2024年(令和6年)現在までに日本での販売終了した車種が実は海外では継続して販売している車種をまとめてみました。日本市場では販売終了となった車種が、海外では依然として販売されているケースがあります。今回の記事では、そのような車種と、その背景にある事情について解説します。これを知れば、知人が遠くで頑張ってる様な気持ち「あいつまだあそこで頑張ってるんだ!」と思うような内容になってます。
トヨタ「C-HR」
トヨタは「C-HR」の国内の生産および販売を2023年7月下旬をもって終了すると、公式Webサイトにて 2023年3月10日発表した。2代目「C-HR」以降は海外専売車種となる。
2代目 新型「C-HR」 は、前衛的なデザイン、先進技術、パワーとドライバビリティの向上を備えた一連の電動ハイブリッドおよびプラグインハイブリッド パワートレインにより、先代モデルの卓越した品質とステータスをより高いレベルに引き上げている。これはトヨタの欧州への取り組みを強化するものであり、新型モデルは欧州の顧客を念頭に置いて欧州で考案され、高電圧バッテリーユニットの組み立ても含めて欧州のみで製造されている。
ボディサイズは全長4,360mm、全幅1,830mm、全高1,564mm、ホイールベース2,640mmとした。「ハンマーヘッド」をモチーフとした機能性とデザイン性を高次元で両立したフロントデザイン、遂にDRL(デイタイムランニングライト)「シグネチャーランプ」を採用。
新型「C-HR」は、インテリアの質感と外観を高級感と洗練性を増している。操作要素は全てドライバーズゾーンに配置され、水平配置のインストルメントパネルと「翼」のデザインテーマにより、乗員は包み込まれるようなキャビン感覚を味わい、快適性が向上。
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トヨタ「カムリ」
トヨタはセダンモデルの「カムリ」の日本国内販売を終了する。海外モデルはフルモデルチェンジをし11代目も販売を継続、海外専売車種となる。カムリの歴史を見ると現在は10代目となるが、過去は5~6年おきにフルモデルチェンジを果たしているが、2023年〜2024年にフルモデルチェンジをすることは考えらえる。日本国内は残念ながら10代目で販売を終える。44年の歴史に幕を閉じる。
カローラと共にトヨタ自動車の屋台骨を支える世界戦略車でもある。カムリは、1980年国内専用モデル「セリカ カムリ」(FR車)として誕生し、1982年には、FFレイアウトを採用した現在の車名「カムリ」として一新し、グローバルに販売を開始した。カムリはこれまで、「トヨタのグローバルミッドサイズセダン」として、米国15年連続乗用車販売台数No.1獲得をはじめ、100カ国以上の国や地域で販売し、累計1,800万台超えを達成している。
米国のトヨタは、新型「カムリ」のフルモデルチェンジを行い11代目として2023年11月14日(現地時間)に発表。TNGA(Toyota New Global Architecture)「TNGA-Kプラットフォーム」採用。第5世代ハイブリッドシステムは効率を高めた「THSⅡ」を採用。昼間自転車・夜間歩行者検知可能な次世代「Toyota Safety Sense」を採用する。
「XLE」と「XSE」は「12.3インチのフルデジタル液晶メーター」と「12.3インチインチディスプレイ」とにアップグレードされる。更に、「電動パーキングブレーキ&ホールド」を採用する。
トヨタ「レビン」
カローラレビンは、トヨタ自動車がかつて生産・販売していた小型クーペ型の乗用車である。スプリンタートレノとは車台と内外装のほとんどを共用する姉妹車である。2000年8月でカローラシリーズ(セダン・ワゴン)の9代目(E120型系)へのモデルチェンジを機に、姉妹車のトレノを含むスプリンターシリーズ(ワゴン、バン除く)とともに販売終了。国内では28年の歴史に幕を下ろした。
しかし、その後、中国市場専用車として2018年11月16日、広汽トヨタ自動車が、広州モーターショーで世界初公開。トヨタの中国(広州汽車豊田汽車有限公司)は「レビン」のフルモデルチェンジを行い、2019年5月21日に発売を開始した。中国での「レビン」は「カローラセダン」兄弟車として販売。
日本モデルの「カローラセダン」との大きな違いはインテリアで12.1インチのセントラルコントロールパネル、7インチのカラーインストルメントパネル、更に10.8インチのカラーヘッドアップディスプレイを採用。トヨタコネックテッド、データ通信モジュール(DCM)を標準装備。
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トヨタ「アリオン」
トヨタ自動車が製造・販売していた4ドアセダン型乗用車である。カリーナの後継車種として、姉妹車でコロナの後継車種であるプレミオとともに、2001年12月に発売。2021年4月25日販売終了。国内では約20年の歴史に幕を下ろした。
しかし、その後、中国市場専用車とし中国仕様トヨタ・カローラをベースに、独自の内外装を施し、全長4,720mm、全幅1,780mm、全高1,435mm、ホイールベース2,750mmとし全幅、ホイールベースを延長した仕様で、中国第一汽車集団との合弁メーカーである、一汽豊田が販売する。
水平基調のフロントメッキグリルや横方向に広がるロアグリルによって、ワイドなスタイルを強調。リアデザインは、ベースとなる日本国外仕様のカローラと同様のテールライトデザインである。アルミホイールはスポークタイプを採用し、ミシュラン製パイロットスポーツ4タイヤを標準装備。パワートレインは新開発のTNGA 2.0Lエンジンを搭載し、小型・軽量・低重心で力強いパワーを実現。
スバル「レガシィ(B4)」
2020年7月 日本国内における6代目レガシィB4の販売終了。日本国内向けのレガシィは名実ともに31年の歴史に幕を下ろした。なお、日本国内におけるレガシィB4の代替は既存の「WRX S4」がその役割を担う。
しかし、北米などの地域では7代目のフルモデルチェンジが2019年2月に発表され、20219年秋から販売を開始した。日本を含む北米地域以外の市場では販売されない。
エクステリアはキープコンセプト。スバル共通のデザインフィロソフィー「DYNAMIC×SOLID」を採用。次世代プラットフォーム「Subaru Global Platform(SGP)」を採用した。インテリアには11.6インチのフルHD大画面ディスプレイを搭載したナビゲーションシステムを採用する。スマートフォン感覚で快適に操作できるHMI(Human Machine Interface)を採用。「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応。
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日産「ジューク」
ジューク(JUKE)は、日産自動車が生産・販売するコンパクトクロスオーバーSUV型の普通乗用車である。2019年末に国内では生産終了となり、約9年の歴史に幕を下ろした。
しかし、海外では2代目として欧州モデル「ジューク」のフルモデルチェンジを行い2019年9月3日(現地時間)に正式発表した。2019年11月発売。
2代目となる新型ジュークはエクステリアデザインは先代モデル特徴である象徴的な円形ヘッドランプを継承した、上部には水平ラインのLEDライトから流れる様に大型Vモーショングリルに繋がる。更にCピラーに「フローティングルーフ」デザインを採用。ルノーキャプチャーから採用された新CMF-Bプラットフォームを採用する。CMF(Common Module Family、コモン・モジュール・ファミリー)とは日産自動車とルノーが共同開発した、プラットフォーム基本的に「コックピット」、「エンジン」、「フロントアンダーボディ」、「リヤアンダーボディ」の各モジュールに「電子アーキテクチャー」を加えた5つのモジュールから構成されるのがCMFである。先代モデルで採用していた17インチホイールから、19インチホイールを採用。更にボディサイズを拡大、室内空間も広くなった。
更に先進安全技術「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」をはじめとする 「セーフティシールド360」「プロパイロット」など搭載。インテリアはインパネの上面にソフトパットを使用し高級感を高めた。NissanConnectインフォテインメントシステムは、Apple CarPlay、Android Auto、およびGoogle Assistantと互換性のある8インチタッチスクリーンディスプレイを採用。電動パーキングブレーキ&ホールドを採用。
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日産「シルフィ」
シルフィ(SYLPHY)は、日産自動車が海外市場にて生産・販売するセダン型乗用車である。初代と2代目は日本国内においてはブルーバードシルフィ(BLUEBIRD SYLPHY)の名で生産・販売した。2000年8月30日発売開始。2代目は2005年から2012年まで3代目を2012年10月5日から 2021年10月26日販売終了した。
しかし、海外では日産は2019年4月16日~4月25日に開催される上海モーターショー2019にて新型「シルフィ」を世界初公開した。2012年12月5日から旧型の3代目が販売を日本でスタートしており、丸7年でのフルモデルチェンジとなる。中国合弁会社の東風日産からは「シルフィ」が発売された。
新型シルフィには、最新のVモーションデザイン言語を採用。V字型のグリルと積極的なヘッドライトが組み込まれており、「Nissan Vmotion 2.0 Concept」をベースにしておりフロントの大型のVmotionグリル「Vmotion 2.0」が特徴的である。「セーフティシールド360」採用している。ワイド&ローフォルム へと転換。プラットフォームはエンジニアリングアーキテクチャ「CMF」によって形成された「CMF C/D」を新たに採用。ボディサイズは全長4,641mm、全幅1,815mmm、全高1,450mm、ホイールベース2,712mmとした。8インチインフォテインメントシステムを搭載する。
マイナーチェンジを行い2023年3月(現地時間)に公開した。2021年には e-POWER(ハイブリッド バージョン)が導入された。日産は、米国市場での2024年モデルの更新をセントラの中国版である「シルフィ」のマイナーチェンジを発表。エクステリアの変更と新しいインフォテインメントスクリーンを採用している。インフォテインメントは、そのベースに多数のタッチセンシティブ ショートカットを備えた、より大きな12.3インチの高解像度タッチスクリーンを採用した。エアコンや多機能3本スポーク ステアリングホイールを新たに採用。レベル 2 の自律機能を提供する拡張ADASスイートを採用する。
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ホンダ「CR-V」
CR-V(シーアール-ブイ)は、本田技研工業が生産・販売するミドルサイズのクロスオーバーSUVである。2018年8月30日に5代目を発表。世界の主要市場で唯一系譜が途絶えていた日本においては、2年振りに日本国内市場への復活を果たした。ガソリン車は2018年8月31日発売、ハイブリッド車は2018年11月1日発売。2022年8月日本での生産を終了し、在庫分限りの販売へ移行。2022年12月日本での販売を終了。ZR-Vが後継車種となる。2024年後半に日本モデルの復活を予定している。
ホンダは「CR-V」のフルモデルチェンジを行い6代目を北米にて2022年10月に発売する。6代目となる新型「CR-V」はエクステリアのデザイン変更を行い新型「ヴェゼル」同様コンセントモデル「Honda SUV e:concept」を元にゼロから考え直し、SUVの力強さとクリーンさ活力に満ちた印象を加えるクーペライクなプロポーションとする。ヘッドライトには「LEDシーケンシャルターンランプ(流れるウインカー)」を採用。写真を見てわかる通り、リアは流麗なクーペフォルムとしている。
インテリアパネルは水平・直線基調のデザインとし、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)の考え方に基づく視線移動の軽減や動線に沿った操作類の配置、視界を良くする。「スリーク&ロングキャビン」を採用。
ホンダ インターナビを「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応。ホンダ車専用車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダ コネクト)」を搭載。「Honda Total Care プレミアム(ホンダ トータルケア プレミアム)」をご利用可能。スマートフォンによるリモート操作や、事故などの緊急時にクルマ自体が緊急サポートセンターに繋がり、迅速で的確な対応が可能となるトラブルサポートが可能。「自動地図更新サービス」を搭載。スマートフォンがキーの代わりになる「Hondaデジタルキー」「Honda アプリセンター」車内でデータ通信容量を購入し、インターネットに接続して楽しめる「車内Wi-Fi」を採用。
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→ホンダ 新型 CR-V フルモデルチェンジ 6代目 北米 2022年10月発売
三菱 「グランドランサー」(日本名はギャランフォルティス)
ギャラン フォルティス(GALANT FORTIS)は、三菱自動車工業が生産・販売していた中型セダンである。2007年8月23日日本国内で販売開始。2015年3月販売終了することが決定。日本国内市場におけるギャランの商標は通算46年の歴史に幕を下ろすこととなった。
三菱はランサー(日本名はギャランフォルティス)マイナーチェンジを行い新型グランド ランサーを2017年4月6日に台湾、中国市場向販売を開始する。
2017年モデルの外観は、フロントを中心に大幅に変更を行った。ファミリーフェイスの「Dynamic Shield」(ダイナミックシールド )採用した。クローム仕立てのグリル、バンパー、ヘッドライトが新デザインとなった。また、バンパーのフォグランプ横に「LEDデイタイムランニングライト」が組み込まれた。アルミホイールのデザインも一新 (16インチか18インチ(オプション)がある。)メーターパネル内にカラーLCDディスプレイを装備。10.2インチ全デジタル計器パネル(スマートダッシュボード、オプション)、3スポーク多機能ステアリングホイール、反転カメラ、8インチタッチスクリーン付きインフォテインメントシステム(オプション)センターコンソールも新デザインとなった。更にセンターコンソールにUSBポートが追加された。シートは新しい表皮のシート生地に変更。遮音材を各パーツに配置により静粛性を向上。
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→三菱 新型 ギャラン フォルティス (グランド ランサー)マイナーチェンジ ダイナミックシールド採用 フロントマスク一新 台湾 2017年4月6日発売
ホンダ「シティ」(グレイス)
シティ(CITY、鋒範)は、本田技研工業が生産・販売している小型自動車である。日本国内でのモデル廃止後、1996年には新興国向けのBセグメントクラスに相当する4ドア小型セダンとして車名が復活した(通算3代目)。日本では4代目がフィットアリア、6代目がグレイスとしてそれぞれ導入された。2014年12月1日、グレイスの車名で日本市場において発売開始した。2020年7月10日個人向けモデルが生産終了。2021年7月31日教習車が生産・販売終了。グレイスの商標も消滅。
7代目 シティ(グレイス)を2019年11月、タイ王国で発表。2020年からシンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム市場に順次投入。2023年3月、インドでマイナーチェンジ発表、2023年6月にはタイで発表される。
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ホンダ「エリシオン」
「エリシオン」の日本モデルは2013年10月31日に日本国内での生産、販売が終了。中国など海外ではフルモデルチェンジが行われ販売が継続している。
中国で生産する上級ミニバンを輸入すると2022年12月9日に日刊工業新聞が報じている。ホンダのミニバンは「オデッセイ」と「エリシオン」しかない。更に現在い発売されている中国の2代目「エリシオン」はほぼ日本で発売されていた「オデッセイ」であること、更に2016年1月9日発売開始されており、2023年に中国でフルモデルチェンジを果たし最上級大型ミニバンとなる3代目「エリシオン」を日本モデルとして逆輸入することになるだろう。
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三菱自動車「RVR」
三菱自動車はクロスオーバーSUV「RVR」の生産を2024年4月をめどに終了すると「日本経済新聞」が2024年2月14日に発表した。海外モデルはフルモデルチェンジをし4代目も販売を継続、海外専売車種となる。
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マツダ 「MAZDA6」
マツダは、フラッグシップモデル「MAZDA6」(セダン・ワゴン)国内向けモデルの販売を終了すると2024年1月19日に発表した。国内向けモデルの生産終了時期は、2024年4月中旬を予定。生産台数に達した時点で、受注も終了。
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販売継続の背景
- 市場ニーズ車種の販売継続は、それぞれの市場におけるニーズによって異なります。例えば、北米市場ではセダンやSUVが人気であり、日本市場とは異なる車種構成となっています。
- ブランド戦略トヨタはレクサスブランド、日産はインフィニティブランドとして、海外市場で独自に車種展開しています。これらのブランドは、日本とは異なる顧客層をターゲットとしているため、日本市場では販売されていない車種も存在します。
- 開発コスト近年、自動車開発はコストがかかります。車種を開発する際には、複数の市場で販売することを想定することで、開発コストを回収しやすくなります。
日本の事情
- 市場規模日本の自動車市場は、欧米市場に比べて規模が小さいため、全ての車種を販売続けることは難しい場合があります。
- 環境規制日本の環境規制は厳しいため、海外市場で販売されている車種が日本の規制に適合していない場合があります。
- 販売網海外市場では、日本とは異なる販売網が存在するため、販売継続が難しい場合があります。
まとめ
それぞれの市場におけるニーズや事情によって異なるため日本では販売終了となった車種が、海外では依然として販売されているケースがある。こんなにも世界各地で名車たちの名前が続いて発売されているのはすこし感動できます。世界で頑張ってる姿をみていつか日本に帰ってきてほしいですよね!