近年、フルモデルチェンジを果たす車は年々減りマイナーチェンジや一部改良を繰り返す車種が増えてきた。ひと昔前であれば2〜3年でマイナーチェンジ、5年〜7年でフルモデルチェンジが多かったが最近ではマイナーチェンジを繰り返し見た目を大きく変えて販売され続ける車種が多く存在する。そんな車種をご紹介していこう。
レクサス 新型 IS ビックマイナーチェンジについて
旧型の3代目は2013年5月16日から販売を開始。2016年10月20日マイナーチェンジではフロントバンパーのデザイン、内装デザインの変更などが行われ、イメージを変える。「IS」シリーズを7年となる2020年6月16日にビックマイナーチェンジを行い発表した。ISシリーズはビックマイナーチェンジによりエクステリアデザインを大幅なアップデートを行った。同じ車であるのはわかるがほぼフルモデルチェンと言っていい出来栄えである。デザインは走りを予感させるワイド&ローなスタンスと、シャープなキャラクターラインによるアグレッシブなデザインを採用。
サイズ | 旧型IS | 新型IS |
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全長 | 4,680mm | 4,710mm |
全幅 | 1,810mm | 1,840mm |
全高 | 1,430mm | 1,435mm |
ホイールベース | 2,800mm | 2,800mm |
更に最新技術を多数採用。新開発の小型軽量ランプユニットを搭載した薄型のヘッドランプの採用。新意匠のスピンドルグリルはグリルの先端を起点に立体的な多面体構造とすることで押し出し感を強調。張り出した前後フェンダー、L字をモチーフにした一文字型のリヤコンビネーションランプ、立体的なバンパーガーニッシュを採用。
上下方向のプレスの動きに合わせて金型が横方向からスライドする機構を追加した、LEXUSならではの緻密で立体的な造形を可能とする「寄絞り型構造」の最新プレス技術を採用。エクステリアカラーは新規開発2色、ソニックイリジウムと、金属質感と高光沢を実現したソニッククロムを新たに採用。“F SPORT”では専用のFメッシュパターンを採用。
マルチメディアシステムは、10.3インチタッチワイドディスプレイを採用、「SmartDeviceLink™」「Apple CarPlay」や「Android Auto™」に対応に連携することで、画面操作や音声操作が可能。シフトノブ回りに今ではお馴染みの「電動パーキングブレーキ&ホールド」を採用。
インストルメントパネル上部やドアパネルに有彩色を設定しツートーン配色。また、ツートーン配色によるコントラストで乗車時に高揚感を感じさせるカラーコーディネートとした。ドアトリムの一部にLEXUSの新たな加飾表現である複数のエンボスラインを交差させたグラフィックパターンを採用。
スペック | IS 300 | IS 350 | IS 300h |
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全長 | 4,710mm | ||
全幅 | 1,840mm | ||
全高 | 1,435mm | ||
ホイールベース | 2,800mm | ||
エンジン | 2.0L 直列4気筒 ターボエンジン |
3.5L V型6気筒 エンジン |
2.5L 直列4気筒 エンジン +モーター |
最高出力 | 180kW (245ps) / 5,800kgm |
234kW (318ps) / 6,600rpm |
131kW (178ps) / 6,000rpm |
最大トルク | 350Nm (35.7kgm) / 1,650~4,400rpm |
380 Nm(38.7kgm) / 4,800rpm |
21Nm (22.5kgm) / 4,200~4,800rpm |
モーター 最高出力 |
– | – | 105 kW(143ps) |
モーター 最大トルク |
– | 300 Nm(30.6kgm) | |
トランス ミッション |
8-Speed SPDS |
電気式 無段階変速機 |
|
駆動方式 | FR | ||
乗車定員 | 5名 |
レクサス 新型 IS マイナーチェンジ 2020年11月5日発売
三菱 新型デリカD:5 マイナーチェンジ
三菱はデリカ(DELICA)「D:5」を2007年1月31日から販売を開始。2012年12月26日からクリーンディーゼル車の販売を開始。現在に至るまで何度もマイナーチェンジを繰り返し、人気を維持している車種である。デリカD:5をビックマイナーチェンジを丸12年目となる2019年2月に行う。フロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用し、フェンダーと一体化した大型バンパーに縦型LEDマルチヘッドライトを採用する。
サイズ | デリカD:5 | 新型デリカD:5 |
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全長 | 4,790mm | 4,800mm |
全幅 | 1,795mm | |
全高 | 1870mm | 1,875mm |
ホイールベース | 2,850mm |
アプローチアングル21度、デパーチャーアングル23度。フロントデザインは2017年秋からインドネシアで販売を開始した、次世代クロスオーバーMPV 新型「エキスパンダー」の様なデザインとなった。
今回の最大の売りはフルモデルチェンジに伴い、新しい三菱デザインを取り入れシャープなイメージに生まれ変わる。
インテリアも変更あり、カスタムモデルとしてURBAN GEARには特別なインパネアクセントパネルを採用、また10.1インチのナビゲーションシステムを採用する。ワイド感に寄与する水平基調の「Horizontal Axis(ホリゾンタルアクシス)」コンセプトに基づいたインストルメントパネルが採用。
センターパネル
インパネソフトパッド
ハイコントラストメーター&マルチインフォメーションディスプレイ
本革巻シストレバー
ドライブモードセレクト
パドルシフト
本革巻ステアリングホイール
フロントウィンドシールドに遮音ガラスを採用
メーカーオプションとなる本革シートにはダイヤキルティングを大胆に施した。
また、旧型に搭載されている、4N14エンジン2.2L 直列4気筒DOHC クリーンディーゼルターボエンジンと改良型を搭載する。新型エクリプス クロスに採用された改良型クリーンディーゼルターボエンジンを採用。
スペック | D-Power package | 新型 URBAN GEAR G-Power Package / M |
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エンジン | 2.2Lクリーンディーゼル ターボエンジン | 2.2Lクリーンディーゼル ターボエンジン |
最高出力 | 109kW(148PS)/ 3,500rpm | 107kW(145PS)/ 3,500rpm |
最大トルク | 360N・m(36.7kgf・m)/ 1,500~2,750rpm | 380Nm(38.7kgfm)/ 2,000rpm |
トランスミッション | INVECS-II 6速スポーツモード AT | 8速スポーツモードAT |
JC08モード燃費 | 13.0km/L | 13.6km/L |
更に旧型車に対し最大トルクを5%アップ、燃費も向上することとなりそうだ。ディーゼルエンジンの排出ガスを浄化するAdBlue®「尿素SCRシステム」を搭載。また、トランスミッションには8速スポーツモードAT、4WDシステムは新型アウトランダー、新型エクリプス クロスに採用されたAYCブレーキ制御を追加した車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」を採用する。
スペック | 新型デリカD:5 |
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全長 | 4,800mm |
全幅 | 1,795mm |
全高 | 1,875mm |
ホイールベース | 2,850mm |
エンジン | 2.2L 直列4気筒DOHC クリーンディーゼルターボ |
最高出力 | 107kW(145PS)/ 3,500rpm |
最大トルク | 380Nm(38.7kgfm)/ 2,000rpm |
JC08モード燃費 | 13.6km/L |
価格 | 384万2,640円~ 421万6,320円 |
三菱 新型 デリカ D:5 ビックマイナーチェンジ フェイス変更 2019年2月15日発売
日産 新型 エルグランド マイナーチェンジ
「エルグランド」のフルモデルチェンジを2010年8月18日発売。マイナーチェンジを2014年1月15日発表。日産は新型「エルグランド」の2度目のマイナーチェンジを10年目に行い2020年10月12日に発売した。エクステリアは緻密に作り込まれたフロントフェイスとしグリルデザインを大幅に変更した、力強い走りを想起させる「アーバンクロム」、エレガントな高級感を纏う「ハイウェイスター」。エルグランドを代表する2つのシリーズ。
インストルメントパネルとシートを一新し、高質感を追求。ワイドな広がりを感じられるよう、水平基調に仕立てた2パターンのインテリア。大迫力の大画面。10インチに拡大したナビゲーション。
全方位運転支援システム 「360°セーフティアシスト」 標準搭載を安全技術をバージョンアップしレーンチェンジや道路上の危険を判断しての回避も出来るようになる。インテリジェント エマージェンシーブレーキ性能を向上。夜間においても衝突時の被害や傷害を軽減する。「インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)」「踏み間違い衝突防止アシスト」を標準装備とする。「セーフティ・サポートカーS(通称:サポカーS)」の「ワイド」に該当した。プロパイロットの機能向上により下り坂での設定速度保持や、よりスムーズな減速を可能とするブレーキ操作などが可能となった。
日産 360° セーフティアシスト 全方位運転支援システム とは?搭載車について
スペック | 新型エルグランド | |
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全長 | 4,975mm | |
全幅 | 1,850mm | |
全高 | 1,815mm | |
ホイールベース | 3,000mm | |
エンジン | 2.5L 直4 DOHC エンジン | 3.5L 直4 DOHC エンジン |
最高出力 | 125kW(170ps)/5600rpm | 206kW(280ps)/6,400rpm |
最大トルク | 245Nm(25.0kgm)/3900rpm | 344Nm(35.1kgm)/4,400 rpm |
駆動方式 | 2WD/4WD | |
トランスミッション | エクストロニック CVT |
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WLCTモード燃費 | 10.8km/L(2WD) 10.4km/L(4WD) |
9.2km/L(2WD) 9.4km/L(4WD) |
日産 新型 エルグランド マイナーチェンジ 360°セーフティアシスト標準搭載 2020年10月12日発売
ホンダ 新型 オデッセイ マイナーチェンジ
5代目で、2013年10月31日に正式発表され、11月1日から発売を開始した。「オデッセイ」のマイナーチェンジを7年目に行い2020年11月5日発表、2020年11月6日に発売。エクステリアデザインを変更、前後のウインカーには、車両の内側から外側に向かって流れるように点灯する「シーケンシャルターンシグナルランプ(流れるウィンカー)」を標準装備。
ジェスチャー操作で車両に触れずにパワースライドドアの開閉ができる「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」や「予約ロック」をHondaとして初めて搭載するなど、使い勝手をさらに向上させまた。
2モーターハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」による優れた燃費性能と上質で力強い走行性能を発揮する。
インテリアのデザイン変更、大型10インチナビをディーラーオプション設定。大径2眼メーターを採用。インストルメントパネルはよりゴージャスな印象と質感を与えたデザインに変更される。旧型同様、電動パーキングブレーキ&ホールド採用。
スペック | オデッセイ | オデッセイ ハイブリッド |
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全長 | 4,850mm | ||
全幅 | 1,820mm | ||
全高 | 1,695mm(2WD) 1,715mm(4WD) |
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ホイールベース | 2,900mm | ||
エンジン | 2.4L 直4DOHC i-VTEC | 2L 直4DOHC i-VTEC +2モーター i-MMD |
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最高出力 | 129kW(175ps)/ 6,200rpm |
140kW(190ps)/ 6,400rpm |
107kW(145ps)/ 6,200rpm |
最大トルク | 225Nm(23.0kgm)/ 4,000rpm |
237Nm(24.2kgm)/ 4,000rpm |
175Nm(17.8kgm)/ 4,000rpm |
モーター 最高出力 |
– | – | 135kw(184ps)/ 5,000-6,000rpm |
モーター 最大トルク |
– | – | 315Nm(32.1kgm)/ 0-2,000rpm |
JC08モード燃費 | – | 24.4〜25.5km/L | |
WLCTモード燃費 | 11.6〜12.8km/L | 19.8〜20.2km/L | |
乗車定員 | 7〜8名 | ||
価格 | 3,495,000円~ 3,929,400円 |
4,198,000円~ 4,580,000円 |
ホンダ 新型 オデッセイ マイナーチェンジ 改良モデル 2020年11月6日発売
まとめ
通常であればフルモデルチェンジをする7年から10年以上でマイナーチェンジを行うことが通常となりつつある。マイナーチェンジでも最新の装備を多く採用することでフルモデルチェンジに近い変更を各車種しており、今後も同様の流れがが続くことが想定できる。人気のSUV車種はフルモデルチェンジを人気が低迷している、セダンやミニバン車種はマイナーチェンジによる延命ということになりそうだ。