近年、コンパクトSUV市場は世界的に拡大しており、各メーカーがしのぎを削っています。そんな中、ホンダが2023年12月21日発表、2024年3月22日に発売したWR-Vは、そのスタイリッシュなデザインと優れた燃費性能で注目を集めています。しかし、実際の売れ行きはどうなのでしょうか?販売台数と生産台数の推移から、WR-Vの現状を徹底的に分析してみましょう。
WR-Vの販売台数推移
WR-Vは、発売当初から好調な滑り出しを見せ、多くのユーザーから支持を集めました。2024年3月22日に発売されたホンダの新型車「WR-V」の受注台数が、発売から約1カ月後の4月22日時点で約13,000台に達しました。
2024年 販売台数
年月 | 販売台数 |
---|---|
2024年3月 | 2,185台 |
2024年4月 | 2,238台 |
2024年5月 | 3,063台 |
2024年6月 | 3,090台 |
2024年7月 | 3,499台 |
合計 | 14,075台 |
2023年12月に発表した月販目標台数は3,000台となっています。2024年は目標台数を平均約3,800台ほどを生産しています。つまり、ホンダとしては予定通りということになります。しかし、ライバル車種のSUVと比べるとこの5ヶ月間は少し販売台数としてはさみしいのも事実です。もちろん生産枠の関係から出ている数字にはなります。
つまり、7月の時点で14,075台ということは、上記で説明した発売1ヶ月の受注台数13,000台のユーザーに納品が終わったということになります。ここからの受注がどの程度かによって、ホンダも生産枠を増やして行くことができるでしょう!
WR-Vの生産台数推移
WR-Vの生産台数は、販売台数の推移と連動しており、需要に応じて柔軟に調整されています。特に、インドにあるホンダの工場では、WR-Vの生産ラインを増強し、増大する需要に対応しています。
他社の台数と比較
【2023年】SUV 年間販売ランキング
SUVではトヨタ ハリアーが75,211台で圧倒的な首位となった。2位はトヨタのライズで64,995台で、3位はホンダのヴェゼルが59,187台となった。
順位 | メーカー | 車名 | 販売台数 |
---|---|---|---|
1位 | トヨタ | ハリアー | 75,211台 |
2位 | トヨタ | ライズ | 64,995台 |
3位 | ホンダ | ヴェゼル | 59,187台 |
4位 | トヨタ | ランドクルーザー | 55,263台 |
5位 | トヨタ | RAV4 | 41,018台 |
6位 | トヨタ | カローラクロス | 約38,717台 |
7位 | 日産 | エクストレイル | 27,129台 |
8位 | スズキ | ジムニー | 26,388台 |
9位 | マツダ | CX-5 | 25,714台 |
10位 | マツダ | CX-60 | 23,941台 |
2023年の販売台数ではハリアーが最も売れているSUVとなっていますが、月にすると月平均6,267台、2位のライズは月平均5,416台となります。つまり、最もライバル車種となるトヨタ、ライズには現時点では販売台数では少し及ばないことになりそうです。2024年後半の販売台数に期待です。
WR-Vについて
「WR-V」という車名は、「Winsome Runabout Vehicle(ウィンサム ランナバウト ビークル)」の頭文字を組み合わせたものです。"Winsome"には、「楽しさ」や「快活さ」の意味があり、このクルマと毎日を楽しむことを願う気持ちが込められています。この「WR-V」は、「ヴェゼル」よりも小型のAセグメントクロスオーバーSUVとして開発されました。コンパクトなデザインとよりスポーティなスタイルで、先進的なパフォーマンスとテクノロジーを備えたモデルです。日本のライバル車種としては、「ヤリスクロス」、「ライズ」、「クロスビー」などが挙げられますが、販売台数では上位に位置する車種が相手です。日本市場ではコンパクトSUVの需要が高く、「WR-V」の投入は自然な流れと言えるでしょう。
スペック | WR-V |
---|---|
全長 | 4,325mm |
全幅 | 1,790mm |
全高 | 1,650mm |
ホイールベース | 2,650mm |
最低地上高 | 195mm |
エンジン | 直列4気筒 1.5L 自然吸気エンジン |
最高出力 | 87kW(118ps)/ 6,600rpm |
最大トルク | 142Nm(14.5kgm)/ 4,300rpm |
トランスミッション | CVT |
駆動方式 | 2WD(FF) |
乗車定員 | 5名 |
車両重量 | 1,210kg |
最小回転半径 | 5.2m |
WLTCモード燃費 | 16.4㎞/L |
グレード | エンジン | トランス ミッション | 駆動 方式 | 価格(10%) |
---|---|---|---|---|
X | 直列4気筒 1.5L 自然吸気エンジン | CVT | 2WD | 2,098,800円 |
Z | 2,349,600円 | |||
Z+ | 2,489,300円 |
- タフで都会的なデザイン: 都会にもアウトドアにも映える、存在感のあるエクステリアデザイン。
- クラストップレベルの広い室内空間: コンパクトなボディサイズながら、大人4人がゆったりとくつろげる広々とした室内空間を実現。
- 優れた燃費性能: 1.5L DOHC i-VTECエンジンとCVTの組み合わせにより、WLTCモード燃費16.4㎞/Lの低燃費を実現。
- 充実の先進安全装備: Honda SENSINGを全車標準装備し、安心・快適なドライブをサポート。
- 多彩なシートアレンジ: 様々なシーンに対応できる、多彩なシートアレンジが可能。
最新のエクステリアデザインを採用。「ヴェゼル」より小さなボディーサイズとしAセグメントクロスオーバーSUVとした。
「FIT(フィット)」のシャシーをベースにしクラス上のゆとりあるより快適で広々としたスペースも提供。
クラス最高の地上高195mmを確保。
7インチデジタルメーター、10.25インチインフォテインメントシステムを採用。
最新の運転支援システム「Honda SENSING」を採用。
これらの特徴により、WR-Vは幅広い層のユーザーから支持を集めています。特に、日常使いからレジャーまで、様々なシーンで活躍できる一台を求めるユーザーにとって、魅力的な選択肢と言えるでしょう。
WR-Vの今後の展望
WR-Vは、新興国市場を中心に、今後も堅調な販売が期待されています。特に、インドネシアやブラジルなどの市場では、中間層の拡大や、都市化の進展に伴い、コンパクトSUVの需要はさらに高まると予想されます。一方、日本市場では、競争の激化や、市場全体の飽和状態の影響を受け、販売台数の大幅な増加は難しいかもしれません。
ホンダは、WR-Vの販売促進に向けて、様々な施策を展開しています。例えば、
- 販売網の強化: 特に、地方都市における販売網の拡充を図り、より多くのユーザーにWR-Vの魅力をアピールしています。
- マーケティング戦略の見直し: デジタルマーケティングの強化や、SNSを活用した情報発信など、新たなマーケティング戦略を展開し、若年層へのアプローチを強化しています。
- 商品力の向上: マイナーチェンジや、特別仕様車の投入、ハイブリッドパワートレイン採用、電動パーキングブレーキ採用など、商品力の向上を図り、ユーザーの多様なニーズに応えています。
これらの施策を通じて、WR-Vの販売台数をさらに伸ばし、コンパクトSUV市場における存在感を高めていくことが期待されます。
編集部から一言
ホンダ WR-Vは、新興国市場を中心に、堅調な販売を続けているコンパクトSUVです。しかし、日本市場では、競合車種の多さや、市場全体の飽和状態の影響を受け、販売台数は伸び悩んでいます。ホンダは、WR-Vの販売促進に向けて、様々な施策を展開しており、今後の動向に注目が集まります。