ホンダが2023年4月に発売した新型SUV、ZR-V。スタイリッシュなデザインとスポーティな走りを兼ね備えた、まさに都会派SUVと呼ぶにふさわしい一台です。しかし、発売からしばらく経った現在、「ZR-Vは売れていないのでは?」という声も聞こえてきます。
実際のところ、ZR-Vの販売状況はどうなのでしょうか?この記事では、ZR-Vの販売台数と生産台数の推移を詳しく見ていくことで、その真相に迫ります。
ホンダのZR-Vってぶっちゃけ売れてないですよね carview
ホンダのZRVは売れてますか⁇ yahoo知恵袋
発売当初の勢いは?販売台数の推移
ZR-Vは発売当初、多くの注目を集め、好調なスタートを切りました。特に発売月の2023年4月には、月間販売台数ランキングで上位に食い込むなど、その人気ぶりを証明しました。しかし、その後は販売台数が徐々に落ち着きを見せ、ランキングでも順位を下げる結果となっています。
この推移を見ると、ZR-Vは「売れていない」というよりは、「発売当初の勢いが落ち着いてきた」と表現する方が適切かもしれません。
生産台数は?納期への影響は?
ZR-Vの販売台数と合わせて、生産台数の推移も見てみましょう。発売当初は、生産が需要に追いつかず、納期が長期化するケースも見られました。しかし、その後は生産体制が強化され、納期も徐々に短縮されています。
2024年8月現在の納期は、グレードやオプションなどによって異なりますが、おおむね4~6ヶ月程度となっています。これは、ZR-Vの生産台数が安定してきたことを示しています。
2023年 販売台数
2023年年間販売台数はホンダZR-Vは21,116台で、ホンダ中では6番目の販売台数でした。
年月 | 販売台数 |
---|---|
2023年4月 | 451台 |
2023年5月 | 1,567台 |
2023年6月 | 1,823台 |
2023年7月 | 2,364台 |
2023年8月 | 1,623台 |
2023年9月 | 2,416台 |
2023年10月 | 3,652台 |
2023年11月 | 4,117台 |
2023年12月 | 3,103台 |
合計 | 21,116台 |
順位 | 車名 | 販売台数 |
---|---|---|
1位 | N-BOX | 231,385台 |
2位 | フリード | 77,562台 |
3位 | ヴェゼル | 59,187台 |
4位 | フィット | 57,033台 |
5位 | ステップワゴン | 44,157台 |
6位 | ZR-V | 21,168台 |
2024年 販売台数
2024年の前半は2023年の台数を上回る販売となっています。
年月 | 販売台数 |
---|---|
2024年1月 | 3,741台 |
2024年2月 | 2,609台 |
2024年3月 | 4,925台 |
2024年4月 | 3,179台 |
2024年5月 | 3,185台 |
2024年6月 | 4,470台 |
2024年7月 | 4,664台 |
2024年8月 | 3,277台 |
2024年9月 | 3,381台 |
2024年10月 | 2,424台 |
2024年11月 | 2,397台 |
合計 | 38,252台 |
2023年4月に発表した月販目標台数は1,200台となっています。2024年は目標台数を上回る平均約3,800台ほどを生産しています。つまり、予定台数を超える生産・受注台数となっており、ホンダは頑張っている状態です。更に、既に7月の時点で2023年の販売台数を上回る販売実績となっており、右肩上がりで台数が伸びている様子です。
しかし、ライバル車種のSUVと比べると少し販売台数としてはさみしいのも事実です。
他車種の販売状況との比較
SUVではトヨタ ハリアーが75,211台で圧倒的な首位となった。2位はトヨタのライズで64,995台で、3位はホンダのヴェゼルが59,187台となった。そして今回のホンダ ZR-Vは12位となっています。確かに他社が凄い販売台数を出しているだけに今後どれだけ販売台数と順位が上がってくるのかがポイントとなりますね!
【2023年】SUV 年間販売ランキング
順位 | メーカー | 車名 | 販売台数 |
---|---|---|---|
1位 | トヨタ | ハリアー | 75,211台 |
2位 | トヨタ | ライズ | 64,995台 |
3位 | ホンダ | ヴェゼル | 59,187台 |
4位 | トヨタ | ランドクルーザー | 55,263台 |
5位 | トヨタ | RAV4 | 41,018台 |
6位 | トヨタ | カローラクロス | 約38,717台 |
7位 | 日産 | エクストレイル | 27,129台 |
8位 | スズキ | ジムニー | 26,388台 |
9位 | マツダ | CX-5 | 25,714台 |
10位 | マツダ | CX-60 | 23,941台 |
11位 | スバル | フォレスター | 22,141台 |
12位 | ホンダ | ZR-V | 21,168台 |
13位 | マツダ | CX-30 | 18,016台 |
14位 | マツダ | CX-8 | 17,181台 |
15位 | 日産 | キックス | 15,778台 |
16位 | ダイハツ | ロッキー | 15,252台 |
17位 | 三菱 | アウトランダー | 13,395台 |
18位 | スズキ | クロスビー | 13,356台 |
19位 | レクサス | UX | 10,172台 |
20位 | レクサス | RX | 9,260台 |
※最新自動車情報 調べ
ZR-Vの販売伸び悩む 考えられる理由
ZR-Vの販売台数が伸び悩んでいる背景には、いくつかの要因が考えられます。
- 価格設定:ZR-Vの価格帯は、競合車種と比較してやや高めに設定されています。特に、人気の高いe:HEVモデルは、手が届きにくいと感じる消費者もいるかもしれません。
- 競合車の存在:SUV市場は競争が激化しており、同クラスでは、トヨタ ヤリスクロス・カローラクロスや日産 キックス、三菱自動車 アウトランダーなど、魅力的な競合車種が多数存在します。ZR-Vは、これらの車種との差別化を図る必要があります。
- 認知度の低さ:ZR-Vは、発売からまだ日が浅く、認知度が低い可能性があります。積極的なプロモーション活動を通じて、より多くの消費者にZR-Vの魅力を伝える必要があります。
- デザインの好み:ZR-Vのデザインは、スポーティでスタイリッシュですが、万人受けするとは限りません。好みが分かれるデザインであることも、販売台数に影響しているかもしれません。
ZR-Vの全体的な仕様と特徴 おすすめな点
ホンダ ZR-Vは、2023年4月に発売されたばかりの新型SUVです。都会的で洗練されたデザインと、スポーティな走行性能を兼ね備えているのが特徴です。ZR-Vは、都会的で洗練されたSUVを求めるユーザーにとって、魅力的な選択肢となるでしょう。スポーティな走りを楽しみたい方、快適な乗り心地を求める方、先進の安全技術を求める方など、幅広いニーズに応えられる一台です。
ZR-Vは、スポーティな走りと優れた燃費性能を両立したSUVです。高レスポンスで軽快な走りを提供する1.5Lターボエンジンと、「シビック e:HEV」で新開発した2.0L直噴エンジンと2モーター内蔵電気式CVTのハイブリッドシステムの2種類のパワートレインが用意されており、FFと4WDを選択できます。
スペック | 新型ZR-V e:HEV | 新型ZR-V Z |
---|---|---|
全長 | 4,570mm | 4,570mm |
全幅 | 1,840mm | 1,840mm |
全高 | 1,620mm | 1,620mm |
ホイールベース | 2,680mm | 2,680mm |
エンジン | 2.0L 直4 DOHC i-VTEC +モーター(i-MMD)e:HEV | 1.5L 直噴 VTEC TURBOエンジン |
最高出力 | 104kW(141ps)/ 6,200rpm | 131kW(178ps)/ 6,000rpm |
最大トルク | 182Nm(18.6kgm)/ 4,500rpm | 240Nm(24.5kgm)/ 1,700-4,500rpm |
モーター最高出力 | 135kW(184PS)/ 5,000-6,000rpm | - |
モーター最大トルク | 315Nm(32.1kgf・m)/ 0-2000rpm | - |
トランス ミッション | 電気式 無段変速機 | CVT+ パドルシフト |
駆動 方式 | 2WD(FF)/ リアルタイムAWD | 2WD(FF)/ リアルタイムAWD |
乗車定員 | 5名 | 5名 |
WLTCモード 燃費 | 22.0km/L~22.1km/L(2WD) 21.5km/L~21.7km/L(4WD) | 14.5km/L~14.6km/L(2WD) 13.9km/L(4WD) |
ZR-V主な特徴
スタイリッシュなデザイン: クーペのような流麗なルーフラインと、力強いフロントマスクが印象的なエクステリア。インテリアも上質な素材と洗練されたデザインで、快適な空間を提供します。
スポーティな走り: 1.5L VTEC TURBOエンジンと2.0L e:HEV(ハイブリッド)の2種類のパワートレインを用意。どちらも力強い加速と優れた燃費性能を実現しています。
快適な乗り心地: 緻密にチューニングされたサスペンションと、遮音性の高いボディにより、快適な乗り心地を提供します。
先進の安全技術: 最新のHonda SENSINGを搭載し、衝突軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなど、充実した安全機能を備えています。また、スマートフォンとの連携機能やコネクテッドサービスなど、快適性と利便性を向上させる様々な機能が搭載されています。
国土交通省と(独)自動車事故対策機構(NASVA)は、ホンダの新型「ZR-V」の自動車安全性能に関する評価結果を2024年5月10日に発表し、最高評価である「ファイブスター賞」を獲得したことを発表しました。
実用的なユーティリティ: 広々とした室内空間と、多彩なシートアレンジにより、様々なシーンに対応できます。
ZR-Vが抱える課題とは?
ZR-Vの販売台数が落ち着いてきた背景には、いくつかの課題も考えられます。
まず、価格設定が挙げられます。ZR-Vは、競合車種と比較してやや高めの価格設定となっています。この価格が、一部の消費者の購入意欲を削いでいる可能性があります。
次に、競合車の存在です。ZR-Vが属するSUV市場は、非常に競争が激しい市場です。トヨタ RAV4や日産 エクストレイルなど、人気車種がひしめき合っています。これらの競合車種との競争に苦戦している面もあるでしょう。
ZR-Vの今後の展望は?
ZR-Vは、魅力的なデザインとスポーティな走りを兼ね備えた、非常に完成度の高いSUVです。価格設定や競合車の存在など、いくつかの課題はありますが、今後の販売戦略次第では、さらなる販売台数の増加も期待できます。
例えば、特別仕様車や限定車の投入、販売キャンペーンの実施など、積極的なプロモーション活動が有効でしょう。また、価格の見直しや、新たなグレードの追加なども検討すべきかもしれません。
編集部から一言
ZR-Vの販売台数と生産台数の推移を詳しく見てきましたが、「ZR-Vは売れていない」という声は、必ずしも正確ではないことが分かりました。発売当初の勢いは落ち着いてきましたが、生産体制は安定しており、納期も徐々に短縮されています。
今後の販売戦略次第では、ZR-Vの販売台数はさらに伸びる可能性を秘めています。ホンダには、ZR-Vの魅力を最大限に引き出すような施策を期待したいところです。
この記事が、ZR-Vの購入を検討している方にとって、少しでも参考になれば幸いです。