トヨタの4代目新型「アルファード」Zグレード(2WD)のハイブリッドモデルを購入した筆者が、500km走行時点での感想をまとめました。高級ミニバンとしての地位を確固たるものにしたアルファードですが、今回のフルモデルチェンジで一体何が変わったのか、オーナー目線で詳しくレビューしていきます。多くの人が「ハイブリッド」モデルに求めるのは、やはり実際の燃費ではないでしょうか。そこで、500kmを走行した結果、実燃費についても詳しくお伝えします。
4代目新型「アルファード」ハイブリッドモデル 実燃費は?
実際に500kmを走行したところ、高速道路を約30%、一般道を約70%の割合で利用しました。ハイブリッド車は、発進や加速に気を配ったり、ハイブリッド特有の運転方法を意識することで燃費を向上させることができます。しかし、今回は特に工夫せず、普段通りの運転をしました。
500km 走行時の実燃費は11.1km/L
その結果、実燃費は11.1km/Lとなりました。カタログ上の燃費はWLTCモードで17.5km/L(2WD)ですので、6.4km/Lの差があると言えます。ただし、真夏の35度以上の気温の中でエアコンを使用していたことも考慮すると、この結果は仕方がないのかもしれません。これから冬に向けて燃費が改善されることを期待しています。
ちなみに、筆者は以前、4代目「プリウス」2WDの前期モデルにも乗っていました。そのときの実燃費は23.0km/Lで、カタログ値のJC08モード燃費が37.2km/Lだったため、やはり差があり少しがっかりした記憶があります。(運転方法によっても燃費に差が出ることは確かです。)
ハイブリッド車とガソリン車のガソリン代 比較
- ガソリン車(2WD)の燃費はWLCTモード燃費:10.6km/L(8.0km/L)
- ハイブリッド車(2WD)の燃費はWLCTモード燃費:17.5km/L(13.5km/L)で計算。
ガソリン価格 1L 170円の場合に1万キロ走った計算
- ガソリンモデル 10,000km=212,500円
- ハイブリッド車 10,000km=125,926円
トヨタ 新型 アルファード 価格は?
ガソリン車 Z 2WDが5,400,000円でハイブリッドZ 2WD 6,200,000円なので差が800,000円となります。10,000km走って86,574円しか差がでないので100,000km走っても865,740円となり本体代がペイできるような状態です。コストだけを考えるならガソリン車 Zをおすすめします。
グレード | エンジン | 駆動方式 | 価格(10%) |
---|---|---|---|
Z | 2.5 L 直列4気筒 エンジン +Super CVT-i | 2WD | 5,400,000円 |
Z | 2.5 L 直列4気筒 エンジン +Super CVT-i | 4WD | 5,598,000円 |
Z | 2.5 L 直列4気筒 直噴エンジン +モーターTHSⅡ (ハイブリッド) | 2WD | 6,200,000円 |
Z | 2.5 L 直列4気筒 直噴エンジン +モーターTHSⅡ (ハイブリッド) | 4WD | 6,420,000円 |
Executive Lounge | 2.5 L 直列4気筒 直噴エンジン +モーターTHSⅡ (ハイブリッド) | 2WD | 8,500,000円 |
Executive Lounge | 2.5 L 直列4気筒 直噴エンジン +モーターTHSⅡ (ハイブリッド) | 4WD | 8,720,000円 |
トヨタ 新型 アルファード 40系 購入後 感想とレビュー
まず、4代目アルファードに乗った感想を率直に述べると、第2世代の「TNGAプラットフォーム」の恩恵で、先代モデルと比べて直進安定性とハンドリングが格段に向上していると感じました。特に「低重心化」と「ボディ剛性」の向上が明確で、運転してすぐにその違いが分かります。そして、最も驚いたのは「レーダークルーズコントロール」の精度の高さです。現行の「ハリアー」と比較しても、さらに高い精度を誇ります。特に車線の認識能力、割り込み車両の把握、そしてカーブでの自動減速機能が非常に優秀です。先代の30系後期モデルも当時としては十分に先進的でしたが、今回の進化は目覚ましく感じられました。
2.5Lのハイブリッド車に乗った印象としては、モーター駆動による静かな走行が際立ち、室内に伝わる雑音がほとんど感じられない点が素晴らしいです。さらに、視界の良さやインテリアのデザイン、ソフトパッドを多用した質感の高さも大きな魅力です。
洗練されたエクステリア
新型アルファードのデザインは、先代よりもさらに洗練された印象を受けます。特にフロントマスクは、大型グリルとシャープなヘッドライトが組み合わさり、存在感を増しています。
実際に新型アルファードを見た感想としては、「高級感が際立っていて、間違いなく良い」と感じました。特に、先代の30系後期アルファードのデザインをうまく引き継ぎつつ、フロント部分のヘッドライトやグリルのデザインはさらに細かく洗練されており、実物は写真以上の迫力があります。
ただし、残念に感じた点もあります。購入した「Z」グレードには225/60Rの18インチタイヤとアルミホイールが採用されていますが、ホイールのデザインが非常にシンプルで、700万円以上する車にふさわしい豪華さが感じられません。この点は非常に残念で、将来的には上級グレード「Executive Lounge」のオプションである19インチアルミホイールに変更を検討しています。
LEDシーケンシャルターンランプ(流れるウインカー)
3代目アルファードで採用されていた「LEDシーケンシャルターンランプ(流れるウインカー)」は、4代目モデルでも引き続き採用されています。レクサス「LS」「NX」「RX」やトヨタ「ハリアー」「クラウン」など、他の高級車にも多く採用されているこの機能は、新型「アルファード」や「ヴェルファイア」にも取り入れられ、より明るいLEDが使用されています。特に新型では、フロントバンパー両サイド下が黄色く光ることでウインカーとして機能するデザインが特徴的です。
このデザインには賛否両論があるかもしれませんが、筆者としては非常に高級感があると感じました。トヨタの今後の高級車にも、このようなLEDウィンカーがますます採用されることでしょう。
一方で、「LEDシーケンシャルターンランプ(流れるウインカー)」が廃止された車種もあります。「ハリアー」や「クラウン」ではこの機能がなくなりましたが、新たに「ランドクルーザー300」や今回の「アルファード」「ヴェルファイア」に採用されることとなり、これからのトヨタのフラッグシップモデルにはこの技術が引き続き採用されると予想されます。
インテリアは今のトヨタが詰まってる 「14インチディスプレイオーディオ」&メーター「12.3インチ大型フル液晶デジタルメーター」
新型アルファードには、新しいステアリングホイールが採用されており、新型「プリウス」や「クラウン」との共通化が図られています。また、最新デザインのシフトノブも採用されており、ドライバーにとって洗練された操作感を提供しています。電動パーキングブレーキとホールドボタンの位置は非常に押しやすく設計されており、ドライビング中に快適に操作できるのが特徴です。さらに、ドリンクホルダーや置くだけ充電の位置も、使い勝手の良さが考慮され、利便性が向上しています。
インテリアにおいても、最新のテクノロジーがふんだんに取り入れられています。12.3インチの大型フル液晶デジタルメーターは視認性が良く、必要な情報を直感的に確認できるようになっています。また、これまでレクサス「RX」や「NX」にのみ採用されていた14インチディスプレイオーディオが装備され、エンターテインメント体験が向上。上級グレードの「Executive Lounge」には、T-Connect SDナビゲーションシステムに加え、「JBLプレミアムサウンドシステム(15スピーカー)」が搭載され、車内での音響体験も一流のものとなっています。さらに、リヤシートには13.2インチディスプレイを備えたエンターテインメントシステム(オプション)が用意されており、後部座席の乗員も快適に過ごせる環境が整えられています。
特に、2列目は静粛性と乗り心地が格段に向上しています。エンジン音やロードノイズが大幅に低減され、車内は驚くほど静かです。
また、サスペンションの改良により、路面からの衝撃を効果的に吸収し、フラットな乗り心地を実現しています。長距離ドライブでも疲れを感じさせない、快適な移動空間を提供してくれます。
先代よりも室内空間が広く スーパーロングオーバーヘッドコンソールを採用
新型アルファードの後席には、「スーパーロングオーバーヘッドコンソール」や「ツイン調光パノラマルーフ」が採用され、開放感と高級感が一層引き立っています。また、先代モデル同様、「LEDルーフカラーイルミネーション」も搭載されており、車内の雰囲気を一段と華やかに演出します。
最上級グレードである「Executive Lounge」の後席は、さらに豪華な仕様となっており、「シートリクライニング」や「リラクゼーション」機能、そしてオットマンとアームレストに「ヒートシーター」が装備されています。これにより、後席に座る人がまるで高級ホテルのラウンジにいるかのような快適な時間を過ごせるよう配慮されています。さらに、テレビなどの快適装備を直感的に操作できる「集中コントロールタッチパネル」が2つ備わっており、利便性が向上しています。
2列目 3列目は素晴らしかった
新型アルファードの2列目シートも非常に快適です。2列目の通路幅が広くなり、3列目への移動がよりスムーズに行えるようになりました。さらに、3列目シートは先代モデルよりも後方にスライドできるため、広々としたスペースを感じられるようになっています。特に、バックドアを開けた際に3列目シートが後ろに大きく下がって見える点は、荷物の積み込みや乗車時の利便性を向上させています。
インテリア 前席の感想
新型アルファードのインテリアは、先代の30系後期モデル同様に、高級車としての質感がしっかりと感じられるものでした。特に前席には、12.3インチの大型フル液晶デジタルメーターと14インチのディスプレイオーディオ、T-Connect SDナビゲーションシステムが搭載されており、レクサスに匹敵する、あるいはそれ以上の洗練された印象を受けました。
しかし、1点注意すべき点があります。それは、新型アルファードの助手席にはオットマンが不採用となっていることです。30系のSCパッケージなどではオットマンが採用されていたため、助手席に座る方、特に奥様が多く利用する場合には、その違いに気をつける必要があります。実際、筆者も購入時にその点を見落としてしまい、奥様が気づかないことを願っているところです。
インテリア 後席の感想
新型アルファード(40系前期)の「Z」グレードの後席は、先代アルファード(30系後期)の「SCパッケージ」とほぼ同じシート形状が採用されており、座った印象も良い意味で共通していて非常に快適でした。この一貫性は、アルファードの高級感と快適さを維持しつつ、熟成されたデザインが反映されています。
後席には、「スーパーロングオーバーヘッドコンソール」や「ツイン調光パノラマルーフ」が採用され、広々とした空間と高級感を演出しています。また、「LEDルーフカラーイルミネーション」も先代同様に採用されていますが、新型モデルではより控えめな印象を受けました。イルミネーションのデザインが落ち着いたトーンになり、全体的に大人びた雰囲気を感じさせる仕様となっています。
新型「アルファード」は最新の安全技術のいくつかはオプションなので選択漏れがないように注意が必要
特に新型アルファードの「Z」グレードは、人気の高いモデルですが、標準装備ではないオプションが多いため、以下のポイントに注意してオプション選びをすることをお勧めします。
トヨタチームメイト アドバンスト パーク+パーキングブレーキサポート
「Executive Lounge」「Z Premier」は標準装備。新型「アルファード」は「次世代Toyota Safety Sense 」を全車標準搭載する。これだけでも多くの機能を備えており素晴らしいのだが、せっかく安全装備が充実しているのに(Zはメーカーオプション)これは絶対に付けた方がいいです。
アドバンスト パーク
駐車したいスペースの横に停車後、アドバンスト パークスイッチを押して駐車位置を確認。その後、開始スイッチを押すと、周囲を監視しながら、ステアリング・アクセル・ブレーキ操作をアシストして駐車を完了させます(シフト操作は手動)。
アドバンスト パーク (リモート機能付) ハイブリッド車
ハイブリッド車限定で車外から専用スマートフォンアプリを操作することで、遠隔操作で駐車・出庫ができます。これがやりたい人は間違えなくハイブリッド車の選択となります。更に、このオプションを選択していない場合には、ストレス式シフトレバーになります。オプションを選択している場合はエレクトロシフトマチックが採用されます。見た目に違いが出ますね。
デジタルインナーミラー
「Executive Lounge」は標準装備。「Z Premier」「Z」「G」はメーカーオプション。後部座席に多く人を乗せる人や、荷室に荷物を多く乗せる人は「デジタルインナーミラー」を付けることをおすすめします。
ユニバーサルステップ(両側)
「Executive Lounge」「Z Premier」「Z」「G」は全グレードメーカーオプション。後部座席に高齢者を乗せる人や小さな子供を乗せる人には付けることをおすすめします。
2歳の子供も低い手すりを使ってユニバーサルステップを使うことで自分で乗車することができます。
後席用パワーサイドサンシェード
ムーンルーフのシェードは、空を観たい・日差しを遮りたいといったお客様ごとの希望を同時に叶えられるよう左右独立タイプを採用。またサイドサンシェードはトヨタ自動車初となる下降タイプを採用。
編集部から一言
新型アルファードは、内外装のデザイン、快適性、安全性能、走行性能など、あらゆる面で進化を遂げています。高級ミニバンとしての地位をさらに高め、新たな基準を確立したと言えるでしょう。
購入して500kmを乗った感想としては「Z」グレードでとてもよかったです。「Executive Lounge」にしようか最後まで悩みましたが、「Z」グレードで十分だと改めて思いました。「Executive Lounge」を選択すれば不満にならない点も多いのですが、どうしても価格的に手を出せない人が多くいるはずです、しかし、オプションも多数あるため、購入時にうっかり選択しそびれて後々後悔をしないためにも予習をしてから商談にのぞんでもらいたいです。筆者は新型「アルファード」グレード「Z」でオプションは後悔が無いようにほぼフルで付けています。
家族や友人との旅行、ビジネスシーンでの移動など、様々な場面で活躍してくれます。サイズの問題、価格の問題をクリアできる人は是非購入をおすすめする1台です!