三菱は新型「パジェロ」をフルモデルチェンジし、2026年に発売する予定です。「パジェロ」は、三菱を代表する名車です。日本では2019年7月に生産終了が公式に発表され、注文受付も終了しました。しかし、現在の三菱のデザインと技術を駆使した新しいモデルとして、約7年ぶりに復活します。
日刊工業新聞によると、早ければ2026年度にもラダーフレーム構造を持つ本格的なSUVとして日本で発売される見込みです。車名はまだ正式に決まっていませんが、新型車は三菱の技術力を象徴するモデルになる予定です。
新型「パジェロ」のベースとなるコンセプトカーは「GC-PHEV Concept」や「MITSUBISHI ENGELBERG TOURER (ミツビシ・エンゲルベルク・ツアラー)」を2019年3月7日~3月17日に開催されるジュネーブモーターショー 2019で世界初公開した。東京モーターショー2019でも日本公開された。
三菱 新型「パジェロ」フルモデルチェンジ エクステリア について
新型「パジェロ」は、三菱の最新デザイン言語である大型「ダイナミックシールド」を採用しています。ヘッドライトとテールライトにはLEDが使われ、サイドミラーには小型カメラを両サイドに設置し、ドアハンドル付近に映し出すデザインが特徴です。
車体構造は先代から引き続き「ラダーフレーム・ビルトイン・モノコックボディ」を採用し、3列シートを備えています。エンジンにはアウトランダーPHEVと同じ最新の2.4L 直列4気筒DOHC+モーターのPHEVが搭載されます。
また、車両運動統合制御4WDシステム「S-AWC」を搭載し、電動パーキングブレーキとオートホールド機能も装備されています。デジタルインナーミラーや予防安全技術「e-Assist」、そして「MI-PILOT(マイパイロット)システム」などの安全装備も充実しています。
三菱 新型「パジェロ」フルモデルチェンジ 安全装備 について
新型「パジェロ」には、レーダークルーズコントロール(LCC、全車速追従機能付き)と車線維持支援機能(LKA)を組み合わせた高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット」や、運転支援機能「e-Assist」が採用されています。「e-Assist」は、「eKクロス スペース」や「デリカミニ」にも搭載されている以下の8つの機能で構成されています
- 衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM、歩行者検知付き)
- 踏み間違い衝突防止アシスト(EAPM)
- オートマチックハイビーム(AHB)
- 標識認識システム(TSR)
- 先行車発進通知(LCDN)
- 車線逸脱警報システム(LDW)&車線逸脱防止支援機能(LDP)
- ふらつき警報(LDA)
- 前方衝突予測警報(PFCW)
さらに、新型「パジェロ」には移動物検知機能付きのマルチアラウンドビューモニターが搭載されています。ラゲッジスペースの荷物で後方が見えにくい場合や、夜間・雨天時にはミラー下部のレバーを切り替えることでリアカメラの映像がルームミラーに映し出され、後方の視認性を高めるデジタルルームミラーも採用されています(グレードにより標準装備またはメーカーオプション)。
その他の機能としては、スタビリティコントロール機能とトラクションコントロール機能を組み合わせて車両の安定性を高めるアクティブスタビリティコントロール(ASC)、対向車や先行車にハイビームを照射しないようにハイビームの照射範囲を調整するアダプティブLEDヘッドライト(ALH)が採用されています(ALHは一部グレードにメーカーオプション)。
安全装備としては、運転席&助手席、サイド、カーテン、運転席ニーの7つのエアバッグが装備されています。
三菱 新型「パジェロ」フルモデルチェンジ 予想 スペック について
ライバルとなるトヨタ「ランドクルーザー250」「ランドクルーザー300」にはない「PHEV(プラグインハイブリッド車)」を採用しています。そのため、他社のモデルと比べてもWLTCモード燃費が非常に優れています。
スペック | パジェロ PHEV |
---|---|
全長 | 4,900mm |
全幅 | 1,895mm |
全高 | 1,850mm |
ホイールベース | 2,780mm |
エンジン | 2.4L 4気筒 エンジン DOHC +前後2モーター |
最高出力 | 98kW/5,000rpm |
最大トルク | 195Nm/4,300rpm |
モーター 最高出力 | 前/後:85kW/100kW |
モーター 最大トルク | 前/後:255Nm/195Nm |
バッテリー | リチウムイオン バッテリー 20kWh |
駆動方式 | 4WD |
GT-PHEV Concept
2013年の東京モーターショーで発表された「GC-PHEV Concept」が、新型パジェロの原型となるモデルです。また、「GT-PHEV Concept」も新型パジェロの基盤となるデザインを持つコンセプトモデルです。これらのコンセプトを基にした5代目パジェロは、三菱の最新技術とデザインを取り入れた革新的なモデルとなっています。
MITSUBISHI ENGELBERG TOURERについて
新型パジェロは、新世代のクロスオーバーSUVとして、独自かつ先進的な電動化技術を取り入れています。デザインは、ブランドメッセージ「Drive your Ambition」を具現化するデザインフィロソフィー「Robust & Ingenious」に基づいています。このデザイン哲学により、新型パジェロは力強さと洗練さを兼ね備えた外観と機能性を持っています。
パジェロの歴史について
新型パジェロは、三菱自動車工業が生産・販売するSUVです。シャーシには、モノコックボディにラダーフレームを組み合わせたビルドインモノコック構造を採用しています。一時期、三菱自動車の国内におけるフラグシップモデルとして位置付けられていました。
製造は、かつて三菱自動車の子会社であったパジェロ製造(現在は大王製紙に売却)で行われていました。パジェロの累計生産台数は、国内および輸出を合わせて約324万台に達し、これはパジェロ製造の全生産台数396万台の約8割を占めていました。
1981年第24回東京モーターショーで市販予定車「パジェロ」出品。三菱・フォルテ4WDのフレームをベースに、荷台を廃し、普段使いの乗用としても使えるマルチパーパスなオフロード車として発表・発売される。
1991年1月初のフルモデルチェンジを受け、2代目が登場。初代L系が引き続き好調に販売されていることを受け、三菱としては異例の長さの構想期間や車両テストにより車両構造の洗練が一層進んだ。シャーシには、先代から引き続きラダーフレームが採用された。居住性、操縦安定性、動力性能がさらに高められ、世界初のスーパーセレクト4WDやマルチモードABSなどが採用。
シャーシは、ラダーフレームからラダーフレーム・ビルトイン・モノコックボディ(モノコックボディにラダーフレームを熔接した形)へ変更になった。これにより車重をロングで約100 kg軽量化し、かつ低重心による優れた操縦安定性と乗り心地を提供するとともに、曲げ、捩り剛性とも従来の約3倍のボディとした。ボディは、ショートとロングの2タイプ、2代目で販売主力となりつつあった国外市場のニーズ向けに、標準ボディで3ナンバーと大型化された。今回からスーパーセレクト4WD Ⅱ へと進化。
シャーシは、先代から継承されたラダーフレーム・ビルトイン・モノコックボディ(モノコックボディに前後貫通したラダーフレームを溶接した形)である。また、ボディにグレードの高い高張力鋼板を採用したり溶接部位の拡大、構造用接着剤の使用等で、先代以上のボディ剛性を獲得した。高剛性なモノコックボディで実現しながら、路面からの激しい衝撃にはラダーフレームが無類の強さを発揮する。先代から採用されているスーパーセレクト4WDIIを踏襲。2019年8月31日パジェロの公式サイトならびに、パジェロファイナルエディションの公式サイトが削除。2020年7月27日パジェロ製造の工場閉鎖に伴い、輸出向けに継続していたパジェロの生産を2021年上期に終了することが発表。2021年7月上旬生産終了。
三菱 新型「パジェロ」の復活は本当にあるのか?!
「パジェロ」の復活は十分に可能性があるでしょう。三菱自動車は2023年3月10日に発表した新中期経営計画「Challenge 2025」において、今後5年間で全16車種(うち電動車9車種)を投入する予定です。これにより、新モデルの積極的な投入が予想されます。
さらに、三菱は2023年7月26日(現地時間)に新型ピックアップトラック「トライトン」を世界初公開し、2024年2月15日には日本市場に投入しました。「トライトン」の販売は開始から月販台数計画の6倍以上を達成し、市場の注目度が非常に高いです。この成功から見ても、「パジェロ」の復活は自然な流れと言えるでしょう。また、「トライトン」とルーツがある海外で発売されている「パジェロスポーツ」が「パジェロ」として投入される可能性もあります。
筆者の個人的な見解としても、現在のSUV人気に加えてクロスカントリー車も人気が高まっており、トヨタの「ランドクルーザー」系(ランドクルーザー300、ランドクルーザー250、レクサス GX)が市場をリードしています。この市場に三菱が参入しない理由はなく、「パジェロ」の復活は十分に期待できると考えます。
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