トヨタが誇る人気コンパクトカー「ヤリス」が、2026年2月20日に待望の一部改良を実施します。今回の改良では、長年ユーザーから要望が高かった電動パーキングブレーキの採用や、10.5インチの大型ディスプレイオーディオの設定など、商品力を大幅に向上させる内容となっています。
本記事では、新型ヤリスの改良内容を詳しく解説し、グレード選びのポイントから競合車種との比較まで、購入を検討される方に役立つ情報を網羅的にお届けします。

新型ヤリス2026年モデルの主要変更点
ハイブリッド車に電動パーキングブレーキを標準装備

今回の改良で最も注目すべきポイントが、ハイブリッド全グレードへの電動パーキングブレーキ(EPB)とオートブレーキホールド(ABH)の標準装備です。これまで欧州仕様では採用されていましたが、ようやく国内仕様にも導入されることになりました。
従来の手引き式サイドブレーキレバーがなくなることで、センターコンソール周辺のスペースが有効活用でき、新たにセンターアームレストが装備されます。これにより、快適性と利便性が大幅に向上します。
注意点: ガソリンモデルでは引き続き手引き式パーキングブレーキが採用されます。EPBを希望する方はハイブリッドモデルを選択する必要があります。
10.5インチディスプレイオーディオで使い勝手が向上
最上級グレード「Z」および特別仕様車「Z URBANO」では、ディスプレイオーディオが従来の8インチから10.5インチに大型化されます。これは、シエンタやカローラクロスと同等のサイズとなり、視認性と操作性が大幅に改善されます。
10.5インチディスプレイオーディオPLUSは、コネクティッドナビに対応し、リアルタイムの交通情報や最新の地図データを活用できます。スマートフォンとの連携も強化され、Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応しています。
デザインの統一感を高める外観変更
細部のデザインにも改良が加えられています。ドアミラーとシャークフィンアンテナのカラーがブラックに統一され、よりスポーティで洗練された印象になります。この変更は、トヨタの最近のトレンドに沿ったもので、プリウスやカローラなど他の車種でも採用されているデザイン戦略です。
ボディカラーラインナップの変更
ボディカラーにも変更があり、「コーラルクリスタルシャイン」が廃止される一方、「Z」グレードに新色「マスタード」が追加されます。この鮮やかなイエローカラーは、プリウスで人気を集めたカラーで、個性的なスタイルを求めるユーザーに最適です。
また、2トーンボディカラーは標準モデルでは廃止され、特別仕様車「Z URBANO」のみの設定となります。
特別仕様車Z URBANOに6速MT追加
走りを楽しみたいドライバーに朗報です。特別仕様車「Z URBANO」のガソリンモデルに、新たに6速MTモデルが追加設定されます。これにより、スポーティな走りとスタイリッシュなデザインを両立したモデルが選択可能になります。
装備の見直しと標準化
ユーザビリティ向上のため、以下の装備変更が行われます:
追加・標準化される装備:
- 電動パーキングブレーキ(ハイブリッドモデル)
- 10.5インチディスプレイオーディオ(Zグレード)
- センターアームレスト(ハイブリッドG/Z/Z URBANOグレード)
- ドアミラーヒーター(全グレードにオプション設定)
廃止される装備:
- デジタルキー
- トヨタチームメイト[アドバンストパーク]
- ターンチルトシート(Xグレード)
- コンフォートシートセット(Gグレード)
特に注目すべきは、自動駐車支援システム「アドバンストパーク」の廃止です。これはコストパフォーマンスを重視したトヨタの戦略と考えられます。
グレード別特徴と価格帯
1.0Lガソリンモデル
Xグレード:
- エントリーモデルとして最もリーズナブル
- 街乗り中心のユーザーに最適
- 燃費:20.2km/L(WLTCモード)
Gグレード:
- 装備が充実した実用グレード
- コストパフォーマンスに優れる
1.5Lガソリンモデル
Xグレード:
- パワフルな走りを求めるユーザー向け
- 6速MTは走りを楽しみたい方におすすめ
- 4WDモデルも選択可能
Gグレード:
- バランスの取れた装備内容
- 家族での使用にも適した仕様
Zグレード:
- 最上級グレードで装備が最も充実
- 10.5インチディスプレイオーディオ標準装備
- 合成皮革+ツィード調ファブリックシート採用
Z URBANO(特別仕様車):
- スポーティなデザインが特徴
- ガソリンモデルに6速MT新設定
- 2トーンカラー設定あり
1.5Lハイブリッドモデル
HYBRID X:
- ハイブリッドのエントリーモデル
- 電動パーキングブレーキ標準装備
- 燃費:36.0km/L(FF、WLTCモード)
HYBRID G:
- 装備と燃費のバランスが良好
- センターアームレスト装備
HYBRID Z:
- ハイブリッド最上級グレード
- 10.5インチディスプレイオーディオ標準装備
- センターアームレスト装備
- 最も高い環境性能
HYBRID Z URBANO:
- ハイブリッドの特別仕様車
- デザインと環境性能を両立
燃費性能と環境性能
クラストップレベルの低燃費
新型ヤリスは、トヨタの最新パワートレイン技術により、クラストップレベルの燃費性能を実現しています。
燃費一覧(WLTCモード):
- 1.0Lガソリン:20.2km/L
- 1.5Lガソリン(6MT・FF):19.6km/L
- 1.5Lガソリン(CVT・FF):21.6km/L
- 1.5Lガソリン(CVT・4WD):19.2km/L
- 1.5Lハイブリッド(FF):36.0km/L
- 1.5Lハイブリッド(E-Four):30.2km/L
特にハイブリッドFFモデルの36.0km/Lは、コンパクトカークラスでトップクラスの数値です。年間1万km走行した場合、レギュラーガソリン価格を170円/Lとすると、年間のガソリン代は約4.7万円と非常に経済的です。
ダイナミックフォースエンジンの実力
1.5Lエンジンには、トヨタの最新技術「ダイナミックフォースエンジン」が採用されています。このエンジンは、高効率な燃焼技術により、低燃費と高出力を両立。ロングストロークやバルブ挟角拡大などの技術により、120psの最高出力と14.8kgmの最大トルクを発生します。
ハイブリッドシステムは、システム全体の高効率化とリチウムイオンバッテリーの採用により、システム出力116psを実現。前モデルから15%の出力向上と20%の燃費改善を達成しています。
安全装備と先進機能
Toyota Safety Senseを全車標準装備
新型ヤリスには、最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が全車標準装備されます。主な機能は以下の通りです:
プリクラッシュセーフティ
- 昼夜の歩行者検知
- 昼間の自転車運転者検知
- 右折時の対向直進車検知
- 右左折後の横断歩行者検知
- 低速時加速抑制機能
レーダークルーズコントロール
- 全車速追従機能付き
- 高速道路での長距離運転の疲労を軽減
レーントレーシングアシスト(LTA)
- 車線中央維持支援
- 車線逸脱警報
オートマチックハイビーム(AHB)
- 自動でハイ/ローを切り替え
- 夜間の視認性向上
ロードサインアシスト(RSA)
- 道路標識の見落とし防止
- ディスプレイに標識を表示
プロアクティブドライビングアシスト
2024年の改良で追加された「プロアクティブドライビングアシスト」は、運転操作をさりげなくサポートするシステムです。歩行者や前方車両、カーブなどを認識し、リスクが高まると判断した場合に、ブレーキ制御とステアリング制御でドライバーの安全運転を支援します。
プラスサポート用スマートキー
高齢ドライバーの安全性向上のため、「プラスサポート用スマートキー」に対応。このキーでドアロックを解錠すると、アクセルの踏み間違いや踏みすぎを抑制する機能が作動します。
プラットフォームと走行性能
TNGA「GA-B」プラットフォーム
新型ヤリスには、トヨタの新世代プラットフォーム「TNGA(Toyota New Global Architecture)」の「GA-B」が採用されています。このプラットフォームにより、以下の性能向上を実現:
- 車両重量を前モデル比50kg軽量化
- ねじり剛性を30%以上強化
- 重心高を15mm低下
- 衝突安全性の向上
軽快で安定した走り
低重心設計と高剛性ボディにより、コーナリング時の安定性が向上。特に1.5Lガソリンモデルと6速MTの組み合わせは、ダイレクトな加速フィーリングとスポーティな走りを楽しめます。
Direct Shift-CVT
1.5Lガソリン車に搭載される「Direct Shift-CVT」は、従来のCVTに発進用ギヤを追加。これにより、ダイレクトな発進・加速フィーリングを実現し、CVT特有のラバーバンドフィーリングを大幅に低減しています。
ボディサイズと室内空間
コンパクトながら広々とした室内
ボディサイズ:
- 全長×全幅×全高:3,940×1,695×1,500mm(4WDは1,515mm)
- ホイールベース:2,550mm
- 最小回転半径:4.8m
5ナンバーサイズのコンパクトなボディながら、ホイールベースを2,550mmまで拡大することで、室内空間を最大限に確保しています。
効率的なパッケージング
ハイブリッドモデルでは、駆動用バッテリーをリヤシート下部に配置することで、ガソリン車と同等の居住空間と荷室容量を確保。乗員4名が快適に移動でき、ラゲッジスペースも日常使いに十分な広さを提供します。
使い勝手の良いラゲッジスペース
ラゲッジスペースには、「アジャスタブルデッキボード」を設定。2段階の高さ調整が可能で、荷物の量や大きさに応じて使い分けができます。また、ハイブリッドモデルには、AC100V 1500Wのアクセサリーコンセントをオプション設定。アウトドアや災害時の非常用電源として活用できます。
内装デザインと快適装備
質感の高いインテリア
2024年の改良で内装の質感も向上しています。Zグレードでは、シート表皮に合成皮革+ツィード調ファブリックを採用し、内装加飾がガンメタリックに変更されました。上質で洗練された雰囲気を演出しています。
7.0インチTFTマルチインフォメーションディスプレイ
X、U以外のグレードには、7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを標準装備。視認性が高く、必要な情報を分かりやすく表示します。
豊富な収納スペース
車内には、日常使いに便利な収納スペースを多数設置:
- センターコンソールトレイ
- カップホルダー(前席2個、後席2個)
- ドアポケット(ボトルホルダー付き)
- グローブボックス
- 助手席シートアンダートレイ(Gグレード)
コネクティッド機能
最新のコネクティッドナビに対応し、通信で取得した最新情報で目的地検索やルート設定が可能。リアルタイムの交通情報や駐車場情報も活用でき、スムーズなドライブをサポートします。
競合車種との比較
ホンダ フィット4との比較
新型ヤリスの優位点:
- ハイブリッドの燃費性能(36.0km/L vs フィット約30km/L)
- 電動パーキングブレーキの採用(ハイブリッド)
- Toyota Safety Senseの充実した機能
- GRスポーツなどスポーツグレードの充実
フィット4の優位点:
- 後席の広さと快適性
- 多彩なシートアレンジ
- 全車に電動パーキングブレーキ標準装備
日産 ノートとの比較
新型ヤリスの優位点:
- ハイブリッドの燃費性能
- 6速MT設定による走りの楽しさ
- より低価格なエントリーモデル
ノートの優位点:
- e-POWERの独自性
- プロパイロット(運転支援システム)
- 後席の広さ
マツダ MAZDA2との比較
新型ヤリスの優位点:
- ハイブリッドモデルの設定
- 圧倒的な燃費性能
- 先進安全装備の充実
MAZDA2の優位点:
- 質感の高い内外装デザイン
- 走りの質感
- ディーゼルモデルの設定
おすすめグレードと選び方
街乗り中心で経済性重視なら「HYBRID X」
年間走行距離が多く、燃費を最重視する方には「HYBRID X」がおすすめです。36.0km/Lの優れた燃費性能に加え、電動パーキングブレーキも標準装備。価格も220万円からとハイブリッドとしては手頃で、長期的に見ればガソリン代の節約で元が取れます。
バランス重視なら「HYBRID G」
装備と価格のバランスを求めるなら「HYBRID G」が最適です。センターアームレストも装備され、快適性も向上。232万円という価格で、日常使いに必要な装備が揃っています。
装備充実で満足度重視なら「HYBRID Z」
10.5インチディスプレイオーディオや質感の高いシート、充実した装備を求めるなら「HYBRID Z」がベストチョイス。258万円と価格は上がりますが、所有満足度は最も高いグレードです。
走りを楽しみたいなら「Z(6速MT)」
スポーティな走りを楽しみたいドライバーには、ガソリンモデルの「Z(6速MT)」がおすすめ。213万円という価格で、ダイレクトな走りと優れた燃費性能を両立しています。
個性を求めるなら「Z URBANO」
デザインの個性を重視するなら特別仕様車「Z URBANO」。2トーンカラーの設定もあり、他とは違うヤリスを求める方に最適です。ガソリンモデルには6速MTも新設定され、走りとデザインを両立できます。
購入時の注意点とお得な情報
値引き交渉のポイント
新型ヤリスの購入を検討する際、以下のポイントで値引き交渉を行いましょう:
- 競合車種との比較:フィット、ノート、MAZDA2の見積もりを取得
- トヨタ同士の競合:トヨタ店とトヨペット店で相見積もり
- 決算期を狙う:3月、9月の決算期は値引き拡大の可能性
- オプションでの調整:車両本体価格が難しければオプション値引きを交渉
残価設定ローンの活用
トヨタの残価設定型ローン「トヨタクレジット」を利用すれば、月々の支払いを抑えることが可能。3年後、5年後の残価を設定し、その分を除いた金額を分割払いするため、通常のローンより月々の負担が軽減されます。
KINTOの検討
トヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」も選択肢の一つ。車両代、税金、保険、メンテナンス費用が全て月額料金に含まれ、まとまった初期費用が不要です。3年や5年など一定期間で乗り換えたい方に適しています。
下取り・買取の活用
現在の愛車を高く売却することで、実質的な購入価格を抑えられます。ディーラー下取りだけでなく、複数の買取店で査定を受け、最も高い金額を提示した業者に売却するのがおすすめです。
まとめ:2026年モデルのヤリスは買いか?
2026年モデルのトヨタ新型ヤリスは、電動パーキングブレーキの採用(ハイブリッド)、10.5インチディスプレイオーディオの設定、デザインの洗練など、着実に進化を遂げています。
特に注目すべきは、ハイブリッドモデルに電動パーキングブレーキが標準装備されたこと。これにより、競合のフィットやノートに対する優位性がさらに高まりました。クラストップレベルの燃費性能36.0km/Lは、長期的なランニングコストを考えると大きなメリットです。
一方で、ガソリンモデルは手引き式パーキングブレーキのままという点は、賛否が分かれるところ。しかし、これによりガソリンモデルの価格上昇を抑えられており、低価格を求めるユーザーには歓迎される選択とも言えます。
総合的に見て、2026年モデルの新型ヤリスは、コンパクトカーを検討している全ての方におすすめできる完成度の高いモデルです。特に以下のような方には最適な選択肢となるでしょう:
- 燃費性能を最重視する方:ハイブリッドの36.0km/Lは圧倒的
- 最新の安全装備を求める方:Toyota Safety Senseが充実
- コンパクトで扱いやすい車が欲しい方:最小回転半径4.8mで取り回しが良好
- 走りの楽しさも重視する方:6速MT設定で運転する楽しさを味わえる
- 長く安心して乗りたい方:トヨタの品質と信頼性
2026年2月20日の発売に向けて、ディーラーでは先行予約も受付中です。気になる方は、早めに試乗して実車を確認することをおすすめします。
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