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いい車なのになぜ売れない? トヨタ アクア フルモデルチェンジ 後の販売台数低迷のわけ

aqua

先代の「アクア」は2011年12月26日に正式発表し発売が開始された日本の人気車種である。トヨタの中でも特に販売力の高い商品で長い間、販売台数の上位にいた車種である。約10年のタイミングでフルモデルチェンジを果たし2021年7月19日発売した2代目「アクア」は以前と比べ販売台数が大幅に低迷している。筆者として落ちている原因について考えてみた。

目次

先代の「アクア」がなぜ人気だったのか?

先代「アクア」は2018年までは圧倒的な人気で販売台数は首位をいつもキープしていた。2018年上半期(6ヶ月)販売台数11,638台で首位。これにはアクアが魅力的に思える他の商品とのバランスが深く関係していると考えられる。

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当時はハイブリッド車のコンパクトカーが少なく、燃費もプリウスについで2番目にいいJC08モード燃費38.0km/L(当時ヴィッツからもハイブリッド車が出ていたがJC08モード燃費34.4km/L)と差があった。更に誰からも愛されるデザインであり、プリウスをコンパクトカーにしたような先進性が当時はあった。

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しかし、2020年2月10日に発売しヴィッツの後継車種として発売した「ヤリス」は最新の「TNGAプラットフォーム」とハイブリッドシステムは新世代「直列3気筒 1.5L 直噴 ダイナミックフォースエンジン M15A型」に新しい小型化されたTHSⅡを採用。WLTCモード燃費36.0km/Lとプリウスを大きく超える低燃費車種となった。全く新しいモデルと発売したことで「アクア」と入れ替わる形で首位を現在もキープしつづけている。

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「ヤリス」発売から1年半後に「アクア」もフルモデルチェンジを果たし、プラットフォームやエンジンなどを「ヤリス」と同様に一新。しかし、2022年現在の販売台数は伸び悩み、「ヤリス」の半分以下と言ったところだろう。WLTCモード燃費は「ヤリス」に軍配があることや差別化できるポイントが少ないのか?

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2022年 乗用車ランキング

乗用車ではトヨタ ヤリスが168,557台で初の首位となった。2位はトヨタでカローラ131,548台で、3位は日産でノートが110,113台となった。

順位メーカー車名販売台数
1位トヨタヤリス168,557台
2位トヨタカローラ131,548台
3位日産ノート110,113台
4位トヨタルーミー109,236台
5位トヨタライズ83,620台
6位ホンダフリード79,525台
7位トヨタアクア72,084台
8位トヨタシエンタ68,922台
9位ホンダフィット60,271台
10位トヨタアルファード60,225台
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2022年 販売台数

2022年の年間販売台数はトヨタ アクアが72,084で7位となりました。

年月販売台数
2022年1月9,857台
2022年2月6,317台
2022年3月8,175台
2022年4月2,693台
2022年5月3,288台
2022年6月3,813台
2022年7月5,168台
2022年8月4,456台
2022年9月6,732台
2022年10月7,007台
2022年11月8,808台
2022年12月5,770台
合計72,084
トヨタ アクア 登録台数 出典:日本自動車販売協会連合会

2023年 販売台数

2023年年間の販売台数はトヨタ アクアが80,268台で首位となりました。

年月販売台数
2023年1月7,130台
2023年2月8,191台
2023年3月10,945台
2023年4月5,570台
2023年5月6,292台
2023年6月8,330台
2023年7月6,571台
2023年8月4,567台
2023年9月6,008台
2023年10月5,252台
2023年11月6,527台
2023年12月4,885台
合計80,268
トヨタ アクア 登録台数 出典:日本自動車販売協会連合会
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新型 アクア 残念だと思ってしまう点

電動パーキングブレーキ&ホールドが採用されていない

今回の新型アクアで一番残念なのが「電動パーキングブレーキ&ホールド」(パーキングブレーキを自動、停止時に自動でブレーキが動作、アクセルを踏めば自動で解除)が不採用であることです。数多くの先進技術を採用しながらなぜこの機能だけ省いたのか少し理解に苦しみます。現代の車では欠かせない機能だと思いますし、一度使うとない車に乗るのは嫌だなと感じるぐらいです。

ブラインドスポットモニターが全グレードオプション (Bグレードは選択不可)

ヤリス同様ではあるがブラインドスポットモニターが全グレードオプション扱い。後から付けられないので新車購入時に付けておかないと悔しい思いをする可能性があるので購入時は注意してください。

最小回転半径が5.1M

先代モデルの「アクア」は最小回転半径が4.8Mだったが新型「アクア」になり5.1Mとなったことでじゃっかん取り回しがしずらくなった。

シフトレバーは電子シフト (ジョイスティック式)操作性はいいか悪いか?!

先代モデルの「アクア」はシフトレバーがフロアシフト式であったが、新型「アクア」からはインパネに埋め込まれたプリウスに採用される電子シフト(ジョイスティック式)となった。未来感とインパネに埋め込まれたことで下のスペースが広がったので広く感じられるが、その反面、今まで車を乗り続けてきた50代以降の年配の人からすると操作性に違和感を感じてしまい誤動作をしてしまったりする可能性も0ではないと感じます。実際に体験してから判断してから購入を検討された方がいいかと思います。

新型アクアと新型ヤリスの比較について

新型アクアと新型ヤリスはサイズとしてはほぼ変化はなし。ヤリスとなりホイールベースは50mm延長し15mm 低重心化により室内空間をアップや乗り心地の向上。新型アクアもボディサイズはそのままにホイールベースを従来型に対し50mm延長。

スペック新型アクア新型ヤリス
全長4,050mm3,940mm
全幅1,695mm1,695mm
全高1,485mm(2WD)
1,505mm(4WD)
1,500mm(2WD)
1,515mm(4WD)
ホイールベース2,600mm2,550mm

更にボディにプレスラインがより細かく入っており躍動感と高級感を新型アクアで感じられる。インテリアは「アクア」に比べ「ヤリス」の方が質感や高級感をアップ。「ソフトインパネ」、「本革巻きステアリングホイール」、「ヘッドアップディスプレイ」などを上級グレードには採用される。

個人的には圧倒的に「アクア」の内装が好きです。

新型アクア エクステリア

新型ヤリス エクステリア

新型アクア インテリア

新型ヤリス インテリア

ヤリスはサイドブレーキがあるが、アクアはサイドブレーキをなくし、フットブレーキとなっているがサイドブレーキを無くしているので「電動パーキングブレーキ&ホールド」採用でいいのではと思ってしまいます。

ハイブリッド エンジン比較

スペック新型アクア新型ヤリス
エンジン1.5L 直3 +DOHC モーター
M15A-FXE型
1.5L 直3 +DOHC モーター
M15A-FXE型
最高出力67kW(91PS)/
5500rpm
67kW(91PS)/
5500rpm
最大トルク120Nm(12.2kgfm)/
3800-4800rpm
120Nm(12.2kgfm)/
3800-4800rpm
モーター
最高出力
フロント:59kW(80PS)
リヤ:3.9kW(5.3PS)
フロント:59kW(80PS)
リヤ:3.9kW(5.3PS)
モーター 最大トルクフロント:141Nm(14.4kgm)
リア:52Nm(5.3kgm)
フロント:141Nm(14.4kgm)
リア:52Nm(5.3kgm)
トランス ミッション電気式 無段階変速機電気式 無段階変速機
駆動方式2WD(FF)/4WD2WD(FF)/4WD
WLCTモード燃費35.8~32.0km/L(2WD)
30.1~30.0km/L(4WD)
36.0~35.4km/L(2WD)
30.2km/L(4WD)

安全装備 比較

システム新型アクア新型ヤリス
システム次世代
Toyota Safety Sense
次世代Toyota Safety Sense
方式単眼カメラ+ レーザーレーダー単眼カメラ+ ミリ波レーダー
オートマチック ハイビーム
衝突回避支援型
プリクラッシュ
セーフティ
◯ 昼・夜間歩行者 自転車◯ 昼・夜間歩行者 自転車
レーントレーシング
アシスト
レーン ディパーチャー
アラート
◯ ステアリング制御
白線/黄線 検出
道路端 検出 ふらつき警報
◯ ステアリング制御
白線/黄線 検出
道路端 検出 ふらつき警報
ロードサインアシスト
レーダークルーズ コントロール
先行車発進告知
インテリジェント
クリアランスソナー
ブラインド
スポットモニター
リヤクロストラフィック
オートブレーキ
Advanced Park
イージーリターンシート
ターンチルトシート
電動パーキングブレーキ&
ホールド

先進性や装備充実によるヤリスとの差別化が課題

色々な部分で比較をすると当然、同様の、プラットフォーム、エンジンを共有していることもありほぼ差がない。しかし、エクステリア、インテリアともにヤリスよりも質感を高くしている「アクア」。少し差別化を図り切れていない感じがしてしまう。コンパクトカーの上級モデルという位置づけで「ヤリス」とは大幅に先進装備を追加する、インテリアの質感や装備を更に高めるなどをして差別化を図ることで「アクア」の存在価値が上がると筆者は考えある。先代も現行も「アクア」が好きだと思っているので是非販売を続けてもらいたいと考えています。

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ヤリス

https://toyota.jp/yaris/

アクア

https://toyota.jp/aqua/

トヨタ

https://toyota.jp/

aqua

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この記事を書いた人

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