スズキのインド法人「マルチ・スズキ・インディア」は、新型クロスオーバーSUV「FRONX(フロンクス)」を2023年4月24日にインドで発売しました。そして、2024年9月頃にに日本モデルの「フロンクス」が発売される予定です。そこで今回は、同じセグメントのトヨタの人気車種「ヤリスクロス」とのスペック比較を行ってみました。
スズキ 新型「フロンクス」について
スズキ最新のエクステリアデザインを採用
最新安全装備を装備
インテリアは最新のインフォテインメントシステムを装備
スズキ「フロンクス」は、最新の「Heartect プラットフォーム」を採用しています。全長3,995mm、全幅1,765mm、全高1,550mm、ホイールベースは2,520mmです。同じホイールベースのスズキ「バレーノ」よりも、全長で5mm、全幅で20mm、全高で50mm大きくなっています。
フロントエンドは、「グランドビターラ」に似ており、スプリットヘッドライト、クロームインサート付きのグリル、アルミニウムスタイルのスキッドプレートを備えています。さらに、17インチアルミホイール、際立ったフェンダーとリアショルダー、スポーティなプロファイルが特徴です。後部では、ルーフスポイラーで覆われた傾斜したリアガラスがクーペSUVトレンドへのスズキの初挑戦を示しています。このモデルには、全幅のLEDテールライトと、ディフューザーを兼ねた大きなアルミニウムスタイルのスキッドプレートが装備されています。
インテリアは、スズキ「バレーノ」に似たデュアルトーンのダッシュボードが特徴ですが、鍛造金属のようなマット仕上げと高光沢シルバーのインサートにより、少し高級感があります。インフォテインメント用の9インチタッチスクリーンは、ワイヤレスの「Apple CarPlay」および「Android Auto」と互換性があります。その他の機能として、ヘッドアップディスプレイ、360度カメラ、ワイヤレス充電パッド、Arkamysのオーディオシステム、後部座席のエアコン吹き出し口、6つのエアバッグ、一連のコネクテッドカー機能が含まれます。
スズキ 新型 フロンクス 日本モデル 新たなコンパクトクロスオーバーSUV 2024年9月発売
トヨタ 新型「ヤリスクロス」について
新型ヤリスをベースとし、TNGA(Toyota New Global Architecture)と呼ばれる新開発の「GA-Bプラットフォーム」を採用しています。専用のエクステリアデザインが特徴で、全長4,180mm、全幅1,765mm、全高1,590mm、ホイールベース2,550mmの3ナンバーサイズのSUVとなりました。専用の18インチアルミホイールも採用されています。
ヤリスと比較すると、全長は240mm、全幅は70mm、全高は90mmそれぞれ大きくなっています。また、最低地上高は30mm高くなっています。
エンジンには、新世代「直列3気筒 1.5L 直噴 ダイナミックフォースエンジン M15A型」モデルの新しく小型化されたTHSⅡを採用しています。E-Four(4WD)モデルもあり、4WD専用のリアサスペンションは新開発のダブルウィッシュボーン式です。ガソリン車も同じエンジンを使用し、発進用ギヤ付きの「Direct Shift-CVT」を採用しています。
さらに、先進の予防安全技術である第2世代「Toyota Safety Sense」も搭載されています。
新型 ヤリスクロス 一部改良 2024年1月17日発売 センターコンソールなど変更点や違いについて
スズキ「FRONX(フロンクス)」VSトヨタ「ヤリスクロス」ボディサイズ比較
ボディサイズはスズキの「フロンクス」の方が小さく、全長が185mm短く、全幅は同じ、全高が40mm低く、ホイールベースが130mm短くなっています。全長に大きな違いがあり、全高も低くなっている点が特徴です。
スペック | フロンクス | ヤリスクロス | 差 |
---|---|---|---|
全長 | 3,995mm | 4,180mm | -185mm |
全幅 | 1,765mm | 1,765mm | ±0mm |
全高 | 1,550mm | 1,590mm | -40mm |
ホイールベース | 2,520mm | 2,650mm | -130mm |
最小回転半径 | 4.9~5.0m | 5.3m | -0.3m |
個人的には、全長が4,000mm以下で車幅が1,765mmという日本車では珍しいサイズ感が非常に魅力的に感じます。理由としては、全幅が1,695mm以上ある方がかっこよく見えること、さらに全長が4,000mm以下の車は取り回しがしやすく、最小回転半径も4.9~5.0mであるため、走行上の問題は少ないはずです。もちろん、5ナンバーサイズに収まらない全幅であるため、日本で受け入れられるかは注目点です。以前に比べて車幅への意識は減っている傾向があり、プリウスやヤリスクロスなどの人気車種も5ナンバーサイズに収まらない全幅を持っています。
スズキ「FRONX(フロンクス)」VSトヨタ「ヤリスクロス」エンジン 比較
ガソリンエンジン 比較
スペック | フロンクス | ヤリスクロス |
---|---|---|
エンジン | 1.2L 直列4気筒 デュアルジェット エンジン | 直3 1.5L+モーター M15A-FXE型 |
最高出力 | 66kW(90ps) | 88kW(120ps)/ 6,600rpm |
最大トルク | 113Nm(11.5kgm) | 145Nm(14.8kgm)/ 4,800rpm~5,200rpm |
トランス ミッション | 6AT | CVT |
駆動方式 | 2WD (FF) | 2WD (FF) |
WLTCモード 燃費 | -km/L | 19.4~18.3km/L(2WD) 17.1~18.4km/L(4WD) |
価格 | -円 | 1,907,000円~2,571,000円 |
ハイブリッド エンジン 比較
スペック | フロンクス | ヤリスクロス |
---|---|---|
エンジン | 1.0L直噴ターボ (マイルド ハイブリッド) | 直3 1.5L+モーター M15A-FXE型 |
最高出力 | 74kW(100ps) | 67kW(91ps)/ 5,500rpm |
最大トルク | 148Nm(15.1kgm) | 120Nm(12.2kgfm)/ 3,800-4,800rpm |
モーター 最高出力 | 2.3kw(3.1ps)/ 1,000rpm | フロント:59kW(80ps) リヤ:3.9kW(5.3ps) |
モーター 最大トルク | 50Nm(5.1kgm)/ 100rpm | フロント:141Nm(14.4kgm) リア:52Nm(5.3kgm) |
トランス ミッション | 6AT | 電気式 無段階変速機 |
駆動方式 | 2WD (FF) | 2WD/4WD (E-Four) |
WLTCモード 燃費 | 約18km/L | 33.0~32.4km/L(2WD) 27.2km/L(4WD) |
価格 | -円 | 2,295,000円~3,156,000円 |
スズキ フロンクス の ポイント
フロンクスは、スタート価格が安い可能性があります。インドでは、ガソリン車の価格が746,500インドルピー(約134万円)から、ハイブリッド車は972,500インドルピー(約174万円)から設定されています。ボディサイズやデザインに対して割安に感じます。しかし、日本モデルとなるため、装備が異なることを考えると198万円からとなることが予想されます。搭載エンジンはマイルドハイブリッドまたはガソリン車になるため、ヤリスクロスのハイブリッドと比較すると燃費で差が出てしまいます。また、フロンクスに搭載される1.0L直噴ターボ(マイルドハイブリッド)は自動車税がお得で、軽自動車の次に安い25,000円となるのも魅力です。
最後に一言
ヤリスクロスのハイブリッドモデルは、WLTCモード燃費が32.4km/Lと素晴らしい燃費性能を誇ります。一方、フロンクスはマイルドハイブリッドであるため、燃費は約17km/Lと予想されます。これは、ほぼ同スペックのXBEEが18.2km/L(2WD)であるためです。このため、燃費面ではヤリスクロスに軍配が上がります。
しかし、フロンクスにはボディサイズの小ささやデザイン面、1.0Lリッターのエンジンによる税金面での安さなど、多くの魅力があります。多くのドライバーにとって、フロンクスは理想的な選択肢となるでしょう。日本モデルの発売が楽しみですね。