日本車の中でレクサスは特にラインナップが全7車種と多く、魅力的な車種を多数揃えています。そこで今回は2025年現在までの車種の人気ランキングを作成、おすすめする車種について考えてみました。
2025年現在、国内外の自動車市場においてSUVセグメントの人気は依然として高く、各メーカーが多様なモデルを投入し、熾烈な競争を繰り広げています。その中でも、トヨタ自動車が展開する高級車ブランド「レクサス」は、その卓越した品質、静粛性、乗り心地、そして日本ならではの「おもてなし」の精神を体現したサービスにより、世界中のユーザーから高い評価を受け、独自のポジションを確立しています。特にレクサスSUVは、洗練されたデザイン、先進技術、そして多様なライフスタイルに応えるラインナップにより、高級SUV市場において強い存在感を放っています。都市部での快適な移動から、ロングドライブ、さらにはオフロード走行まで、様々なシーンでオーナーの期待を超える体験を提供してくれるのがレクサスSUVの大きな魅力と言えるでしょう。本記事では、2025年現在の最新情報に基づき、実際の販売台数を考慮したレクサスSUVの人気ランキングを紹介するとともに、それぞれの車種が持つ特徴や魅力を深掘りし、購入を検討されている方にとって最適な一台を見つけるための情報を提供します。
レクサスSUVの世界観:多様性と進化を続けるラインナップ
レクサスブランドは、「人間中心」の考え方を核に、ドライバーがクルマと深く対話し、運転する楽しさを追求できるクルマづくりを目指しています。その哲学はSUVラインナップにも色濃く反映されており、単なる移動手段としての機能だけでなく、所有する喜びやドライビングの高揚感をもたらすことを重視しています。レクサスSUVは、コンパクトな都市型モデルから、ブランドの威信をかけたフラッグシップモデルまで、幅広いサイズとキャラクターを持つモデルを取り揃えているのが特徴です。これにより、ユーザーは自身のライフスタイルや価値観に最適な一台を選ぶことができます。
レクサスSUVに共通する魅力としては、まず第一に、圧倒的な静粛性と快適な乗り心地が挙げられます。徹底したノイズ対策と振動抑制により、車内はまるで外界から遮断されたかのような静けさに包まれ、長距離移動でも疲れを感じさせません。また、ドライバーの意のままに操れる素直なハンドリングと、路面の凹凸をしなやかに吸収するサスペンションは、上質なドライブフィールを実現しています。
内装に目を向ければ、厳選された素材と熟練の職人技「匠」によって作り上げられた、細部にまでこだわった空間が広がります。触れるたびに感じる上質感、使いやすさを追求したインターフェースは、乗る人に心地よさと満足感を与えてくれます。近年では、手綱一本で馬と対話するように、人とクルマが直感的につながることを目指したコクピット思想「Tazuna Concept(タヅナコンセプト)」が多くのモデルに採用され、運転に集中できる環境を提供しています。
さらに、レクサスは先進安全技術にも力を入れており、ほとんどのモデルに予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」が標準装備されています。ミリ波レーダーと単眼カメラを用いて、衝突回避支援や被害軽減を図るプリクラッシュセーフティ、車線逸脱を防ぐレーントレーシングアシスト、夜間の視認性を高めるアダプティブハイビームシステムなど、多岐にわたる機能でドライバーをサポートし、安全・安心な運転を実現します。
そして、現代の自動車業界における大きな潮流である「電動化」においても、レクサスは積極的に取り組んでいます。長年培ってきたハイブリッド技術(HEV)を核としながら、外部からの充電が可能なプラグインハイブリッド(PHEV)、そしてバッテリーEV(BEV)まで、多様な電動化パワートレインを各モデルに展開し、環境性能と走行性能を高次元で両立させています。これにより、ユーザーは自身の使い方や環境意識に合わせて、最適な電動化モデルを選択することが可能です。
購入後のオーナーサポートもレクサスの大きな魅力です。専任スタッフによるきめ細やかな対応が受けられる「レクサスオーナーズデスク」や、充実したメンテナンスプログラムなど、購入後も安心してカーライフを送れる体制が整っています。これら全てが融合し、レクサスならではの価値ある体験を提供しているのです。
2024年 レクサス 年間販売台数SUVランキング
ここでは、2025年の最新販売データ(推定値)に基づいたレクサスSUVの人気ランキングをご紹介します。今回の集計では、特に販売台数の多い上位5車種に焦点を当てています。なお、公式な車種別・期間別販売台数は限定的にしか公表されないため、これらの数値は市場動向や各種調査を基にした推定値としてご理解ください。
順位 | 車種 | 台数 |
---|---|---|
1位 | LBX | 21,221台 |
2位 | NX | 約20,463台 |
3位 | RX | 約16,477台 |
4位 | UX | 約5,194台 |
5位 | LX | 約1,726台 |
今回のランキングで最も注目すべきは、レクサス最小SUVである「LBX」が堂々の1位を獲得したことです。2023年末の登場から比較的短期間でトップに躍り出た背景には、従来の高級車の概念を打ち破るコンセプトと、多様な個性に合わせた選択肢を提供する新しい試みが、多くのユーザーに受け入れられたことがうかがえます。僅差で2位となった「NX」は、依然としてレクサスSUVの中核として絶大な人気を誇っており、先進性と実用性のバランスが高く評価されています。3位の「RX」も、ラグジュアリーSUVの王道として安定した支持を集めています。都市型コンパクトSUVの「UX」は4位、そしてフラッグシップモデルの「LX」が5位という結果になりました。このランキングは、レクサスブランド内での新たな潮流と、多様化する顧客ニーズを反映していると言えるでしょう。
以下では、これらの人気車種に加え、ランキング外ながら注目すべきBEVモデル「RZ」についても、それぞれの特徴や魅力を詳しく解説していきます。
承知いたしました。いただいた最新の販売台数ランキングに基づいて、記事全体を書き換えます。RZはランキング外となりますが、引き続き注目モデルとして解説に含めます。
【1位】レクサス LBX:新時代の価値観を体現し、トップに輝く
今回のランキングで見事トップの座を獲得したのは、2023年末にデビューしたレクサス最小のSUV、「レクサス LBX」です。販売台数21,221台という数字は、登場から間もないモデルとしては驚異的であり、レクサスが打ち出した新しいコンセプトが市場に強く響いたことを証明しています。"Lexus Breakthrough X(cross)-over"の名が示す通り、LBXは従来の高級車におけるサイズのヒエラルキーという概念を打ち破り、「本物を知る人が、素の自分に戻れるクラスレスコンパクト」という新たな価値を提供することを目指して開発されました。
LBXがこれほどまでに支持を集める理由の一つは、コンパクトなサイズでありながら、細部に至るまでレクサスならではの上質さを追求している点です。デザイン面では、レクサスの新しいフロントマスク「ユニファイドスピンドル」を初採用。スピンドル形状をボディと一体化させることで、低重心で存在感のある、ダイナミックかつ洗練された表情を作り出しています。小さなボディの中に凝縮された高級感と、どこから見ても美しいプロポーションは、所有する喜びを満たしてくれます。
インテリアもまた、LBXの大きな魅力です。「Tazuna Concept」に基づいたドライバー中心のレイアウトを採用しつつ、助手席側は開放感のあるデザインとするなど、プレミアムコンパクトにふさわしい心地よい空間を実現しています。フル液晶メーターや9.8インチの大型タッチディスプレイを備え、インターフェースも先進的です。そして何より、LBXの革新性を象徴するのが、顧客の多様なライフスタイルや感性に応えるためのグレード体系です。従来のヒエラルキー型ではなく、「Cool」「Relax」「Elegant」「Active」「Urban」という5つの「世界観」を設定。それぞれのテーマに合わせて内外装の素材や配色がコーディネートされており、顧客は自身の好みに最も近いスタイルを選ぶことができます。
さらに、「Bespoke Build(ビスポークビルド)」というオーダーメイドシステムが用意されている点は特筆に値します。内装色、シート素材、シートベルトの色、ステッチ糸の色、さらにはトリムの加飾に至るまで、約33万通りもの膨大な組み合わせの中から自由に選択し、文字通り「自分だけの一台」を作り上げることが可能です。これは、従来の自動車選びの枠を超えた、全く新しいパーソナライゼーションの提案であり、個性を重視する現代のユーザーから強い共感を得ています。
パワートレインには、新開発の1.5L 3気筒エンジンを搭載したハイブリッド(HEV)システムを採用。コンパクトカー向けのTNGAプラットフォーム(GA-B)をベースとしながらも、レクサス専用の徹底的なチューニングが施され、基本性能が大幅に引き上げられています。ハイブリッドシステムの効率化とバッテリー性能の向上により、クラストップレベルの低燃費と、電動化技術ならではのリニアで心地よい加速フィール、そしてドライバーの意のままに操れる軽快な走りを提供します。
先進安全技術「Lexus Safety System +」も、最新世代のものが標準装備されており、コンパクトながらも安全性能に一切の妥協はありません。
価格帯は約460万円から580万円程度(2025年5月時点、消費税込)と、レクサスラインナップの中では比較的手に取りやすい設定となっています。
レクサスLBXは、単に小さい高級車というだけでなく、レクサスが示す新しいラグジュアリーの形です。サイズやヒエラルキーにとらわれず本質的な価値を求める方、自分らしい個性をクルマで表現したい方、そして上質でありながら気負うことなく日常使いできるクルマを探している方にとって、まさに理想的な選択肢と言えるでしょう。登場から短期間での成功は、これからのレクサスブランドの方向性を示唆する重要な出来事であり、今後もその動向から目が離せません。
【2位】レクサス NX:先進性と実用性を高次元で融合、依然として絶大な人気
僅差でランキング2位となったのは、ミドルサイズSUVの「レクサス NX」です。販売台数約20,463台という数字が示す通り、LBXの躍進があったとはいえ、NXがレクサスSUVラインナップの中核として依然として非常に高い人気を維持していることに変わりはありません。2014年の初代登場以来、都会的で洗練されたデザインとジャストなサイズ感で市場を魅了し、2021年にフルモデルチェンジされた2代目は、その魅力をさらに高めています。
2代目NXが多くのユーザーから支持される理由は、その完成度の高さにあります。エクステリアデザインは、レクサスのデザイン言語を象徴するスピンドルグリルをより立体的な「スピンドルボディ」へと進化させ、ダイナミズムと洗練性を両立させています。シャープな三眼フルLEDヘッドランプとL字型のデイタイムランニングランプ、そしてリアエンドを一文字に結ぶテールランプが、先進的で強い個性を放っています。
インテリアは、人とクルマのより直感的な繋がりを目指す「Tazuna Concept」に基づいて設計されています。ドライバーが運転に集中できるよう、視線移動やスイッチ操作が最小限になるよう配慮されており、大型のタッチディスプレイ(14インチまたは9.8インチ)を中心に、ナビゲーションやオーディオ、車両設定などがスムーズに操作できます。素材の質感や組み立て精度は極めて高く、触れるたびにレクサスならではの上質さを感じさせます。
NXの大きな強みの一つが、パワートレインの選択肢の豊富さです。レクサスとして初めて導入されたプラグインハイブリッド(PHEV)モデル「NX450h+」は、大容量バッテリーにより約88km(WLTCモード)のEV走行が可能で、日常の移動のほとんどを電気だけで賄えます。環境性能の高さと力強い加速性能を両立しており、先進性を求めるユーザーに最適です。もちろん、効率とパワーのバランスに優れた2.5Lハイブリッド(HEV)モデル「NX350h」や、スポーティなドライビングが楽しめる2.4Lターボガソリンモデル「NX350」、そして軽快な走りの2.5Lガソリンモデル「NX250」もラインナップ。ユーザーのライフスタイルや好みに合わせて最適なパワートレインを選べる点が、NXの幅広い人気を支えています。
プラットフォームにはGA-Kプラットフォームを採用。軽量かつ高剛性なボディと低重心設計により、卓越した操縦安定性と快適な乗り心地を実現しています。先進安全技術「Lexus Safety System +」も最新世代が搭載され、交差点での衝突回避支援機能が強化されるなど、安全性能もトップレベルです。スマートフォン連携によるリモート機能や、自然な対話が可能な音声認識エージェントなど、コネクテッドサービスも充実しており、日々の使い勝手も向上しています。
グレード構成は、標準モデルのほか、スポーティな内外装と専用サスペンションを備えた「F SPORT」、豪華装備を充実させた「version L」などが設定されています。価格帯は約480万円から770万円程度(2025年5月時点、消費税込)です。
レクサスNXは、都市部での扱いやすさと十分なユーティリティ、先進的なデザインと機能、そして多様なパワートレインという、現代のユーザーがSUVに求める多くの要素を高次元で満たしています。初めてのレクサスから、環境性能や先進技術を重視する層まで、幅広いニーズに応えることができる、まさにレクサスSUVのベストバランスモデルと言えるでしょう。
【3位】レクサス RX:ラグジュアリーSUVの王道、揺るぎない信頼と快適性
ランキング3位は、レクサスブランド創成期からその歴史を支えてきたコアモデル、「レクサス RX」です。約16,477台という販売台数は、高級SUVセグメントにおけるRXの確固たる地位と、根強い人気を物語っています。1998年に高級クロスオーバーSUVの先駆けとして初代が誕生して以来、RXは世界中で高い評価を獲得し、ラグジュアリーSUV市場のスタンダードを築き上げてきました。2022年に登場した現行の5代目RXは、長年培ってきた信頼性や卓越した快適性を基盤としながら、デザイン、走り、先進技術のすべてにおいて劇的な進化を遂げ、新たな時代のラグジュアリーを提示しています。
RXが長年にわたって愛され続ける理由は、そのブランド力と、高級車としての非の打ちどころのない完成度にあります。新型RXのデザインは、電動化時代の到来を見据えたレクサスの新たなデザイン言語を体現しています。フロントグリルとボディが滑らかに融合した「シームレスタイプグリル」は、力強い塊感を表現すると同時に、冷却性能や空力性能の向上にも貢献しています。リアビューは、NXと同様に横一文字に繋がるテールランプと、シンプルながら存在感のある「LEXUS」ロゴが特徴で、ワイド&ローなスタンスを強調。フローティングルーフのデザインも継承され、伸びやかでエレガントなサイドシルエットを描き出しています。
インテリアは、「Tazuna Concept」に基づき、ドライバーが運転に没頭できる機能的な空間と、乗員全員がリラックスできる心地よい空間を両立しています。大型のタッチディスプレイやマルチカラーのアンビエントイルミネーションが、上質でモダンな雰囲気を醸し出します。広々とした室内空間はRXの伝統であり、特に後席は足元や頭上空間に十分な余裕があり、大人が長時間乗っても快適に過ごせます。静粛性に関しても、ロードノイズや風切り音を徹底的に抑え込むための様々な技術が投入されており、高速道路でのクルージング中でも車内は驚くほど静かです。
走行性能においては、GA-Kプラットフォームの改良に加え、リアサスペンションに新開発のマルチリンク式を採用するなど、基本骨格から見直されました。これにより、ドライバーの操作に対するクルマの応答性が向上し、よりリニアで一体感のある走りを提供するとともに、路面からの入力をしなやかに受け止め、フラットで極上の乗り心地を実現しています。パワートレインは、レクサスの電動化技術を結集した先進的なラインナップが中心です。特に注目されるのが、2.4Lターボエンジンと高出力モーター、そして後輪をモーターで駆動する電動四輪駆動システム「DIRECT4」を組み合わせた「RX500h F SPORT Performance」です。システム最高出力371PSという圧倒的なパワーと、緻密な駆動力制御により、これまでにないダイレクトで爽快なドライビング体験をもたらします。NXにも設定される2.5Lプラグインハイブリッド(PHEV)の「RX450h+」は、優れた環境性能と力強い走りを両立。さらに、2.4Lターボガソリンモデル「RX350」も用意され、多様なニーズに対応しています。
先進技術としては、「Lexus Safety System +」に加え、高度運転支援技術「Lexus Teammate」の一部機能(アドバンストパーク:駐車支援システムなど)が利用可能となっており、ドライバーの負担を軽減します。
グレードは、標準モデル、豪華仕様の「version L」、スポーティな「F SPORT」、そして高性能モデルの「F SPORT Performance」(RX500h専用)が設定されています。価格帯は約660万円から900万円程度(2025年5月時点、消費税込)です。
レクサスRXは、長年にわたる信頼と実績を礎に、常に時代の最先端を取り入れ進化を続ける、まさにラグジュアリーSUVの王道です。ファミリーユースや長距離ドライブを快適に楽しみたい方、そして何よりも上質な乗り心地と静粛性を求める方にとって、RXは依然として最高の選択肢の一つであり続けるでしょう。
【4位】レクサス UX:都市をスマートに駆け抜ける、洗練されたコンパクトチョイス
ランキング4位は、レクサスSUVラインナップの中で最もコンパクトなモデルの一つ、「レクサス UX」です。販売台数は約5,194台と、上位モデルには及ばないものの、都市部での使い勝手の良さと洗練されたデザインで、根強い人気を保っています。"Creative Urban Explorer"というコンセプトが示す通り、UXは都会のライフスタイルにフィットするよう設計されており、取り回しの良いボディサイズ、俊敏な走り、そして優れた燃費性能が特徴です。初めてレクサスを所有する方や、セカンドカーとして、あるいはダウンサイジングを検討している方から選ばれています。
UXのデザインは、SUVらしいタフさと、クーペのような流麗なラインを巧みに融合させています。低い重心を感じさせるプロポーション、大胆に張り出したフェンダーアーチ、そしてテールランプ左右を一体化し、空力性能にも貢献する独創的な「エアロスタビライジングブレードランプ」などが、個性的でアグレッシブな印象を与えます。都市の風景によく映えるスタイリッシュさが魅力です。
インテリアは、「Tazuna Concept」の思想を取り入れつつ、コンパクトな空間を最大限に活かした機能的かつ上質な設えとなっています。ドライバーに向かって傾斜したインパネデザインは、操作性に優れ、運転への集中を促します。センターディスプレイは大型化(12.3インチまたは8インチ)され、視認性と操作性が向上。コネクテッド機能も強化され、より便利になっています。和紙のような質感を表現したオーナメントパネルなど、日本の美意識を感じさせる細部の仕上げもレクサスならではです。
パワートレインは、2.0Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド(HEV)モデル「UX250h」と、バッテリーEV(BEV)モデル「UX300e」の2種類が用意されています。「UX250h」は、システム最高出力184PSを発揮し、リニアな加速感とクラストップレベルの低燃費(WLTCモードで21.6~22.8km/L)を実現。雪道などでの安定性を高めるE-Four(電気式4WDシステム)も選択可能です。「UX300e」は、レクサス初の量産BEVとして登場し、その後の改良でバッテリー容量を増強。一充電走行距離(WLTCモード)は512kmに達し、実用性が大幅に向上しました。BEV特有の静かで力強い加速と、バッテリーを床下に配置することによる低重心で安定した走りが魅力です。
プラットフォームにはGA-Cプラットフォームを採用。軽量かつ高剛性なボディにより、キビキビとしたハンドリングと快適な乗り心地を両立しています。最小回転半径は5.2mと非常に小さく、狭い路地での運転や駐車が容易な点も、都市部ユーザーにとっては大きなメリットです。もちろん、先進安全技術「Lexus Safety System +」も標準装備されており、コンパクトながらも高い安全性を確保しています。
グレードは、標準モデル、「version C」、「F SPORT」、「version L」が設定され、それぞれ装備や内外装のデザインが異なります。「F SPORT」は、専用デザインのスピンドルグリルやアルミホイール、スポーツシート、専用チューニングサスペンションなどを備え、よりダイナミックな走りを強調しています。価格帯は、UX250hが約430万円から550万円程度、UX300eが約650万円から700万円程度(2025年5月時点、消費税込)です。
レクサスUXは、レクサスブランドの持つ高い品質や洗練された世界観を、より身近に体験できるモデルです。都市部での機動性、経済性、そしてデザイン性を重視する方にとって、依然として魅力的な選択肢であり、スマートなカーライフを実現してくれる一台と言えるでしょう。
【5位】レクサス LX:揺るぎなきフラッグシップ、至高のラグジュアリーと走破性
ランキング5位は、レクサスSUVの頂点に立つフラッグシップモデル、「レクサス LX」です。販売台数約1,726台という数字は、その高価格帯を考慮すれば、依然として強いブランド力と、このモデルでしか得られない価値を求める根強いファン層が存在することを示しています。世界中のあらゆる道で乗員が安全かつ快適に移動できる究極のSUVを目指して開発されたLXは、圧倒的な存在感、比類なき悪路走破性、そして最高級のラグジュアリー空間を提供し、他の追随を許さない孤高の存在です。2022年にフルモデルチェンジされた現行モデルは、プラットフォーム、エンジン、サスペンションなど全てを一新し、オンロードとオフロードの両方で、さらなる高みへと到達しました。
新型LXの強烈な個性は、まずその威風堂々たるスタイリングに表れています。機能性と様式美を両立させた新しいスピンドルグリルは、7組のフローティングバーで構成され、圧倒的な迫力と冷却性能を両立。逞しいフェンダーラインや大径タイヤは本格オフローダーとしての性能を主張しつつ、細部まで磨き上げられたディテールがフラッグシップならではの品格を醸し出しています。
インテリアは、「Tazuna Concept」をLX流に昇華させ、過酷なオフロード走行時でも車両姿勢を容易に把握でき、運転に集中できる環境を提供します。レクサス初となる上下2画面のデュアルディスプレイ(上:12.3インチ、下:7インチ)を採用し、ナビゲーションやオーディオ情報と、空調や走行モードといった車両情報を分けて表示することで、視認性と操作性を格段に向上させています。使用される素材は最高級のもので、熟練の職人技による緻密な作り込みが、乗る人をこの上なく贅沢な時間へと誘います。特に、後席の快適性を極限まで追求した4人乗り仕様の「EXECUTIVE」グレードは、専用の独立リアシート、リラクゼーション機能、大型リアエンターテイメントシステムなどを備え、まさに走る最高級ラウンジと呼ぶにふさわしい空間を提供します。
走行性能においては、伝統のラダーフレーム構造を踏襲しつつ、トヨタの最新技術を結集したGA-Fプラットフォームを新採用。大幅な軽量化(約200kg)と高剛性化、低重心化を達成し、オンロードでの優れた操縦安定性と快適な乗り心地、そして世界トップレベルの悪路走破性という、相反する要素をかつてないレベルで両立させています。パワートレインは、従来のV8エンジンに代わり、高効率・高出力な3.5L V6ツインターボエンジンを搭載。最高出力415PS、最大トルク650N・mという強大なパワーを、10速オートマチックトランスミッションを介して路面に伝達し、あらゆる状況で余裕に満ちたパフォーマンスを発揮します。路面状況に応じて最適な駆動・制動制御を行うマルチテレインセレクトや、極低速走行を支援するクロールコントロールといったオフロード支援システムも最新世代へと進化しており、ドライバーのスキルレベルに関わらず、安心して難路に挑むことができます。
セキュリティ面では、レクサス初となる指紋認証スタートスイッチが採用され、オーナーの利便性と車両の盗難防止性能を高めています。
グレードは、標準モデルに加え、前述の4人乗り仕様「EXECUTIVE」、そしてオフロード性能をさらに高めた「OFFROAD」が設定されています。「OFFROAD」グレードには、悪路走破性を向上させる3つのディファレンシャルロック(フロント・センター・リア)や、専用デザインのホイール、ブラックアウトされたパーツなどが装備され、よりタフなイメージと性能を追求しています。価格帯は約1,250万円から1,800万円程度(2025年5月時点、消費税込)と、レクサスラインナップの頂点にふさわしい価格設定です。
レクサスLXは、その価格に見合うだけの絶対的なステータス、他の追随を許さない走破性能、そして最高レベルの快適性とラグジュアリーを求める限られた顧客にとって、代替不可能な唯一無二の選択肢です。ビジネスシーンでのショーファードリブンから、家族との特別な冒険旅行、そして本格的なオフロードチャレンジまで、あらゆる要求に最高水準で応えることができる、まさに究極のフラッグシップSUVと言えるでしょう。
【ランキング外】レクサス RZ:電動化の未来を切り拓く、注目すべきBEV
今回の販売台数ランキングには入らなかったものの、レクサスの電動化戦略において極めて重要な位置を占めるのが、ブランド初のバッテリーEV(BEV)専用モデルとして開発された「レクサス RZ」です。BEVならではの自由な発想に基づいたデザインとパッケージング、そしてレクサスが長年培ってきた「走り味」を電動パワートレインでいかに表現するかに挑戦した意欲作であり、これからのレクサスブランドの方向性を示すパイロット的な役割を担っています。
RZのデザインは、内燃機関を持たないBEVの特性を最大限に活かし、機能性と美しさを融合させた独自のフォルムを追求しています。レクサスの象徴であったスピンドルグリルは、冷却のための開口部が不要になったことから、ボディと一体化した「スピンドルボディ」へと進化。空力性能の向上と、BEVとしての新たなアイデンティティを表現しています。低重心を強調する流麗なクーペのようなシルエットと、リアエンドのダックテール形状が、スポーティかつ未来的な印象を与えます。
インテリアは、「Tazuna Concept」に基づいてデザインされ、シンプルでありながら広がりと上質さを感じさせる空間が特徴です。BEV専用プラットフォーム(e-TNGA)の恩恵により、フラットなフロアと長いホイールベースが実現され、特に後席の足元空間にゆとりをもたらしています。また、乗員を直接暖めることでエネルギー消費を抑える「輻射ヒーター」をレクサスとして初採用するなど、BEVならではの効率性と快適性を追求した装備も搭載されています。
RZの走りの核心となるのが、電動四輪駆動システム「DIRECT4」です。前後に搭載された高出力モーター「eAxle」のトルクを、走行状況に応じてミリ秒単位で精密に制御。発進加速時、コーナリング時、そして減速時など、あらゆるシーンで四輪の駆動力を最適化し、ドライバーのアクセルやステアリング操作に対して、遅れのないリニアな応答性を実現します。これにより、まるでクルマと対話しているかのような、意のままに操る感覚、そしてBEVならではの静かで力強い加速と高い安定性を両立した、新しい次元のドライビングプレジャーを提供します。
さらに、オプション設定されるステアバイワイヤシステムは、RZの先進性を象徴する技術です。ステアリングホイールとタイヤの間に機械的な接続を持たず、電気信号で操舵を行うこのシステムは、持ち替えの少ないスムーズな操作(ロックトゥロック約±150°)、路面からの不快な振動の遮断、そしてよりダイレクトな操舵応答性など、多くのメリットをもたらします。
搭載されるバッテリーの総電力量は71.4kWh。一充電あたりの走行可能距離(WLTCモード)は、前輪駆動(FWD)モデルで約534km、全輪駆動(AWD)モデルで約494kmと、実用的なレベルを確保しています。急速充電(CHAdeMO規格)にも対応しており、外出先での充電利便性にも配慮されています。
グレードは「version L」が基本となり、駆動方式(FWD/AWD)とステアリングシステム(標準/ステアバイワイヤ)の組み合わせを選択できます。価格帯は約880万円から940万円程度(2025年5月時点、消費税込)です。
レクサスRZは、販売台数という指標ではまだ上位に食い込んでいないものの、レクサスが示す電動化の未来像を具体化した、極めて重要なモデルです。最先端の技術に触れたい、環境への貢献を重視したい、そしてBEVならではの静かでパワフルな、新しいドライビングフィールを体験したいと考えるユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。今後のさらなる技術的進化や、BEVラインナップの拡充に大きな期待が寄せられます。
レクサスSUVの選び方:ライフスタイルに合わせた最適な一台を
2025年の最新ランキングと各モデルの特徴を見てきましたが、数あるレクサスSUVの中から自分にとってベストな一台を選ぶためには、ご自身の状況やニーズを整理することが大切です。
最も重要なのは、ライフスタイルとのマッチングです。家族構成、主な使用用途(通勤、買い物、送迎、レジャー、長距離ドライブなど)、年間の走行距離などを具体的に考えてみましょう。例えば、都市部での利用が中心で、取り回しの良さや個性を重視するなら、ランキングトップのLBXや、コンパクトなUXが有力候補です。家族での使用が多く、週末のレジャーや長距離移動も快適にこなしたいなら、依然として人気の高いNXや、より広々としたRXが適しています。絶対的なステータスやオフロード性能を求めるならLX以外には考えられません。環境性能や最新技術に関心が高いなら、PHEVモデル(NX、RX)やBEVのRZも視野に入ってきます。
次に比較すべきはボディサイズです。レクサスSUVはLBXからLXまで、そのサイズは大きく異なります。全長、全幅、全高といった外寸だけでなく、最小回転半径(小回り性能)、室内空間の広さ(特に後席の居住性や荷室容量)をしっかりと確認しましょう。自宅の駐車場やよく通る道の幅なども考慮に入れる必要があります。カタログ数値だけでは分からない感覚的な部分もあるため、実際に試乗して、運転席からの視界や車両感覚を確かめることが非常に重要です。
パワートレインの選択も、カーライフを左右する重要な要素です。レクサスはガソリン、ハイブリッド(HEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、バッテリーEV(BEV)と、業界でも屈指の多様なパワートレインを用意しています。燃費や環境性能を最優先するならHEV、PHEV、BEVが選択肢となります。特にPHEVは、自宅充電が可能であれば日常の大部分をEVとして走行でき、遠出の際もガソリンを使えるため、現在のインフラ状況では非常にバランスの取れた選択肢と言えます。BEVは走行中の排出ガスがゼロで、静かで力強い加速が魅力ですが、航続距離や充電環境(自宅や外出先)を考慮する必要があります。ガソリン(ターボ)モデルは、ダイレクトなエンジンフィールが楽しめ、一般的に車両価格が電動モデルより抑えられる傾向があります。ご自身の走行パターン、充電環境、予算などを総合的に判断して、最適なパワートレインを選びましょう。
もちろん、予算も無視できない要素です。各モデルには複数のグレードが設定されており、搭載される装備やパワートレインによって価格は大きく変動します。自分にとって必要な装備を見極め、予算とのバランスを考慮してグレードを選定しましょう。新車だけでなく、レクサスが認定する高品質な中古車「CPO(Certified Pre-Owned)」も検討に値します。厳しい基準をクリアした車両が保証付きで提供されるため、安心して選ぶことができます。
最終的には、複数の候補モデルに試乗してみることを強くお勧めします。カタログやウェブサイトの情報だけでは分からない、実際の乗り心地、静粛性、ハンドリング、質感、操作性などを五感で確かめることが、後悔しないクルマ選びの鍵となります。レクサスのディーラーでは、専門知識豊富なスタッフが丁寧に相談に乗ってくれるため、疑問点や不安な点を解消しながら、納得のいく一台を見つけることができるでしょう。
まとめ:多様化するニーズに応え、進化を続けるレクサスSUV
2025年の最新販売データに基づくランキングは、レクサスSUVラインナップのダイナミズムと、変化する市場ニーズへの対応力を示しています。新星LBXの躍進は、従来のヒエラルキーにとらわれない新しい価値観が支持されていることを表し、一方でNXやRXといった中核モデルが依然として高い人気を維持していることは、レクサスブランドへの揺るぎない信頼と、各モデルの完成度の高さを証明しています。
都市型コンパクトからラグジュアリーフラッグシップまで、そして多彩な電動化モデルを含む幅広いラインナップは、レクサスが多様化する顧客のライフスタイルや価値観に真摯に向き合っている証拠です。どのモデルを選んだとしても、そこにはレクサスならではの卓越した品質、静粛性、快適性、そして所有する喜びが約束されています。
今後もレクサスは、電動化を軸とした技術革新を続け、さらに魅力的なSUVを市場に投入してくることが期待されます。本記事でご紹介した情報や選び方のポイントを参考に、ぜひご自身にとって最高のパートナーとなるレクサスSUVを見つけてください。そして、実際にレクサスディーラーを訪れ、その世界観と「おもてなし」を体験してみてはいかがでしょうか。