トヨタは、新型クラウンシリーズの第4弾として、新型の「クラウンエステート」を2024年7月に発売する予定です。最初は2023年末に発売される予定でしたが、その後、2024年3月に延期され、さらに7月に延期されました。2007年に販売が終了してから、17年ぶりに同じ名前でSUVモデルとして蘇る新型「クラウンエステート」は、一体どんなモデルになるのか、詳しく解説します。
約2年前の2022年9月1日には、SUVクーペスタイルの「クラウン(クロスオーバー)」を新たな挑戦として発売しました。海外でも販売を拡大し、グローバルモデルとして、「新世代クラウンシリーズ」として、4つのボディタイプ、「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」を展開しています。
新型クラウンエステートについて
新型クラウンエステートのフロント部分には、特徴的なデイライト付きヘッドライトが採用されます。クラウンのエンブレムは従来通り継続採用されます。リアはLEDリアコンビネーションランプが採用され、横一文字に伸びる、薄くシャープなデザインとなります。
ボディカラーには現代風のツートン・カラーが採用されます。伝統的なSUVスタイルが備わります。また、アルミホイールには21インチが採用されます。
駆動方式は4WDが採用され、ハイブリッドシステムまたはプラグインハイブリッドシステムが搭載されます。プラットフォームには、TNGAに基づく新しい開発プラットフォームが採用されます。乗車定員は5名です。
インテリアは共通化され、どの車種に乗っても「クラウンだね!」と思わせるデザインです。ディスプレイオーディオを一体化させたインパネデザインを採用し、メーターには「12.3インチ大型フル液晶デジタルメーター」が採用されています。ナビゲーションシステムは「コネクティッドナビ」になっており、さらに「デジタルインナーミラー」や、トヨタ初の「ドライブレコーダー(前後方)」が採用されています。ディスプレイオーディオのオプションとしては、「車内Wi-Fi」が設定されています。
先代モデルよりも機能を強化した次世代の「Toyota Safety Sense」を採用します。右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知対象となります。また、高度な運転支援技術である「Toyota Teammate」も採用し、トヨタ自動車独自の自動運転の考え方である「Mobility Teammate Concept」に基づいて開発されました。この最新の運転支援技術は、MIRAIにも採用されています。さらに、ディープラーニングを中心としたAI技術も取り入れられています。
「カローラ」「カローラツーリング」「カローラスポーツ」「カローラクロス」のラインナップにより、カローラの人気が急速に高まっています。それに加えて、価格に対して満足感があり、見た目も良くなったことから、カローラに対する好印象が強くなっています。同様に、「クラウン」ブランドも復活を狙った新しいモデルとして、これまでにない進化を遂げています。
グローバルモデルとして新たに「新世代クラウンシリーズ」として展開。
「新開発 TNGAプラットフォーム」を採用。
メーターには「12.3インチ大型フル液晶デジタルメーター」を採用。
最新の「Toyota Safety Sense」を採用。
▼詳しくはこちらの記事にまとめましたので参考にしてみて下さい。
クラウンエステートを皆さん覚えていますか?
初代のクラウンエステートは、11代目クラウン(S170系)をベースにしており、車体をワゴン化したモデルです。1999年12月15日に発表され、クラウンステーションワゴンの12年ぶりのフルモデルチェンジとして「クラウンエステート」として発売されました。しかし、2007年6月30日に販売が終了し、その後ワゴンタイプのクラウンは発売されていませんでした。そして、2024年には17年ぶりの待望の2代目「クラウンエステート」が発売されることになります。
新型 クラウンエステート エクステリアについて
フロント部分では、独特なデイライト付きヘッドライトが採用されます。そして、「クラウン」のエンブレムは従来通り継続して採用されます。リアには、横一文字に伸びる薄くシャープなLEDリアコンビネーションランプが採用されます。また、ボディカラーには現代風のツートン・カラーが採用されます。
エクステリアデザインは新鮮さがある
これまでの伝統的なセダンとは一線を画し、クロスオーバーSUVスタイルを取り入れました。見た目は、洗練されたデザインで、率直な感想としては、かっこいいと思えるものでした。ハンマーヘッド形状が力強さを演出し、流行のフロント部分にはコの字型のデイライトが採用されています。また、「クラウン」のエンブレムは従来通り継続採用されます。リアには、横一文字に伸びる、薄くシャープなLEDリアコンビネーションランプが採用され、特に印象的な21インチのアルミホイールも目を引きます。トレンドを取り入れた印象的なデザインです。本格的なSUVスタイルが備わっています。
トヨタ 新型 「クラウンエステート」のボディサイズは?
- ボディサイズは全長4,930mm×全幅1,880mm×全高1,620mm、ホイールベースは2,850mm
新型「クラウンエステート」のボディサイズは全長4,930mm×全幅1,880mm×全高1,620mm、ホイールベースは2,850mmです。クラウンスポーツに比べて+220mm長くなっています。全幅は1,880mmとなっており、クラウンスポーツに比べて+95mmも広がりました。更に、ホイールベースで+60mm広くなった。この結果、より安定感のある走行が可能となり、また、車内の広々とした空間が実現しました。
「クラウンエステート」は、「クラウン」シリーズの中で最もラゲッジスペースが広いです。荷室に多くの荷物を積む方にとっては、「クラウンエステート」が一番の選択肢となるでしょう!このモデルの最大の魅力は、荷室の広さにあります。後部座席を倒せば、フラットな床面が確保され、マットレスなどを敷くことで車内泊が可能です。
「クラウン」シリーズ ボディサイズ・仕様 比較
スペック | クロスオーバー | スポーツ | セダン | エステート |
---|---|---|---|---|
全長 | 4,930mm | 4,710mm | 5,030mm | 4,930mm |
全幅 | 1,840mm | 1,880mm | 1,890mm | 1,880mm |
全高 | 1,540mm | 1,560mm | 1,470mm | 1,620mm |
ホイール ベース | 2,850mm | 2,770mm | 3,000mm | 2,850mm |
定員 | 5名 | 5名 | 5名 | 5名 |
タイヤ サイズ | 19インチ 21インチ | 21インチ | 19インチ 20インチ | 21インチ |
パワー トレーン | HEV(4WD) | HEV(4WD) PHEV(4WD) | HEV(FR) FCEV(FR) | HEV(4WD) PHEV(4WD) |
「クラウンエステート」と「クラウンスポーツ」エクステリア ボディサイズ比較
スペック | クラウンエステート | クラウンスポーツ | クラウンスポーツ 比較 |
---|---|---|---|
全長 | 4,930mm | 4,720mm | +210mm |
全幅 | 1,880mm | 1,880mm | +0mm |
全高 | 1,620mm | 1,565mm 1,570mm | +55mm |
ホイールベース | 2,850mm | 2,770mm | +80mm |
乗車定員 | 5名 | 5名 | 同じ |
新型「クラウンエステート」と歴代「クラウン」のサイズ比較
国内ではボディサイズが大きくなったことで、狭い道での運転や、駐車スペースの確保は更に気を遣う必要がありそうです。歴代「クラウン」のボディサイズを比較してみたが、歴代の中でも特に大きいことがわかります。
車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイール ベース |
---|---|---|---|---|
7代目 クラウン | 4,860mm | 1,720mm | 1,420mm | 2,720mm |
8代目 クラウン | 4,860mm | 1,745mm | 1,400mm | 2,730mm |
9代目 クラウン | 4,800mm | 1,750mm | 1,440mm | 2,730mm |
10代目 クラウン | 4,820mm | 1,760mm | 1,450mm | 2,780mm |
11代目 クラウン | 4,820mm | 1,765mm | 1,445mm 1,470mm | 2,780mm |
12代目 クラウン | 4,840mm | 1,780mm | 1,470mm 1,485mm | 2,850mm |
13代目 クラウン | 4,870mm | 1,795mm | 1,470mm 1,485mm | 2,850mm |
14代目 クラウン | 4,895mm | 1,800mm | 1,450mm 1,460mm | 2,850mm |
15代目 クラウン | 4,910mm | 1,800mm | 1,455mm 1,465mm | 2,920mm |
16代目 クラウンクロスオーバー | 4,930mm | 1,840mm | 1,540mm | 2,850mm |
16代目 クラウンスポーツ | 4,720mm | 1,880mm | 1,565mm | 2,770mm |
16代目 クラウンエステート | 4,930mm | 1,880mm | 1,620mm | 2,850mm |
16代目 クラウンセダン | 5,030mm | 1,890mm | 1,470mm | 3,000mm |
新型「クラウンエステート」は機械式駐車場は注意が必要
マンションやパーキングエリアの駐車場で機械式駐車場を選択する場合に注意が必要な車種は車幅1850mm以上の場合だ。パレット幅の問題が1番である。現在、日本で最も多い機械式駐車場のタイヤ外幅1850~1900mm以下が多くこのパレットに収まらないケースが多い。パレットとは機械式駐車場で車を実際に乗せる台のような部分です。
車幅が制限内におさまっていてもパレッド幅が小さいと駐車することができない。更にギリギリすぎるとタイヤやホイールを傷を付ける可能性があります。筆者の友人でも新車を購入してパレッドに乗らないために今まで使っていた駐車場が使えなくなって困っている人を何人か見かけます。
新型 クラウンスポーツ ボディカラーについて
モノトーンとなる単色を5色ラインナップ。ブラックまたはシルバールーフのツートンカラーを5色ラインナップ。
単色 5色
ツートンカラー 5色
新型 クラウンエステート インテリアについて
インパネデザインはディスプレイオーディオを一体化させ、メーターには12.3インチの大型フル液晶デジタルメーターが採用されています。ナビゲーションシステムは「コネクティッドナビ」が搭載され、また、トヨタ初の「デジタルインナーミラー」と「ドライブレコーダー(前後方)」も採用されています。さらに、ディスプレイオーディオのオプションとして「車内Wi-Fi」も設定されています。
インテリアは最新装備充実
クロスオーバーとエステートの内装を並べて比較すると、共通化によってデザインは全く同じと言ってもいいでしょう。しかし、カラーリングの部品には違いがあり、「クラウンエステート」ではアシンメトリーカラーリングが採用されています。これにより、印象が変わることがわかります。
「センターコンソール」と「サイドパネル」が一体感のあるデザインとなっており、その質感の高さが伝わってきます。また、インテリアカラーは落ち着いたブラウン系の色合いで、落ち着いた印象を与えています。エステートのコンセプトが“アクティブキャビン”であることから、後部座席は大きな荷物を運べるスペースとして設計されており、これぞクラウンエステートという質感の高さを感じさせる空間となっています。
「ディスプレイオーディオ」からメーターの「12.3インチ大型フル液晶デジタルメーター」までの視界の良さは、非常に印象的でした。高級感よりも新鮮さを感じさせるポイントとして際立っています。また、ナビゲーションシステムが「コネクティッドナビ」として採用されており、これからの進化に期待が高まります。
電動パーキングブレーキ&ホールドボタンの位置は非常に押しやすく、また、ドリンクフォルダーと置くだけ充電の位置も使い勝手の良い場所に設置されていると感じました。
新型 クラウンエステート 安全技術について
次世代の「Toyota Safety Sense」は、先代モデルよりも機能を高めています。右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知対象となり、安全性を向上させています。また、「Toyota Teammate」と呼ばれる高度運転支援技術も導入されており、トヨタ自動車独自の自動運転の考え方である「Mobility Teammate Concept」に基づいて開発されています。最新のAI技術を活用し、ディープラーニングを中心とした技術を取り入れることで、運転中に発生しうる様々な状況を予測し、適切に対応する支援が可能となっています。「Advanced Park」などの機能も採用され、利便性も向上しています。
新型 クラウンエステート エンジンについて
スポーツという名にふさわしく、新開発のバイポーラ型ニッケル水素電池を採用しています。さらに、新たに開発された「2.4L直噴ターボエンジン+ハイブリッドシステム」「eAxle」も導入されています。電動化技術を活用した四輪駆動力システム「DIRECT4」も採用されています。また、2.5Lエンジン+モーターのハイブリッドモデルもラインナップされています。
燃費性能はクラストップ 最新ハイブリッドシステムを採用
エンジンのラインナップは、HEV(4WD)とPHEV(4WD)を公式に採用すると発表されていますが、クラウンスポーツで採用された「新型2.4ターボハイブリッド」と、RAV4PHVやハリアーPHVに採用されている「2.5Lエンジン+プラグインハイブリッドシステム」が採用される可能性が高いです。どちらもスポーティな走りと低燃費を両立させ、クラウンスポーツにふさわしいパフォーマンスを提供します。
一方、エステートには大きな荷物を運べるように、新開発のバイポーラ型ニッケル水素電池が組み合わせられる予定です。また、「2.4L直噴ターボエンジン+ハイブリッドシステム」「eAxle」や電動化技術を活用した四輪駆動力システム「DIRECT4」が採用され、さらに2.5Lエンジン+モーターのプラグインハイブリッドモデルもラインナップする予定です。
2.4 ターボ ハイブリット モデル 予想
スペック | 新型クラウンエステート 2.4 ターボ ハイブリッド |
---|---|
全長 | 4,930mm |
全幅 | 1,880mm |
全高 | 1,620mm |
ホイールベース | 2,850mm |
エンジン | 直列4気筒 2.4L 直噴ターボエンジン +モーター |
最高出力 | 200kW(272ps)/ 6,000rpm |
最大トルク | 460Nm(46.9kgm)/ 2,000-3,000rpm |
フロントモーター 最大出力 | 61kw(82.9ps) |
フロントモーター 最大トルク | 292Nm(29.8kgm) |
リアモーター 最大出力 | 59kW(80.2ps) |
リアモーター 最大トルク | 169Nm(17.2kgm) |
トランスミッション | Direct Shift-6AT |
バッテリー | ニッケル水素電池 5Ah |
駆動方式 | 4WD (E-Four Advanced) |
乗車定員 | 5名 |
車両重量 | -kg |
WLTCモード燃費 | 15.7km/L |
PHEVモデル 予想
スペック | 新型クラウンエステート PHEV |
---|---|
全長 | 4,930mm |
全幅 | 1,880mm |
全高 | 1,620mm |
ホイールベース | 2,850mm |
エンジン | 直列4気筒 2.5L 直噴エンジンD-4S +モーター(THSⅡ) |
最高出力 | 130kW(177ps)/ 6,000rpm |
最大トルク | 219Nm(22.3kgfm)/ 3,600rpm |
フロントモーター 最大出力 | 134kW(182ps) |
フロントモーター 最大トルク | 270Nm(27.5kgfm) |
リアモーター 最大出力 | 40kW(54ps) |
リアモーター 最大トルク | 121Nm(12.3kgfm) |
システム出力 | E-Four:225kW(306ps) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
バッテリー | リチウムイオン バッテリー 18.1kWh |
駆動方式 | 4WD (E-Four) |
乗車定員 | 5名 |
車両重量 | -kg |
WLTCモード燃費 | 20.5㎞/L |
EV航続距離 | 93km/L |
価格 | -円 |
最後に編集部から一言
実車は、展示車両ではLEDデイライトとLEDリアコンビネーションライトが点灯しており、とてもカッコよかったです。特に、ハンマーヘッド形状による力強さと流行のフロント部分は、コの字型のデイライトが採用されています。このデイライトはシリーズの中でも大人っぽさとさりげない感じがあります。
「クラウン」シリーズでは、SNS上では「クラウンスポーツ」が最もかっこいいと言う声が多いですが、筆者は「クラウンエステート」が最もかっこよくて、実用的であり、SUVらしさも兼ね備えた現代版の「クラウンエステート」だと感じています。車両のサイズは全長4,930mm×全幅1,880mm×全高1,620mmで、ホイールベースは2,850mmと公表されていますが、確かに大きさを感じますね。タイヤにはミシュランの「PRIMACY」235/45R21を装着した21インチ専用アルミホイールが採用されています。
リアは、薄くシャープなリアコンビネーションランプが横一文字に伸びるデザインで、「LEDリアコンビネーションランプ」が採用されています。また、特に印象的なのが21インチのアルミホイールです。これはトレンドを取り入れているなという印象を受けますね。
全幅1,880mmというサイズは、世界的に見ればそこまで大きくはありませんが、日本国内では駐車スペースの制限がありますので、購入を考える際にはよく検討してからの方が良いでしょう。
まとめ
セダンスタイルは昔の人に比べて古臭い印象があり、新たな世代を取り込むためには「クロスオーバーSUV」スタイルの採用が重要です。この変更により、高級感とモダンなデザインの印象を与え、40代や30代の人々にもアピールできるでしょう。15代目を飛ばして16代目として全てのボディを「クラウン」車種とすることで、顧客のニーズに応えながらも、トヨタブランドとして「クラウン」を残していこうという意思と挑戦の姿勢が感じられます。特に、今回の「クラウンエステート」が最も魅力的に映るため、市場の注目度も高いと考えられます。購入を検討する方は、発売日が近づいたら早めにディーラーで注文を受け付けるべきです。また、全幅1,880mmというサイズは世界的に見るとそこまで大きくはありませんが、日本国内では駐車に制限があるため、購入前に慎重に検討することが重要です。
トヨタ クラウン