディサイズを活かした流麗かつダイナミックなシルエットが特徴です。キャラクターラインは伸びやかで、フェンダーアーチにはクラッディングが施され、アクティブなイメージを強調します。足元には、18インチまたは20インチの大径アロイホイールが設定され、そのデザインも力強さと洗練性を兼ね備えたものとなるでしょう。
リアセクションでは、左右のテールランプを一直線に繋ぐデザインが採用され、ワイド感と安定感を強調。テールゲートの造形も立体的で、空力性能にも配慮されたものと考えられます。全体として、「bZ4X Touring」のエクステリアは、都市の風景にも自然の中にも溶け込む、洗練されたタフギアカとしての存在感を放つデザインとなることが期待されます。
新型 bZ4X Touring ボディサイズとユーティリティ：拡大された車体がもたらすゆとりと実用性
ボディサイズに関しては、「bZ4X Touring」はベースモデルの「bZ4X」から大幅な拡大が図られています。全長は約4830mm、全幅は約1860mm、全高は約1620mmとなり、特に全長は「bZ4X」の4690mmから140mmも延長されています。このサイズアップは、主に室内空間とラゲッジスペースの拡大に貢献し、居住性と積載能力の向上を実現します。
ホイールベースは「bZ4X」と同様の2850mmを維持しつつも、全高は「bZ4X」の1650mmから30mm低い1620mmに設定されています。これにより、低重心で安定感のあるプロポーションとなり、クロスオーバーワゴンを彷彿とさせるスタイリッシュなフォルムを形成しています。最低地上高は211mmが確保されており、これは本格的なSUVに匹敵する数値で、悪路や雪道などでの走破性に対する期待を高めます。参考までに、トヨタの人気SUV「ハリアー」の全長が4740mm、全幅1855mm、全高1660mm、ホイールベース2690mmであることと比較しても、「bZ4X Touring」の堂々としたサイズ感がうかがえます。この拡大されたボディは、ファミリーユースや長距離移動における快適性の向上はもちろんのこと、アウトドアアクティビティで多くの荷物を積載する際の利便性にも大きく寄与するでしょう。
新型 bZ4X Touring ボディサイズ比較
| 車種名 | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
|---|---|---|---|---|
| bZ4X | 4,690mm | 1,860mm | 1,650mm | 2,850mm |
| bZ4X Touring | 4,830mm | 1,860mm | 1,620mm | 2,850mm |
| ハリアー | 4,740mm | 1,855mm | 1,660mm | 2,690mm |
新型 bZ4X Touring インテリアデザイン：上質さと機能性を追求した快適空間
インテリアデザインにおいても、「bZ4X Touring」は最新の装備と上質な素材を用いることで、快適性と機能性を高次元で両立させた空間を提供します。ドライバーズシートに座ると、まず目に飛び込んでくるのは、インストルメントパネル中央に鎮座する14インチの大型インフォテインメントディスプレイでしょう。このタッチスクリーンは、ナビゲーションシステム、オーディオ、車両設定、コネクテッドサービスなど、多彩な情報を直感的に操作可能とし、視認性と操作性に優れています。メーターパネルもフルデジタル式が採用され、必要な情報をクリアに表示します。
センターコンソールには、スマートフォンなどを置くだけで充電できるワイヤレス充電システムが2基も採用される見込みで、同乗者との同時利用も可能となり、利便性が大幅に向上します。シート素材には、上質なファブリックや合成皮革が用いられ、グレードによっては本革シートも選択可能となるでしょう。アウトドア志向のコンセプトを反映し、撥水性や耐久性に優れた素材が採用される可能性も考えられます。
拡大されたボディサイズの恩恵は、特にリアシートの居住空間やラゲッジスペースに現れます。リアシートは足元空間、頭上空間ともに余裕があり、大人でもゆったりと過ごせる快適さを提供します。ラゲッジスペースは、通常時でも600Lという大容量を確保し、リアシートを格納すればさらに広大な積載スペースが出現します。これにより、キャンプ用品やスポーツ用品など、かさばる荷物も余裕をもって積み込むことが可能です。
新型 bZ4X Touring パワートレインと走行性能：力強い加速と卓越した走破性を両立
パワートレインに関しては、「bZ4X Touring」には新開発された高性能なEVパワートレインが搭載されます。AWD（全輪駆動）モデルでは、バッテリー容量74.7kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に搭載し、システム最高出力は380馬力（ps）というパワフルなスペックを誇ります。これは、マイナーチェンジによって出力が向上した「bZ4X」のAWDモデル（343ps）よりもさらに高出力化されており、その結果、0-96km/h加速（米国での一般的な加速性能指標）はわずか4.4秒という、スポーツカーに迫る俊足ぶりを発揮します。この圧倒的な加速性能は、高速道路での合流や追い越し加速において余裕のある走りを提供し、ドライバーに大きな安心感とドライビングの楽しさをもたらすでしょう。航続距離は、米国EPA基準で418kmとされており、日常の利用はもちろん、週末の長距離ドライブにも十分対応できる性能です。
走行性能を支える技術として、トヨタが長年培ってきたAWD技術のノウハウを活かした「X-MODE」が採用されます。このシステムは、雪道や泥道、急勾配など、様々な路面状況に応じて最適な駆動力を四輪に配分し、トラクション性能を最大化することで、悪路走破性を高めます。ドライバーは路面状況に合わせてモードを選択するだけで、安心して走行することが可能です。また、1590kgという十分な牽引能力も確保されており、トレーラーやキャンピングカーを牽引してのアクティビティも楽しむことができます。EVならではの課題である低温時の充電性能についても配慮されており、バッテリーを充電に最適な温度に保つバッテリープレコンディショニングシステムが搭載されています。これにより、特に寒冷地での急速充電時間が約30分まで短縮され、利便性が向上します。これらの高性能なパワートレインと先進技術により、「bZ4X Touring」は、オンロードでのダイナミックな走りからオフロードでのタフな走破性まで、あらゆるシーンでドライバーの期待に応える走行性能を実現します。
新型 bZ4X Touring 先進安全技術：トヨタセーフティセンスがもたらす最高レベルの安心感
安全性能に関しても、「bZ4X Touring」はトヨタの最新技術が惜しみなく投入されています。中核となるのは、先進の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense（トヨタセーフティセンス）」です。このシステムは、単眼カメラとミリ波レーダーの検知能力を向上させ、対応できる事故形態を拡大しています。具体的には、車両、歩行者（昼夜）、自転車運転者（昼夜）に加え、自動二輪車（昼）も検知対象となり、衝突回避または被害軽減に貢献します。特に事故割合が高いとされる交差点での支援機能も強化されており、右左折時の対向直進車や横断歩行者・自転車、出会い頭の車両などを検知し、ブザーと表示で注意喚起するとともに、状況に応じてプリクラッシュブレーキを作動させます。
さらに、運転状況に応じたリスクを先読みし、安全運転をさりげなくサポートする「プロアクティブドライビングアシスト（PDA）」も搭載されています。「歩行者の横断」「飛び出してくるかもしれない」といった運転シーンで、システムがリスクを判断すると、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようにステアリング操作やブレーキ操作をアシストし、ドライバーの回避行動を支援します。これにより、ドライバーの疲労軽減にも繋がり、より安全で安心な運転環境を提供します。高度運転支援技術としては、「リモート機能付きアドバンスト パーク」も設定される見込みです。これは、スイッチ操作だけで駐車に必要なステアリング、アクセル、ブレーキ操作を車両がアシストするもので、並列駐車や縦列駐車、さらには車外からのスマートフォン操作による遠隔駐車も可能とし、駐車が苦手なドライバーにとって大きな助けとなるでしょう。これらの先進安全技術により、「bZ4X Touring」は、ドライバーと同乗者の安全・安心を高度なレベルで確保します。
新型 bZ4X Touring 市場投入と価格戦略：日本のユーザーに届ける新たな価値
「bZ4X Touring」の日本市場における価格については、現時点では正式な発表はありませんが、ベースモデルとなる「bZ4X」の価格帯（GグレードFWD：550万円～ZグレードAWD：650万円）や、ボディサイズの拡大、パワートレインの強化、装備の充実度などを考慮すると、700万円台前半からのスタートになると見込まれています。これは、トヨタブランドのEV SUVラインナップにおける上位モデルとしての位置づけを反映した価格設定と言えるでしょう。詳細なグレード構成や各グレードの装備内容、オプション設定などによって価格は変動しますが、その高い付加価値に見合った競争力のある価格が期待されます。
「bZ4X Touring」の日本での発売日は、2025年5月15日のワールドプレミアを経て、2026年3月が予定されています。これは、北米市場での「bZ Woodland」の展開に続く形となり、グローバルモデルとしての性格を強く持つことを示唆しています。トヨタは、日本市場においてもカーボンニュートラル実現に向けた「マルチパスウェイ戦略」を推進しており、ハイブリッド車（HEV）、プラグインハイブリッド車（PHEV）、燃料電池車（FCEV）と並んで、バッテリー電気自動車（BEV）はその重要な柱の一つです。「bZ4X Touring」の導入は、この戦略をさらに推し進め、日本のBEV市場における選択肢の多様化に大きく貢献するものと言えるでしょう。特に、国産メーカーとしての信頼感に加え、グローバルで展開されるモデルをベースとすることで得られるスケールメリットや先進技術を日本のユーザーに提供できる点は、大きな強みとなります。
また、トヨタは2025年後半に現行「bZ4X」の一部改良モデルの発売も予定しており、これと合わせてトヨタのBEV戦略が日本市場でどのように展開されていくのか、大きな注目が集まっています。前述の通り、トヨタは既に「bZ4X Touring」に関する特設サイトを立ち上げており、今後このサイトを通じて、日本仕様の詳細な車両情報、グレード構成、先進安全技術やコネクテッドサービスの具体的な内容、そして最も注目される価格帯や予約開始時期などが順次発表されていくことになります。
編集部から一言
2026年春に予定されている「bZ4X Touring」の登場は、日本の電動SUV市場に新たな選択肢と活気をもたらすことは間違いありません。日常のシティユースでの洗練された快適性はもちろんのこと、週末のアウトドアレジャーや長距離ドライブなど、より幅広いシーンで活躍できるBEVとして、そのポテンシャルは非常に高いと言えます。トヨタが「bZ4X Touring」を通じて、どのような新しい電動モビリティ体験を日本のユーザーに提案してくれるのか、その全貌が明らかになる日を心待ちにしたいと思います。このモデルは、単に移動手段としてのクルマというだけでなく、ユーザーのライフスタイルを豊かにし、新たな冒険へと誘うパートナーとなる可能性を秘めています。その詳細発表と実車の登場が今から待たれます。
トヨタ ニュースリリース
